サクラマスフィッシングパーク


フィッシングパークにホタルが乱舞 6月17日〜7月7日頃まで


釣り堀周辺では、6月下旬から7月上旬にかけてホタルが乱舞はじめます。平成15年くらいからの現象です。それ以前は春3月、やまめ漁の解禁に合わせて釣り堀にやまめを放流して営業をはじめ、秋10月、山女魚の禁漁期となることから魚を取り上げて池干し営業を終了していました。ところが、秋10月、釣り堀に残ったやまめが産卵するので放置していたところ川に天然山女魚が増えたという声が聞こえるようになりました。コンクリートを使わず自然のままの素掘りの池に川の水を大量に引き込んでいますので川の自然と同じ環境が釣り堀にできていました。そこで産卵したやまめの卵が孵化して、池の中で成長し、春になると稚魚が川に流れ出るので天然山女魚が増えたということになったのです。


爾来、秋に池揚げせずにそのまま残った魚も放置することにしました。すると、池底には流れ込んだ落ち葉が堆積し、魚の糞などと併せてカワニナの繁殖に恰好な餌場が池中に広がりました。カワニナが池中に安定して繁殖すると、カワニナを餌とするホタルが繁殖をはじめます。通常自然環境でもそのような関係にあるはずですが、近年の川の自然環境はひどく悪化してきました。農薬は、近年ずいぶん控えられるようになりましたが、集中豪雨が多くなり、河川が氾濫してホタルの幼虫なども流され、泥の川になることもたびたび起こるのでホタルが繁殖することはありません。かろうじて種が保存できる程度だと思います。ところが、釣り堀の場合は、年間通して水量を調整しているのでカワニナと共にホタルの幼虫も濁流で流されることはありません。


このようなことから、ホタルの異常繁殖が始まったと思われます。今では隠れたホタルの名所になり、釣り掘りのほとりでは野外でホタルの宴が開かれるなど賑わうようになりました。
ところが、困ったことが起こりました。ウナギが集まってくるのです。下流側からもウナギは上ってきますし、上流側は滝となっているので逃げる網などの工作物はありません。降りてきたウナギは、活魚の生餌が豊富にあり、落ち葉の堆積がふかふかとしているのでウナギのねぐらは完璧です。一度釣り堀に入ったら出て行こうとしません。巨大なウナギに育ってますますやまめを捕食するのです。


以前、秋に池干しする頃は、実はこのウナギが楽しみでした。大ウナギのかば焼きを食べきれないほどみんなで食べたものです。でも、いつかは退治しなければやまめが食べられています。サクラマスだと大きいのでさすがにウナギも食べることができないかもしれませんが・・・。
話変わって、釣り堀のホタルは、6月下旬までは、発光器が二本の雄のホタルばっかりです。7月に入ってホタルのシーズンが終わり近くになり、ようやく発光器が一本の雌が姿を見せるようになります。それまで雄同士のランデブーが続きます。雌は体も大きいですが、光の強さが雄に比べて明るいです。なぜ最初、前半では雌がでないのでしょうか。そういえば、山女魚も最初は雄ばかりが成熟し、噛み合ってケンカし、弱い雄が死んで強い雄ばかりが生き残ったころ雌が成熟します。ホタルはどのような競争があるのでしょうか。強い遺伝子を残す仕組みがあるのかもしれません。

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