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も く じ
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スキー国体県予選大会 |
1 |
臨時町議会開会 |
1 |
鞍岡中山間地事業説明会 |
2 |
県民スキー大会検討会 |
3 |
都農ワイナリー視察 |
3 |
森林保全巡視員委嘱 |
4 |
負担金の徴収について |
4 |
行政もバランスシートを |
5 |
編集後記 |
9 |
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03年1月の主な動き
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■1月7日スキー国体県予選大会
五ケ瀬ハイランドスキー場で5日に開催予定されていた九州4県スキー選手権大会は、前日から降りはじめた大雪と強風のため大会が中止となり、代わって7日に国体予選を行いました。
第58回・国民体育大会冬季大会
スキー競技宮崎県予選会結果
1.日時 平成15年1月7日(火)
9:00 開 会 通 告
9:10〜 9:30 インスペクション
9:30〜10:00 予 選 会
10:30〜 閉会式
2.会場 五ケ瀬ハイランドスキー場パラダイスコース
3.大会結果
(1)少年男子
順 位 |
氏 名 |
記 録 |
1 位 |
横 山 考太郎 |
18秒49 |
2 位 |
野 口 諒 |
18秒92 |
3 位 |
上 村 光太郎 |
19秒28 |
4 位 |
中 尾 佳 祐 |
19秒93 |
5 位 |
富 樫 翔 一 |
20秒84 |
(2)成年男子A
順 位 |
氏 名 |
記 録 |
1 位 |
松 田 拓 朗 |
16秒98 |
(3)成年男子B
順 位 |
氏 名 |
記 録 |
1 位 |
春 川 幸 作 |
19秒13 |
D S |
瀬 川 英 智 |
D S |
金 井 智司 |
(4)成年男子C
順 位 |
氏 名 |
記 録 |
1 位 |
大 野 徹 |
19秒49 |
2 位 |
米 田 文 夫 |
20秒14 |
(5)成年女子B
以上により選手選考を行い、以下の選手団で来る2月22日より北海道名寄町で開催されます第58回・国民体育大会冬季大会に県代表として出発します。結団式は、2月17日午後県庁講堂で行われます。
選手団一覧表
監督 |
秋本 治 |
監督 |
藤本 潔 |
コーチ |
水口 和博 |
コーチ |
熊原 京子 |
選手 |
松田 拓郎 |
選手 |
瀬川 英智 |
選手 |
米田 文夫 |
選手 |
富樫 翔一 |
選手 |
横山 孝太郎 |
選手 |
中尾 佳祐 |
選手 |
上村 光太郎 |
選手 |
野口 諒 |
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■1月14日臨時町議会
平成15年1月14日臨時議会が招集されました。議案は、工事請負契約の締結について議会の議決を求めるものです。
○議運の報告 9:30〜
・日程 会期は本日1日限り
10時開会予定
・議案は工事請負契約のみ
・会議録署名者は8番甲斐学議員
9番後藤桂治議員
・議案の内容以下の通り
次の通り工事請負契約を締結したいので地方自治法第96条第1項第5号の規定により議会の議決を求める。
1.契約の目的
平成14年度経営構造対策事業連絡道整備工事
2.契約の金額
一金90,615,000円(内消費税4,315,000円)
3.工期
契約の日から平成15年3月31日
4.契約の相手方
西臼杵郡高千穂町大字三田井6,262番地1
株式会社矢野工業 代表取締役矢野文昭
5.契約の方法
指名競争入札
6.専決処分にかかる事項
・工期の変更
・契約金額の5%以内の増減
以上
全員協議会で執行部説明
大字桑野内、夕日の里整備事業(平成14年度経営構造対策事業)にかかる連絡道(495,7m)の入札について
・町内4社(矢野興業、飯干産業、真野建設、五大建設)と町外3社(木田組、工藤興業、竹尾組)を指名して入札を行った。
・矢野興業3回目86,300千円で落札(99,8%)
・工期は平成15年3月31日であるが工期延伸を申請中、6月24日までとする承認がでる見込み。
・若干の工事変更ある予定、工事請負契約の5%以内で専決処分としたい。
○全協での主要な質疑
Q.契約の相手方は、高千穂町となっているが町内扱いでよいのか。
A.事業所が町内にあるので町内扱いとした。
Q.業者の税金はどちらに入るか。
A.事業税は高千穂町へ入るが事業所割もあるので一部は本町にも入る。
Q.5%増減の専決処分は減もありうるか。
A.ないと思う。
○続いて全協でワイナリー計画について担当課長より説明
1月4日、雲海酒造と協議を行った。
確認事項は
・収支計画の策定
・工事スケジュール
・資金計画
であるが、結論に至っていない。
目下雲海酒造でワイナリーの収支計画を策定中、完成次第提示する。
質疑
Q.3セクの立上げはどうなっているか。
A.資本金、酒税法の手続、技術者の確保等検討中
Q.ワイナリー着手までに事業効果の目標設定(アウトプット・アウトカム等)をすべきである。
A.検討する
Q.ワイナリーは、町の施設となる。この施設を3セクに無償で貸与するのか。又3セクは使用料を含めた収支計画を策定するのか
A.協議の上検討する
Q.ワイナリー事業補助残の内、町が単独予算で支出した分は、減価償却の対象にして回収する考え方が必要ではないか。
A.検討したい
○本会議開会 10:15〜
町長 提案理由の説明
質疑 なし
採決 全員起立
で原案どおり可決決定した。
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■1月20日中山間事業説明会
鞍岡中央公民館において鞍岡地区の中山間地総合整備事業の経緯について担当課より鞍岡地区議員を対象に説明会が開催されました。
1.営農飲雑用水施設水源確保の経緯について(鞍岡地区水道施設)
・平成13年度県営畑作振興深層地下水調査でダイワコンサルタントにボーリング委託した結果揚水量115t/日しか確保できないことが判明。計画水量360t/日からすると245t/日不足。
・再度、ダイワコンサルタントに委託して倉本川の支流分岐点において再調査しボーリングした結果、揚水量14.4?/日と僅少のため必要水量を確保できないことが判明した。
・このため水源を黒峰簡易水道と祇園水道の湧水を水源として利用計画を立て水量調査を行った。その結果次のとおりの水量が測定された。
14年12月6日
祇園簡易水道 832.3t/日
黒峰簡易水道 69.1t/日
計 901.4t/日
15年1月15日
祇園簡易水道 797.7t/日
黒峰簡易水道 129.6t/日
計 927.3t/日
※論評
それにしても、コンサルタントはいい加減なものです。2度もボーリングに失敗して結局は現在の湧水を利用しなければ計画が立てられないとは。調査費用はしっかり受け取るわけですから。
ワイナリー計画にしてもしかり、以前本紙で詳報したようにあまりにもいい加減なレストランの計画でした。地域づくりにおいて諸悪の根源はコンサルにありと看破したい。
しかし、その源はコンサルを選定した側の責任、そしてそれを認めた議会の責任ということでしょうか。けれども議会は予算の議決権はあっても業者選定の議決権はありません。が、失策を追及することはできます。
それにしても、鞍岡の水道計画は客観的に見るとなんかおかしいと思われませんか。鞍岡には有名な四億年の地層から湧出する名水「妙見の水」が大量にあるというのに。
病気が治ったなどの噂が立つほどのこの名水を飲まずして、他をボーリングして探したり,台風時などは白く濁る祇園水道の水源に依存しなければならないとは。
一方では、町外の業者の方が「妙見の水」近くでボーリングに成功し、同水質の水を確保してこの水を外販事業化して着々と準備をすすめているというのに。
妙見の水の水田への利用は、低水温のため稲の成育にはよくない筈。河川水を必要な時期だけポンプアップすれば問題は解決する筈ですが?。なんかおかしい、住民が損していると思われませんか。
2.農業用用水施設整備地元負担金について
中山間地総合整備事業の受益者負担金については、本紙1月号で条例制定を詳報しましたように負担金の案が提示されました。
対象は、農業用水路事業で、三ヶ所地区で行った中山間地事業には農業用水路事業が無かったことがその理由です。
事業量と負担金の案は次表の通りで事業費の1%負担の場合と2%負担の場合の2案が提示されました。
1%負担の場合、5,860千円、2%負担の場合11,720千円が町に入ることになります。
この案に対しては、いずれの案についても反対するつもりです。
(負担金単位千円)
地区名 |
事業量(m) |
受益戸数 |
負担金 1%案 |
負担金2%案 |
スクナ原 |
1,590 |
14 |
614 |
1,228 |
荻原1 |
1,230 |
18 |
675 |
1,350 |
荻原2 |
880 |
14 |
448 |
896 |
道の上 |
|
24 |
816 |
1,632 |
日陰 |
480 |
64 |
538 |
1,076 |
木合屋 |
1,850 |
5 |
746 |
1,492 |
倉本1 |
370 |
6 |
277 |
554 |
倉本2 |
410 |
4 |
190 |
380 |
小川1 |
360 |
3 |
293 |
586 |
小川2 |
410 |
2 |
270 |
540 |
荒谷1 |
670 |
8 |
243 |
486 |
荒谷2 |
650 |
6 |
373 |
746 |
大石の内 |
600 |
5 |
377 |
754 |
計 |
9,500 |
173 |
5,860 |
11,720 |
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■1月23日 スキー大会検討会
昨年スキー連盟で開催した宮崎県民スキー大会は、今年から「第56回・宮崎県民体育大会冬季大会と位置付けられ、今回は公開競技として開催されることになりました。県主催の大会が五ケ瀬で開催される意義は大きいと思います。
その打合わせ会が役場第2会議室で午後1時30分から開催されました。
会議は、企画商工課商工観光係長の廣本氏の司会で始まり、県スポーツ振興課の米田係長の挨拶に続いて水口競技部長により競技の内容について説明があり、質疑応答に入りました。
主要な課題次の通り。
(スキー場側)
・スキー場としては、8:00〜9:00までの競技時間を30分延長して対応する
・試合前日の選手の練習では、競技コースでスピードを出して練習すれば危険なので(前回事故があった)控えるように指導して欲しい。
・今回の大会を参考にして次回からは、競技が終ってから一般客を入場させるなどの対策も検討したい。
(企画商工課)
・宿泊者の案内は、同課にある観光協会で行う。
・スキー大会会場の案内板等の設置を検討したい。
(体育協会)
・本町にもスキークラブができ、4月から町の体育協会に加盟する予定。
・今後開会式は、Gパークのドームにおいて入場行進から始まるような開会式にしていきたい。
以上
尚、大会は県の実行委員会、競技は宮崎県スキー連盟、受け入れ体制づくりは行政と地元という役割分担になります。
出席メンバーは下記の通りです。
・米田史彦氏(宮崎県スポーツ振興課生涯スポーツ係長)
・飯干光政氏(五ケ瀬町教育委員会教育次長)
・原田康弘氏(同社会教育係長)
・増永 稔氏(同社会体育担当)
・金子武実氏(五ケ瀬町企画商工課課長)
・廣本憲史氏(同商工観光係長)
・藤本一男氏(五ケ瀬町体育協会会長)
・光井潔文氏(五ケ瀬ハイランド常務)
・秋本良一氏(第14区公民館長)
・水口氏(宮崎県スキー連盟競技部長)
大会の内容
日程
3月1日(土曜日)
・大会役員代表者会議14:30〜15:30スキーセンター内
・開会式16:00〜16:30 スキーセンター前
・前夜祭(14区公民館主催)17:30〜19:00 波帰公民館
3月2日(日曜日)
・登降リフト運転開始06:50〜
・インスペクション 07:00〜07:50 パラダイスコース
・競技開始時間 08:00〜09:00パラダイスコース
・表彰式・閉会式 10:00〜10:30 スキーセンター前
競技種目 大回転競技
・Aクラス 少年女子(高校生)
・Bクラス 成年女子(S.53.4.2〜S.59.4.1)
・Cクラス 成年女子(S.53.4.1以前)
・Dクラス 少年男子(高校生)
・Eクラス 成年男子(S.50.4.2〜S.58.4.1)
・Fクラス 成年男子(S.42.4.2〜S.50.4.1)
・Gクラス 成年男子(S.42.4.1以前)
競技方法
1)市郡対抗団体戦及び個人戦とする。
2)出走はAクラスより行い、個人の出走順位は大会本部が抽選の上決定する。
参加資格
1)宮崎県在住のスキーのできる人。(ただし、高校生以上)
2)その他開催基準要項に準ずる。
競技規則 平成14年度全日本スキー連盟最新版による。ただし、本大会に定められた規約が優先とする。
申込方法 別紙申込書を2部作成し、各市郡体育協会を経由して下記宛先の2ケ所へ各一部ずつ送付すること。
◎送付先1 〒880-8502 宮崎市橘通東1-9-10
県教育庁スポーツ振興課内
第56回宮崎県民体育大会実行委員会事務局
◎送付先2 〒883-0021 日向市財光寺4625-8
日高伸一方 宮崎県スキー連盟事務局
参加料 3.000円
申込期限 平成15年2月20日(木)必着
その他
@事前にスポーツ安全保険に加入すること。
A競技中の事故については、応急処置は行うが、その後の責任は負わないものとする。
B安全のためヘルメット着用が望ましい。
C選手のゼッケンは開会式場で配布するので開会式には出席のこと。
問合せ先
@大会関係 県教育庁スポーツ振興課 0985-26-7247
又は各市町村の体育協会
A競技関係 宮崎県スキー連盟事務局 090-5920-7137
B宿泊関係 五ケ瀬町観光協会0982-82-1717
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■1月28日〜29日都農ワイナリー視察
28日は、南郷町ハートフルセンターにおいて政治評論家塩田潮氏の時局講演会に県内町村の議員が参加、29日は本町議会で都農ワイナリーの視察研修を行いました。
都農は、戦前からぶどう植栽の歴史があり、尾鈴ぶどうの銘柄で有名です。昭和53年には、2,200トンの生産量を誇り、その後減少傾向が続いて現在は、150ha、1,300トンの生産規模で推移。県内ぶどう生産量の50%を生産しています。
品種は、キャンベルアーリーを中心にデラウェアなどで北海道や東北中心に青果で出荷されている。
ワイン醸造については、平成6年に第3セクター有限会社都農ワイン設立、翌7年酒造内免許取得、平成8年ワイナリー醸造設備を整備、期限付免許取得、平成11年永久免許取得しています。
ワインの生産量は、平成12年度202,654本、13年度220,952本でいずれも限定販売するほど人気があります。
しかし、ワインブームが過ぎ去った今新たな販売対策を検討しているということです。
課題は、レストランの赤字と生産農家が多いためワイン醸造が生産農家の経営安定にそれほど効果が見こめないことなど。反省として町民参加型のワイナリーを目指しNPOを設立予定。
ぶどうの仕入価格は、キャンベルアーリーでキロ当り200円、専用種で300円。(参考 山梨産はキロ当り70〜80円)。
都農ワインの特長は、都農産ぶどう100%のワインで、技術レベルが高く高品質ワインとして人気があります。
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■1月31日森林保全巡視員委嘱状交付式
この日、午前10時30分から五ケ瀬町役場第1会議室において九州森林管理局から「霧立越の歴史と自然を考える会」の役員7名に森林保全巡視員委嘱状の交付式が執り行われました。
森林保全巡視員は、平成14年度に制度化されたもので、国有林内において動植物の盗採防止、森林火災の防止、登山者の安全など巡視指導を行う制度です。
九州森林管理局管内では95名が管轄の森林管理署から委嘱を受けました。今回は、県をまたがった巡視ということで、九州森林管理局長の委嘱になり、局長委嘱は九州では始めてということです。
当日は、熊本県側と宮崎県側の森林管理官など多数出席の元、宮崎県北部森林管理署の井上署長から森林パトロールの腕章と身分証明書が1人1人に手渡され「九州中央山地の国有林は、森林生物遺伝子資源保存林など保護林も広く、入林者も増加していることから貴重な植物の保護や登山者の安全、森林火災の防止などに努めてください」と挨拶がありました。
委嘱を受けた巡視員は、今後、清和村、五ケ瀬町、椎葉村の国有林を巡視、森林の保全に努めることになります。
霧立越の歴史と自然を考える会で委嘱を受けた者の氏名は次の通りです。
会長 秋本 治(五ケ瀬町岡)
副会長 椎葉英生(椎葉村)
書記 秋本良一(五ケ瀬町)
理事 佐藤熊雄(五ケ瀬町)
理事 造隼勇治(五ケ瀬町)
理事 黒木勝実(椎葉村)
理事 尾前賢了(椎葉村)
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地域づくり考
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リポート(1)
―負担金の徴収について考える―
平成14年度から始まった鞍岡の中山間地総合整備事業は、本紙1月1日号で掲載しましたように鞍岡地域の社会資本整備に事業費14億3千万円を投入して5ヵ年で実施されるという大きなプロジェクトです。事業費の分担割合は、国費55%、県費30%、町費15%で、農山村地帯のインフラ整備に最も効果の大きい事業です。三ヶ所地域はすでにこの種の事業は終っています。
今回の事業に対して、財政事情が厳しいことを理由に受益者負担を徴収したいと、昨年12月議会で「農業農村整備事業分担金徴収条例案」が提案されたところですが、この案件の最終決着は3月議会まで持ち越していることは既報のとおりです。
執行部のこうした考え方に対して、議会でも同調の姿勢を見せていたのですが,筆者はこれに対して異を唱えました。これには、2つの立場と考え方があると思うのです。
ひとつは、五ヶ瀬町はひとつであるという考え方です。ひとつであるからには、今後財政が厳しくなるので一部の地域、或いは恩恵を受ける限定された世帯を対象に行うインフラ整備事業対しては受益者負担を徴収するのが当然である、という考え方です。これはまさに正論だと言えます。
もうひとつの考え方は、五ヶ瀬町は、ひとつではなくて鞍岡地区と三ヵ所地区が対等合併で構成された町であるという考え方です。つまり、ひとつの町に二つのコミュニティがあるという意識です。こうした考え方「旧村意識」は時としてまちづくりの弊害にもなることもありますが、二つのコミュニティがあるという認識は政策的にも大変重要な問題だと思います。
このようなスタンスで今回の負担金徴収問題を見つめますと、三ヶ所地区では負担金を徴収しなくて実施し、鞍岡地区では同じ事業で負担金を徴収するということは、事業の内容に違いがあるとしても地域に対して不公平であるということになります。
筆者の地域づくり思想からは後者の選択が正論と考えたのです。また、議員は、町全体を代表しなければなりませんし、全町民より議席に送り出されたものではありますが、その前には、地域集落の代表であり、鞍岡地区コミュニティの代表でもあるわけです。ですから、第一義には、鞍岡地域の防衛を考えなければなりません。
さる、1月20日鞍岡中央公民館において、鞍岡の議員に対して鞍岡中山間地総合整備事業の説明会が開催されました。この時に町から提案された負担金案では、農業用水施設整備事業に対して地元負担金を事業費の1%とする案と2%にする案の2つが提示されました。
それによると1%負担の場合負担総額は586万円で1戸当り平均33,873円、10a当り10,051円となります。2%の負担だと負担総額は1,172万円で1戸当り67,746円、10a当り20,103円になります。
以上の案の提示に対して筆者は全面的に負担金徴収には反対の意向を明確に表明したところです。五ケ瀬町はひとつであるとする考え方から見ると批判があるかもしれませんが、これからは地域づくりは地域防衛が重要なテーマだと思うからです。
もし、五ケ瀬町がこれから合併を余儀なくされたとしたら、合併後の新しい町で、鞍岡の今回の問題と同様な事態が五ケ瀬地区で起きたとするとどうでしょうか。ご理解いただけるものと思います。
ところで、今ひとつ心配があります。この事業は平成19年度までの事業ですが、果して採択された総事業費14億3千万円が全て実施できるだろうかという財政上の不安です。次の「町村合併考」をごらんください。
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リポート(2)
町村合併考
―行政もバランスシートを―
本年は、いよいよ町村合併問題が大詰めの年となりました。二月二十二日に長野県栄村で開催される合併反対の「小さくても輝く自治体フォーラム」は全国の自治体関係者の参加申し込みが殺到し、入場制限をかけなければならなくなったということです。
このフォーラムは、合併によらない小規模自治体のまちづくりを考えようと、高橋彦芳氏(栄村村長)や「合併しない宣言」をした根本良一氏(福島県矢祭町長)、逢坂誠二氏(北海道ニセコ町長)らが呼び掛けて開催するもので、田中康夫長野県知事の講演や首長らによる討論が予定されています。
事務局は当初、参加者を最大150人程度と想定していたところが、申し込みは昨年12月末までに約550人に上り、中には「議員全員で行きたい」という自治体もでてきました。このため首長以外は一自治体で2、3人に限り、一般参加者は抽選で決めることにして、開催地の栄村では隣町の宿泊施設や大型送迎バスを新たに確保して対応するという事態になっているそうです。
このように、合併反対の行動を起している自治体に全国から一斉に注目が注がれたということでしょう。真に勇気ある首長たちの行動に国の政策にも何らかの影響を与えるものと期待しています。
本町においても、時々「あんたは合併に賛成か、反対か」と聞かれることがあります。もちろん西臼杵3町が合併すれば五ケ瀬のような、もっと言えば鞍岡のような周辺集落の切捨てにつながるのは必至で感情的には反対です。
けれども、今、議員の立場から責任ある判断をするには財政的な裏付に基づいても、きちんと説明できなければ「責任を持った自信のある判断」とは言えないのです。その財政的な裏付を判断するに足る資料が行政側から出てこないので困っているのです。
財政的な裏付に足る資料とは、ひとつは行政のバランスシート(貸借対照表等の財務諸表)です。行政は単年度会計のため、本町ではこれまでバランスシートを作成されてなかったのです。かつて議会でもこの問題について取り上げましたが、バランスシートの作成については考えていないという困った答弁でした。これは、合併問題以前のいわゆる行政経営管理の、ガバナンスの問題であり、マネジメントの問題でもあるのです。
企業ではバランスシートの貸借対照表(BS)、損益計算書(PL)キャッシュフロー計算書(CF)など財務諸表から企業の体力や収益力、問題点等を読み取ることができ、そのシュミレーションを行うことによって将来の見通しが立てられます。
行政といえども、財務管理のバランスシート作成は欠かせないと思います。行政のバランスシートは、先進自治体では作成して公表されていますし、行政は行政仕様のバランスシートがあるのです。
「行政は企業と違うのでバランスシートは馴染まない」という意見もありますが、これは行政仕様のバランスシートがどのような仕組みになっているかをご存知ないからではないでしょうか。
行政のバランスシートとしては、貸借対照表(BS)、行政コスト計算書(PL)、キャッシュフロー計算書(CF)などがあり、BSとPLが連動します。各事業毎にバランスシートを作成し、そのトータルが全体のバランスシートになります。仕訳伝票を起こしてパソコンに入力するだけですからそんなにむずかしいものとは思えません。
それでは行政のバランスシートでは何が見えるのでしょうか。ちょっと調べて見ますと、先ず貸借対照表では、正味財産比率、固定比率、長期適合率などの指標数値が示されています。
行政コスト計算書では、行政コスト比率、人件費コスト比率、一般財源充当率、公債利子率、受益者負担率など。
キャッシュフロー計算書では、行政活動支出に対する一般財源充当率、社会資本整備に関する一般財源充当率、減価償却費に対する社会資本整備等活動支出率などの分析指標が示されており、これらの指標と比較することにより、行政経営や住民サービスについての問題点を読み取ることができます。また、これらの表があれば数値を繰越して長期にシュミレーションすることが簡単にできる筈です。
行政は単年度会計であっても、町有林等の資産や土地建物等の資産の時価は常に大きく変動して簿価とのギャップが生じていますし、三セク委託による固定資産や医療、Gパーク等の事業体の資産も変動していきます。
こうしたことを考えると単年度会計では掌握できないのではないのでしょうか。
そして、なにより単年度会計主義は、予算が余らないように使ってしまう主義ですから、次年度に繰越して効果的に使うという企業的な発想にならない。
少なくともキャッシュフロー等の計算はシュミレーションできないと思うわけです。キャッシュフローのシュミレーションができなければ将来の見通しが正確に立てられません。
これから地方交付税等が減額されるなかで町の財政はどう変っていくのか、単年度会計だけを踏襲していては財政シュミレーションを行うことは至難の技です。というよりも正確には「できない」といった方がいいかも知れません。合併しないで自立するためにも行財政のバランスシートを作って公開いただきたいものです。
今度、任意の西臼杵合併協議会が設立されます。任意の合併協議会設立については、議会の議決事項ではありませんので見守っていくしかありませんが、ここでどのような資料が作成されるか注目していきたいと思います。
次は静岡県舞阪町における合併問題検討会の最近の資料です。承諾を頂いたので掲載します。長文ですが、是非ご一読ください。
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第 3 回
舞阪町市町村合併を考える町民会議 資料
まちの将来像を考える
平成15年1月26日
(1)これまでの舞阪町の歩み
明治22年町制施行以来、110余年、一度も合併をすることなく、漁業と観光を町の基幹産業として歩んできました。
その間、道路、橋梁や公園をはじめ、全国でも有数の普及率を誇る下水道事業等の都市施設、学校や図書館などの教育施設、保育園や総合福祉センターなどの福祉施設等、各種社会資本の整備等に加え、介護保険、男女共同参画事業、高度情報化など新たな行政需要への取り組みなど、町民生活の向上に努めてまいりました。
しかし、その一方では、ごみ、し尿、火葬、消防など、私たちの生活に欠かすことのできない事務であっても、地域性や効率性等から広域による処理に頼ってきたところです。
町の財政運営は、町税、地方交付税、競艇事業からの収益配分金を主な財源としてきました。
競艇事業の収益配分金は、漁業と観光以外にこれといった産業がなく、貧弱な町の財政基盤を建て直すため、モーターボート競走事業を行い、その収益配分金はまちづくりを進める上で、貴重な財源となっていました。この収益配分金も、経済の低迷、余暇活動の変化などにより、収益が悪化し、平成4年度をピークに年々減少し、平成13年度からは収益配分金がゼロとなり、今後も早急な回復は見込めない状態にあります。
これまで、町民のみなさんが健康で安心して、明るく暮らすことのできるために整備した各種施設などの維持管理やさまざまな行政サービスに係る経費、時代の要請による新たな行政需要が、財政状況の悪化とともに、町行財政運営の負担となりつつあります。
(2)舞阪町が単独でやっていくためには
舞阪町では、環浜名湖政令指定都市構想研究会や行財政課題研究会等で政令指定都市になった場合や枠組みを仮定して合併した場合の研究をしてきました。町民会議における合併の研究では、前提として合併の是非を含めての研究を行っていますので、舞阪町が合併をせずに単独の地方公共団体として行財政を運営した場合、まちの将来像はどうなっていくのかを検証する必要があります。
合併をしないという選択をした場合でも、町民のみなさんの暮らしのために法律で義務付けられた最低限の行政サービスをやめてしまうことはできません。町民のみなさんに負担を求めずにこれらのサービスを続けていくにはどういう方法があるのか、また、行財政改革を積極的に推し進め、行政執行体制のスリム化を図りながら、現在の行政サービスの水準をできる限り維持していくためにはどういう方法があるのか、この2つの視点から考えてみました。
舞阪町が単独でやっていくための方法を考えるにあたっては、これまで示した財政や行政サービスなどのさまざまな現況調査資料と人口推計や長期的財政計画に鑑み、平成14年度予算をもとに想定を行っています。
(3)住民負担ゼロ方式
長期財政計画での試算によると、平成16年度から歳出が歳入を上回り、財源不足が生じ、今までの行政サービス水準を維持していくことは困難となります。平成16年度以降、新たな町民負担を求めずに行政運営を行っていくとすれば、これまで行ってきた各種の行政サービスを廃止したり、見直しを行わなくてはなりません。町民が生活していく上で欠かせないものや法律に定めがあり、行わなくてはならないサービスなどを確保しながら、限られた財源のなかで、今後の行政運営を考えてみました。
前提条件
長期財政計画での試算では今後の歳入見込みは約30億円程度が限界となります。平成14年度予算では歳出総額が48億8千万円であり、その内、体育館建設事業費及び北幹線事業費を除くと、約40億1千万円程度となります。一般会計上での住民負担を求めないで、行財政運営を考えていくと財政計画での30億と臨時的な事業費を除いた歳出額40億1千万円との差額約10億円程度の歳出削減が必要となります。
@法的な行政サービス以外の事業等の廃止
福祉や義務教育など各法律により町が行わなければならない行政サービス以外のサービス、又は国、県の補助を受けずに行っている事業を廃止することにより、年額5億6千9百万円程度の削減が可能となります。
廃止するサービスの主なもの
・自治振興事業
・公害対策事業
・法律で定められたもの以外の予防事業
・健康づくりに関する事業
・水産振興に係る事業
・観光振興に係る事業
・道路新設改良事業
・河川改良事業
・港湾建設事業
・都市計画事業
・防災に関する事業
・生涯学習に関する事業
A幼稚園及び保育園の民営化
町内にある2つの保育園及び1つの幼稚園を民間法人に委託することにより、年額6千5百万円程度の経費削減が可能になります。
B小・中学校の給食の廃止
小・中学校の給食は食材に係る費用は保護者の負担担っていますが、人件費などの費用は町が負担しています。学校での給食を廃止することにより、年額3千2百万円程度の削減が可能となります。
C公共施設の閉鎖
・町民センター
・総合福祉センター
・クリーンセンター
・渚園
・脇本陣
・図書館
・郷土資料館
・総合体育館など
の公共施設を閉鎖し、維持管理に係る経費、年額1億6千8百万円程度の削減が可能となります。
これに伴い各種公共施設で提供してきた行政サービスも廃止することとなります。
D都市基盤施設の維持管理の廃止
都市基盤施設の維持管理を廃止することにより、年額1億8千9百万円程度の削減が可能となります。
維持管理を廃止する主な施設
・海浜公園や児童公園などの各種公園
・道路側溝の清掃
・橋梁
E受益者負担の適正化
国民健康保険や下水道の事業は、原則的にはその受益を受けるみなさんからの保険料や使用料で賄わなければなりません。現在の国民健康保険料や下水道料金が近隣市町と比較して低い水準にあるのは、町として政策的にみなさんの使用料で賄えない部分を町の一般会計からの繰出し金として補填しているからです。繰出し金として補填している財源を受益者の負担とすることで年額2億1千万円程度の削減が可能となります。
ただし、今まで低い水準にあった国民健康保険料や下水道料金は値上げをせざるをえなくなります。国民健康保険料では、1.2倍程度に、下水道料金では2.45倍程度となり、近隣市町より高い住民負担をしていただかなければなりません。
F職員定数の削減
事業の廃止、民間等への委託、公共施設等の閉鎖等の実施により、現在の職員数125人から、事務吏員16人、技師5人、保健師3人、栄養士4人、保育士14人、教諭11人、給食調理員3人、業務員6人、用務員1人の合計63人の削減が可能となり、職員数は62人で行政運営が可能となります。ただし、人件費は事業費の削減額のなかに含まれていますので、削減経費としては計上されていません。
削減可能な経費総額(単年度)
業務区分 算出根拠 削減経費総額(千円)
事業廃止 @参照 569,000
幼・保の民間委託 A参照 65,000
給食廃止 B参照 32,000
公共施設閉鎖 C参照 168,000
都市基盤施設管理廃止 D参照 189,000
受益者負担の適正化 E参照 210,000
小計 1,233,000
負担金・使用料等歳入影響額 削減額の15%で試算
184,000
合計 1,049,000
このように約10億円の事業費を削減していくと、町でできる事業は住民票の発行や法律的に行わなくてはならない福祉サービスの一部や義務教育だけになり、住民のみなさんが最低限暮らしていけるだけの行政サービスはなんとか確保できる可能性はあります。
しかし、生活基盤等の維持管理もままならないために、町民のみなさんが文化的で快適な生活を営むことは困難となってきます。また、権限委譲や新たな行政需要による行政サービスには、財源と職員数の関係から対応できない恐れもあります。
これまで活発に行われてきた自治会や自主防災等の地域コミュニティーでも、助成がなくなることで活動を縮小したり、地域住民に負担を求めていくことが予測されます。
同じように税金を負担している他の市町村と比較して、同じような行政サービスは受けられないこととなり、たとえばこれまで舞阪町に住んできたけれども、同じ負担をするなら、より多くのサービスが受けられる他の市町村へと転出することも考えられ、更に財政事情は厳しいものとなっていくこともありえます。
(4)行財政スリム化方式
長期財政計画での試算では、今の行政サービス水準を維持しながら、今までどおりの行財政運営を続けていくと、平成30年までに発生する財源不足額は総額で73億1千8百万になります。現在考えられる範囲で行財政改革の一層の推進を図り、可能な限り行財政のスリム化を図りながら、現行のサービス水準を維持していくための、今後の行財政運営を考えてみました。
前提条件
長期財政計画の試算では、財源不足額が73億1千8百万円になります。この財源不足額を補うために物件費や補助費などの歳出の削減に努めるとともに、現在の事務のうち、民間に委託することが可能であり、経費の削減が期待できるものについては民間委託の推進を行い、できるだけスリムな行政執行体制とし、現行サービス水準の確保に努める。
@物件費、補助費等の削減
平成13年度決算の※1物件費は、総額で約9億2千3百万円(その内訳は、※2経常的なもの5億7千9百万円、※3臨時的なもの3億4千4百万円)となっており、臨時的な需用費(消耗品等)とその他で約5千2百万円となっています。この経費を半分にすることで年額2千5百万円(平成30年までで3億7千5百万円)程度の経費削減が可能となります。
また、※4補助費等については総額で8億4千9百万円(その内訳は、※5経常的なもの4億6千9百万円、※6臨時的なもの3億8千万円)となっており、経常的なものについての見直しを実施するとともに、臨時的なものについてできる限り廃止する方針で取り組めば、年額約1億9千万円(平成30年までで28億5千万円)程度の経費削減が可能となります。
※1物件費:
旅費、交際費、需用費、役務費、委託料、使用料及び賃借賞など、のちのち形を残さない性質の経費
※2経常的:電気、水道、電話、郵便などの料金、コンピュータの使用料など
※3臨時的:建物や車の修繕、文具や紙などの消耗品、選挙に要する費用、電算プログラムの開発費など
※4補助費等:報償費、役務費、委託料、負担金・補助及び交付金など、公益上必要がある場合の補助や寄附、外郭団体への運営費補助、事務委託などの経費
※5経常的:ごみや消防などの事務委託に要する費用、し尿処理や火葬など一部事務組合で処理する費用など
※6臨時的:外郭団体への補助、研修会負担金、国、県の外郭団体への負担金など
A幼稚園・保育園の民営化
平成16年から舞阪幼稚園と第1保育園、第2保育園を民営化することにより、新たな経費も発生しますが、年額6千5百万円(平成30年までで9億7千5百万円)程度の経費削減が可能となります。
B民間等への委託
舞阪町の行財政のスリム化を推進するためには、現在、行政が実施している業務を民間等に委託する方法も有効な手段といえますが、その業務の性質上、行財政の効率化のみを追及することで、サービスの質や安全性の確保等に問題が発生する可能性もあり、十分な検討と慎重な対応が必要です。
現時点で民間等への委託が考えられる業務は以下のとおりです。
・学校給食業務を民間食品製造業者に委託する。
・渚園管理業務を民間管理業者へ委託する。
・図書館業務を民間管理業者へ委託する。
・総合体育館業務を民間管理業者へ委託する。
・町長公用車をタクシー利用に切り替える。
以上の業務を民間等へ委託した場合、平均的に約3割程度(地方自治経営学会:公立と民間コスト比較)の一般財源が削減され、総額で年額5千7百万円(平成30年までで8億5千5百万円)程度の経費削減が可能となります。
C職員定数の削減
民間等への委託の実施により、現在の職員数125人から、事務吏員7人、技師2人、栄養士3人、保育士14人、教諭11人、給食調理員3人、運転手1人、業務員3人、用務員1人の合計45人の削減が可能となり、職員数は80人で行政運営が可能となります。ただし、人件費は事業費の削減額のなかに含まれていますので、削減経費としては計上されていません。
削減可能な経費総額(平成30年まで)
業務区分 算出根拠 削減経費総額(千円)
物件費の削減 @参照 375,000
補助費等の削減 @参照 2,850,000
幼・保の民間委託 A参照 975,000
業務民間委託 B参照 855,000
合計 5,055,000
現行のサービス水準を維持しながら財政運営を続けていくとすると、長期的財政計画で示した平成30年までの間に発生する財源不足額73億1千8百万円から、行財政のスリム化により削減可能な額50億5千5百万円を差し引いた約22億6千万円(単年度で約1億5千万円)程度の財源が、できる限りの行財政スリム化策を実施したとしても不足することとなります。
新たな町民負担の増加
この財源不足に対しては、新たな町民負担に頼る以外は方法が見出せませんが、行財政スリム策を実施したとしても、発生する財源不足を仮に22億6千万円(単年度で約1億5千万円)とした場合、これを何らかの新税といった形で、町民のみなさんに負担していただかなくてはなりません。
この負担していただかなくてはならない額を、人口推計で示した平成17年の生産年齢人口7,500人程度で割ると、一人あたり約20,000円(年額)程度の負担をお願いしなくてはなりません。
(5)まちの将来像を考える
舞阪町が単独の地方公共団体としてやっていくにはどんな方法があるのか、2つの方法により検討を行ったところですが、このいずれの方法を選択するとしても、これまでどおりの行政サービス水準の維持や住民負担を続けることは困難であるといわざるをえません。
これまで舞阪町が町民全体の福祉の向上のために競艇収益配分金等を活用し展開してきたさまざまな施策は、そのすべてを今後、維持することは不可能であり、限られた財源のなかで事業展開をしていくためには、町民のみなさんの理解と協力がなければできることではありません。
まちづくりの基本は、そこに住む人々が健康で安心して暮らせるまちづくりであり、その実現のためには、今後も住民や時代の要請による新たな行政需要にも応えていかなくてはなりません。それに加えて時代の変革による将来への不安材料が残されていることも事実です。
単独の地方公共団体として、舞阪町が今後も歩んでいくという選択をしたならば、いずれの方法を選択したとしても、現在、提供されている行政サービスのうち、法律で定められたサービス以外はほとんどを廃止していくか、新たな住民負担を求めていく方法しか残された方法はありません。
舞阪町が他の市町村より低い行政サービス水準にあり、高い住民負担の町となったときに、描かれるまちの将来像に町の将来を担う子どもたちが明るい希望をもてるのでしょうか。
次代を担う子どもたちのために、まちづくりの主役である町民のみなさんがまちの将来像を考えていかなくてはなりません。
(6)将来への不安材料
町民のみなさんに負担を求めずに行財政運営を行っていく方法や行財政のスリム化策の実施を検討してきましたが、これらの検討内容とは別に、今後どのようになっていくのか、極めて不明確な将来への不安材料が存在しています。
@広域処理により行われている事務
これまでごみ、し尿処理、火葬、消防など私たちの生活に欠かすことができない事務であっても、地域性や効率性等から広域による事務処理に頼ってきたところです。これらの事務は本来、法律的にも単独の地方公共団体が行わなくてはならない自治事務として位置付けられています。
周辺市町の合併の状況によっては、広域処理の枠組みの変更や舞阪町が単独で処理しなければならなくなることが考えられます。
例えば単独で処理を行わなくてはならないとなったときには、施設や設備の整備のための初期投資が大きな財政負担となるとともに、維持管理経費も今までとは比較にならないくらい大きな負担をしなくてはなりません。また、このような施設は一般的に迷惑施設といわれるもので、面積が狭小な舞阪町の中で建設用地の選定には限りがあるとともに、周辺住民の理解がえられないことが、往々にしてあり、施設整備は大きな不安材料となります。
A権限委譲事務の増加
平成12年4月1日に施行された「地方分権一括法」に基づいて、各種の権限が市町村に委譲され始め、今後もますます増加していくものと思われます。現在のところ、舞阪町役場の事務処理にはそれほど大きな影響は出ていませんが、住民負担ゼロ方式や行財政スリム化方式をとったときには、相当数の職員が減員となることから、今後の権限委譲事務に十分に対応し、質の高い行政サービスの提供ができるかどうかの不安が新たに発生します。
B国庫補助制度の廃止
国は国庫補助制度の廃止に向けた検討にはいっており、原則的には国庫補助制度は廃止になります。ただし、これに代わる税財源の委譲といったこともあり、今まで国庫補助金で確保できた財源が全部なくなってしまうわけではありませんが、国の財政状況等に鑑みると減少の方向にあることは明らかであると思います。また、税財源の委譲という方式になったときには、税財源の基盤の豊富な市町村ほど多く配分され、税財源基盤が貧弱な市町村には多くの財源が委譲されることは考えにくいことだと思います。
国庫補助や国からの税財源委譲なども財源確保の面からは、不安要素の一つであると考えられます。
C地方交付税の減額
平成14年度当初予算をもとに平成16年度以降約20%程度地方交付税が削減されることを見越して長期財政計画の試算をしています。しかし、これも極めて不透明なところが多く、平成15年度地方財政計画によれば、7.5%程度の削減が予定されており、現在の経済情勢や国の財政状況からみると、今後更に厳しい状況にあるといわざるをえないことだと思います。
町の歳入の一つの柱である地方交付税が財政計画以上に削減されていったときには、更に厳しい行財政運営を強いられることとなります。
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これを読むと胸が詰まる思いがします。本文の冒頭で財政について説明のできる資料がなければ合併について責任のある判断ができないと書いたのはこうしたことが本町からも出て来る可能性が否定できないからです。
このような時にバランスシートがあれば、内容を精査検証することができると思うのですが、読者の皆さんはどうお考えでしょうか。
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編集後記
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今月のかわら版『風』は、お届けするのが大変遅くなり申し訳ありませんでした。
さほどのことはしていないのですが、何だか時間が無くてバタバタしており、おまけに1日〜2日は風邪で寝込んでしまいました。
皆様も風邪を引かないようにお気をつけください。
このかわら版は、地域集落の皆さん向けに発行しておりますが、どなたにでもお送りできます。ご希望の方は事務局0982-83-2326 FAX0982-83-2324までご連絡ください。会費千円が必要です。(治)