かわら版 『風』 第30号

 2003年7〜8月号 毎月1回発行

 発行者  秋本 治 
五ケ瀬町鞍岡4615  電話0982-83-2326











******************************
     も く じ
******************************
臨時議会 1
議会改革について 2
褐ワケ瀬ハイランドについて 4
「風」の視点論点 7
町村合併説明会 8
波帰地区のお盆について 10
九月議会のお知らせ 10
編集を終って 13

******************************
臨時議会
******************************
■7月31日、議会構成を変えるための臨時議会が開催され、新たな議会構成が決定しました。
 本来、条例によると任期は4年ですが、慣例により2年で辞任し交替することになっているそうです。新メンバーは次の通りです。
議長 増永宗弘
副議長 後藤桂治

議会運営委員会
委員長 岡本康定
副委員長 米田昭午
委員 甲斐啓裕
委員 甲斐学
委員 白滝増男

総務常任委員会
委員長 甲斐啓裕
副委員長 秋本 治
委員 米田昭午
委員 松岡耕一
委員 増永宗弘

農林建設常任委員会
委員長 甲斐学
副委員長 坂本亀十
委員 岡本康定
委員 甲斐求
委員 後藤桂治

文教厚生常任委員会
委員長 白滝増男
副委員長 興梠春男
委員 後藤貴人
委員 橋本進

夕日の里ふれあい交流空間整備事業特別委員会
委員長 岡本康定
副委員長 米田昭午

西臼杵郡衛生組合議会
議員 増永宗弘
議員 甲斐啓裕
議員 白滝増男

国民健康保険運営協議会
委員 白滝増男
委員 興梠春男
委員 橋本進

病院運営協議会
委員 増永宗弘
委員 後藤桂治
委員 岡本康定
委員 甲斐啓裕
委員 甲斐学
委員 白滝増男

県北部広域行政事務組合議会
委員長 岡本康定
副委員長 米田昭午

議会選出監査委員 後藤貴人



 以下、臨時議会の経緯を議事公開の原則に基づき筆者のメモから転載します。

■8:45 議員控室で議運委員長より本日の臨時議会について議事日程の報告。
開会 午前9時
日程第1 会議録署名議員の指名
日程第2 会期の決定
日程第3 行政報告
(町長より五ケ瀬ハイランド鰍フ決算報告あり)
日程第4 議長辞職の件について
日程第5 議長選挙
日程第6 副議長の辞職について
日程第7 副議長選挙
日程第8 常任委員会委員及び議
会運営委員会委員の選任について
日程第9 特別委員会委員の選任
について
追加日程第1 議案第33号
 五ケ瀬町監査委員の選任同意について

■9:00 本会議開会。
議長は、第2回臨時議会開会を宣告、開議。住民課長出張のため欠席の報告。
☆日程第1.会議録署名議員の指名 一番 甲斐春男 2番 秋本治
☆日程第2.会期の決定 本日限りとする。
☆日程第3.行政報告
 町長より五ケ瀬ハイランド鰍フ決算概要及びワイナリー関連報告。
・7月24日(水)株主総会を開催した。
・今期は、102日の営業で前年より営業日数は17日の減であったが前年より95人増加した。
・スキーヤーは30,285人、スノーボーダーは44,489人で計74,774人の入場者。
・ワイナリーの運営会社を7月11日に登記、設立した。
(ここで、執行部は全員退席)
☆日程第4.議長辞職の件
・議長辞職願い、退席
・副議長議長席に就く
・議長は除斥(利害関係)により場外に退出
・事務局長、議長辞職願いの朗読
・採決、辞職許可
・除斥を解き議長入場
・8月1日からの新議長選挙を行なう旨説明して休憩を宣する

■議員控室で全員協議会
・議長への立候補者を募る
・立候補者は表明挨拶をすべき、しなくてもよいの賛否両論に分れるも、挨拶すべきに決着
・松岡耕一、増永宗弘、後藤貴人、岡本康定の各議員が立候補表明。「厳しい時代を迎え議会の役割大なるものがある。諸問題解決のため立候補したい」、「2年前も要望したが事情により遠慮した。諸問題山積のため立候補したい」、「合併問題、ワイナリー、病院、土木事業等大きな問題を控えている。議会の充実を図りたい」、「自治の根幹を揺るがす出来事が多い、自治の充実を貫き、議会の機能を活かしたい。予算、決算は、連合審査にする」などの意思表明が行なわれた。
・ついで、確認事項として
@慣例は、議長立候補者は副議長に立候補できないとされることの取扱について、副議長へ立候補もできることとする。
A条例により得票の4分の1以上で決定、同数はくじとする。
を確認。

■休憩を閉じ本会議再会
☆日程第5.議長選挙
・投票箱の設置
・議場の閉鎖(施錠)
・選挙立会人を3番甲斐求、4番坂本亀十議員に指名
・無記名投票。議席1番から順に投票
・開票。増永宗弘6票、松岡耕一1票、後藤貴人6票、岡本康定1票。
・同数のためくじ引きとなる。
・1回目、くじ引きの順番を決める為のくじ引き。後藤貴人議員が先となる。
・2回目本番、増永宗弘議員が当りくじ、故に増永議員が議長に決定。
・議場開錠
・新議長、「同数は初めて、後藤貴人議員に申し訳ない。皆さんのお力添えをお願いしたい」と当選の挨拶。
☆日程第6.副議長辞職の件
・副議長辞職願い提出、除斥(利害関係)により退場。
・事務局長、副議長辞職願いの朗読
・採決、辞職許可
・除斥を解き副議長入場
・8月1日からの新副議長選任を行なう旨説明して休憩を宣する。

■議員控室で全員協議会
・副議長の立候補を募る。
・後藤桂治議員「豊かな農村建設を目指す」と挨拶して立候補。他に立候補なし。
・立候補1人の為、推薦指名とするか、選挙とするか協議、投票を望む声あるため選挙に決定。

■休憩を閉じ本会議再会
☆日程第7.副議長選挙
・議場の閉鎖(施錠)
・選挙立会人を5番橋本進議員、6番甲斐啓裕議員に指名。
・無記名投票。議席1番から順に投票
・開票。後藤桂治13票、白票1票で後藤桂治議員が副議長に決定。
暫時休憩を宣告。

■議員控室で全員協議会
・議会運営委員長について議長より岡本康定議員を推薦したい旨の発言あり、全員異議なく決定。
・監査委員の推薦について岡本議員より後藤貴人議員を推薦したい旨の発言あり、全員異議なく決定。
「ご指摘受けながら努めたい」の挨拶あり。
・各常任委員会の選任について各議員が希望する委員会所属を記載した書面を議長に提出。
・議長、副議長が別室で裁定後報告。別表による委員が決定。
・各委員会は、それぞれ別室に集り、委員長副委員長を互選で決定。
・議会運営委員の選任について、委員は、委員長の他に各常任委員長3名と他にもう1名追加するの案件が提示され、米田昭午議員、秋本 治議員が立候補。別室で議長、副議長、議運委員長らが裁定、米田議員が選任された。
・夕日の里ふれあい交流空間整備事業特別委員会の設置について、委員長は岡本康定議員、副委員長に米田昭午議員が決定、委員は全議員で構成する。
・合併問題研究会は、総務委員長が会長に就任、全議員で構成する。
・他に、ソフトボール監督甲斐啓裕議員、キャプテン白滝増男議員に決定。

■休憩を閉じ本会議再会
・執行部再入場
☆日程第8.常任委員会及び議会
運営委員会委員の選任について
・事務局長、全員協議会で選任された委員会構成を説明。可決決定。
☆日程第9.特別委員会の選任について
・事務局長より、全員協議会で選任された特別委員会構成を説明。可決決定。
☆追加日程第1. 議案33号 五ケ瀬町監査委員の選任について
・町長より監査委員の選任同意について後藤貴人氏の略歴等説明があり表決、全員起立で可決。
後藤貴人氏、昭和13年6月17日生、五ケ瀬町大字三ヶ所10261

 以上で議事のすべてを終了し、町長が「新委員会構成を歓迎する。正面から向き合って取り組みたい」と挨拶。閉会した。

******************************
議会改革について
******************************
 議会の構成替えが行なわれたことを機に、筆者は議会改革を求める次のような要望書を議長ならびに議会運営委員長に提出しました。
--------------------------

2003.08

議長 増永宗弘様
議会運営委員会
委員長 岡本康定様

五ケ瀬町議会議員
秋本 治

五ケ瀬町議会の活性化について(要望書)

 五ケ瀬町の議会運営につきましては、平素より議会の充実と安定した議会運営に鋭意ご努力頂き深く感謝申し上げます。
 さて、このたび議会の構成が再編され、新たな役職のもと住民の付託に応えるべき決意を新たにしているところでございます。本町においても厳しい財政事情のもと地方分権と三位一体改革による合併問題、住民参加型の地方自治確立等に議会の役割と責務はこれまで以上に大なるものがあると存じております。
 つきましては、議会構成の再編成を機に本町議会の活性化と、より開かれた議会にするため、下記について議会運営の改革を要望するものであります。ご検討頂きますようお願い申し上げます。



@.本会議における「討論」を行って頂きたい。
 これまで本会議では、上程された議案に対して慣例により質疑応答の後、討論は省略して表決されておりました。このため、過去の会議録を調べても議決された案件がどのような理由で賛成されたのか、またはどのような理由で反対されたのか不明な部分が多く議会活動の内容がわかりにくいものとなっております。
 討論については、町村議会会議規則第44条に「議長は、前条の質疑が終ったときは討論に付し、その終結の後、表決に付する。」とあります。
 また、議員必携第2編「議会の運営」中「3.討論」の文中にも「討論がないと予想される場合でも『討論省略の動議』も『討論省略の議長の発議』も絶対に出せないことになっている。」とあります。
 このようなことから、議案の表決にあたっては、討論がないと予想される場合でも討論を省略されないで討論を議場に求めて頂きたいと存じます。

A.一般質問では通告案件ごとに質問と答弁が行われるようにして頂きたい。
 本町議会において、一般質問は一括質疑方式を準用されております。一括質疑方式は、質疑をしようとする事項の全部を述べて答弁を求めるもので質疑回数も3回までと制限されております。したがって複数の質問や答弁が一度に行われるため、その内容が多岐にわたり、案件ごとの質問を充分に詰めて行うことができません。
 会議録を読む場合も、複数案件の質問に対して複数の答弁が混在して記録されることから、会議録の内容が複雑となり、案件を検索する場合にも非常に手間がかかり、分りにくくなっております。
 こうしたことから、通告案件ごとに質問と答弁が行われるように改めて頂きたいと存じます。

 関係条例としては町村議会会議規則に
1.質疑については
(質疑の回数)
第55条 質疑は同一議員につき、同一の議題について3回を超えることができない。ただし、特に議長の許可を得たときは、この限りではない。
(質疑又は討論の終結)
第59条 質疑又は討論が終ったときは、議長は、その終結を宣言する。
2.質問については
(準用規定)
第63条 質問については、第55条(質疑の回数)及び第59条(質疑又は討論の終結)第1項の規定を準用する。
とあります。故に、質問は「同一議員につき、同一の議題について3回を超えることができない」を準用するわけですから、同一の議題ごとに3回までの質問を行うことは、基本的に規則には抵触しないものと考えられます。
 また、議事運営の効率化について、議員必携の「町村議会の活性化方策に関する報告書」(P381)によると一般質問における事前通告について「通告制をとる場合は少なくとも首長の答弁書もあらかじめ議員に事前通告すべきである。」と記されています。
 議会の活性化と責務を果たす為に是非このような改革に取り組んで頂きたいと存じます。

B.会議録のホームページ公開について
 議会は議事公開の原則にもとづいて運営されるものであります。本町議会におきましては、事務局に会議録が保管されておりますが、一般住民の閲覧はほとんどないのが実情と思われます。
 このため、開かれた議会にするためには、議会のホームページを立上げ、会議録をホームページ上で公開することが必要かと存じます。このことは、本町住民のIT活用率を高める施策としても重要な位置付けになると信じます。また、ホームページ設置により、議会に対しての住民からの要望等もmailで受付できるようになります。
 これに要する費用は、@パソコン1台(100,000〜150,000円)Aプリンター1台(20,000〜30,000円)Bホームページ作成ソフト(9,800〜15,000円)C電話回線接続他(20,000〜30,000円)の初期費用と、レンタルサーバーの場合月額5000円程度の費用(本町のサーバーが借用できれば無料)で運営可能です。
 より開かれた議会にするためにご検討のほどお願いします。

C.本会議場へスリッパに履き替えて入場することを撤廃して頂きたい。
 本会議場への入場について、五ケ瀬町議会では、議場入り口に下駄箱が設置され、入場時にスリッパに履き替える慣わしになっております。
 スリッパに履き替えることは、リラックスする時に行う日本の生活文化の一部であろうと思うものです。したがって真摯に議論を行う公の場として、襟を正して集中力を高めるにはスリッパ履きはふさわしくないと存じます。
 また、神聖な場所として靴を脱ぐという意識であれば、神聖な場所とするが故に充分な議論をつくすことができない環境になります。
 いちいちスリッパに履き替えることは効率も悪く、議会に関する条例、規則等にも抵触しませんのでスリッパ履きでの入場を撤廃して頂きたいと思うものであります。よろしくご検討のほどお願いします。
以上

***********************************
褐ワケ瀬ハイランドの決算について
***********************************
 第3セクター「褐ワケ瀬ハイランド」の本年5月期決算結果が発表になりましたので以下転記します。
五ケ瀬ハイランド損益計算書 前年対比表 単位:円
科目 前期(14/5) 今期(15/5) 増減
売上高 受託料収入 0 19,047,620 19,047,620
スキー場売上 374,115,422 378,502,605 4,387,183
宿泊売上 34,174,292 36,602,996 2,428,704
温泉売上 2,879,667 2,992,905 113,238
レストラン売上 79,247,364 84,210,230
売店売上 43,052,815 43,010,556
キャンプ場売上 1,555,376 1,257,047
合計 535,024,936 565,623,959 30,599,023
売上原価 期首棚卸高 4,111,995 4,350,708 238,713
商品仕入高 60,598,656 56,177,796 -4,420,860
賄い仕入高 56,842,353 59,129,064 2,286,711
小計 117,441,009 115,306,860 -2,134,149
期末棚卸高 4,350,708 5,052,812 702,104
合計 117,202,296 114,604,756 -2,597,540
売上総利益 417,822,640 451,019,203 33,196,563
販売費及び一般管理費 335,727,831 340,277,459 4,549,628
営業利益 82,094,809 110,741,744 28,646,935
営業外収益 受取利息 16,203 3,531 -12,672
受取配当金 3,500 0 -3,500
雑収入 6,782,783 3,288,767 -3,494,016
合計 6,802,486 3,292,298 -3,510,188
営業外費用(支払利息) 689,254 68,927 -620,327
経常利益 88,208,041 113,965,115 25,757,074
(償却前利益) 97,055,044 120,872,140 23,817,096
特別損失 0 79,629 79,629
税引前当期利益 88,208,041 113,885,486 25,677,445
法人税住民税事業税 289,192 35,890,000 35,600,808
当期繰越利益 87,918,849 77,995,486 -9,923,363
前期繰越利益 -99,852,683 -11,933,834 87,918,849
当期未処理利益 -11,933,834 66,061,652 77,995,486

五ケ瀬ハイランド販売費及び一般管理費 前年対比 単位:円
科目 前期(14/5) 今期(15/5) 増減
給与手当 21,348,815 24,840,144 3,491,329
賞与 4,064,300 4,092,200 27,900
雑給 85,894,395 83,213,594 -2,680,801
退職金 113,020 0 -113,020
法定福利費 5,377,666 5,928,756 551,090
福利厚生費 726,472 841,149 114,677
経費負担金 58,721,864 46,017,190 -12,704,674
人件費計 176,246,532 164,933,033 -11,313,499
賞与引当金繰入額 0 320,000 320,000
消耗品日 16,273,974 29,903,971 13,629,997
燃料費 22,753,980 21,383,267 -1,370,713
通信運搬費 13,805,319 12,983,518 -821,801
保険料 6,851,350 9,359,470 2,508,120
接待交際費 2,801,572 2,353,580 -447,992
支払手数料 1,241,523 2,888,075 1,646,552
広告宣伝費 5,764,843 5,376,313 -388,530
水道光熱費 24,745,962 24,118,086 -627,876
図書研修費 431,185 658,835 227,650
医薬材料費 420,537 406,118 -14,419
委託料 16,554,530 16,267,253 -287,277
使用料・賃借料 28,504,162 30,611,484 2,107,322
租税公課 2,314,088 1,839,245 -474,843
旅費交通費 2,013,864 2,345,494 331,630
税理士報酬 200,000 200,000 0
販売促進費 60,000 60,000 0
会議費 210,751 128,762 -81,989
修繕費 4,044,214 4,914,681 870,467
減価償却費 8,847,003 6,907,025 -1,939,978
雑費 1,642,442 2,319,249 676,807
合計 335,727,831 340,277,459 4,549,628


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
部門別内訳

スキー場 損益計算書 前年対比表  単位:円
科目 前期(14/5) 今期(15/5) 増減
売上高 売店 46,010,053 41,970,226 -4,039,827
レストラン・喫茶 47,355,545 46,968,382 -387,163
レンタル 68,455,626 67,305,927 -1,149,699
スキースクール 6,156,713 7,521,186 1,364,473
リフト売上 203,962,343 213,184,247 9,221,904
受託料収入 0 19,047,620 19,047,620
その他の売上 2,175,142 1,552,637 -622,505
合計 374,115,422 397,550,225 23,434,803
売上原価 期首棚卸高 1,481,078 1,567,846 86,768
商品仕入高 27,156,313 23,215,323 -3,940,990
賄い仕入高 19,348,000 20,741,026 1,393,026
小計 46,504,313 43,956,349 -2,547,964
期末棚卸高 1,567,846 1,555,084 -12,762
合計 46,417,545 43,969,111 -2,448,434
売上総利益 327,697,877 353,581,114 25,883,237
販売費及び一般管理費 237,086,982 246,534,118 9,447,136
営業利益 90,610,895 107,046,996 16,436,101
営業外収益 受取利息 15,170 -15,170
受取配当金 3,500 -3,500
雑収入 4,910,036 1,433,287 -3,476,749
合計 4,928,706 1,433,287 -3,495,419
営業外費用(支払利息) 540,803 43,412 -497,391
経常利益 94,998,798 108,436,871 13,438,073
(償却前利益) 101,145,639 113,344,189 12,198,550


スキー場 販売費及び一般管理費 単位:円
科目 前期(14/5) 今期(15/5) 増減
給与手当 11,642,413 13,783,854 2,141,441
賞与 2,428,800 2,221,100 -207,700
雑給 73,032,603 69,769,950 -3,262,653
退職金 0 0 0
法定福利費 2,191,855 2,798,254 606,399
福利厚生費 299,475 300,507 1,032
経費負担金 25,183,723 21,474,575 -3,709,148
人件費計 114,778,869 110,348,240 -4,430,629
賞与引当金繰入額 0 150,000 150,000
消耗品日 11,111,478 24,392,385 13,280,907
燃料費 18,517,380 17,560,067 -957,313
通信運搬費 11,751,802 10,875,678 -876,124
保険料 6,702,480 9,210,600 2,508,120
接待交際費 1,479,011 1,185,049 -293,962
支払手数料 695,138 1,780,762 1,085,624
広告宣伝費 4,866,619 4,214,954 -651,665
水道光熱費 15,071,008 13,998,737 -1,072,271
図書研修費 202,349 415,180 212,831
医薬材料費 318,539 299,439 -19,100
委託料 12,188,740 11,269,929 -918,811
使用料・賃借料 24,559,787 26,485,433 1,925,646
租税公課 2,045,338 1,636,930 -408,408
旅費交通費 1,649,189 1,901,102 251,913
税理士報酬 200,000 200,000 0
販売促進費 0 0 0
会議費 123,151 128,762 5,611
修繕費 3,180,067 3,902,233 722,166
減価償却費 6,146,841 4,907,318 -1,239,523
雑費 1,499,196 1,671,320 172,124
合計 237,086,982 246,534,118 9,447,136

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
木地屋 損益計算書 前年対比表  単位:円
科目 前期(14/5) 今期(15/5) 増減
売上高 宿泊売上 34,174,292 36,602,996 2,428,704
温泉売上 2,879,667 2,992,905 113,238
レストラン売上 62,462,005 68,056,630 5,594,625
売店売上 7,475,006 9,178,960 1,703,954
合計 106,990,970 116,831,491 9,840,521
売上原価 期首棚卸高 1,505,938 1,608,872 102,934
商品仕入高 6,191,439 7,676,309 1,484,870
賄い仕入高 29,637,837 30,179,024 541,187
小計 35,829,276 37,855,333 2,026,057
期末棚卸高 1,608,872 2,147,021 538,149
合計 35,726,342 37,317,184 1,590,842
売上総利益 71,264,628 79,514,307 8,249,679
販売費及び一般管理費 79,836,358 75,951,870 -3,884,488
営業利益 -8,571,730 3,562,437 12,134,167
営業外収益 受取利息 288 3,440 3,152
受取配当金 0 0 0
雑収入 1,643,018 1,711,417 68,399
合計 1,643,306 1,714,857 71,551
営業外費用(支払利息) 148,451 25,515 -122,936
経常利益 -7,076,875 5,251,779 12,328,654
(償却前利益) -4,907,491 6,745,807 11,653,298


木地屋 販売費及び一般管理費 単位:円
科目 前期(14/5) 今期(15/5) 増減
給与手当 3,994,057 5,314,072 1,320,015
賞与 404,300 814,400 410,100
雑給 9,726,653 10,724,711 998,058
退職金 113,020 0 -113,020
法定福利費 2,031,851 2,159,621 127,770
福利厚生費 376,462 482,830 106,368
経費負担金 33,177,309 24,542,615 -8,634,694
人件費計 49,823,652 44,038,249 -5,785,403
賞与引当金繰入額 0 100,000 100,000
消耗品日 4,209,365 4,662,498 453,133
燃料費 4,236,600 3,823,200 -413,400
通信運搬費 1,683,589 1,755,142 71,553
保険料 53,210 53,210 0
接待交際費 783,439 1,147,226 363,787
支払手数料 468,085 1,000,852 532,767
広告宣伝費 895,366 969,501 74,135
水道光熱費 6,267,490 6,370,749 103,259
図書研修費 158,378 173,197 14,819
医薬材料費 93,198 83,175 -10,023
委託料 4,110,360 4,697,895 587,535
使用料・賃借料 3,495,794 3,707,851 212,057
租税公課 253,087 182,089 -70,998
旅費交通費 90,951 335,820 244,869
販売促進費 60,000 60,000 0
会議費 70,080 0 -70,080
修繕費 850,147 987,948 137,801
減価償却費 2,169,384 1,494,028 -675,356
雑費 64,183 309,240 245,057
合計 79,836,358 75,951,870 -3,884,488

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

特産センター・キャンプ場 損益計算書 前年対比表 単位:円
科目 前期(14/5) 今期(15/5) 増減
売上高 食堂 16,785,359 16,153,600 -631,759
売店 26,574,206 25,674,132 -900,074
酒類売店 8,360,509 7,640,226 -720,283
キャンプ場 1,555,376 1,257,047 -298,329
その他 643,094 517,238
合計 53,918,544 51,242,243 -2,676,301
売上原価 期首棚卸高 1,124,979 1,173,990 49,011
商品仕入高 27,250,904 25,286,164 -1,964,740
賄い仕入高 7,856,516 8,209,014 352,498
小計 35,107,420 33,495,178 -1,612,242
期末棚卸高 1,173,990 1,350,707 176,717
合計 35,058,409 33,318,461 -1,739,948
売上総利益 18,860,135 17,923,782 -936,353
販売費及び一般管理費 18,804,491 17,791,471 -1,013,020
営業利益 55,644 132,311 76,667
営業外収益 受取利息 745 91 -654
受取配当金 0 0 0
雑収入 229,729 144,063 -85,666
合計 230,474 144,154 -86,320
営業外費用(支払利息) 0 0 0
経常利益 286,118 276,465 -9,653
(償却前利益) 816,896 782,144 -34,752

特産センター・キャンプ場 販売費及び一般管理費 単位:円
科目 前期(14/5) 今期(15/5) 増減
給与手当 5,712,345 5,742,218 29,873
賞与 1,231,200 1,056,700 -174,500
雑給 3,135,139 2,718,933 -416,206
退職金 0 0 0
法定福利費 1,153,960 970,881 -183,079
福利厚生費 50,535 57,812 7,277
経費負担金 360,832 0 -360,832
人件費計 11,644,011 10,546,544 -1,097,467
賞与引当金繰入額 0 70,000 70,000
消耗品日 953,131 849,088 -104,043
燃料費 0 0 0
通信運搬費 369,928 352,698 -17,230
保険料 95,660 95,660 0
接待交際費 539,122 21,305 -517,817
支払手数料 78,300 106,461 28,161
広告宣伝費 2,858 191,858 189,000
水道光熱費 3,407,464 3,748,600 341,136
図書研修費 70,458 70,458 0
医薬材料費 8,800 23,504 14,704
委託料 255,430 299,429 43,999
使用料・賃借料 448,581 418,200 -30,381
租税公課 15,663 20,226 4,563
旅費交通費 273,724 108,572 -165,152
税理士報酬 0 0 0
販売促進費 0 0 0
会議費 17,520 0 -17,520
修繕費 14,000 24,500 10,500
減価償却費 530,778 505,679 -25,099
雑費 79,063 338,689 259,626
合計 18,804,491 17,791,471 -1,013,020


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

スキー場月別客数
前期(14/5) 今期(15/5) 増減
12月 15,893 18,883 2,990
1月 24,495 25,334 839
2月 23,854 23,419 -435
3月 10,437 7,138 -3,299
合計 74,679 74,774 95

客数内訳
客層 前期(14/5) 今期(15/5) 増減
スキーヤー 38,528 30,285 -8,243
スノーボーダー 36,151 44,489 8,338
合計 74,679 74,774 95


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

褐ワケ瀬ハイランド
  貸借対照表
              平成15年5月31日現在(単位:円)
資産の部 負債の部
T.流動資産 (250,527,254) T.流動負債 (82,266,027)
現金 1,894,263 買掛金 15,963,906
普通預金 227,976,908 短期借入金 12,644,805
農協預金 6,470,538 未払金 16,979,349
郵便貯金 1,943,373 預り金 467,967
売掛金 4,664,366 未払法人税 35,890,000
商品 3,648,740 賞与引当金 320,000
貯蔵品 1,969,522
原材料 1,404,072
未収入金 551,472
立替金 4,000
U.固定資産 (17,800,425) 負債の部合計 82,266,027
(1)有形固定資産 (17,333,405) 資本の部
建物 5,002,826 T.資本金 (120,000,000)
建物付属設備 785,392 資本金 120,000,000
構築物 399,501
機械・装置 145,634 U.剰余金 (66,061,652)
車両・運搬具 171,961 当期未処分利益 66,061,652
工具器具備品 10,515,840 (うち当期利益) (77,995,486)
一括償却資産 312,251
(2)無形固定資産 (200,000)
ソフトウェアー 200,000
(3).投資等 (267,020)
出資金 100,000
保険積立金 167,020 資本の部合計 186,061,652
資産の部合計 268,327,679 負債・資本の部合計 268,327,679

注記 有形固定資産の減価償却累計額 60,108,149円


損益計算書
平成14年6月1日〜平成15年5月31日
(営業損益の部)
T.純売上高 (377,374,747)
スキー場売上 377,374,747
受託料売上 19,047,620
宿泊売上 36,602,996
温泉売上 2,992,905
レストラン売上 85,338,088
売店売上 42,493,289
特産品手数料 517,267
キャンプ場売上 1,257,047 565,623,959
U.売上原価
期首棚卸高 4,350,708
仕入 56,177,796
賄材料仕入 59,129,064 115,306,860
期末棚卸高 5,052,812 114,604,756
売上総利益 451,019,203
V.販売費及一般管理費 340,277,459
営業利益 110,741,744
(営業外損益の部)
W.営業外収益
受取利息 3,531
雑収入 3,288,767 3,292,298
X.営業外費用
支払利息 68,927 68,927
経常利益 113,965,115

特別損益の部
T.特別利益
U.特別損失
貸倒損失 79,629 79,629
税引前当期利益 113,885,486
法人税、住民税及び事業税 35,890,000
当期利益 77,995,486
繰越損失 -11,933,834
当期未処分利益 66,061,652



※「風」の視点論点
決算書を読んで
 第3セクター「褐ワケ瀬ハイランド」の平成15年5月期の決算は売上高565,623千円、税引前利益113,885千円と大幅な利益を計上しました。
 特にスキー場部門を見てみますと、売上高397,550千円、税引前利益108,357千円とこの不況下に売上高利益率は27.25%です。
 日本の高収益ナンバーワンの世界のトヨタ自動車でさえ2001年の売上高利益率は7.37%です。サービス業は、4%前後が普通とされています。それがスキー場はナント27.25%。素晴らしい会社になりました。
 けれども、手放しでは喜べません。それには、次のような事情が存在するからです。
 町の一般会計に森林公園事業費という項目があります。その事業費は、平成14年度3月の当初予算で国有林使用料4,500千円、リフト部品等1,000千円、7月補正で運営委託料20,000千円、リフト修繕費等15,154千円、その他12月補正にも計上されて平成14年度は合計で55,724千円となっています。
 森林公園事業は褐ワケ瀬ハイランドを支援する事業ですから、55,724千円の費用を一般会計で負担していることになります。
 この費用をスキー場の税引前利益108,357千円から差引きしますと利益は52,633千円となり、売上高利益率13.23%に変ります。
 それでも、トヨタより高収益です。けれども、もうひとつ計上されていないものがあります。
 事業会計の場合、設備投資に要した費用を回収するための減価償却費がありますが、五ケ瀬町が設備したスキー場の減価償却分の費用は計上されていません。(決算書に計上されている減価償却は、町の施設の中に会社が独自に設備した分と思われる。)
 減価償却は、施設の内容によって償却の年数が異なります。町の施設の減価償却は、単年度会計のために正確な数字の算出が困難ですが、仮に町が主用施設を20億円で建設したと仮定し、平均30年で償却しますと単純計算で年間66,000千円の減価償却が必要になります。
 そこで、森林公園事業費と前記減価償却の費用を決算書に入れますとスキー部門は13,367千円の赤字に変ります。
 一方、町が建設する施設は事業費の概ね50%が補助金と考えられますので、補助金分は、企業会計の場合簿価を圧縮できます。
 そうすると減価償却は半分の33,000千円となりますのでこれを算入すると実質利益は19,633千円となり、売上高利益率は4.9%。前掲のサービス業の平均的な数値に近い線に落ちつきます。
 このように、総体的な事業体の実質は利益が低いにも拘わらず、高収益になって決算時は、現金預金が238,283千円プールされ、35,890千円の法人税等を納税することになります。
 決算書からはこうした利益を上げるための仕組みも読みとることができます。そこで、視点を変えて見ると次のような論点が浮上します。

論点1.
 森林公園事業費55,724千円は褐ワケ瀬ハイランドの利益の上に利益を積み重ねたことになる。
 この内税金は、法人税率30%、事業税率9.6%、住民税率は法人税率×17.3%となっているので森林公園事業費の約44.79%は結果として税金となって消えることになる。
 森林公園事業費は適正な支出であったかどうか。(当期における法人税は、前期までの累積欠損引当があるため減額されるが、次期の引当が無くなる為、結果的には44.79%と考えられる。)

論点2.
 スキー場のリフト使用料や宿泊施設使用料等は、「五ケ瀬町公の施設管理委託に関する条例」で委託先から使用料を徴収することが定められているが、これを減免(無料)されている。委託先が高収益でありながら減免するのは、減免の本旨から外れていないか。

論点3.
 森林公園事業費及び使用料減免等は、そのまま委託先の利益に変ることになる。町の資金が委託先へ移動したことにならないか。

論点4.
 温泉付宿泊施設「木地屋」の年間の宿泊数は前年対比103.8%の伸びである。これに対して宿泊業組合の施設は、施設の形態にもよるが80%〜91%に落ち込んでいる。
 「木地屋」はもともと隣接のGパークのスポーツ合宿者を対象とした施設で、施設建設の際、宿泊業組合が「民業を圧迫する施設は止めて」と陳情、団体交渉した際に、町は、スキー客は泊めないと明言して建設されたものである。
(このことはマスコミで何度も報道され、当時の新聞や組合の議事録にも記録されている)
 こうしたことから木地屋のスキー客の積極的誘致は住民との協約に反することにならないか。
 また、競争は同じ土俵の上で行なわれるべきで,町の特別な支援を受けながら季節を問わず民間で受けられる部分を吸収することは民業圧迫にならないか。また、行政不審を増幅させることにならないか。

論点5.
 山村は都市との交流により地産地消で地域の活性化を図ることが求められ、褐ワケ瀬ハイランドは性格からそうした役割を負っている。
 スキー場のレストランと売店。Gパーク木地屋のレストラン。特産センターのレストランと売店等、町内の主要な都市との交流拠点を一手に収めているが、地産地消の取り組みが見えない。
 売店や料理材料仕入高の合計115,246千円の内、町内産品の調達額を表すなど貢献度と目標設定を示す必要があるのではないか。

 概略以上のような論点が考えられます。
 現体制以前に,スキー場が赤字を計上していたのは、管理体制も弱かったと思いますが、委託の仕組みが違って、リフト使用料等の減免措置がなかったことが主な原因と思われます。
 そもそも、公の施設は、住民の福祉の向上とサービスが目的でなければなりませんので、町が投資した施設や第3セクは、町や住民の負担なしには利益計上できない構造になっています。
 利益を上げる努力は最大限必要ですが、過度の利益(費用負担、高料金、独占等)は住民への福祉やサービスが比例して低下します。
 運営会社に必要なものは、住民の福祉やサービス向上、地域経済への波及効果等にどれだけ貢献できたかの物差ではないでしょうか。そうして、町の支援は損益分岐点までとするポリシーです。過度な利益もなく、赤字にならない程度に町が支援しながら安定した経営が持続できることが望ましい。
 そうすると企業の引き受け手がなくなるという議論もあります。委託金を出さなければ手を引くと言われたとも聞きます。
 もともと、この種の事業は、収益事業と公益事業を併せ持つ財団法人等の組織に向いています。
 或いは、商工会、JA、森林組合等開かれた機関で衆人監視のもと住民と協働で運営されるのが理想ではあります。
 ともあれ、自己利益主義に走らず地域貢献の一環として経営に取り組まれることを祈るばかりです。
 こうした議論は聖域ではない筈ですが、現状から踏み出す議論はタブー視される傾向にあります。主権者である住民の皆さんはどのようなお考えでしょうか。ご意見をお寄せ下さればと思います。
 尚、現在の褐ワケ瀬ハイランドの役員は、配布された資料によると取締役会長 飯干辰己氏(町長)、代表取締役社長中島勝美氏(雲海酒造且ミ長)、常務取締役光井潔文氏(雲海酒造渇c業部次長)、取締役中島美幸氏(雲海酒造兜寰ミ長)、取締役飯干勝利氏(雲海酒造鰹務)となっています。


******************************
町村合併説明会
******************************
 8月18日、15:30から高千穂町役場4階大会議室において、総務省合併推進課、川尾課長補佐の合併説明会が開催されました。
 主催は、県市町村合併支援室で、対象者は、西臼杵3町の町長、職員、市町村議会議員、任意合併協議会の委員等です。
 以下メモより転記します。

県市町村合併支援室古賀室長の説明
・合併前の旧町村に地域自治組織を置くことについて、法人格を有する組織、又は法人格をもたない組織のどちらかを置くこととされているが、今、自民党のプロジェクトチームでは、屋上屋を重ねることになるのではないかという異論がでて、検討を進めている。議員内閣制のような組織になるのではないか。
・財政運営の問題で三位一体改革について、20兆4千億の内4兆円程度削減したい。合理化を図られるものについて80%程度。合理化が図られないものは据え置く。一番は、教職員の人件費3兆円を削減の方針、これは市町村には関係なく県のみの問題。
・特別交付税は4月時点で昨年比2割減の方針であったが、最新の情報によると3割減となる模様。

川尾合併推進課課長補佐の説明

・地方制度調査会では、自治体の規模に応じて仕事の内容をどう変えていくか検討している。例としては、昔、北海道で1級市町村、2級市町村の制度があったことを参考にしている。
・西尾試案は、全国の市町村から袋叩きにあった。地方制度調査会では、再度、本日18日より市町村のあり方の検討に入り、11月に答申を出す予定。西尾試案よりニュアンスは変っても大きく後退はしないと思う。
・地方制度調査会の答申が出れば来年4月の国会で、出した以上は通したい。
・合併は、地方分権を推進するねらいがある。中央集権体制を変えるのが目的。
・住民サービスでひととおりのものは、全国どこでも同じサービスが受けられるようになった。
・バブル時代にはお金ができ、いろんな補助金の用意ができた。反面、全国的に季節感も、土地柄も個性がなくなった面がある。
・国は未曾有の財政難となり、全国にお金をばらまくことができなくなった。
・農村問題については、農水省が農家のことを分っているかどうか。都市部出身者が多くなって農村のことを知らなくなった。このため住民と接している市町村に任せたほうが良いと思うようになった。
・こうした問題を小規模市町村では担い手となりうるかどうかが問題。これからの人口減に対応するため合併の必要がある。
・人件費は合併による財政効果が高い。
・全国3千余の市町村を1千にまとめれば、4兆〜5兆円は節約可能。それでも、尚、10兆円足りない。
・サービスの切捨てと増税をやらなければできないこと。
・国民負担率について、世界先進国の中で日本は最低の水準にある。
・先進国並にすれば5割ほど増税が可能。
・国の借金を税で考えると税を10%上げ、更に消費税は20数%になってくる。増税とサービスの切捨てはやむを得ない。
・昭和の合併と今回の合併との違いは、交通手段の環境が相当違う。平成の合併は、車で1時間圏と考える。
・周辺地域が不便にならないかといわれるが、来年4月から税の申告もインターネットのホームページでできるように電子納税システムを急ピッチで進めている。
・法務局も、インターネットで閲覧、申請書もホームページから打ち出すことができる。
・パスポートも、インターネットで申請できるようにする。
・こうして窓口業務を思いきって減少させる時代となったので周辺地域は問題ない。それでもいわれるのは個人的な反対論である。
・合併しない小規模町村では1部の窓口業務を残して県庁で行なうか、規模の大きい隣町に委託。後、すべてを委託。吸収合併の方向へ。
・これに対して反論批判があった。それを受けて改めて検討した結果の中間報告が出た。大きくは後退していない。
・職員は、合併した町にすべて引き継ぐこととする。
・交付税は、10年間は合併しなかったものとして交付する。
・昭和の合併では、人口を八千人以上とした。今回も、人口規模を設定すべきという意見もある。11月の最終答申を待ってみる。
・税源移譲は、4兆円、80%。その分の補助金で何を減らすかは未定。学校の先生の人件費は100%廃止したい。
・税源移譲の中味については、12月議会で。11兆+7兆で18兆円になっている。借金は6兆円。
・市町村合併の次は県の合併。その次は道州制をめざす。

----------------------

※聞き書きのため、多少ニュアンスの違いはあると思いますが,概ね以上のような説明でありました。国は大変強気で、強引に合併を迫っているように見受けました。

 筆者は下記のような質問をぶつけてみました。

質問の概要
 三位一体改革で税源移譲するので地方は合併して地方らしい地域経営をすべきという意味のお話であるが、過疎山村は広大な面積を有している。全国の市の平均面積は、158ku、五ケ瀬町は市より広く170kuある。
 このような大面積を有する町同士が合併しても面積はますます広くなるばかりで税源はない。三位一体改革の税源移譲は面積について論じられないのはおかしい。
 戦後の拡大造林政策により,大規模に植林しているが、人口規模至上主義の政策は奥地に人が住めなくなる。森林の手入れができなくなれば森林は崩壊し、国家の損失になる。国土づくりの視点が欠落しているのではないか。

 先ほど、全国どこでも同じようなサービスが受けられるようになったと説明があった。総務省は、法務局をこの四月から高千穂にあったものを住民に相談もなく一方的に延岡市に統合した。これはもともと鞍岡にあったもので、それが高千穂に統合され、更に延岡市への統合である。延岡から80kmもある鞍岡などは、公共交通機関を利用して出かけると1日がかりとなる。車で出かけても片道2時間かかる。企業や団体では、1枚の印鑑照明、謄本なども延岡まで出かけなければならず、平等のサービスとは言えない。急を要する時は間に合わない。

 また、五ケ瀬町は、地籍調査の達成率も30%未満である。このような環境で、同じサービスが受けられていると考えているのか。総務省は現場を知らない。机上論でものを言っていると思うがどうか。

 交付税は、もともと地域間の調整機能をもつものとされている。合併非合併にかかわらずこの調整機能を堅持すると明確に打ち出すべきである。

 このような質問に対して概略以下のような答弁があった。

答弁の概要
 地域によっては、そのように森林破壊が進んでいることも承知している。しかし、国では、もはやどうすることもできなくなっている。仕方ないことと認識している。
 面積については、交付税等で加味されてはいる。
 法務局については、片道2時間というのは、よいではないか。都市部では通勤でさえ2時間圏というのはざらにある。年に一度位そういうことがあっても仕方ないと思う。
 ご指摘のような問題もあるが乗り越えなければならない問題である。

---------------------

 全く無茶な答弁としか言いようがありませんでした。しかし、考えてみると、国はそれほどまでに強引に合併を進める以外に道はないと考えているということです。
 これはとても厳しいことです。国に頼らないで生きていく方策を真剣に研究しなければなりません。

 また、合併による周辺地域のサービス低下に対しての答えは、インターネットによるものです。インターネットの活用が如何に過疎山村で低いか、現実的でないかをご存知ありません。東京で回りの皆んながインターネットを駆使しているからと、過疎地も同じ感覚で見ているようです。これは明らかに机上論ばかりで、いかに現場を知らないかの証明でもあります。それが故に特に本町でもIT活用を推進する必要があります。

※「風」の考察
「町村合併を考える」
 任意合併協議会で作成した西臼杵3町の合併した場合の財政シミュレーションは、資料の配布はまだ受けていないので詳細については分りませんが、ダイジェスト版の1部をコピーした資料を読む限りでは「合併したらこんなに財政がよくなります」という内容のようです。

 人件費の年間削減効果は、合併10年後140人削減で八億五千八百万円、15年後185人削減で十一億三千四百万円。議員は人口按分によれば、高千穂16人、日之影5人、五ケ瀬5人で、削減効果は六千七百万円。町長等の特別職は、六千四百万円。15年後で総額十二億六千七百万円。このように12億円余が削減できるという案です。

 財政シミュレーションでは、非合併の場合の財源不足が平成17年度は、高千穂町が七億二千七百万、日之影町が一億八千五百万、五ケ瀬町が四億四千七百万という数字が示されています。3町の不足額は、合計十三億六千万で、合併すれば六億八千万の不足で済み、合併10年後は、三億五千万の剰余金がでるという試算です。

 人口推計では、平成17年度は、高千穂町15,134人、日之影町5,017人、五ケ瀬町4,866人となっています。
 そこで、財源不足額を人口割りで試算してみますと、高千穂町四万八千円、日之影町三万七千円、五ケ瀬町九万一千円で、五ケ瀬町の人口一人当りの財源不足額は、なんと高千穂の1.9倍、日之影の2.5倍という数字になります。

 尚、この数字には算定基礎の疑義な点もあり、精度については、検討の余地はあると思いますが、いずれにしても五ケ瀬町が財政的に一番悪いのは事実です。
 「カエルの釜茹」のように知らず知らずと身動きが取れないようにならなければよいがという思いです。

 こうした中で、非合併で本町が生き残ることができるかどうか。生き残る為には、五ケ瀬町のまちづくりの抜本的なプランと、病院や福祉、3セク等のあり方の見直しと、職員が半分になっても続けようという位の意気込みが全町挙げて沸き立たなければ難しいかもしれません。

 一番の問題は、合併の組み合わせの選択肢をなくしたことです。(取り組みしだいでは間に合うかもしれませんが)
 町は、任意合併協議会立ち上げについて、この協議会では、西臼杵3町にこだわらず他の地域とも検討するなどと答弁されたので期待していました。ところが、3町以外の検討資料は全くありません。

 これまで、地域づくりのプランでしっかりした理念を持っていたのは、西臼杵3町と椎葉村、諸塚村の5町村によるフォレストピア圏域の構想がありました。
 「来るべき21世紀の森林化社会に向けて森林理想郷を目指す」という崇高な理念の元に5町村が大同団結してフォレストピア実行委員会を組織、これまでも各町村とも独自の事業を行なってきました。五ケ瀬町では県立中高一貫教育の「学びの森学校」など先進的な取り組みも見られました。

 こうした地域づくりの理念と自治体の規模のパワーは、合併しても3万人にも満たない西臼杵3町では政治や政策を動かすには至らないでしょう。
 政策を動かすパワーは、九州ではこの地域以外に森林理想郷を掲げる地域はないというスケールが必要です。こうしたフォレストピア圏域の選択肢を失ったことがひとつあります。

 もう一つのビジョンは、千穂郷の概念がありました。高千穂、五ケ瀬、蘇陽、清和一帯を指すエリアで千穂の郷という古来からの地域の郷です。これも一つの選択肢だと思います。

 総務省では、市町村合併の次は、県の合併、その先は道州制をめざすと明言しています。このため合併を検討する場合、宮崎県はなくなることを前提としたレベルで検討しなければならないでしょう。

 鹿児島県は、既に高速道も終り、来年3月13日から新幹線が八代から鹿児島まで開通します。10年後には福岡、鹿児島間が1時間余で結ばれるという九州の新幹線時代がきます。
 このように九州の大動脈は既に福岡、熊本、鹿児島になっているのです。残念ですが、熊本に近い当地が、奥の方の宮崎を向いていて大丈夫でしょうか。

 仮に五ケ瀬町が或いは鞍岡が熊本県に合併を望むとします。すると「併合」であれば、両県の県議会で決議すれば可能ということです。反面、新設合併として新しい町を作れば、両県の県民投票という手続きが必要です。こうした、いろんな選択肢を研究しなければならないでしょう。

 こうしたことを考えると、将来性のあるビジョンを描けるパターンとしては、@森林理想郷を目指すならフォレストピア圏域。A千穂郷の将来を描くなら千穂郷圏域。B将来、県の合併、道州制などの動きが始まった時、どこかの有利な基礎自治体へくっついたがよいとするなら、取り敢えず自立の道。この三つの選択肢しかないのではないでしょうか。
 西臼杵3町では、財政難から逃れる目的以外にはビジョンが見出せないように思います。皆さんのお考えはどうでしょうか。
 他町村では、3年後には今の状態では予算が組めなくなるという話しを聞きます。本町では聞きませんがどうでしょうか。おそらく自立の道はとても困難なイバラの道であろうと思います。まさに正念場です。
 合併、非合併に拘わらず、結論をあまり先送りできない問題であり、情緒的に単純に賛成反対で押し通すことができない問題でもあります。



******************************
九月議会のお知らせ
******************************

 本年度、第3回・五ケ瀬町議会定例会(決算議会)は、つぎのように開催されます。
9月 8日 定例会初日
9月11日 総括質疑
9月22日 一般質問
9月30日 最終日
 これまで、決算の審査は、各常任委員会に送付して委員会ごとに審査していましたが、今回、平成14年度の決算については連合審査ということです。11日の総括質疑の後19日まで連合審査が続きます。
 9月議会から、12月の議会へと合併の議論が正念場をむかえます。



******************************
鞍岡波帰地区のお盆について
******************************
 気が滅入るような議論ばかり書きましたので、気分転換にお盆のお話を掲載します。
 鞍岡波帰集落のお盆は、伝統的な伝承行事が色濃く残っています。そこで今年のお盆について、以下のようにインターネットへアップしました。URLは下記のとおりです。
http://www.miyazaki-nw.or.jp/yamame/bonodorikudoki-2.html
 尚、ネットには写真も使っていますが,本稿には添付しておりませんのでご了承ください。

-----------------------------
五ケ瀬町鞍岡波帰地区のお盆について
2003.08
やまめの里
秋本 治
 五ケ瀬町鞍岡波帰では、8月14日〜15日がお盆で、昔ながらのお盆の作法が伝承されています。03年のお盆を迎えて、この地区のお盆の模様を少し記録しておきます。

 当地のお盆はもともと陰暦の7月14〜15日で、戦後、新暦移行により今日の8月14〜15日に行なわれるようになりました。これが、月遅れのお盆です。熊本などは、陰暦の7月をそのまま新暦の7月に直して行なわれている地域も多いようです。このように、もともとお盆は、陰暦7月15日の満月の夜に行なわれる行事であったのです。お祭りなども昔は陰暦で日程が決められていました。それは、月の満ち欠け、満月と闇夜を重要なポイントとして時期が決められていたのです。

 この世で、生きとし生けるものは、満月と闇夜の関係が大きく生命に左右します。出産や死亡も植物の生殖も月の満ち欠けの影響を受けます。例えば,これから秋にかけて当地では、スズメバチやオオスズメバチの巣を獲って蜂の子を食べる風習がありますが、満月に巣を獲ってもサナギはあまり入っておらず、闇夜に巣を獲ればびっしりと重たいようにサナギが入っています。

 満月は、生きとし生けるものすべてがハイテンションになって精神状態が高ぶり、闇夜は静かに落ちつくのです。こうしたことからお盆は、満月の夜精霊が帰ってくると思われたのでしょう。また、電灯もない時代に始まった行事ですので、月明かりで夜道も歩き易いということもあったでしょう。いずれにしても、陰暦から新歴移行により行事の内容がしだいに精彩を欠くようになったことも事実です。

 さて、当地のお盆についてですが、お盆を迎える行事は先ず8月の墓掃除から始まります。墓場は、村の中央に共同墓地がありますが、十数年前に土葬の墓から納骨式の墓に共同で造り替えました。

 8月になったらこの墓地の清掃を6日までに地区の役員が日程を決め一斉に清掃をします。清掃が終ったら、集落道、町道などの草刈を共同作業で一緒に行ないます。
 
 そして8月7日は墓参りの日です。この日は早朝から村人がこぞって野の花やハナシバ(シキミ)などを墓地に持ち込みます。一番身近なご先祖様から順に親戚の先祖、ご縁のあった先祖の墓に盆花やハナシバを手向け、線香を焚いて手を合わせ、それぞれの墓碑の名前を読んで在りし日の先祖達を偲びます。この時、子供などにもよく教え込みます。お墓を回っているとお酒が好きであった先祖の墓には、お酒のワンカップが供えてあったりします。

 その日、墓参が終ると七夕用の竹を切り出し、短冊に願い事などを書きこんで笹の葉に吊り下げ、飾りをつけて庭先に立てこみます。こうすると、ご先祖様が、盆が来たことに気付いて家に帰る準備をされるといいます。七夕は帰る目印になるとも言われていました。今では、子供さんのいる家庭くらいしか七夕を立てなくなりました。そして、この七夕用の竹が物干し竿になるのです。

 古来から、「木ろく竹はち」と言われていました。「木は6月から伐採すること、竹は8月から切り出すこと」という意味で(旧暦ですが)、それ以前に切り出すと虫がついたりして長持ちしないという意味です。七夕の竹は、旧暦では7月ですが、物干し竿にはよいとされていました。

 8月13日には仏間の天井から1m四方くらいの板を宙に吊り下げてショウロウ(精霊)棚をつくります。昔は雨戸を1枚外してこれを棚にすることもありました。近年は、ショウロウ棚を省略して仏間に机等を出して供えられる家庭も多くなりましたが、伝統をしっかり守り続けている家庭もまだあります。

 ショウロウ棚には、位牌を仏壇から移し、収穫した農作物、ボンダラ(タラの煮物)などを供え、仏壇用の器にお茶と御飯等を供えて線香を焚き、先祖の里帰りを待ちます。ショウロウさんは、13日深夜、午前0時になったら「ボーン」といってショウロウ棚に来られ、15日の深夜12時にお帰りになると信じられています。そこで、その時間帯の午前0時前後には、雨戸や障子も少し空けておくのが慣わしです。

 初盆の家には盆ちょうちんがところ狭しと吊り下げられます。かつては、村中が初盆の家に盆ちょうちんを上げる慣わしでしたが、近年は、生活改善として盆の2日だけで使い捨てるちょうちんは無駄ではないかということで親戚縁者だけが上げるようになり数は少なくはなりました。

 ボンダラ。あのカチカチのタラの干物は今では大変高価なものになりましたが、昔は安価であったのでしょうか、たくさん買いつけて、テンコロ(藁を叩く木槌)で叩いてひびを入れ、藁縄でくくって流れ川に一昼夜つけてやわらかくしてから調理していました。子供の頃、箱眼鏡でヤマメ突きに行き、水中を覗いていると突然目の前にタラの干物が現われてびっくりしたものです。盆にタラを食べる習慣は今でも色濃く残っています。

 14日の夜は初盆のお家で盆踊りが始まります。この一年に亡くなったお家に村人がこぞって集り、用意してあるお煮しめやボンダラを食べ酒宴が始まります。宴もたけなわになった頃合を見て、太鼓が「ドン、カッコ、ドン、カッコ、ドンカラカッコカッコカッコ」と鳴り出すと一斉に老若男女が立ちあがり,大きな輪を作って扇子やウチワを手に盆踊りが始まります。

 1軒目が終るとまた次の初盆のお家に総出で移動し、また、お煮しめやボンダラの酒宴が始まり、頃合を見て再び盆踊りが繰り広げられます。そうしてまた次のお家に移動していきます。初盆のお家が多い年は深夜まで延々とこうしたことが繰りひろげられていきます。

 演目は、1.新ばやり。2.さえき音頭。3.たかなべ音頭。4.おまち踊り。5.網引き踊り。などですが、それぞれ太鼓の調子が変り、踊りも変ります。盆踊りは、歌いながら踊るのですが、この歌詞をそらんじている人はもういなくなりました。今では、古老がマイクを握って歌詞を見ながら唄います。歌詞は「くどき」(口説)を中心にしたもので、鞍岡や椎葉の地名が細かく出てくるのには驚きです。歌詞については、詳しくは下記に記録していますので興味のある方はご覧ください。
http://www.miyazaki-nw.or.jp/yamame/bonodorikudoki.html
 ご覧のように、ちょっと不気味な、おぞましいようなものばかりです。先人は、こうした盆踊りの場を戒めの教育の場としていたのでしょうか。

 昔の盆踊りは、男も女も皆んな浴衣がけでしたが、最近は、普段着のままが多くなりました。お盆も日常の暮しの延長線上にあり暮しのメリハリがなくなりました。身につけるもので精神状態も変化するものです。皆んなが浴衣を着ないと一人だけでは恥ずかしいということになり、暮しの作法が崩れていきます。お盆の雰囲気や心意気もしだいに失せていくことになります。ここは是非浴衣の着用をお願いしたいものです。

 14日から15日までは村中が、それぞれの家庭を回りながら酒食のもてなしを受け、先祖参りが続きます。初盆のお家では「寂しい盆でのう」または「初盆でのう」と挨拶します。初盆でないお家では「よか盆でのう」と挨拶を交します。村から出ていった方々もこの時は、里帰りしていて村人と顔を合わせ杯を交し、年一度の逢瀬を楽しみます。

 盆には、動物の殺生を嫌う地方が多く、刺身も食べないという地域もあると聞きました。ところが、当地では、盆がきたら、ヤマメを捕らなければなりません。今では養殖もので済ましますが,養殖のない時代は、箱眼鏡をとりだして金突きでヤマメを突きに出かけます。
 捕らえたヤマメは、串に刺してあぶり、15日の夜、ショウロウ棚の裏に刺します。ヤマメが無ければショウロウさんが帰れないのです。ショウロウさんは、13日の夜、盆トンボに乗って来て、15日の夜ヤマメに乗って帰える。「ヤマメはショウロウさんの乗り馬」と言い伝えられています。もっとも昔はヤマメとは言わず「エノハ」なんですが。

 15日の深夜が近づくと、いよいよ最後のお別れとなり、カネロウそうめんを茹でて供えます。カネロウそうめんとは、小麦粉を平たく打ったメンで名古屋のキシメンのようなものです。カネロウは、平たく編んだ荷い紐のことで、昔は、しば刈りなどにこのカネロウを一本持っていき、乾草や薪をカネロウで背負えるように荷っていたのです。まあ、万能ロープというところでしょうか。ご先祖様の荷造りにこのカネロウそうめんが必要と伝えられているのです。

 そうして、午前0時を迎えるとショウロウさんは、盆棚から居なくなります。ただ、小間使いのショウロウさんは、翌日まで残って荷物の整理をされるので16日の朝までは、お茶、御飯などを供えることになっています。こうして、鞍岡波帰集落のお盆は終りを迎えます。(終り)

※注、盆踊り口説きのURLの下記ページ
http://www.miyazaki-nw.or.jp/yamame/bonodorikudoki.html
は、資料から次のように転載しています。

-----------------------

五ケ瀬町鞍岡波帰に伝わる盆踊り

盆踊りの種類

1.新ばやり
 太鼓の調子「ドン・カッコ・ドン・カッコ・ドンカラカッコ・カッコカッコ・ドンカラカッコカ」繰り返し。

2.サエキ音頭
 太鼓の調子「トン・トン・トン」繰り返し。
 囃子「ヨヤナー」「ソウカイナー、ソウカイナー」「イヤコラドッコイ」

3.タカナベ音頭
 太鼓の調子「トン・トン・カラカッコ・カッコカ」繰り返し。
 囃子「ヨイトサー、ヨイトサー」「どうでも音頭さんがやり手じゃのう」

4.オマチ踊り
 太鼓の調子「トン・トン・トン」(サエキ音頭よりゆっくり)
 囃子「オイチゴケジヨ、ヤットカカエタ」

5.アミ引き踊り
 太鼓の調子「トン・トン・カラカッコ・カーッコカ」繰り返し。
 囃子「エーナー、エーナ、ノ、チョイトサッサ」「カカッタゴタル、ジットヒケ、ヤー」「トレター、トレター、マァタトレター」


盆踊りの歌詞

●アミ引き音頭
この瀬、よい瀬よ、三幅につもる
  つもる三幅に、パラリと投げた
イダが、三ごん、エノハが五こん(※イダ=ウグイ、エノハ=ヤマメの意)
  イダとエノハで、八こんとれた
生で、やろかな、酢かけてやろか
  生じゃ食われぬ、酢と醤油かけて
さあさ、これから、音頭が変る
  音頭かわれば、踊りも変る
さきの、音頭さん、ところはどこか
  声もようたつ、字もよくわかる
さきの、お茶を、呑むひまに
  わしがちょいとの、口説きを入れる

おどり、はじめは、7月7日
  もはややめごろ、あがりごろ
盆の、ござれば、先祖もござる
  先祖ござれば、花おどり
盆にゃ、おどるなら、しなよくおどれ
  しなのよい娘を、嫁にとる
唄は、歌いたし、唄の数知らず
  大根畠の、かれがやし
盆にゃ、踊り子に、金の輪入れて
  入れておどらせ、見とござる
さあさ、よいよい、よいことよいが
  よいも抱いたか、まだ出会わぬか
皆んな、唄おや、亭主も客も
  亭主唄わにゃ、唄われませぬ
切れた、切れたよ、唄の音が切れた
  またも唄わにゃ、唄われませぬ
盆の、13日に、おどれぬ人は
  腹にゃ七月、子がござる


●小崎押し入り口説き
野を越え、山越え、笠部を越えて
  風も静かな、この鞍岡の
さても、恐ろし、押し入りばなし
  高橋通りて、丁字に泊まる
見れば、3人、侍仕度
  二十、四〜五のが、かしらと見ゆる
丁字、立つときゃ、6日の朝よ
  駄賃草切り、会うごと立ちて
馬を、のけねば、切るぞというて
  牛をのけねば、切るぞというて
たんだ、急いで、舟郷谷よ
  またも急いで、本屋敷について
またも、急いで、仲塔村よ
  急ぐ峠に、小崎の村よ
見れば、構える、庄屋の庭に
  紙を広げて、銭干しなさる
小崎、村にと、押し入りしたが
  銭かと思えば、葛粉でござる
銭が、なければ、ともきり丸と
  名前ついたる、刀を奪い
小崎、村をば、立ち帰りたが
  帰り道には、財木村の
金の、山にと、いう所にて
  オサモ押さえて、髪切り落とし
騒ぎ、たてるな、あと追い来るな
  この火消ゆるまで、出ることならぬ
ひゃくめ(百匁)、ろうそく、二本もたてて
  越えたところは、板木の村よ
急ぎ、隠れる、牛落しの岩や
  御上言葉に、手捕て出せと
強(こわ)手、新手の、村人たちに
  手強く向う、悪人なれど
己が、悪事の、報いがために
  腹の虫起きて、相果てたるが
調べ、受くるは、榧の木谷で
  与一墓とて、今あるなれど
  悪い事など、なしてはならぬ


●おさわ口説
花の、延岡、柳沢町の
  米屋なされる、庄左衛門の
1人、娘の、おさわというて
  おさわもとより、信心な生まれ
親の、悪心、直すがために
  神にゃ大願、仏に寄進
米良の、児原の、お稲荷様に
  願もたてたが、大願たてた
立てた、願なら、ほどかにゃならぬ
  同行すすめて、10人できた
おさわ、かたりて、11人よ
  明日は日もよい、参ろじゃないか
そこで、おさわが、仕度をなさる
  下にきるのは、ちりめん肌着
上に、着るのは、もえぎの浴衣
  帯ははやりの、当世すじで
三重に、まわして、やぐらで止めて
  髪の結いぶり、天竺牡丹
色は、鴉(カラス)の、若羽の色
  足に白足袋、八つ緒の雪駄
立てば、芍薬、座れば牡丹
  歩く姿は、夏百合の花
そこで、おさわは、ふた親様に
  お暇願うて、旅立ちなさる
日数、数えて,きじのに着いて
  たんだ急いで、大河内に着いて
またも急いで、児原に着いた
  米良の、児原の、百間橋は
不浄も、嫌えば、悪事も嫌う
  悪事ある人、渡りはきらぬ
同行、十人、皆渡りたが
  おさわ1人が、渡りはきらぬ
同行、十人、皆聞きなされ
  わしが親様、米屋でござる。
わしが、親様、ふた桝つかい
  手前とるのは、金盤(検印)桝よ
人に、やるのは、七合桝よ
  チキリ秤は、読みこしなさる
帖に、つけたは、つけこしなさる
  それが報いで、百間橋の
橋の、大幅、糸筋となり
  橋の欄干、大蛇となりて
下は、血の池、血の波がたつ
  親の報いで、こうなりました
同行、十人、皆口々に
  おさわ手をやれ、お手引き渡す
同行、皆様、お参りなされ
  親の報いで、渡りはきらぬ
同行、国許、帰られたれば
  ここの仔細を、庄左衛門に
話し、給えと、小石を拾い
  両の袂に、しっかり入れて
抱いた、袂で、分れを告げて
  下の大川、身を投げなさる
親の、悪事の、報いのために
  1人娘の、信心さえも
神にゃ、届かず、仏もきかず
  娘死んだる、その哀れさは
  さても恐ろし、悪事の報い


●おくま口説
国は、どこかと、細かに聞けば
  京の室町、イツヤの娘
イツヤ、娘に、おくまというて
  おくまもとより、信心な生まれ
神にゃ、大願、仏にゃ寄進
  お伊勢さまにも、大願たてた
立てた、願なら、ほどかにゃならぬ
  親にびくびく、お暇を願う
わしが、音頭は、街道で拾うた
  拾うた音頭で、合うこと知れぬ
合わぬ、ところは、入れ子を頼む
  入れて踊らせ、のう見とござる
音頭、とる子が、橋から落ちて
  橋の下から、泣き音頭とる
もしも、親から、返事がないか
  返事なけらにゃ、夜の間に発つか
道の、三里も、大橋小橋
  三度急いで、オバタに着いた
オバタ、街道で、お宿を願う
  夜具のよいこと、ならびにゃないが
女、心か、えいなものか
  おくまもとより、正直者で
肌に、付けたる、四十両の金を
  宿の亭主に、しっかと預け
宿の、亭主が、悪人ならば
  おくま殺して、金取る企み
夜の、ご馳走、親よりましで
  奥の納戸に、おくまを寝せて
夜中、まなかに、亭主が起きて
  おくま殺すが、覚悟はよいか
おくま、殺すが,いうことないか
  そこでおくまは、それ聞くよりも
待ちて、くだされ、お亭主様よ
  金が欲しけりゃ、四十両の金を
又も,欲しくば、父上様に
  ひなかひきたて、取引進上
言えど、亭主は、聞けわけもなく
  棚の黒鞘、すらりと抜いで
おくまの、身体を、七箇所切りて
  おくまの身体を、つづらに詰めて
御用、油と、いうて詰めおいた
  これがお江戸に、知れねばよいが
これが、お江戸に、さらりと知れた
  お江戸方から、捕っ手が見えた
一家、親類、七従弟まで
  向う三軒、両隣まで
捕りて、しまいて、四十八人の
  そこで代官、おさばきなさる
おくま、兄弟、知恵持なれば
  申し上げます、代官様よ
四十、八人、皆殺しても
  おくま身体は、返りもしない
おくま、身体に、1人きりで
  成敗なしてと、お願いすれば
代官、様の、おさばきありて
  道の三方辻に、穴をば掘りて
おくま、殺した、亭主の身体
  首を出しては,生き埋めなさる
竹の、鋸を、こしらえおきて
  往く人返る人、皆引くように
高札、立つるも、悪事の報い
  竹の鋸を、手で挽くよりも
  心に染みる、悪事でござる。

さあさ、出せ出せ、七つも八も
  出してお客の、目を覚ませ
揃うた、揃うたよ、踊り子が揃た
  秋の出穂よりゃ、まだ揃うた

以上の他に
●平左口説
●鈴木主水
などの長い歌詞があります。


******************************
編集を終って
******************************

■お盆が過ぎ、残暑厳しい毎日ですが、いかがお過ごしでしょうか。お見舞い申し上げます。
 先ずは、二点ほどお詫びしなければなりません。一点目は、かわら版の発行が遅れたことです。「かわら版が届きませんが」等の声がありました。申し訳ありませんでした。勝手ながら30号は、7月〜8月分とさせていただきます。
 8月は、B TO B(インターネットによる企業間取引)を新たにはじめて、ホームページの更新をJava Scriptというパズルのような言語で作成していたら時間取られてしまいました。
 もう一つは、前号の発行で原稿が二重になっていたことです。
 6月中に発行すべく、原稿の準備はできていたのですが、6月30日の朝、祇園神社の神楽殿落成で朝7時集合ということでしたので、何とか6月中に発行したいと早朝5時過ぎから原稿をかわら版に貼り付け作業をはじめて、印刷し、事務所のスタッフに依頼して慌てて神社に駆けつけました。
 後日、読者から「同じ事を書いてあるよ」とご指摘を受け、調べてみましたら、な、なんと二重に貼りつけているではありませんか。
道理で、このボリュームで二〇頁とはおかしいなあという気がしてはいたのです。申し訳ありませんでした。汗顔のいたりです。

■前号(29号)に議員研修誌「地方議会人」に寄稿しす原稿を掲載しました。雑誌には7月号に掲載されましたが、北海道から九州まで、各地の議員さんたちから、お手紙や電話、fax、mail等を頂きました。さすが全国紙と感心しました。
 ひるがえって考えますと、「地方議会人」によい意見が掲載してあっても手紙を書いたりする行動に出ることは無かった自分を思うと皆さんの行動力には感銘を受けました。もっと行動力を身につけなくてはと反省です。

■7月16日から2泊3日で議会の研修視察に出かけました。ワイナリーの視察に山梨県勝沼、医療福祉政策に勝沼の近くの市川大門町です。
 メンバーは、議会構成再編前の文教厚生委員会と農林建設委員会それに事務局長の計10名です。帰りに国会の議員会館に行き、上杉、小斉平、江藤の地元選出3代議士に本町の懸案事項を陳情してきました。
 総務常任委員会は、以前に合併をしない町宣言の矢祭町へ行きました。年一回の町外視察のための予算が計上されているのです。
 勝沼には、筆者は何度も足を運んでいて友人もいますが、勝沼町のワイナリーなど皆さん初めてということでワイナリー計画の前に来るべきだったなどの話しを聞きました。
 この町は、ぶどう栽培が盛んで、水田は1枚もないのです。宮崎産のワインもここから原料が運ばれています。
 かなりな予算を使わせて頂きましたが、皆さん熱心に勉強されたので効果は充分にあったと思われます。

■議会構成再編を機に議会を改革しなければと、前掲の「五ケ瀬町議会の活性化について(要望書)」という文書を議長、議会運営委員長経由で議会に提出しました。
 全員協議会等でいつも言っていますが、なかなかとりあげられないので文書にしたしだいです。
 まだ、全員協議会には計られていませんが、現在までの情報としては、議会運営委員会で審議の結果、賛成がなかったということです。
 なんでも「議会の活性化」という部分が良くないということだそうです。議運の皆さんは、今のやり方で充分活性化が図られているとお思いでしょうか。
 いずれ、全協での審議になると思いますので、反対の理由を明確に出して貰おうと思っているところです。
 慣例とされる悪習を変えるのは大変。やはり一年生議員は力がないのか。「一期目の議員でそういう例はない」。委員長改選でも飛んでくる言葉です。辛い!。

■このかわら版は、町外の方にもお送りすることができます。これまで、年会費千円でお送りしておりましたが1回200円を要しますので切手または、現金で希望回数分をお送りください。お送り頂いた郵送料の範囲で郵送を続けます。但し、一年分を超えない範囲でお願いします。
 インターネットにもアップしています。yahooなどの検索エンジンで「やまめの里 五ケ瀬町」と入力してください。するとやまめの里のアドレスが表示されます。それをクリックするとやまめの里のホームページが現われます。その画面の左フレームの下の方に「かわら版『風』」の項目がありますのでそこをクリックしてください。これまでのかわら版すべてを見ることができます。(治)