イワタケは、イワナバともいわれて古来から不老不死の食物として珍重されています。岩茸と書きますが茸類ではなくて地衣類です。形状はやや円形で縁は欠けながら成長します。表面は平滑で黄土色、裏面は黒くギザギザして棘状に立っています。裏面の中央部に臍状の突起があり、この部分が岩盤に取り付いています。脊梁山地では、主にチャートの岩山の南側絶壁に着生します。地衣類は、菌類と藻類の共生体で、年間に数ミリしか成長しないので食用となるまで数十年の歳月を要します。地衣類には抗がん作用があるという報告もありますが、医薬用としてはまだ研究がなされていないということです。大気汚染に弱く生息環境がしだいに悪化しています。