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11月20日(月)「やまめの里の紅葉便り」

 おはようございます。今日の五ケ瀬は雨が降っています。
標高700mのここ、やまめの里付近では、今紅葉の最盛期を迎えました。今年の紅葉は、例年より2週間ほど遅れて今ようやく見ごろとなりました。

 今年は、もしかして10年に一度というような紅葉が現われるのではないかと期待していたのですが、冷えこみが弱く季節が大幅に遅れてしまいました。このため10年に一度あるかないかというようなところまではいきませんでしたが、それでも山々が赤やオレンジ、黄色などに染まりとても美しく、思わず見とれてしまうほどです。
 今年の紅葉が遅れたのは、10月から11月にかけての冷えこみが足りなかったためです。毎日気温を調べながら観察しているのですが、紅葉は朝の最低気温が10℃以下になると色づき始め、5℃以下に下がると非常にあざやかな紅葉が出現します。比較的高い気温で出現する紅葉は、黄色を基調とした色合いとなり、0℃に近い非常に低い温度で色づきますと赤は真紅の赤となり、黄色は、真黄色となりとても鮮やかです。
 10年に一度あるかないかといわれるようなあざやかな紅葉の出現条件としては、
先ず、第一に台風による被害がないことです。木の葉が風になぶられて傷んでいれば決して美しい紅葉にはなりません。今年は台風に襲われませんでしたので期待がもたれていました。

 次に、ほどほどの雨があることです。雨量が少なくて乾燥状態が続いていれば紅葉は、くすんだ色になります。その点今年は、まとまった雨量こそありませんでしたが、結構ぐずついた天気が多く湿度の高い状態が続いていました。
 
それから冷えこみが少し遅れて一気に冷えこむことです。少し冷えこみが遅れればよいというのは、落葉紅葉樹林の紅葉は概ね3段階に分かれて出現するからです。まず、コミネカエデやシラキなどの真っ赤な紅葉がグリーンの中にぽつんぽつんと色づき、やがてその葉っぱが落ちる頃ブナやシロモジ、ミズナラ、ドウダンツツジなどの黄色を基調とした紅葉が出現します。その後それらの紅葉した葉っぱが落ちてから、コハウチワカエデなどの遅い真紅の紅葉が出現します。少し冷えこみが遅れて一気に気温が下がれば、これらの紅葉が一度に紅葉するからすばらしいのです。
今年は、10年に一度の条件が揃いつつあり期待していたのですが、10月下旬から11月上旬にかけての最低気温は10℃以上が続き、冷えこみが少しではなく大幅に遅れました。このためあざやかさにはちょっと欠ける紅葉となりました。それでも部分的にはとてもすばらしい紅葉が見られます。

 現在は、標高700m付近が見ごろですが、これから、約2週間ほどかかって毎日そのポイントが移動しながら高千穂の方へ少しづつ紅葉前線が降りていきます。ここのところ冷えこみが厳しくなってきたので部分的にはすばらしい紅葉の出現が期待できます。今日のような小雨の後に冷えこんできた時がチャンスです。とてもすばらしい紅葉が現われます。

「霧立越情報」 霧立越は、一昨日の土曜日に歩いてきました。写真のように標高の高い霧立越の紅葉はすでに終わり、ブナ林の自然はもうすっかり冬支度です。シャクナゲやシロモジ、ミツバツツジなどはすでに蕾をつくって冬に備えています。今の季節、落ち葉を踏みしめて歩くのもまたいいものです。

 葉っぱを落して裸になった森では、今まで見えなかった山々が見通せるようになりました。雲仙や霧島、九重など九州の主な山並みが突然目の前に姿を見せたりします。

 霜柱が立っていました。美しい樹氷の世界ももうすぐです。五ケ瀬ハイランドスキー場も12日後にオープンします。霧立越はこれから一気に白銀の世界の冬へ突入するでしょう。

 以上、やまめの里からの紅葉だよりでした。