MRT 生スタ ふるさと情報ホットライン
01.08.27(月)

おはようございます。今日は「ひとあし早い里の秋」と題してやまめの里の自然情報をお伝えします。こちらでは朝方の気温が17、18度を下廻るようになり、朝夕は涼しさを通り越して肌寒くなりました。吹き抜ける風はまさに秋風です。そこで「秋」を探しに森の中へへ出かけてみました。

これは、スキー場のある五ケ瀬ハイランドの駐車場から鞍岡を見下ろした画ですが、もうすっかり秋の風情が漂っています。木立の中では、秋を告げる蝉「ツクツクボウシ」が盛んに鳴いていました。

 路傍には、ススキの穂が伸びて風に揺れて光っていました。例年お盆を過ぎるころからススキが出はじめます。

萩の花も今が満開です。

谷川に入ってアケビ蔓が絡まった木を見上げると蔓のあちこちにアケビが実ってぶら下がっていました。もう少しして皮が灰白色になるとわらって果肉が見えるようになります。開くことをアケビの場合「わらう」といいますね。種が多いですが、とても甘いので子供の頃は種ごと飲み込んで食べていました。

谷川から少し土手に上がったところで珍しい植物を発見しました。ツチアケビです。土通草と書きます。この色や姿はちょっと不気味ですが葉緑素を持たない植物で、秋になるとこのようにアケビに似た実をつけることからつけられた名前です。ラン科でナラタケ菌と共生して生きているそうです。乾燥した果実は生薬になり、強壮、強精、利尿に効果があるとされています。

アケビとともに谷川でよく見かけるのがマタタビです。この日もアケビの近くにマタタビが実っていました。当地では、この実をホワイトリカーに漬け込み、滋養強壮の家庭薬として古くから珍重されています。 疲れ果てた旅人が、この実を食べたら元気がでて再び旅を続けたということからマタタビと呼ばれるようになったそうです。猫にマタタビとも言われます。猫に与えると転げまわって猫が喜ぶといわれていますが、まだ試したことがありません。

美しい品のある実をたくさん付けているのは、エゴの木です。当地ではコヤスと呼びますが、昔はこの実を砕いて石鹸代わりに利用していたそうです。皮にはエゴサポニンという物質が含まれていて、食べるととてもエグイことからエゴの木とよばれるようになったそうです。この毒を利用して、魚取りに使ったとも言われています。

オニグルミも実っていました。果肉を取り去った種はとても固いですが、かなづちなどで種を割ると中からクルミの実が出てきます。市販されているクルミとは品種が異なりますが、味はほとんど変わりません。谷間に自生しています。

天然の栗も実を付けていました。自然界では戦後クリタマバチと呼ぶ昆虫が外国から入ってクリの木の梢の先端に卵を産み付けた為ほとんど天然ものは枯れてしまいましたが、近年その生き残りの種が抵抗力をつけてきて少しづつ復活しています。実は小さいですが、甘味がとても強くて美味です。当地では天然の栗のことをシバグリと呼んでいます。昔は、この栗を拾って保存していました。森の暮らしにとって欠かせない貴重な食料だったのです。その栗が年々復活してくれてとてもうれしいですね。


このように、五ケ瀬の自然はもうすっかり秋色です。秋、本番「紅葉の季節」ももうすぐです。以上、五ケ瀬からは秋の便りをお届けしました。