かわら版 『風』 第32号

 2003年11〜12月号 

 発行者  秋本 治 五ケ瀬町鞍岡4615  電話0982-83-2326











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も く じ
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11月臨時議会
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 人事院勧告に伴う報酬の改定等により、賞与の算定前に条例改正の必要があるとして臨時議会が招集されました。
以下日程順に掲載します。

■11月28日(1日限り)
T.議員控室で全員協議会。9:30〜
 議運委員長より議運結果の報告。
・本日の臨時議会は1日限り。
・会議録署名議員は、5番橋本進、6番甲斐啓裕議員。
・案件毎に審議採決する。
・事前に執行部より説明あり。
・午後、商工会館で日之影町議会議員と合併問題について意見交換会がある。
・情報公開条例の案ができたので説明がある。来年3月議会上程予定。
 ついで、税務課長、総務課長からの説明。
・8月8日に人事院勧告があり、16年4月以降の報酬について条例を変更しなければならない。その内1部は、本年4月にさかのぼって減額されるので賞与で調整しなければならない。税条例の一部改正もある。

U.本会議開会 10:05〜
日程第1 会議録の署名議員は、5番橋本進議員、6番甲斐啓裕議員とする。
日程第2 会期は、本日1日限りとする。
日程第3 報告第11号、専決処分。
 町長説明 税条例の一部改正、軽自動車税の様式変更。採決、可決。
日程第4 報告第12号、専決処分。
 町長説明 補正予算7,182千円追加 選挙費用県委託金。採決、可決。
日程5〜8 条例改正。
 町長説明 人事院勧告に伴う条例改正。
質疑
秋本 人事院勧告による給与の減額は、本町の職員で一年間に総額いくらになるか。
総務課長 年間おおよそ16,000千円の減となる。
採決、可決。
10:25閉会

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12月議会
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 五ケ瀬町の平成15年12月議会は、12月8日から19日まで開催されました。
以下日程順に掲載します。

■12月8日(第1日目)
T.議員控室で全員協議会。9:30〜
 議運委員長より議運結果の報告。
・日程については本日より19日までとする。
・会議録署名議員は、7番白滝議員、8番甲斐学議員とする。
・本日は、提案理由の説明のみに留める。
・12日は、委員会を開催する。
・15日は、一般質問と補正予算の審議採決を行なう。
・19日は、条例の一部改正3件と五ケ瀬町営土地改良事業の施行について審議・採決する。
・本会期中に法定合併協議会設置の案件が途中で上程された場合は、賛成・反対の討論を行なう。

U.本会議開会 10:00〜
日程第1
 会議録の署名議員は、7番白滝増男議員、8番甲斐学議員とする。
日程第2
 会期は、本日8日から19日までの12日間とする。
日程第3〜5
議案52号から54号までは一括議題とする。
町長の提案理由の説明。
・議案第52号、特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正について
(国の公選法改正を受けて改正するもの)
・議案53号、公の施設に関する条例の一部改正について
(歯科診療所の番地変更)
・議案第54号、五ケ瀬町簡易水道給水条例の一部改正について
(水道法改正による管理者の設定)
日程第6〜11
議案55号から同60号までは、一括議題とする
・議案55号、平成15年度五ケ瀬町一般会計補正予算について
・議案第56号、平成15年度五ケ瀬町国民健康保険特別会計補正予算について。
・議案第57号、平成15年度五ケ瀬町老人保険特別会計補正予算について。
・議案第58号、平成15年度五ケ瀬町簡易水道事業特別会計補正予算について。
・議案第59号、平成15年度五ケ瀬町国民健康保険病院事業会計補正予算について。
・議案第60号、平成154年度五ケ瀬町介護保険特別会計補正予算について。
日程12
議案第61号、五ケ瀬町営土地改良事業の施行について。
(三ヶ所 牧地区)
以上、本日は提案理由の説明だけとする。
以上で散会。
 本会議終了後、全員協議会開会
町立病院について事務長からの説明。
質問 補正の額が大き過ぎる。
答弁 交付税の決定によって補正を組むことにしている。

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■12月12日特別委員会
議員控室で全員協議会。9:00〜
・合併問題について町長の説明と質疑応答。
・情報公開条例制定について総務課長より条例案の説明と質疑応答。

昼食

13:15〜
・神話街道祇園山展望所計画案について企画商工課長説明質疑応答。
14:25〜
■ワイナリー関係の特別委員会開会
・本年度、ツバイ種1.02haとセイベル種0.5haが不作。湿度が高いのが原因と思われる。
・80万円ほど苗木の助成をして樹種転換を図りたい。
・単価は、ブラックオリンピアが450円、その他は500円で買取ってもらった。
・次期対策については、計画策定のためのコンサルタントが決定した。委託期間は、16年3月まで。
酒造免許申請(内免許)は、9月29日に提出した。
・国税局の条件が厳しい場合、委員長と協議、議会とも意見交換を行ないたい。

続いて全員協議会開催
・市町村合併問題は、特別委員会を設置することに合意。19日最終議会で、議長発議により上程する。

■12月15日本会議(第2日目)
T.議員控室で全員協議会。9:30〜
議運委員長より議運結果の報告。
・陳情案件は委員会送付とする。
・質問6人
・日程3〜8の補正予算は本日1括上程審議採決を行なう。
・本日は、学びの森学校の6年生1クラス全員が議会傍聴をする。

U.本会議開会 10:00〜
開議
日程第1 諸般の報告
・宮崎県社会保障推進協議会の年金制度の確立を求める陳情他は担当委員会に送付する。
日程第2 一般質問
質問者
@.橋本進
・消防団員の確保を住民全員のこととして取り組め。
A.坂本亀十
・三町合併にかかわる法定協議会について
B.興梠春男
・合併問題の今後
C.秋本 治
・町村合併について
・鞍岡支所について
・新年度の予算編成について
・議会答弁について
D.白滝増男
・来年度の予算編成について
・市町村合併について
・町職員の採用について
E.岡本康定
・ゴミの不法投棄について
・合併問題について
日程第3〜第8
議案第55号から議案第60号まで一括審議採決、全員起立で可決。
13:50散会

■12月19日本会議(最終日)
T.議員控室で全員協議会。14:45〜
 議運委員長より議運結果の報告。
・議長発議により、市町村合併調査検討特別委員会設置の提案を行う。委員長は、甲斐啓裕、副委員長は秋本 治とし、議長を除く全員で委員を構成する。
・本会議閉会後、「鼓」で忘年会を開催する。

U.本会議開会 15:00〜
開議
日程第1 議案第52号審議採決全員起立可決
日程第2 議案第53号審議採決全員起立可決
日程第3 議案第54号審議採決全員起立可決
日程第4 議案第61号審議採決全員起立可決
日程第5 議長発議
・市町村合併調査・検討特別委員会の設置について審議採決全員起立可決
日程第6 議長発議案4号
・安心できる年金制度の確立を求める意見書の提出について 委員長報告、採決可決
追加日程第1 議長発議案5号
・高速道路の整備促進を求める意見書提出について 委員長報告、採決可決

 町長お礼の挨拶
閉会

※以下筆者の一般質問会議録を掲載します。
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議長 次に2番、秋本 治君ご登壇願います。

秋本 2番、秋本 治でございます。通告に従い一般質問を行ないます。

(町村合併について)
先ず、町村合併についてでございます。地方制度調査会の最終答申が11月13日に出されました。これに基づいて新年度になりましたら国会でもって(法案化されて)成立するという運びになるわけでございます。
 住民に対しての説明会も西臼杵3町による任意合併協議会の資料を元に町内各区を回られまして12月4日で終ったわけでございます。
 このようなことから、国の具体的な方針、近隣町村や全国町村長会等の動き、或いは住民への説明会で出された意見等を踏まえて、大方の考え方というのも町長の方で集約されてきたのではないかなあというふうに思っているところでございます。
 先ほどから、坂本議員、興梠議員の質問に対して、特に法定協議会に移行されるかどうかということの質問について、拙速にやるべきではないというようなご答弁でございましたが、全く私も町長の答弁に賛同するものでございます。
 町村合併というのは、合併することによって、合併しなければできないような目標があるのか、課題があるのか、そういったものが明確にあるかないかということがひとつの大きなポイントじゃないのかと僕は思っておりまして、するか、しないかの議論の前にもう少し、そういったことを議論(検証)するということが非常に大事であろうというふうに思います。
 それからもうひとつ、一番問題点として捉えられているのが、財政的に自立できるかどうかということで、これから交付金が三割程度削減されてきた時にどうなるのかという不安があるわけでございますけれども、大部分は、門外漢でございまして、財政に精通している専門の方というのは、もう何人かしか役場の中にもいらっしゃらないと思うんです。
 そういう自立できるかどうかということを先ず、きちんと示されるべきだと。そういうことが大事だと思います。
 先ほど答弁されたことは、大賛成でございますが、今お話しましたようなことについてお考えをお伺いしたいと思っております。

(鞍岡支所について)
 次に、鞍岡支所の問題についてでございますが、鞍岡支所は、昭和31年に三ヶ所村と合併して五ケ瀬町が、対等合併という形で合併した時に、支所として機能を分担して行うというふうにして残されたわけでございます。
 去る9月議会の全員協議会で「鞍岡支所の問題を考える懇談会を設置したい。」というような説明がなされました。その後、懇談会が開催されたということでございますが、懇談会の席ではどのような説明がなされ、また、委員からはどのような意見が出されたのかご説明願いたいと思います。
 そして、鞍岡支所のあり方について町長の今後の取組みの考え方ですね。これをひとつお伺いたいと存じます。

(新年度予算編成について)
 3番目でございますけれども、新年度の予算編成についてでございます。
 今後、町財政を取り巻く環境は更に厳しくなるものと思われます。こうした中で住民サービスや産業の振興、文化資源の保存活用等、効果的な事業を行なうには、地域づくりの明確な哲学と事業毎のはっきりとした目標・成果・指標を予算編成に明示すべきだと思います。
 新年度の予算編成に当り、その予算案とともに事業毎の目標・成果・指標を議会にも提示できるような取り組みをされるのか町長の考え方を伺いたいと思います。

(議会答弁について)
 最後に、議会答弁についてと項目をあげておりますけれども、議会答弁とどうも異なるんじゃないかと思われることとか、実行されていないんじゃないかと思われることがございます。
 議会答弁について町長の見解を伺いたいというふうに存じます。以上、よろしくお願いします。

町長 議長。

議長 はい、町長。

(町村合併について)
町長 先ず、4点でございましたが、町村合併につきましては、先ほども申しあげましたけれども従来から申しあげております通り、拙速な議論はよろしくないという考え方であります。
 但し、町民の皆さん方にはどうしても、今、国が進めている平成17年3月という期限については、頭に非常にお持ちなわけでありますから、その部分についての期限が迫っているということで何度も申しあげますが、現時点で、その法定協議会へ移行するかどうかの判断についてはですね、12月いっぱいでしなければならんというふうに考えているところであります。
 但し、その地域の将来を考えることを17年3月、僅かこの期間だけに限ってですね議論するというやり方は、私はやっぱりどうしてもその考え方には立たない、と。
 法定協議会がだめだという話じゃないんですよ。そういう話じゃなくて地域の将来を語る上で、僅かこの期間内に何もかも議論してしまって移行しなきゃならんということに関しては、非常に無理があることだろうと思うし、住民の皆さん方に冷静な判断をして頂けるかどうかという部分についての危惧はもう従来から持っているところであります。
 しかし、法としてはそういうふうに決められているわけでありますから、その部分についての、やはり答えが出た段階でのご説明はですね、しっかりしていかなければならんなあとは思っています。
 財政的に自立ができるのかどうかという部分については、これも後ほどの質問にも若干関連してあるようですが、基本的な歳入のシュミレーションというのは、何度も申しあげていますように、説明会の中で申しあげた部分で検討していくのが当然だろう、と。
 基金等に対する考え方についてはですね、非常に厳しいものがあるという中であるんですけれども、歳入の見とおしは、やはりあれぐらいの前提条件の中で考えていかなければいかんだろう、と。
 歳出については、これも一定程度説明しているわけですが、あの程度の厳しさ、といっては悪いですが、ああいう状況であることは間違いないわけですから、それを町民の皆さん方がお互い理解し合えるのかどうか、と。
 当然、普通建設事業費については、下がってくることは間違いないわけでありますから、歳入の範囲内で歳出をやっていかなければいけないことですから。
 但し、これも、今、骨子については概ねでき上がりましたが、更に歳出についても説明会でお示しした以上に人件費の効率的な運営とか、或いは、支出の削減とか、各種委員の皆さん方の報酬のあり方とか、後程出ます鞍岡支所のあり方、こういうことに関して、更に効率的な私どもの努力というものは、まだ、できる部分があるというふうに思っていますから、それを踏まえた上で財政的なもうひとつ踏みこんだシュミレーションについては作らなければ自立していこうということになればですね、意味がないのかなあというふうに思っていますので、それを早急に作り上げたいなあというふうに思っていますが、あんまり数字から大幅に見通しが明るくなるということはないということは、どこの町でもそういう前提でいろいろとされているわけですから、その中での、要は、考え方ということだろうというふうに思っています。
 当然、長期総合計画の中でもどれを優先的にやるのかとか、これはもう合併してもしなくてもそうでしょうけれども、過疎計画にあげている事項についてもですね、この中で一番最優先的な事業は何なのかということも、当然議論していって、考えていかなければいけないことだろうというふうに思っているところであります。
 いずれにしましても、五ケ瀬町の町づくりの将来に向けての議論は、更に住民の皆さん方とより深く続けていく必要があるというふうに考えているところであります。そのあり方は、先ほど興梠議員がいわれた部分も含めてですね、とらなきゃならんというふうに思っているところである、と。基本的にそう思っているところでありますのでご理解を賜りたいなあ、と。

(鞍岡支所について)
 鞍岡支所につきましては、10月25日土曜日に午後7時から鞍岡地区中央公民館で鞍岡地域の将来を考える懇談会ということで開催をさして頂きました。
 役場からは、私、町長と助役、総務課長の4人が参加をいたしまして地元からは9区から14区まで17名の参加でございました。私が把握した分ですから若干違うかも知れませんが、概ねその程度でした。
 どういう話をされたのかというご質問ですが、前段の私が言った話は省きますけれども、結論を言えば平成16年3月をもって鞍岡支所については、廃止をし、職員を引上げさして頂きたいという考えを提案さして頂きました。
 その後、鞍岡支所の現状について、どれくらいの利用者があるか、件数があるかということを住民課長の方から数字を出して資料をお見せしながら意見交換をさして頂いたところであります。
 それに対しましてどういった反応でしたかという話ですが、住民の皆さん方からは、一部ですけれども「9区の住民にとっては影響は少ないと思うけれども10区から先の人たちは不便を感じるんではないか」、或いは「若者は車で行けるが高齢者等は簡単に行けないんじゃないか」とか、或いは「化石展示の拡充とか、学童保育とか、図書室の整備、血圧を測ってあげたりとか、そういったことで誰でも出向くような施設に拡充したらどうか」という意見、或いは「支所があると安心して何でもできる、安心感があるんだ」と。「町長の話を聞いて非常に淋しくなった」というご意見。或いは「数字から言えば廃止には理解する、但し、今合併問題を論じている時に、あまりにも町長タイミングが悪いんじゃないか」、というような意見が出されたところであります。
 私ども、総務課の方で出た意見をまとめてありますので、この議会、今日中にですね、簡単な箇条書きですが、議員の皆さん方にお配りをさしても構わないというふうに思っているところであります。
 これからどう考えるかという話でありますけれども、私達と致しましては、住民の皆さん方と協議の場を持ちながら提案についてのご理解を賜る、そういう努力をして参りたいというふうに思っているところであります。
 鞍岡支所の現在の業務量で人員を、係長を1人或いは臨時職を1人配置していく余力は、私は、無いと思っているところであります。
 但し、そのサービスを低下させない努力は、代替案はあるのかどうかというご質問もありました。
 あえて、1回目は、そのことに触れずに、我々も協議中でありますけれども、できるだけ今支所で行なわれていることがですね、この役場までお見えにならなくても、地元の皆さん方のご不自由を解消できるような案については、今検討中ですということで、私はそういうことを、これでどうですか、あれでどうですか、じゃなくて、今の五ケ瀬町の現状と、どう鞍岡の皆さん方もお考えになりますかというお話をさして頂いたところであります。
 最初から、今申しあげたようなご意見があることは承知で、ここの地に参っているんです、と。誰もが無くなっていいとおっしゃるはずはない、と。
 但し、前回のような、それこそ議会提案前に公民館長さんにお話をして、議会に提案しましょう、と。そういう形は、とりませんよ、と。住民の皆さん方と充分ひざを交えて話をする中でご理解を賜りたいと思っているところであります。
 できたら、年内にと思っているんですが、中々日程の都合等もありますので私どもとしても、住民の皆さん方に対するご提案も含めてですね。できるだけ早い時期に鞍岡に行って又引き続き議論をしていきたいなあと思っているところであります。

(新年度予算編成について)
 次に、新年度予算編成についてでありますが、予算案と共に事業毎の目標・成果・指標を議会に提示できるような取り組みをされるのかというお尋ねですが、現時点でそのような考えはございません。

(議会答弁について)
 4番目の議会答弁についてでありますが、具体的事例が分りませんのできわめて答弁しづらいところですが、議会の中で申しあげたことに対しては、当然でありますけれども大変重く、当然それに向けて実施していかなくてはならないということで、いつも考えて、私だけではありませんが、担当課長、職員を含めてそのように感じて仕事をしているところであります。
 但し、実現に向けて一定の時間や条件等があることは、それについてはですね、ご理解を賜りたいなあ、と。そのように考えているところであります。以上です。

秋本 議長。

議長 はい、秋本君。

(町村合併について)
秋本 合併の問題につきましては、私は町長のお考えに賛同します。その中で、やっぱり法定協移行についての結論を早急に出して頂くこと。
 私は法定協に移行するという意味は、もう、それしか道がないよ、と。それで合併に向けて進めようという具体的にそういう方向が出た段階で必要であって、ま、ともかく調べてみようという安易な気持ちでは移行すべきではないというふうに思っているところでございます。
 この点について、合併問題については、あと2名の議員の方もお出しになっているので譲りたいというふうに思います。

(鞍岡支所について)
 鞍岡支所の問題についてでございますけれども、数字的に、おっしゃるように利用度合いとか現在の状況で判断しますと、それは、無駄といわれれば本当にそうだと思うのですけれども、支所の意義というのは、今のようなやり方ではなくて、もっと違うやり方というのを考える必要があるんじゃないか、と。
 鞍岡の住民である私達はですね、だいたい皆さんの意見そうですけれども、(鞍岡支所は)鞍岡のアイデンティティなんですね。鞍岡についての支所の役割というか、それには非常に大きな期待があるわけですね。
 それで、単る窓口だけじゃなくて、やはり鞍岡地区の振興局なりを(考える必要がある)。
 今、14等分したところの14の行政区があってそれぞれに公民館があるんですけれども、鞍岡中央公民館というのもありますけれども、これは(鞍岡支所は)、鞍岡地区の行政区として捉えて、鞍岡地区についてのことを行なう。
 ようするに、今、本庁でやっている部分を又鞍岡支所でも1部(重複して)やるんじゃ行政改革になりませんから、鞍岡の部分は鞍岡である程度やれるところはやるというような。
 公民館的な組織でもいいんですけれども、やはり、もう少し在り方を変えて、慎重に検討すべきである、と。
 住民の皆さんともしっかり意見交換しながら詰めていくべきであるというふうに思っております。
 それで、16年3月をもって引き揚げるというお考えということで説明があったわけですけれども、これは、16年3月をもって引き揚げることを進めていこうとお考えになっているのかどうかですね。
 それから、今後、その代替案がある、と。それは多分嘱託かなんかで誰かを入れて窓口業務をやってもらおうという案じゃないのかなあというふうに憶測するわけなんですけれども、その代替案についてもご説明願いたいというふうに存じます。

(予算編成について)
 それから、新年度の予算編成についてですが、今、先進的な自治体は、その、事業を行なうには、その事業のですね、きちんとした目標をたてて、成果はこうなんだと、その指標までちゃんといれてですね、その目標に沿って事業を実施し、P・D・C、プラン・ドゥ・チェックしながら、それを回しながらマネジメントしていく。それが無駄のないやり方であって、そういう方向へ早くもっていかないと。
 僕が言っているのは、町長が最初に行政評価制度を導入するんだとおっしゃったこと。これは、そういうのが基礎にならないとできないわけですよね。
 もう一年余たちました。今度は、(二回目の)来年の予算編成です。この時に全部じゃなくてもいいと思うんですよ。重要な事業項目については、この事業はどういう目標をもってやるんだと、経済効果をねらった事業については、どういう経済効果があって住民はどうなのか。
 そういうアウトカム、アウトプット等をしっかり出してですね、そして、その目標に向って事業をやっていくということが大事であって、今年やれなかったら、また(1年間行政評価制度は)できないということになってきますのでですね。
 できないということはないとおっしゃったんですけれども。せめて、いくつかの事業くらいですね。それだけの時間的な余裕もあると思いますから、是非おやりになって頂きたいというふうに思っています。
 とりわけ、今一番大事なものは、先ほどから合併の説明会でも参加者が少ない、(住民の)関心がないんじゃないかとか、意識を高めるにはどうしたらいいのかというようなお話もあったんですけれども、僕は、民間の立場から考えると、ある意味では合併なんてどうでもいいというような部分もあると思うんですよ。
 つまり、来年の暮しをどうするのか、明日はどうするのか、と。税金で生活している人たちは失礼ながら今の不況の厳しさというのはお解りじゃないと思うのですよ。とにかく仕事をやっていれば、きちんとした給料(ボーナス)を貰えるわけですから。
 ところが、今、民間では、作ったものも売れない、仕事もないし、明日どうしょうか、と。五ケ瀬町の将来を考える余裕もない。もう、五ケ瀬には住んでおれませんね、というくらいのですね、そういう厳しい部分というのがあるわけでです。
 だから、そういった、産業を、経済を、農村をどうやって売っていこうかと、町長がトップセールスマンになってですね、こういう時季には、おせち料理を五ケ瀬の産物を使って作ったものを都市の方へ売っていこうよ、とかですね、そういうような五ケ瀬の産品をどういう五ケ瀬のイメージをつくって売っていくかというようなことですね。
 そうして生業(なりわい)を成り立たせて、そこで暮していけるようにですね、個人でできない部分を行政がどう取り組んでいくのか、と。それがまさに、非常に求められている事業だと思います。
 もちろん、健康、福祉、保健とかも大事なんですけれども、一番はどうやって暮していくかという、ものすごい厳しさがあるわけなんですよ。どうも、その実感がお感じになっていないんじゃないかという気がするわけで、そういうようなことを目標立ててですね、ちゃんと目標設定をして、それに向って取り組んでいこうよという、そういう予算編成に当っての考え方というのが非常に大事だというふうに思っているところでございます。そういう考え方について今1度お尋ねしたいと思います。

(議会答弁について)
 それから、議会答弁について具体的な事例がないのでお答えのしようがない、と。議会の答弁は重く受け止めているというようなお答えでございました。
 実は、私は9月の議会にもですね、パブリックガバナンスということで、前回も答弁されたけれども(やっていることは)ちょっと違うのではないか、というようなことでお尋ねした経緯があるわけですが、その時の9月の議会にも、町長の答弁があって、それで、おかしいよ、というのがあったりするもんですからこういうことを質問しているわけですね。
 例えば、五ケ瀬ハイランド、第3セクターの問題ですけどね。14年度の決算においても、町から二千万円委託金を出し、しかも、修繕費とかなんとかやって支援して体力をつけるということでしたけれども、非常に利益が上がってですね、税金を三千七百万位でしたかね、納めにゃいかんと。
 それは、前の累積欠損金があったからそれで済んだのですが、もっと大きな税金を納めなければならなくなる。今期からは利益の四十何%かは税金持っていかれるのですね。体力をつけるためだというけれども税金もっていかれれば体力はつかない、と。
 それで、減価償却がない、一方では条例によって登降リフトの入場料は町に使用料として取ります、と。宿泊施設(木地屋)にしても(1人当り)210円でしたか使用料として町の収入にしますという条例があってもお取りになっていない。
 そういうのを取って蓄えて体力をつけていくというのが大事じゃないかというようなことでした。
 それと、私どもは、全員協議会の席で、以前、町長になられる以前の話だったと思いますが、委託料を出したりして支援しなければ手を引くと言われた、と。だから、やむを得ないんだ、と。それに近いような説明があった、と。これは本当ですかと尋ねたら、議会答弁の原稿(記録が手元に)ありますけれども、町長の答弁ですがね。
 「その支援がなければですね、経営から手を引くというようなことは、会社側というか、いわゆる我々も会社側の一員でありますが、おっしゃっているのは、民間企業の雲海酒造さんのことをおっしゃっているんだろうというふうに思いますけれども、そういった正式なお話はございません。ま、それについては、調べさして、また、改めてお答えさして頂きたいと思います」
 と、ご答弁されましたけれどもそれきりなんですね。
 それから使用料の問題とかいろいろありまして、(9月議会の)最終日に白滝議員からも質問があった時に町長の答弁はですね、
 「それから、白滝議員が先ほどおっしゃった会社側と役員、それから議員の皆さん方との協議の場というものは、必ず今シーズンのオープンの前にはですね、きちっとした形で設定したいと。担当課の方を通じて、またご連絡を申しあげたいと思いますから、その節にも、いわゆる、共にやっている雲海酒造が、それから我々執行部が、に、ご意見等があれば直接その場でも意見を言って頂ければですね、更に、私が申しあげているような第三セクターのあり方というのが、議論が深まるというふうに思っているところであります。」
 と、いうのがございます。スキーはオープンしましたけれども全くおやりになっておりません。
 それから、笠部の農道の件についても質問しました。地権者が、ようするに登記ができなくて、お金だけを払って工事もできないような状態で、もう何十年も経っているわけです。この質問しました時に町長は、
 「地権者の方とはできるだけ早いうちに、今のところ年内に、町村長大会等々ありますから、その時足を運ばさして頂いて、お話をさしていただこうかなあとというような、現時点での計画にいたしております。」
 と、いうようなご説明(答弁)がありましたが、担当課に聞いてみると今年は行けないということなんですね。
 私たちはこの議会の答弁というのは、私どもがここに座っているということは、住民の皆さんから付託を受けて代表として本会議で答弁を頂いたということは、住民と町長の契約だと思うのですね。契約を履行されないということになる訳ですね。
 だから、議会の答弁が、もし、どうしても答弁どおりにできない場合には、それなりのきちんとした説明とかですね。そういうのがあって然るべきだと。
 ところが、それがないままずるずるといくということは、前の議会の時もそのようなことがあったんですけれども、議会の権威といってはなんですが、私どもが議会に来て、一生懸命こういう議論をする意味がどうもないのじゃないかと。
 だから、見解としては重く受けとめているとおっしゃいましたけれども、どうも、そうじゃないのではないのかというように思います。
 (こうした)具体的な事例がございますのでご質問したところでございますが、お答え願いたいと思います。

議長 はい、町長。

(鞍岡支所について)
町長 先ず、鞍岡支所の問題でありますが、私は決してあれが無駄だと思っているわけではなくて今の陣容であれだけの業務量でどう考えられるんですか、と。私は無駄だからあれをなくしたいと提案しているわけじゃない。
 今の五ケ瀬町の状況をみた時に、あそこにその陣容を置くことよりも、あの業務量だったらですよ、議員もそのようにご理解されているんだろうと思いますけれども、今、この厳しい財政状況の中で、人もいなきゃいけないところで皆んな努力してやつている中で、やはり本町において、それだけの更に業務をしてもらうほうが、皆さん方の為にとってなるじゃないですかという呼びかけを、前段省きましたけれども、しておるところであります。
 但し、支所の意義についてはですね、鞍岡の皆さん方は議員が言われたように思っていらっしゃる。(全部の)皆さんがそうだと私は思ってはいませんけれども、そういうご意見が非常に多いということも事実であります。
 その役割については鞍岡でできることは鞍岡でやる、或いは、振興局的なものがいいんじゃないかというお話がありましたけれども、私は、その意見については別に鞍岡だからそういう施設にする必要はないと思っています。
 そういうシステムにする時は、三ヶ所、桑野内、鞍岡とかそういう形で地域づくりを考えていかなきゃいかん、と。
 只、その議論と鞍岡支所の今の状況を一緒になってですね、それが完結するまでやりましょうやと言うことになれば、とてもじゃないが私が言っている16年3月とかいう話にはならないと思っているところであります。
 その議論は当然この合併問題を語る時には出てくる問題であります。私はそのように、まだ庁内での議論はしておりませんけれども、出てくる問題であって、とりたてて鞍岡だからとかですね、私はそういう考え方に立ちたくない。
 そりゃ鞍岡の人たちはそう思っていらっしゃるかも知れませんが、私は、やっぱり鞍岡の人たちにも、もう五ケ瀬町になって四十数年経つ中で、やはり、やりましょうやと、一緒に。只、そういいつつも鞍岡支所の存在を非常に重く思っていらっしゃることは事実ですよ。無くなったんじゃないかと。診療所だつて無くなったじゃないかとおっしゃっていることも事実でありますから。
 只、そのところはこういう状況下の中に、これから五ケ瀬町鞍岡地域の説明会の中で、かなり私の感覚では、説明会だけですよ、合併も含めて自立したらどうかとか、反対だよというご意見が説明会だけの中では強かったというふうに思います。
 だから、今こそ、私はそういう感覚ではなくて、五ケ瀬町を、という思いだろうと思いますから、いっしょになってですね、(鞍岡支所に)付加価値をつけたらどうかという意見については理解できるんです。私、そういうお答えを現地でもしているんです。
 但し、そのことは平行して議論していかなければ、それが解決するまで、まとまるまで鞍岡支所は今のままでいいのかということとは、私は違うというふうに思っています。
 従いまして、16年3月、只、これは全くご理解が得られないところにですね、強引にやると、そういう性質のものではないというふうに私は思っています。一定のご理解をして頂いて、ああ、そうか、ということがなければ判断してはならないと思いますが、ご理解頂けるものと思って努力をしていきたいなあと思っています。
 対案については、決めているわけではないのですが、ひとつ言えばですね、やはり、郵政公社民営化方針が出されている関係で、非常に鞍岡郵便局の存続についても危惧されている部分があります。
 私は、先般、郵政公社の宮崎県本部長とも意見交換をさして頂きました。今の時点ではなんとも言えないけれども、いずれにしても今、郵便局は費用対効果が非常に割れていると。
 そういう中でサービス料がどうかというお話もあるという現状からすれば、なんとかひとつの案としては、坂本もやられているんですが、そういった郵便局で今支所がやっているような証明書発行、ワンストップサービスが移行できないのかと。
 そうすれば、そういった付加価値を郵便局につけて頂いて、これは何としても私は残していきたいなあと。今、そういう協議をさして頂けませんかね、という話を郵便局、郵政公社サイドには検討をお願いしているところであります。
 私自身が調べたところによると、ほとんど今鞍岡支所でやっている業務でできない業務はない、と。証明書発行からですね、100%じゃないんですが(できない業務は)ないという状況もあります。
 只、それは郵政公社側が積極的に私どもに求められているわけではなくて、私どもとしても地元に(鞍岡支所の廃止)そういう提案をさして頂いているから、それに替わる案として何かないでしょうか、と。
 私自身としても郵便局の存在というのは非常に大事だと個人的には思っているもんですから、そういったご相談もさして頂いて、場所的にもそういったことが実現可能であればですね、地域的に道路沿いでいいし、今の支所機能だけを考えればサービスダウンはかなりの部分で避けられる部分かなあと。
 それと、支所がなくなるというインパクトというのは又別の問題だというふうに私認識していますけれども、そういう手法も考えているところであります。
 但し、まだ一切地元の皆さん方にもそういったお話はしておりませんので慎重にですね、そういった提案についても郵政省さんの考え方もありますので議論をしていきたいなあというふうに思っているところであります。
 それと、鞍岡支所のあり方というのは五ケ瀬の地域づくりを考える中でのひとつの方向性という意味では、私も同感でございます。
 但し、鞍岡だけをそうだということには私はならない、と。逆にそんな状況じゃない、と。あすこだけが良くて他の地域は今のままで大丈夫なのかということでは決してないというふうに思っています。
 鞍岡はかなりの部分でしっかりされているんじゃないかなあと、心の中では思っているところでございます。

(新年度予算編成について)
 次に、予算の問題ですけれども、ま、一点だけ気になった発言については、税金で暮らしている人はそういう厳しさは分らないだろうというご発言がありました。
 そういう感情的な話は分りますけれども、今日、傍聴席には、私ども一生懸命地域に出て頑張ってくれている職員もおります。もちろん、私以下、私はいいですけれども、今、懸命に予算編成の中で少ない財源のなかで頑張っている職員もおります。
 その発言についてはですね、私に対して申されたことだろうと思いますけれども、私はいつも思っているんですが、やはりそういう考え方にたたないと、それがないと、やっぱり皆んなでそう思われていると私はいつも言っています。
 しかし、やはり、こういった席でですね、そういった発言というのはモチベーションを高めればいいですけれど、逆になる可能性もありますので先ほどの発言については、町長あんたそこのところを理解しないよ、ということでおっしゃったんだろうと私は認識をさして頂きたいなあと私は思っているところであります。
 評価の考え方についてはですね。決して数値とかそういうことを表さなくても、皆んな言っている目標とか効果を考えながら予算編成をしているわけですから、委員会の場でてすね、どういう考え方でこの予算付けをしているのかということを問うて頂ければ、現時点ではですよ、その考え方については、そういう判断がなければ予算編成できない状況ですから問うて頂ければお答えさして頂く、と。
 先進的な自治体等でいろんなことをやってらっしゃることも承知しています。しかし、今の陣容でそのことをやって予算編成してっていうことが果して効果的なのか、と、今の時点では。
 只、その考え方だけは自分たちで持とうや、と。野放図に予算編成しているわけじゃないわけですから、先の発言と同様ですね。ま、その部分は、そういったご理解して頂いて、予算編成の議論の中で予算審議の中で充分していただければ私としてもありがたいなあと思っているところであります。

(議会答弁について)
 議会の答弁については、多分その二点ではないのかなあと私は思って準備はしておったのですが、あえてこれ(通告書)には、書いてないわけですから、私が想像してお答えするわけにはありませんので。
 確かに、オープン前にと発言してできなかったことに対しては、大変申し訳ないなあというふうに思っております。
 只、やるといった以上はですね、私は然るべき時、きちっと出てきて頂いて議論しなければですね、こちらの現場だけで会社の担当者と私どもが出て議員の皆さん方と議論しても、私は納得されないだろうというふうに思うし、その、ちゃんと責任を持つ立場の者も一緒に同席させた上で必ずやりますので、今後、節目で実現されなかった時に、議会に説明しなさいと言われれば、それもさして頂きたいと思うし、その、埼玉県だったですかね、地権者の方は。行くと言っているわけですから12月に。
 そのことだけで費用かけて東京まで出張していくということが、今までこれだけの時間、長く放置された中でですよ、そして、今、12月行くのか、1月行くのか、どちらが緊急性があるのかというと、建設課長の方には。そして、又、私1人が行ってもこれは駄目だ、と。当然これは第三者、建設課長なり、同席した上でですね、1人で行って話し聞いてくることじゃなくて、ちゃんと行った上でそれこそ私も話をしてきたいという思いですから、12月は東京に行ったんですけれども課長の方がどうしても業務で私の日程と合わなかった、と。
 今、考えていることは、私は、1月、こういうことを言うべきではないかもしれませんが、1月誕生月でありますのでバースデーチケットで究めて安く、一万円で往復できる、と。そういった時期をねらって、もう日にちも確定して建設課長の方にはそれでいいかと。別にこの質問があったからやっているわけではなくて、この時期でいいですかと相手方に問うてくださいよということで、もう日程調整をさして頂いているところであります。
 ま、その都度の説明が足りなかったことに対しては、この場を借りてですね、お詫びを申しあげますけれども、決してその、何の為出てきているんだと、議員の皆さん方に失望させるような議会運営ではない、と。
 私は、曖昧なことを言って時間を稼げればそれでいいのかも知れませんけれども、はっきり答弁して、それに向って私どもが実行していくというのが、今、私を含めて執行部職員の考え方でありますので、その点も、足りなかったことについては、確かにお詫びしますけれども必ず実現をします。させますので、ご理解頂いてご協力を引き続き賜ればありがたいなあと思っております。以上です。

秋本 議長。

議長 はい、秋本君。

(鞍岡支所について)
秋本 鞍岡支所の問題についてでございますけれども、これは、おっしゃるように今のままだと非常に問題があるというのはその通りでございますが、ここ(手元)に「新町建設計画書」という昭和31年4月1日付の文書がございまして(その中に)合併条件協定書というのがありますですね。これについて、支所の設置について非常に細かく(書いて)ある。
 「支所内で取り扱う事務は、庁内庶務。戸籍、住民登録に関する事務。配給に関する事務。徴税その他納入に関する事務。地籍に関する事務。諸証明に関する事務。小額出納に関する事務。産業指導に関する事務。農業委員会に関する事務。国民健康保健に関する事務。教育に関する事務。消防に関する事務」とか、そういうのが合併条件として協定書ができているわけですね。そして、15人の職員を配置するとかいろいろと書いてあるわけなんです。それから、いろんな経緯があったとは思うんですが協定書は重い。
 五ケ瀬町は、170平方kmもある、非常に面積が広いところでありまして、それぞれ、三ヶ所地域とか桑野内地域とか鞍岡地域とか、気象条件や土壌も違いますし、環境が違うわけでして、全体を一緒にみていくというのは、なかなか難しいというのがあると思うのですね。
 だから、三ヶ所と鞍岡なのか、三ヶ所と桑野内と鞍岡なのか、というのは議論すればいいわけなんですが、地域をみていく一番(地域が)分る人といいますか、そういう人、そういう取り組みが新たなものを掘り出していく場合にでも、非常に大事だという思いがするんですよ。そういうことが、地域のアイデンティティづくりにとって非常に大事であると。
 そういう視点に立って、支所の、合併の経緯もありますしですね。やはり、鞍岡の行政区としての考え方というのを議論していくべきものじゃないのかなあというような思いが致します。
 それで、16年3月をもって引き揚げるのは、了解が得られればというようなご説明だったと思いますけれども、16年3月に向って引き揚げようということで、郵便局の問題もすぐどうこうということはできないわけですよね、それでも引き揚げようということで今後取り組みをされるのかどうか、そこを明確にお答え頂きたいというふうに思います。

(新年度予算編成について)
 それから、予算編成について、非常に感情的じゃないかとおっしゃいますけれども、やっぱりですね、本当に我家の暮しをどうしようかというようなせっぱつまった状況は、民間はいっぱいあるわけですね。
 僕はこれは、感情論ではなくて本当に民間は非常に厳しい中にある。椎茸を作っても昔のような値段では売れませんし、野菜を作っても中国等アジアからの安いものが。
 これは、日本の企業が向うへ行って作って又、輸入しているというようなことで、元々は日本人が悪いのだというような中国側のお話もありましたけれども。しかし、この山村を守るには、そういう生業(なりわい)をどうしたらいいのか、地産地消とかなんとかですね。
 例えば、清和村を見て非常に羨ましいなあと思うんですよ。兼瀬村長さんが、文楽を掲げて文楽のマークを入れて村内の産品を先頭に立って一生懸命売り出していられる。
 そういうようなことを求められていると思うんですね。そういうようなお取り組みをこの予算編成の中においてもですね、しっかり取り組んで頂きたいと、そういうようなことでございます。

(議会答弁について)
 議会答弁については、約束しても中々できない事情というのがあるのは重々分っています。只、どうしてもできない時には、それなりのご説明して頂くなり、又は、次の取り組みを、今日ご答弁頂いたようなことでも結構ですから。
 (こちらから)言わなきゃ(できない理由を)言わないよ、じゃなくて、約束された方からですね、あれはどうしても今度は無理だと、だからこういうふうにしたいとか、いうようなことを言って頂くと、ああ、そうかなあ、と納得できるんですけれども、言わなきゃそのままで。いったいどうなっているんだということなんですね。
 議会答弁については、重く受け止めているということでございますので、更に重く受け止めて実行して頂きたいというふうに存じます。よろしくお願いします。

議長 はい、3回目の質問で本来なら議長による、答弁については権限がありますけれども、16年3月という支所の問題は、非常に厳しい重要なことでありますので町長に答弁を求めます。

町長 議長。

議長 はい、町長。

(鞍岡支所について)
町長 16年3月という部分については、16年3月で引き揚げさして頂きたいということで努力を進めていくということでご理解頂きたいというふうに思います。
 郵政公社の方ともどんぴしゃり16年4月から、例えばですよ、なるのかと言われれば、まだ、細かいそういう手続き等ありますから、そこは、確約ができませんけれども、私は16年3月で支所については引き揚げさして頂くということで進めさして頂くと。
 只、もし、そこにご理解頂いて郵便局がそういった代替の場所としてOKよ、といって、そこにタイムラグが、例えばでてきたとすれば、その部分は当然職員は置いとかざるを得ないと思いますけれども、そこのギャップはないようにして、今、私が考えられる一番いい代替案というのはそのことじゃないのかな、と。
 間違っても郵便局も支所もって言えば、それは、こっちにイニシャティブがあるのかも知れませんけれども、無くなってですね、それこそ鞍岡地域の皆さん方が拠り所としている施設が消えていくようなことにしては、ならんというふうに思っていますから、それについては、16年3月ということで郵政公社の方にも何とか事務手続きがそういうことでならないのかというお話はさして頂いているところであります。
 それは、まだ地元の人には言っておりませんので、そこのところのご理解が頂けたらという前提ではございますけれども。

(新年度予算編成について)
 それと、もう一点だけ。感情論ではないかと、私どもが民間の感覚が分っていないという意味で私言ったんじゃなくてですね、それは、どこまで分っているのかというふうに言われればなかなか確かに我々の仕事上というか、立場上、いや、絶対分っていますよと言えない部分があるかと思いますが、しかしね、そのことは充分頭に入れてですね、やっていることだけは私は間違いない、と。
 それは、今まで以上徹底してですね、職員の皆さんにも話をしているし、今日、こちらに座っている課長自らそういうつもりで仕事をしていることだけはですね、認めて頂ければ、ご理解頂ければいいかなあと。
 只、私もそうですけれども、地域に入ってどれだけ頑張っているよといわれても、今みたいな意見は、当然出る話なんですね。
 それは、我々が地域に行ってその意見を肌で感じながらそういう行政運営をやっていけばいいというふうに思っていますから、言われたことが僕はその感情的だという話じゃなくてですね、基本的にそういったところについては、こういった席じゃなくてですね、いつでも、私のところに言ってきて頂いたり、職員との懇談、談話のなかで言って頂いた先に、今言ったトップセールスも含めてですね、一生懸命お茶もですけれども、椎茸もそうです。いろんな経済連方々と会ったり、JAの方々と会ったりして、或いは、今までの町村長は会いに行っていらっしゃらなかったらしいですけれど県民生協さんにもですね、多くの野菜を私どもと取引をして頂いています。なんとかして億円買って頂けませんかと。
 私も助役を引き連れて農政課長と県民生協にも足を運ばさして頂いているし、五ケ瀬の無洗米も今回新米で全量取って頂くというようなシステムもできているわけですから、米の政策転換に向けてですね、五ケ瀬の農産物作ってもらったら絶対売り先あるぞという考え方もですね、充分私ももって、安藤知事がおっしゃる前に、私はトップセールスはやっているというふうに経済連の皆さん方ともお話をしとるんですが、そういう気持ちも忘れずにですね、仕事をしていきたいなあ、と。
 予算編成のなかでも、議員いわれた部分についてしっかり頭に入れて、厳しい中ですけれども、少しでもそういったことが反映できるように頑張って参りたいというふうに思いますので今後ともご指導ご協力頂ければと思います。以上です。

議長 いいですか。それでは秋本君の質問の中にありました、そして町長答弁もありました鞍岡支所についての協議会、話し合い内容の資料について提出してもよろしいということでありますので、議会後、各議員に提出をよろしくお願い致します。それでは、秋本君の質問をこれで終ります。

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※風の考察

「一般質問を終って」

@町村合併問題
 合併問題について町長の考え方は、これまでの説明を要約すれば次のようになる。
・五ケ瀬町単独で法定協議会を設置する、しない、の結論を出すわけにはいかない。
・法定協議会の設置を議会に提案するかどうかは12月中に日之影、高千穂、五ケ瀬の3町長が集って相談、意見調整をし、年内に結論を出したい。
・その結果を踏まえて必要であれば、新年1月に臨時議会を招集したい。
・法定協議会は、合併へ向っての取り組みとみなす。
・町の将来を決めるには時間がない、拙速に結論を出すべきでない。
 以上のようなスタンスである。また、合併へ向って進むことになれば、合併の理由は無いとした町長の公約が翻ることにもなる。
 このことから、西臼杵3町合併の法定協議会設置の提案は見送られる公算が強いが、3町で足並みを揃えることを前提にしていることを考えれば依然予断は許さない。高千穂町長のリーダーシップにも注目したいところである。

A鞍岡支所の問題。
 鞍岡支所を16年3月に廃止、職員を引き揚げるという町長の正式な意思表明には正直なところ驚いた。また、郵便局に代替させることを水面下で動いていたことも唐突のような気がした。
 行政改革を断行するという町長の熱意は高く評価したいが、もっと、支所の本来の目的やあり方、役割、問題点や課題等を条例規則等の上からも洗い直し、住民や議会とも協議の上、一定の方向付けができた時点で行動を起こすべきではなかったのかと思う。3ヶ月後に突然廃止という一方的な結論は、住民の反発を招くのは必定だ。
 前回、14区の本屋敷分校廃校に伴う通学費特別助成を一方的に学校を通じて廃止の通知をした手法に似ている。住民の反発にあってその後撤回されたが、この件は通学費助成の特例について条例規則にも定められてなく、根拠のない補助を続けていたことになる。
 鞍岡支所の問題も同様に条例規則等の検討から始めるべではないかと思う。昭和31年の合併協定書まで遡って検証する必要がある。
 合併条件協定書は15項目からなり、次のようになっている。
■合併条件協定書
一、合併の形式
・合体合併
ニ、新町名
・五ケ瀬町
三、役場位置
・宮崎県西臼杵郡旧三ヶ所村大字三ヶ所10695番地の1
四、支所の設置
(1)設置について
・支所を設置する。
(2)位置について
・旧鞍岡村5928番地のイ
(3)管轄について
・旧鞍岡村区域。
(4)支所で取り扱う事務
@庁内庶務
A戸籍、住民登録に関する事務
B配給に関する事務
C徴税その他納入に関する事務
D地籍に関する事務
E諸証明に関する事務
F小額出納に関する事務
G産業指導に関する事務
H農業委員会に関する事務
I国民健康保険事業及直営診療所に関する事務
J教育に関する事務
K消防に関する事務
Lその他町長が特に命ずる事務
五、議員の定数及び任期について
・略
六、農業委員会の統合整備及び委員の定数について
・略
七、職員の身分引継
・略
八、新町役場機構
(1)3役の定数は、町長、助役1人、収入役1人とする。
(2).役場の機構は、総務課、税務課、民生課、振興課、建設課の5課として各課に課長を置く。
(3).支所の機構及び職員定数は支所長1人、所員15人をおく。
九、大字区域の変更について
・大字区域のある村はそのままとし、他は旧村区域を大字区域とする。
十、財産及び負債の帰属処分について
・略
十一、小中学校の通学区域
・略
十二、町税の賦課及び課税方式について
・略
十三、消防団の組織編成について
(1)団の統合を計り、旧村の区域に分団を置くものとし合併後の細部組織については新町消防団の意思により決定する。
十四、その他
(1).国民健康保険は当分の間現状の通り実施経営する。
(2).農業協同組合、農業共済組合、森林組合は現状のままとし、組合員の意思により逐次統合する。
(3).青年連絡協議会及び婦人連絡協議会は会員の意思により、逐次統合する。
十五、実施の期日
・昭和三十一年八月一日とする。

 以上のような協定書により合併が行なわれ、その後いろいろな経緯があって今日に至っている。
 次は現在の支所設置に関する条例である。

■五ケ瀬町支所設置条例(条例第3号)
(設置)
第1条 地方自治法第155条第1項の規定により、町長の権限に属する事務の1部を分掌させるため支所を設ける。
(名称、位置及び所轄区域)
第2条 支所の名称位置及び所轄区域は、次のとおりとする。
・名称 五ケ瀬町役場鞍岡支所
・位置 宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町大字鞍岡2840番地
・所轄区域 大字鞍岡
(委任)
第3条 この条例に定めるものを除くほか、支所に関し必要な事項は規則で定める。

■五ケ瀬町支所設置条例施行規則
(目的)
第1条 この規則は、五ケ瀬町支所設置条例第3条の規定に基づき、その施行について必要なる事項を定めることを目的とする。
(職務権限)
第2条 支所に支所係長を置く。
2.支所係長は、町長の命を受けてその支所の管理及び業務を掌理し所員に主務の業務を分担させ、かつ指導監督する。
(代決)
第3条 支所係長が不在のとき又は事故があるときは、上席所員がその事務を代行する。
2.前項の規定によって代決した事項は、支所係長の後閲を要する。
3.支所係長が欠けたときは、支所係長事務取扱者を職員の中から町長が任命する。
(事務処理)
第4条 支所において処理する事務は、次のとおりとする。
(1)庁内の取締に関すること。
(2)公印の管守に関すること。
(3)支所における文書の受付発送及び保管に関すること。
(4)現金及び物品の出納保管に関すること。
(5)証明閲覧、その他各種手数料の徴収代行に関すること。
(6)過誤納還付金に関すること。
(7)前納報償金に関すること。
(8)助産費葬祭費の支給に関すること。
(9)生活扶助費の支給に関すること。
(10)戸籍住民登録に関すること。
(11)印鑑証明に関すること。
(12)住民の移動に伴う主食の配給に関すること。
(13)死体(胎)埋火葬認許に関すること。
(14)人口動態に関すること。
(15)諸統計日計集計に関すること。
(16)町民の提出書類の受付、交付、伝達並びに届出書式の記載要領の指導及び協力に関すること。
(17)ビジビルレコーダの記録整理に関すること。(?)
(18)国民年金証紙の売りさばき及び検認に関すること。
(19)身体障害者手帳交付申請及び旅客運賃割引証交付に関すること。
(20)火入許可に関すること。
(21)生活保護法に基づく保護申請並びに医療券交付申請に関すること。
(22)遺族年金、公務扶助料の申請に関すること。
(23)国民健康保険資格取得喪失に関すること。
(24)国民健康保険受診証再交付に関すること。
(25)母子手帳の交付に関すること。
(26)農地並びに農業委員会関係諸届申請に関すること。
(27)山びこ書籍の貸出並びに保管に関すること。
(28)防除器具の貸出並びに保管に関すること。
(29)農作物種子、果樹、苗木、ひな、淡水魚等の斡旋に関すること。
(30)薬品の配給及び斡旋に関すること。
(31)農林業の経営相談並びに土木一般等町民の請願陳情の受理伝達連絡に関すること。
(32)世論の公聴に関すること。
(33)その他地区住民のサービスに関すること。
(34)その他町長が特に命ずる事務。

 となっている。その他の関連する規則として、

■五ケ瀬町行政組織規則の第4条には、次の表がある。
支所 係長 上司の命を受けて、支所の事務を掌理する。
主査 上司の命を受けて、支所の特定事務を処理する。

 以上のように支所はこうした条例規則に基づいて運営されることになっている。
 そこで、合併条件協定書と比較してみると(3).支所の機構及び職員定数は支所長1人、所員15人をおく。から、その後、五ケ瀬町行政組織規則第4条の支所の項で係長と主査の2名体制に変更になっている。
 また、五ケ瀬町支所設置条例施行規則では、前掲のように33項目の業務を行なうことに変更になっている。したがってその他の協定事項は、今日でも生きている部分があることになる。
 そして、(26)農地並びに農業委員会関係諸届申請に関すること。(27)山びこ書籍の貸出並びに保管に関すること。(29)農作物種子、果樹、苗木、ひな、淡水魚等の斡旋に関すること。(31)農林業の経営相談並びに土木一般等町民の請願陳情の受理伝達連絡に関すること。(32)世論の公聴に関すること。(33)その他地区住民のサービスに関すること。等は、合併条件協定書(4)支所で取り扱う事務のG産業指導に関する事務、H農業委員会に関する事務、等を継承したものと思われる。
 支所は、このように諸証明書発行の窓口業務だけではなく住民の経営相談や請願陳情、公聴、住民サービス等鞍岡地区の振興を図るという役割が明記されているのだ。
 こうした条例規則に示されている支所の役割をまっとうするには現在の住民課係長1名体制では対応できない筈だ。条例を無視して、なし崩しに業務を削減していたことになる。
 支所が条例規則に示されている役割を果そうとすれば規則に定められている2人体制でも手が足りないのではないか。「支所は仕事がないから廃止」という理由には当らないと思う。
 町長は、地域振興局の提案について「そういうシステムにする時は、三ヶ所、桑野内、鞍岡という形で」と答弁されたが、支所の役割はその構図の本質が違うのである。
 旧村地域の対応については、筆者が訪れた市町村にも優れた参考事例は多くあった。例えば山梨県の早川町は、旧村地区にひとつずつ財団法人を設置して地域の特性を活かした産業支援政策を行ない、地域間競争で発展させ、先進的なまちづくりを行なっている。
 また、京都の美山町は、旧村地区にそれぞれ産業振興局を設置して課長を配置。地域住民と一緒になって地域の特性を活かした産業振興を図り、その実績は有名である。
 野沢温泉村の地域自治組織は、役場が野沢には2つあると言われる程、フェースTOフェースの地域コミュニティーが村を育てている。
 こうした事例の視察研修も必要ではないかと思う。そうして五ケ瀬に合った方式を確立することが一番求められているのではないか。
 鞍岡支所は、昭和31年の合併で当時の議会の会議録を見ると鞍岡地域の将来を願って苦渋の選択をされた鞍岡の先人たちの想いや願いが込められている。
 一度支所を渡したらどんないい方式があっても二度と興したてるのは困難だと見ている住民が多いことを忘れてはならないだろう。鞍岡支所は、鞍岡の住民にとって昔の町村合併の最後の砦なのだから。
 そして、将来、もし五ケ瀬町が合併したら…。歴史は繰り返すという言葉を信じないわけにはいかない。

B新年度の予算編成について
 12月は、新年度予算編成の時期のため、敢えて予算編成にかかわる行政評価制度に取り組む意思があるのかどうかを質問したが答えはノーであった。2年目の予算編成で取りかかれなかったら、残る2年では公約の実現は困難となるのではないか。
 また、バランスシートの作成も、あまり難しく考えすぎではないかと思う。複式簿記は発生主義であるから、その都度まとめて仕訳伝票を起こし、パソコンに入力すれば作成できることである。人材不足の零細企業でもやれていることであるから、優秀な人材をもつ役所がやれないはずはない。これまでの首長はともかく、若い現町長ならやれると期待していたのだが・・・。
 「税金で生活している人たちは失礼ながら今の不況の厳しさというのはお解りじゃない」という発言が問題視された。町長は「これまで町村長は会いに行ったことのない県民生協や経済連に足を運び、安藤知事がおっしゃる前に、トップセールスをやっている」という答弁であった。特定のところではそうかもしれないが、もっと基本的な「施策」が必要だと思う。
 民間が苦しいことを本当に理解頂いていれば、次のような施策にも取り組めるのではないだろうか。例えば、
・零細企業や事業主への売掛債権保証制度を創設する。そうすれば金融が円滑に行なわれ消費も増加する。(敷居の高い金融機関の制度への支援や商工会への委託支援でもいい。東京都では行政が銀行まで設立するというではないか。)
・地産地消を推進するため公の施設における地場産品の消費拡大を図る。(例えばスキー場レストラン、売店、宿泊施設等は町内産品○○%の使用を目標とする等。公の施設はこのような役割がある。)
・町内産品の販売についてインターネットショップを立上げる。(世界中からインターネットで五ケ瀬の農林産物を手軽に買い求めることができる。大は建物から小は卵1個まで取り組みによっては可能である。)
・町内産品に付加価値をつけるための指導講習等を推進する。(講習や技術指導は、県の各試験研究機関に専門職がいる。また、県物産振興センター等にも支援制度がある。)
・半休眠状態の特産品振興会を特産センターを核にして特産品の開発や販路開拓等支援事業を展開する。(この場合、特産センターの運営が企業経営のため困難が予想されるので抜本的な対策の検討も要するが。)
 その他、町内の商店が高齢者の購買利便性のニーズに応えるための配送支援制度、或いは各種文化財を町指定にし、県指定へ申請する等、地域が誇れるものを大切にして都市と山村の交流の基礎を築く。
 つらつらと思うばかりでもこのように民間の産業振興支援対策としていろんな施策が思い浮かぶ。
 なによりも、公金で宿泊施設やレストラン等を町内各地に設置して、民間事業を圧迫するような施策からの転換が必要だ。民間が同じ土俵で切磋琢磨競争してこそはじめて産業は発展する。個人プレーより、「施策」を打ち出して頂きたいものである。
 民間の厳しさが充分わかると言われたので地域経済浮揚について、どのような施策が予算編成に反映されるのか注目したい。

C議会答弁について
・第3セクターの問題で「議会との検討会をスキーオープン前までに必ず開く」と答弁され、実行されなかった件について、
「現場だけで会社の担当者と私どもが出て議員の皆さん方と議論しても、納得されないだろうし、責任を持つ立場の者も一緒に同席させた上で必ずやります」という答弁であったが、この問題は、酒造会社と議論すべきものではない。
 要は、委託施設が減価償却がないことと、条例に沿って使用料を徴収するのか、しないのか。それとも使用料の額を実態に沿って変更すべきか否か。また、委託料はそのまま利益となって3セクに課税されてもそれでよしとされるのかされないのか。
 五ケ瀬町の条例規則との整合性にかかわる問題であり、無駄な税金を節約する財政改革の問題でもあり、町の方針を議論するための検討会である。酒造会社が関与される問題とは本質が違うと思う。
 その結論にそって交渉して頂くなり、町長は3セクの会長でもあるから会社の方針を出すなりされたらいいと思う。
・そして「支援がなければ経営から手を引くといわれたのか言われなかったのか」について「調べて改めてお答えさして頂きたい」という件については、答弁を頂けなかったのが残念である。
・笠部の地権者との交渉で「バースデーチケットで安く行く」とは、パフォーマンスがすぎるのではないか。役所の仕事は、元や前任者の責任を継続して負うものであって、この件は人権にもかかわる問題でもある。1度出かければ簡単に解決できるという問題ではない。真摯な取り組みが求められる。そして1日も早く解決して工事の完成を期待したいものである。

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※寸評
 いやあ、大変失礼なことも書きました。議会では、議論の府でありながら、1問1答方式を認めてくれないし、多くの課題を一括して質問3回までという制約があります。この中で議論を詰めていくことは不可能に近い。また、議会広報誌も紙数の都合上、質問者一人当り平等な枠のもとに編集されるため正確な情報の提供は困難です。このため、議論の奥にあるものを敢えて検証し紙面で詳しくご紹介しました。
 本音としては、やあ、どうもどうもで裏の議論(正式に記録されない委員会や全員協議会、或いは個別折衝)に終始し、本会議ではしゃんしゃんとするのが気楽ですが、「議会に『風』を」の旗印のもと住民の皆さんの付託を受けている以上、議会の本質を貫かなければならないという思いがあります。執行部の皆さんごめんなさい。

 最近、先進地自治体の取り組みをみていると、議会の存在価値や役割が今後どうなっていくのだろうかと思います。
 先ず、首長はマニフェストと呼ぶ具体的な施策を、財源まで含めて打ち出して選挙に臨みます。そして、住民からは、パブリックコメントと呼ぶ政策提言や意見を積極的に求めながら施策に反映させます。そして、施策実行の段階では、行政評価制度、事務事業評価制度をもとに、事業の目的や成果を公表して広く住民の判断を仰ぎながらPDCA(プラン、ドゥ、チェック、アクション)というふうにサイクルを回しながらマネジメントしていきます。財政はバランスシートにより明確に財務内容が表示され諸指数と比較検討されながら経営されます。それに、事務事業の手続きや手法についてはISOなどを取得して第3者機関にチェックされ、監査は専門の資格を持った外部監査を行う。
 こうなったら、住民代表としての議会は何をすればいいのでしょうか。特にパブリックコメントにより議会不用論まで飛び出しています。
 残るのは対案となる政策提言ですが、その能力が問われることになります。
 ところが、現在では具体的な政策や条例を提案しようにも、執行部の組織と対峙できるような事務局体制やシステムがありません。
 ま、そこまで考えなくてもいいですか。地方では、理想的で完璧な地方自治の実現はありえないでしょうから。煙たがられる存在であればいいでしょうか。
 それにしても嫌な役回りとなりますねえ。

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エッセー
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 堅苦しい話題ばかり書きましたので息抜きに最近の記録を以下掲載します。

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パソコン奮闘記
―引越しの記録―
2003.12.22
秋本 治
 近年は雑用で夜明けの明星を目にしながら事務所に入ることも多くなった。平成15年11月14日も早朝から朝霧たなびく養魚場に出かけた。魚を狙っている鳥たちを追い払いながらデスクのパソコンでe-mailのアイコンをクリックする。やがて画面が現れデータを読むモデムの小さなランプがチカチカと点滅始める。今日はどんなメールが届いているのやら、見知らぬ人からの便り、懐かしい友人からのメール、メーリングリストの情報、宿泊予約やヤマメの注文、etc。ドキドキするような気分で画面を見つめる。この画面は、自分と世の中をつなぐ窓口なのだ。今や手紙を書くことは無くなった。毎日数十通の情報が届き、そしてその日を境にして何かが変わっていく。

 その日も、大きな変化を予感させるmailが届いていた。インターネットのサーバーを借用して長年お世話なっていた県ソフトウェアーセンターから「プロバイダ事業終了に関するお知らせ」と題して「諸般の事情によりプロバイダ事業を終了することになりました。」とある。

 ―>ええっ、本当ですか。寝耳に水の心境です。気軽にご相談もできていたのにどうしたのですか。とmailを打ったら、―>秋本さまには弊社プロバイダ事業開始当初より大変お世話になっており、この時期にプロバイダ事業を終了することになりましたことを大変申し訳なく思っております。長い間のご利用本当にありがとうございました。と返事がきた。「さあ、大変」。この日を境に私の暮しが一変することになった。

 先ず、市内通話で接続できるプロバイダーのアクセスポイントをネットで探す。県や市町村が出資して設立したソフトウェアーセンターは、政策的に高千穂にもアクセスポイントが設置されていてそれを利用していたが、当時は、他にはアクセスポイントを持つプロバイダーは無かった。時代は急速に山村にも変化をもたらしたものだ。調べてみると多くのアクセスポイントが高千穂にも設置されていた。だが、ADSLの時代というのにここは1時代遅れのISDN回線しか利用できない情報の過疎地帯である。先ずは、最もメジャーなNTT系列のOCNのアクセスポイントをネットで申し込んだ。

 webは本当に便利である。画面上で申し込み、カード決済でカード番号を入力すればすぐ使えるようになるのだ。次は、レンタルサーバーである。OCNにもレンタルサーバーはあるけれども、どうせなら安くて多機能を備えた専門業者の方がいいと、東京のアイルホスティグサーバーに申し込んだ。ついでにyamame.co.jpというドメイン名も取得した。次はメーリングリストである。メーリングリストは、アイルにもセットで用意されているが、登録メンバー数に上限がある。そこで、メーリングリストサーバーの専門業者、大坂のカームコンピュータにwebで検索して申し込んだ。次は、フレッツ回線の申し込みである。利用が多いのでつなぎっぱなしの契約の方が安上がりになる。

 こうしてアクセスポイント、ホスティングサーバー、メーリングリストサーバーと接続にこぎ付けたが、パソコン内には、旧ソフトウェアーセンターのアクセスポイントIDとパスワード、サーバーへのIDとパスワード、メールのアカウントとパスワード、FTPのIDとパンワード。それに、新しいOCNのIDとパスワード、アイルサーバーへのIDとパスワード、ウェブマネージャーのIDとパスワード、サーバー管理のパスワード、ホスティングFTPのIDとパスワード、メールのアカウントとパスワード。そして、メーリングリストのカームコンピュータへのパスワードと管理IDとパスワード。こうしていろんな記号がワーッと混在した。ホテル事業のパソコンは複数台のため一本のフレッツISDN回線でLUNによる接続を試みた。ここにも、多くのID、アカウント、パスワードが次々と新しく振り当てられてくる。ここで、混乱が生じてしまったのである。

 回線接続ウィザードも以前のIDやパスワードを上書きしてしまう。幾つもの接続ルートが混在しているのでどれがどれかわからなくなってしまった。最初に接続していたところも接続不能となった。ウェブマネージャーのパスワードにもログインできない。webで提供されるマニュアルは不親切だ。どの画面にどのID、アカウント、パスワードを入力するのか抽象的にしか書いてないのだ。サーバーにログインできない。数日間はここで右往左往する日が続く。そして、やっと解決できた。パソコンのセキュリティによってログインできない現象が起るということもわかった。これは、セキュリティのレベルを下げることで解決したのである。こんなことは、マニュアルには書いてない。四苦八苦の上すべての接続が正常になったころプロバイターからの契約書とマニュアルが届いた。「こんなもん遅いわい」。

 全体では100MBを超える旧ホームページを不要な部分を削除、50MB程度にして新たなサーバーに移動する。何だか、自分も新居に引越しするような気分である。メーリングリストの方も新サーバーが認識してくれるようになったのでリストを登録し稼動始めた。

 ところがである。年間22,800円、100MBまでというサーバーは、引越しの最後のファイルを受け付けない。ページの容量は53MBというのに。問い合せてみると、なんとホームページ領域は50MBで残りは、メール領域となっており、システム上領域の調整はできないという。「なんだっ」と、詳しくガイドのページを開いてみるとホントそう小さく書いてある。「どおりで安いと思った」。仕方ないのでワンランク上の250MB、年間58,800円のサーバーに変更契約し、再び最初から面倒な設定を始めなければならなくなった。

 で、ようやく再度の引越しを完了し、ホームページを開いてテストをする。と、ここでまた問題が起った。新居のホスティグサーバーはホームページのcgiを認識してくれないのだ。サーバー側に用意されているのは、様式にしたがって記入していけばcgiに変換されるというシステムでその様式には合わない。サーバー側に問合せたところ、お客様独自のcgiはお客様独自で設定してくださいとメールは冷たい。ソフトウェアーセンターならこんな時一緒になって解決してくれるのにと恨んでも仕方ない。「困った」。これが1人立ちの厳しさというものだと自分に言い聞かせるより他はない。

 ホテルの予約も、ヤマメの贈答の注文も、一番大事な季節に機能しなくなった。慌てて古いcgiの本、まだwindows95時代の参考書を本棚から埃を吹き払いながら取り出して読んでみる。もともとcgiは暗号の組み合わせみたいなもので、そのパズル的なものを理解できないまま、何とか画面からアクセスできるように繋ぎ合わせた珍プログラムである。時間にせかされるし、cgiの言語は難解だし、メモパットで開けば文字化けするし、サーバーは大文字小文字やブランクまでキッチリ識別してエラー表示になるし、どこが悪いのか見当もつかない。頭が真っ白になってしまった。Javaも難解だがcgiも素人には難解である。すらすらとプログラムを書けるわけがない。参考書を見ながらのつぎはぎだらけのプログラムだ。

 落ちついてと自分に言い聞かせながら、先ずは一番単純なファイルから何度もFTPで移し変え、場所を変更してテストを繰りかえす。これに数日かかってしまった。そしてぇー動いた。ブラウザから入力したのが返ってきたのだ。飛びあがるほど嬉しかった。とっかかりが掴めると後は応用だ。応用には割りと強いのが取り柄だ。まだまだ、見直さなければならない部分がいっぱいある。でも、取り敢えず正常化したのだ。

 ホテルのLUNにも苦労した。接続機器をNTTの116で注文したら、業者が来て機器を取りつけた。ところがこの業者は、電話回線以外のことは全く分らないとそのまま帰ってしまった。LUNケーブルは熊本へ出かけて買ってきて接続したがもう一方のパソコンにはUSBポートしかない、そして、接続機器には、LUNの位置にUSBポートはない。ほとほとに困っていると、NTTから技術者が派遣されてきた。技術者は「もう一方のパソコンにLUNカードをつけてください。」という。冗談じゃない、ここは超田舎だ。LUNカードを買いに行くには熊本市まで出かけなければ手に入らないのだ。そこで、「何とかUSBポートで接続できるようになりませんか」とお願いした。さすが、技術者である。やってみましょうとマニュアルを長時間かかって読みながら夕方までにUSBポートに対応できるよう接続機器の設定内容を変更してくれた。おじさん、ありがとう!。

 事務所の回りは、ギフトの受注や出荷準備でてんやわんやである。年末の忙しい時に俺は一体何をやっているのだろう。忙しく立ち動いているスタッフを横目に、こんな時期に廃止するというソフトウェアーセンターを恨み、1日中パソコンにかじりついている自分に自己嫌悪が走る。それでも、すべてのパソコンが正常に動くようになった時は世の中が薔薇色に見えた。

 この山奥には技術者がいない。指導してくれる人がいないのですべて自分で設定し、プログラムも書かなければならない。または、とてつもない大きなお金を出して都市のエンジニアに委託するかしかないのだ。自治体のあちこちでホームページ作成するため数百万の委託料を計上しているのを見て驚く。それでも完成したページは、パンフレットでしかない場合が多い。

 長い時間を掛けてようやく新居に移転が完了した。この喜びと苦闘の記録を残したいと再びパソコンの前に座り込んでいる自分がいた。一皮むけたかなあ。


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編集を終って
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■早いもので、まもなく平成15年も終り、新しい年を迎えようとしています。
 新年は合併問題はどうなるのでしょうか。鞍岡支所は廃止になるのでしょうか。小泉改革の嵐は山村を叩き潰すことになるのでしょうか。日本の経済はどん底から這い出せるのでしょうか。イラク戦争はどうなるのでしょうか。自衛隊派遣は無事に任務の遂行ができるのでしょうか…。すべては新しい年の出来事として姿を現し、やがて過去形になるのですね。
 先ずは、ともあれ皆さん方ご一同様のご多幸とご健勝をお祈りいたします。
 今年も一年間、お付き合い頂きまして深く感謝申しあげます。
 そして、来年もよろしくお願いします。どうぞよいお年を!。(治)