かわら版 『風』 第21号

 2002年10月1日号 毎月1回1日発行

 発行者 やまめの里 企画編集 秋本 治 
五ケ瀬町鞍岡4615  電話0982-83-2326













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アンケートの結果から
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 先月は、本紙が創刊1周年になることから14区以外の郵送している購読者の方々全員を対象に無記名アンケートを実施しました。
 購読者は、議員、公民館長、元公民館長、元役場職員OBの方々が大半です。30%を超える方々から回答を頂きました。寄せられた貴重なご意見をもとにこれからもよりよい紙面づくりに努力したいと思います。ご回答頂いた皆さんに厚く御礼申しあげます。

1.文字の大きさについて
@これまで通りでよい=75%
Aもっと大きな文字がよい=25%
※大きな文字がよいとの意見が25%ありました。紙面が増える問題もありますが、これから文字の大きさは12ポイント(この活字の大きさ)にしたいと思います。

2.ページ数について
@これまで通りでよい=67%
A多過ぎる=33%
※多過ぎるが33%、これも難しいですね。「町の状況は勿論のこと全国の地域活性化対策など熟読に懸命です。お陰様で勉強になります。」などの意見もありますのであまりにも割愛すると情報不足になるし、短いほうがよいとされる方と情報をより多く求められる方と二極分化しているようです。
 ここは、67%の支持があるので現行で進めたいと思いますが、不用なところは飛ばし読みしていただけるよう目次をつけることにしました。

3.文字の縦書きと横書き
@これまで通りでよい=83%
A縦書きの方が良い=17%
※これは80%以上の支持がありますので現行のまま進めます。

4.紙面の大きさについて
@これまで通りでよい=92%
AA判がよい=8%
※これは90%以上の支持ですので現行のままにします。実は、A判の場合、冊子になってしまい大変手間がかかりますので心配していました。

5.これからも続けて購読したいですか。
@購読したい。92%
Aどちらでもよい。8%
B購読したくない。0%
※ありがとうございます。

6.購読料について
 「ページの縮小などで現状維持」のご意見が1通のみで、ほとんどの方が「値上げが必要」とされました。金額では2000円くらいが多数をしめました。年度の都合で今年まで現行どおりとさせて頂き、来年より検討させてください。

7.第3セクターの問題について
 多数のご意見が寄せられました。ご意見は集約して以下ランダムに掲載します。
・五ケ瀬ハイランドの運営に当っては、民間も含めた調査特別委員会をつくってほしい。
・町民のためのハイランドであって欲しい。
・ワイナリーについては生産農家へしわ寄せが起きないように。
・第3セクターは責任体制をはっきりして。
・施設は町で造って経営は委託して赤字になればまた町から…。このようなことは全く納得できない。独立採算にすべき。
・第3セクターは「親方日の丸」の意識がある。
・委託料を出さなければ手を引く云々は全くもって憤りを感じる。
・産業振興と観光対策の総合的な振興で大変重要な事業であるが、それ故に全てが順調に進行することには不安がある。
・一般町民には総合計画が分らないので議会で充分検討していただきたい。
・単年度1億円の黒字がでているのに委託料の支出は不要と思う。収益向上を目指しての設備投資を計るべき。
・五ケ瀬ハイランドと町の関係が不明瞭。今のままでいくと雲海酒造の思うままになってしまう恐れがある。
・特別委員会設置の動議は議員さん方充分事情を承知の上での不賛成でしょうか。
・町おこしの画期的な発想のもとにスタートした本事業であり、困難山積とは思うが、是非継続してほしい。
・執行部、議会で忌たんのない議論のできる体制、組織づくりが必要。
・資料を駆使して誰にもわかるように説明。問題のありかについても明快に示して頂いた。
・特別委の動議で否決とは残念です。
・五ケ瀬町は、財政再建団体への道を転げ落ちている様に思えてならない。この状況の中で記録をきちんと残しておくべきです。
 等々たくさんのご意見をいただきました。町長も第3セクについては、改めて議論の場が必要だといわれていますのでご意見を反映できるように努めたいと思います。

8.その他自由にご意見をお書き下さい。
については、以下のようなご意見が寄せられました。
・詳細に記録されているので全読するにはちょつと無理がある。議会だよりくらいの内容でよいのでは。
・町議会の活動情況がよくわかり楽しく読んでいる。
・町おこし講座も大変参考になり楽しく読んでいる。
・カタカナ文字がたくさんでている。できたら( )書きにして日本語で。
・忙しい時は枚数は少なくても良い。長続きするように。
・「理想は天に足は地に」を旨とし、できるだけ大衆の目線で話すことを心がけて。
等々貴重なご意見を賜りました。時には挫折しそうにもなりますが、これからもどうぞよろしくお願いします。

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9月議会特集
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 9月は決算議会です。平成13年度の決算書について予算とその使途を有効に活用されているか監査、そして新年度の予算編成に反映させようというものです。また、一部補正予算や人事、条例の改正等があります。以下、日程順に掲載します。

〇9月6日本会議第1日目
議運報告
 13時30分、議員控室に全議員集合。議会運営委員長より下記の報告あり。

 議運を9月2日に開催、次の日程を決定した。
会期は、本日より25日までの20日間とする。
6日:提案理由の説明のみ。
7〜8日:議案熟読。
9日:本会議、総括質疑と委員会付託。
10〜17日:委員会。
18日:本会議、一般質問と補正予算の審議採決。
19〜24日:休会。
25日:本会議審議採決。

日程は以下のとおり。
日程第1.会議録署名議員の指名
日程第2.会期の決定について
日程第3.諸般の報告
日程第4.報告第9号
 専決処分の承認を求めることについて
日程第5.議案第35号
 五ケ瀬町証人等に対する実費弁償に関する条例の制定について
日程第6.議案第36号
 五ケ瀬町火災予防条例の一部改正について
日程第7.議案第37号
 平成13年度五ケ瀬町一般会計歳入歳出決算の認定について
日程第8.議案第38号
 平成13年度五ケ瀬町国民健康保険特別会計歳入歳出決算の認定について
日程第9.議案第39号
 平成13年度五ケ瀬町老人保健特別会計歳入歳出決算の認定について
日程第10.議案第40号
 平成13年度五ケ瀬町簡易水道事業特別会計歳入歳出決算の認定について
日程第11.議案第41号
 平成13年度五ケ瀬町国民健康保険病院事業会計決算の認定について
日程第12.議案第42号
 平成13年度五ケ瀬町介護保険特別会計歳入歳出決算の認定について
日程第13.議案第43号
 平成13年度五ケ瀬町一般会計補正予算について
日程第14.議案第44号
 平成14年度五ケ瀬町国民健康保険特別会計補正予算について
日程第15.議案第45号
 平成14年度五ケ瀬町簡易水道事業特別会計補正予算について
日程第16.議案第46号
 平成14年度五ケ瀬町介護保険特別会計補正予算について
日程第17.議案第47号
 町道の認定について

 議事録署名者は2番秋本 治、3番甲斐求議員。
 一般質問は、以下6名の議員より通告あり。
1.橋本進
・職員の職場規律の確立について
・桑野内地域の振興に史蹟のことを取り入れるにはどうするか。
2.坂本亀十
・町村合併に対する基本的な考え方の再確認について
・狩猟期間の延長について
3.甲斐学
・中央公民館改築の計画について
4.岡本康定
・町有林(岩屋越)の新植について
5.後藤貴人
・五ケ瀬中等教育学校ニ学級制定について本町の取り組みは
6.秋本 治
・地場産業振興と第3セクターについて
・町条例、規則その他関係法令と第3セクターの整合性について

〇全員協議会
本会議に先立ち、議員控室で全員協議会を開催してワイナリー関連事業について助役、建設課長、農林課長からの説明を求める。
・ワイナリーへの取付道路は、幅員6mで延長480m。町道の認定をお願いしたい。
・土地は、12,837uを取得したい。
以上について質疑応答があった。

〇本会議
14時30分から本会議開会。
・日程第1.会議録署名議員の指名 2番秋本治、3番甲斐求議員を指名。
・日程第2.会期の決定について
本日から9月25日までとする。
・日程第3.諸般の報告
 義務教育費国庫負担制度の堅持を求める意見書を政府及び関係行政官庁に提出していただきたい旨の陳情書が提出されているのでこれは文教・厚生常任委員会へ送付する。
・日程第4.報告第9号
 専決処分の承認を求めることについては、地方税の一部を改正する条例に関するもので法人税連結決算にともなう規定の整備。
・日程第5.議案第35号
 五ケ瀬町証人等に対する実費弁償に関する条例の制定については、町議会、町選挙管理委員会、公聴会、等に出頭又は参加した者には、五ケ瀬町職員等の旅費に関する条例に定める額に半日の場合3000円、半日を超える場合6500円を加えた額を支払うというもの。
 これは、先般議会でワイナリー事業関連で関係者に参集していただき意見を聞こうとした際、費用弁償の規定がなかったこと等によるもの。
・日程第6.議案第36号
 五ケ瀬町火災予防条例の一部改正については、防火区画の防火設備に接近して延焼の媒介となる可燃物が存置されないよう防火上有効に管理しなければならない。というもの。
 議案37号以下決算予算等について町長の提案理由の説明後閉会。

〇9月9日本会議第2日目
議運報告
・町道認定を本日採決。

10:00〜本会議開議
議案37号〜42号一括議題とする。
総括質疑要旨
甲斐学議員 病院事業会計について、欠損金が大きい。これからも医業収益が見込めないがその対策、改善策は。
答弁 平成13年度の累積欠損金は、377,880千円。繰入金で対応しなければやむを得ない。改善策を見出していきたい。
白滝増男議員 欠損金はやむなしとするのか。来年からはまた増大の可能性あり、対策、改善策は。
答弁 欠損金やむなしとは思わない。現状(の決損金)は医療法等改正によるものもある。どこまで繰入してよいか、収益改善の見とおしなど議論しなければならない。午後の診療も検討している。町立病院はなくてはならないもの。住民理解のもとで方策を検討しなければならない喫緊の課題。
坂本亀十議員 地方消費税交付金が減少している減額の根拠は。
答弁 7%減少している。消費税交付金は、消費税の二分の一相当額の交付。消費が落ち込んでいる。
答弁 歳入はきわめて厳しい状況。活性化を図りたい。
甲斐啓裕議員 木地屋の入湯税の内訳は。レジオネラ菌は検出されていないか。
答弁 入湯税3,252千円。内訳は、町内利用55.9%で他が町外利用。
レジオネラ菌は検出されていない。また利用客の減少した報告は受けていない。日之影町は減少したと聞いているが、本町の場合温泉を求める客層が違うのかも知れない。
岡本廉定議員 公有財産に関する調書に計上する数値はどのようにしているか。財産については厳密に対処してもらいたい。
答弁 従来からの数字を移動させているが、精査を検討する。
松岡耕一議員 地方交付税が減額されている。財源対策は。
答弁 8.7%、2億近く減額された。これからも好転することはない。10月末を目途に補助金見直しを検討中。財政規模の中で歳出の見直しをする以外にない。

日程第17.議案第47号
 町道の認定について
質疑要旨
松岡耕一議員 町道用地取得は今回は特例か。
答弁 特別な事情がある。町道用地は無償提供を基本としている。
再質問 住民へ特例の説明ができるような整備をすべきだ。
米田昭午議員 今後の町道整備に障害が残らないようにはっきりしておくべきだ。
答弁 説明ができるように見解をまとめることにする。

その後採決され全員起立で議決。

〇9月10日文教・厚生常任委員会
 9時より、植木勇一福祉課長、福祉関係決算書の説明。
 飯干光政教育次長、教育委員会関連の決算書説明。
 13時より、飯干伸義住民課長説明。

〇9月12日文教・厚生常任委員会
病院事務長より説明。
その後政務調査は、三ヶ所中央公民館2階の民芸、生活用具等資料の保存状態、新築の坂本地区教員住宅、Gパークドームのトレーニング機器等を行った。

〇9月18日本会議第3日目
一般質問者と質問要旨
1.橋本進
・職場規律について日頃の心得はどのように教育しているか。
・桑野内地域の振興に史蹟のことを取り入れるにはどうするか。
2.坂本亀十
・町村合併に対する基本的な考え方に町長は合併の必要はないといわれてきたが町民の考え方と隔たりはないのか。
・狩猟期間の延長をしなければ野生動物の数が増え被害を防ぎえない。今後の取り組みは。
3.甲斐学
・中央公民館は40年近い歳月を経て老朽化がひどく改築の時期にきている。改築計画については、社会教育総合施設ということで計画年度の策定をしているがその後の経過と今後の考え方は。
4.岡本康定
・岩屋越の町有林のうち、下流域住民の協力を得て新植すると答弁のあった件はどうなったか。
5.後藤貴人
・五ケ瀬中等教育学校の2学級制について本町としては熱意のほどを強く要望すべきと思うが本町の取り組みは。
6.秋本 治
・地場産業振興と第3セクターについて
・町条例、規則その他関係法令と第3セクターの整合性について。

 以上の一般質問の答弁詳細については、議会事務局で議会議事録をご覧ください。町民は誰でも閲覧することができます。
 筆者の一般質問については、以下に掲載します。(長くてご迷惑をおかけします。)

議事録
2番、秋本 治でございます。通告に従い一般質問を致します。
 先ず、本町の地場産業振興と第三セクターについて町長に質問したいと存じます。
 今、日本においては、米国主導による経済のグローバル化が進み、山村の経済を支える木材や農林産物等あらゆる産品の市場価格が輸入物の影響を受けて大幅な下落を引き起こし、山村の経済を混乱に落し入れておりますことはご案内のとおりであります。この為、若者は山村の将来に夢を見出すことができずに都市部へ流出し、残された山村は過疎化、少子化、高齢化がより一層深刻な問題となってまいりました。
 加えて、いわゆるバブル経済の崩壊による不況から更にデフレ不況へと突き進み、国は地方と合わせて700兆円にせまる膨大な借金漬けの経営で子孫につけを残し、都市型経済偏重による施策は国土の均衡ある発展という大儀をも見失っている感すらございます。
 このような時に臨み、地方行政が過去の慣行や前例を踏襲した政策から変革できずに打ち過ごしていれば、これまで国土を支えてきた山村が、地球環境を守ってきた山村が、そしてわが郷土が、集落が、やがては消滅してしまう危機にさらされていると思うのであります。今ほど山村の地域づくりや地域経営の真価が問われている時代は過去にもなかったのではないかと思うのであります。
 こうした中で、山村では都市との交流や地域資源の発掘、地域文化の高揚、地域循環経済だとか地産地消、料亭農業、趣味の農業とかコミュニティビジネス、地域通貨などなどさまざまなキーワードのもとで地域の生き残り策が全国的に真剣に議論されており、世はまさに地域が生き残る為の地域間競争の時代であります。
 そこで、地域づくりとは何かを静かに考えてみますと地域住民の生活文化の向上、生活環境の向上等ありますが、なにより住民の安定した生活基盤の確立があってこそであります。
 そのためには江戸時代の藩制にあったように地場産業の振興という視点が重要であろうかと思うのであります。それぞれの地域における特有の各種産業を振興させることが、地域の魅力を高め、住民の生活基盤の確立と、地域の生活文化、生活環境の向上、生きがいと誇りをもった自己実現の創造ではなかろうかと思うのであります。地場産業を振興することが住民の所得の向上になり、ひいては、行政側とすれば税収の増加にもなるわけであります。
 町長は、充分にこのような認識のもとに町政に真剣に立ち向かって頂いておるものと存じますが、第四次長期総合計画には地場産業振興の理念が見えないわけであります。この計画は、あれもやります、これもやりますというような総花的な計画で、その柱はユニバーサルコミュニティであり地場産業振興とは趣が違うように見えるのであります。計画の中で地場産業振興という文字は、工業経営基盤整備の項目の中に小さく見るのみであります。地場産業は工業部門だけではなく、地域住民による地域特有の産業を意味するものだと私は存じます。
 例えば、山菜が豊富な筈の山村にあって、今や私達は他県産や輸入ものの山菜を食べているというような状況であります。かつては、タラの芽やウド等の山菜が山に入ればどこにでもありました。ところが自然林の消滅により、こうした森の恵みは影を潜め、自然の荒廃は鹿等の野性動物の異常繁殖を来たして農作物の被害はもとより、たらの芽等の山菜もその食害により姿を消しつつあります。今やこうした足元にあった山菜は幻となり高級食材に変りつつあります。
 このような状況を踏まえて、例えば、たらの芽の栽培ですが、全国的にみると栽培技術は相当進んでいるように見受けられます。このような技術の導入を図るなど、もともとそこにあったものに付加価値をつけて復活させることも地場産業ではないかと思うわけです。
 また、これからは、香辛料とかハーブなど嗜好品が求められる時代だと思います。なかでも山椒は、非常に付加価値の高い商品でありまして実をとってペッパーとして、或いは山椒の葉を佃煮にすれば高級珍味として好評であります。
 前回の議会でも、西臼杵三町の中で、わが五ケ瀬町は、もっとも耕作放棄地が増加していると質問したところでありますが、そのような荒地に山椒を植えれば、もともと山椒は自生する土地でありますから管理費がかかりません。春になれば山椒の芽を摘んで醤油を加えて煮て真空パックをすれば立派なお土産として販売できます。料理に使えば、郷土料理が生きてきます。こうしたことはお年よりでも誰でも参加でき、コミュニティビジネスとなります。こうした取り組みから地場産業は育つと思うのであります。
 こうした地場産業振興の理念がこれからのまちづくりには非常に重要な政策として位置付けなければならないと思っております。そこで地場産業振興の位置付けや理念について町長のお考えをお聞かせ頂きたい。

 また、地域活性化の方策として、第三セクターによる取り組みが推進されております。スキー場や温泉付宿泊施設「木地屋」、農林産物等販売施設「特産センター」、五ケ瀬の里キャンプ場等一連の公の施設を第三セクターに委託経営させるているところであり、これからも新たな第三セクターによりワイナリーやレストランの大きな計画が推進されつつあります。
 立ちかえって、このような第三セクター方式を検証してみますと果たして地場産業振興になりうるのかどうか、地域の活性化になるのかどうか、現在の方式にはいささかの疑問を感じるのでございます。
 例えば、スキー場では先ずスキー客の入り込みがあります。これは町にとっては大きなインパクトがあり活性化になったように見えます。ところがその収益は、第三セクターの貸借対照表上に載るのみで町には返ってきていません。また、レストランや売店の仕入れが町の経済へどういう影響があるのか考えてみますと、商品仕入れの大部分が町外の大手流通によるもので、地場産品の利用は非常に僅少であります。
 都市と山村の交流の中で最も地域経済に大きな波及効果をもたらすのは宿泊産業でありますが、スキー客を誘致しても第三セクターの宿泊施設に収容しますとその収容した収益は第三セクターの貸借対照表上に載るのみで、民間の宿泊産業育成にはならなくなります。また、特産センターやキャンプ場にしましても同様で誘客したお客の落すお金は、利用料から宿泊、食事、お土産まで第三セクターの収入となりその収益は、第三セクターの貸借対照表上に載るのみとなります。そして民間参入を阻むことになるのではないかと思うわけです。
 特産センターも、町外県外産品が多くなり、地場産品の売り場面積がしだいに狭くなっております。地場産業振興を目的とした公の施設ですが、しだいにその機能が退化しているのではないかと思われるのであります。
 このように考えますと現在の第三セクターによる開発は、雇用効果はあるものの果たして地場産業の振興になるのかどうか疑念を持つものであります。
 第三セクター方式による地域づくりは、我が国では、1980年代後半のいわゆる「中曽根民活」より始まった施策で、行政の信用による資金調達力と民間の経営ノウハウを活用して地域づくりを行うというものでありますが、バブル崩壊をきっかけに、第三セクター方式は一気に経営不振に陥るケースや事業の効果が地域経済を活性化できないことが明確になったなど第三セクター方式は失敗であったということが大方の結論であります。その原因は、リスク負担や経営責任が明確にならないまま突き進んだことにあります。このような全国的な第三セクター方式の失敗は、地方自治体にとって後年財政負担に大きな重しとしてのしかかってきたのであります。
 そこで政府は、NPM理論の導入を行い、いわゆるPFI法、「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」第百十七号を平成十一年七月に制定したのであります。その後PFIは、三重県を始めとし、先進的な地方自治体の行財政改革に取り入れられている考え方であります。
 PFI法は、その目的を、「この法律は、民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用した公共施設等の建設、維持管理及び運営(これらに関する企画を含む。)の促進を図るための措置を講ずること等により、効率的かつ効果的に社会資本を整備し、もって国民経済の健全な発展に寄与すること」としております。
 つまり民間資金を活用して公共施設等の建設を行おうとするもので、これからはこのような考え方が重要ではないかと思うのであります。
 こういったことは、町長は行政の専門家でありますから釈迦に説法でありますが、現在の本町の第三セクター方式は、PFIとは逆に、行政で建設して民間企業に運営させ、責任は行政が負うという、いわば時代に逆行するやり方、行政の負担を重くしてしまうやり方ではないかと思うのであります。
 これからの第三セクターのあり方について以上のような論点を踏まえて町長のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。私は、町長の積極的な取り組みには深く敬意を表しこれからも支援して参りたいと存じておりますが、現状のような状況をみますとこのまま突き進んでいきますと町政は行き詰まってしまうのではないかという不安があるのでございます。町長の胸にある成功の戦略を腹を割ってお聞かせ頂きたいと存じます。

 次に、町条例、規則その他関係法令と第三セクターの整合性についてでございます。このことにつきましては、先に「第三セクターによる公の施設の管理委託と町条例及び関係法令との整合性についての検証と考察」というリポートを提出したところでありますが、そのリポートを基にして町長に質問したいと思います。
先ずは、リポートを読んでみたいと存じます。はじめにお断りしておきますが、私は、法律の専門家ではありませんし、全てを調査できて書いたリポートでもありません。手元の乏しい資料の中から調査を行ったリポートでありますので中には行き違いや勘違い等もあるかと存じます。そのような部分については、よろしくご指導頂きたいと存じます。
それではリポートを読んでみます。

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第三セクターによる公の施設の管理委託と町条例及び関係法令との整合性についての検証と考察
2002年9月
五ケ瀬町議会議員
秋本 治
はじめに
 五ケ瀬町では、五ケ瀬町と雲海酒造出資による第3セクター「株式会社五ケ瀬ハイランド」が、公の施設として建設された向坂山森林公園の五ケ瀬ハイランドスキー場、Gパーク宿泊施設の木地屋、農林産物等販売施設の特産センター及び五ケ瀬の里キャンプ村を五ケ瀬町から管理委託を受けて一括経営している。
 この第三セクターへの管理委託費については、平成14年度にも一般会計において20,000千円の委託費が計上されたところであるが、委託費以外にも国有林の借地料、施設の修繕費等毎年公会計から多額の支出がなされており、向坂山森林公園事業に係る歳出は、平成12年度が68,313千円、平成13年度が25,930千円、平成14年度予算が54,472千円となっている。反面、施設使用料等の収入はない。
 公の施設は、法の定める「住民の福祉を増進する目的」をもって設けられるものであるが、その費用対効果においてその目的が達成されるのかどうか各施設毎に検討していくことも必要である。
 また、緊縮財政による国の地方交付税等の削減、税収の低下、医療や福祉関連予算の増大等町財政を取り巻く環境は非常に悪化している。そこで、五ケ瀬町条例及び関係法令との整合性並びに管理委託のあり方や運営について考察し問題提起としたい。

1.第三セクターと五ケ瀬町条例及び関係法令との整合性について
 これまでの公の施設を管理委託している褐ワケ瀬ハイランドと五ケ瀬町との契約要旨は以下のとおりである。

(1)平成12年6月16日締結
向坂山森林公園管理委託契約書
五ケ瀬町長 村中眞信(甲) 褐ワケ瀬ハイランド 代表取締役中島勝美(乙)とする。
第五条 契約の期間  平成12年4月1日から平成13年3月31日まで
第六条 管理運営委託料は、甲が徴収する索道利用料の範囲内で甲乙協議の上決定する。
2.前条の期内の委託料は、50,000千円とする。
第七条 甲は、五ケ瀬町使用料及び手数料徴収条例(昭和36年五ケ瀬町条例第17号)
に基づき索道利用料を徴収する。但し、これらの収納事務については、乙に委
託するものとする。その他施設利用料については、乙が利用料金として徴収す
る。
2.乙が徴収する利用料金は、甲の承認を受けて乙が定める。

(2)平成13年4月1日締結
向坂山森林公園管理委託契約書 
五ケ瀬町長 村中眞信(甲) 褐ワケ瀬ハイランド 代表取締役中島勝美(乙)とする。
第五条 契約の期間  平成13年4月1日から平成14年3月31日まで
第六条 管理運営費は、乙が徴収する利用料金をもって乙が支弁する。
第七条 施設利用料については、乙が利用料金として徴収し、乙の収入とする。

この委託契約は、以下の条例や関連法令に基づいて行われていると思われる。

(1)公の施設の委託について《※資料1》
地方自治法
(公の施設の設置、管理及び廃止)
第244条の2 普通地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、公の施設の設置及びその管理に関する事項は、条例でこれを定めなければならない。
第3項 普通地方公共団体は、公の施設の設置の目的を効果的にするため必要がある時は、条例の定めるところにより、その管理を普通地方公共団体が出資している法人で政令で定めるもの、又は公共団体若しくは公共的団体に委託することができる。

(2)使用料の徴収について《※資料2》
地方自治法 
(使用料)
第225条 普通地方公共団体は、第238条の4 第4項の規定による許可を受けてする行政財産の使用又は公の施設の利用につき使用料を徴収することができる。

(3)使用料徴収の委託について《※資料3》
地方自治法施行令
(歳入の徴収又は収納の委託)
第158条 次の各号に掲げる普通地方公共団体の歳入については、その収入の確保及び住民の便益の増進に寄与すると認められる場合に限り私人にその徴収又は収納の事務を委託することができる。
一.使用料
二.手数料
三.賃貸料
四.貸付金の元利償還金
第3項、第一項の規定により歳入の徴収又は収納の事務を受けたものは、普通地方公共団体の規則の定めるところにより、その徴収し、又は収納した歳入を、その内容を示す計算書を添えて、出納長若しくは収入役又は指定金融機関、指定代理金融機関、収納代理金融機関、収納代理郵便官署、収納事務取扱金融機関、若しくは収納事務取扱郵便官署に払い込まなければならない。

(4)使用料の議決について《※資料4》
地方自治法
(議決事件)
第96条 普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。第4項 法律又はこれに基づく政令に規定するものを除く他、地方税の賦課徴収又は分担金、使用料、加入金若しくは手数料の徴収に関すること。

 以上の地方自治法及び地方自治法施行令から以下の五ケ瀬町条例等を検証すると次のような問題が存在するのではないかと思う。

●検証1
公の施設に関する条例 (条例第8号)《※資料5》
では
(設置)
第2条 町民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するため別表第1のとおり公の施設を設置する。
とありその別表第1には、病院、診療所、保育所、各地区の生活改善センター、集落センター、観光トイレ、公営住宅、等列記してあり、その中に向坂山森林公園 鞍岡4687、農林産物等販売施設 三ヶ所98-1、五ケ瀬の里キャンプ村 三ヶ所141−イ、Gパーク宿泊施設 三ヶ所9223等が公の施設として定められいる。
次に
五ケ瀬町公の施設管理委託に関する条例(条例第2号)《※資料6》を見ると
(委託施設)
第2条 管理を委託する施設は、規則で定める。
とある。そこで
五ケ瀬町公の施設管理委託規則(規則第三号)《※資料7》を見ると
第2条 管理を委託する施設は、別表に定める施設とする。
別表
向坂山森林公園 委託の相手方 株式会社五ケ瀬ハイランド
Gパーク宿泊施設 委託の相手方 株式会社五ケ瀬ハイランド
となっている。

 以上からすると管理委託できる施設に農林産物等販売施設の特産センター及び五ケ瀬の里キャンプ村は定められていない。このため農林産物等販売施設の特産センター及び五ケ瀬の里キャンプ村を五ケ瀬ハイランドに管理委託しているのは、五ケ瀬町公の施設管理委託に関する条例(条例第2号)の委託施設を定めた第2条、及び地方自治法第244条の2 公の施設の設置、管理及び廃止等を定めた法令に違反する疑いがある。

●検証2
 同様に五ケ瀬町公の施設管理委託に関する条例(条例第2号)《※資料8》
に基づき
五ケ瀬町ハイランドスキー場の使用料の徴収又は収納事務委託規則(規則第28号)を見ると
(使用料の種類及び金額)
第3条 使用料の種類及び金額は、別表のとおりとする。
(委託先)
第4条 委託先は、、株式会社五ケ瀬ハイランドとする。
(受託者の義務)
第5条 受託者は、使用料の徴収又は収納の事務を誠実に行わなければならない。
2.受託者は、その徴収し又は収納した歳入を、その内容を示す計算書を添えて、収入役又は指定金融機関、指定収納代理金融機関に翌月の15日までに払い込まなければならない。
 とあり、その別表には、リフト使用料の料金として入場リフト大人1000円他が記載されている。
また、
Gパーク宿泊施設の使用料の徴収又は収納事務委託規則(規則第29号)《※資料9》によると
(使用料の種類及び金額)
第3条 使用料の種類及び金額は、宿泊者1人1泊につき210円とする。
(委託先)
第4条 委託先は、、株式会社五ケ瀬ハイランドとする。
(受託者の義務)
第5条 受託者は、使用料の徴収又は収納の事務を誠実に行わなければならない。
2.受託者は、その徴収し又は収納した歳入を、その内容を示す計算書を添えて、収入役又は指定金融機関、指定収納代理金融機関に翌月の15日までに払い込まなければならない。
 となっている。
この条例からすると五ケ瀬ハイランドスキー場のリフト使用料及びGパーク宿泊施設「木地屋」の使用料宿泊者1名に付210円が平成12年度五ケ瀬町歳入歳出決算書及び平成13年度五ケ瀬町歳入歳出決算書にも使用料として計上されなければならない。

更に
五ケ瀬町使用料及び手数料徴収条例(条例第17号)《※資料10》
には
(趣旨)
第1条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第225条及び第227条の規定に基づき財産及び営造物の使用又は特定の個人のためにする事務につき別に定めのあるもののほかこの条例の定めるところにより使用料又は手数料を徴収する。
(使用料及び手数料の額)
第2条 前条の使用料及び手数料の額は、別表第1及び第2とする
とあり、
別表第1(4)五ケ瀬ハイランドスキー場の項には入場リフト往復券、大人1000円他が記載されている。
また、
別表第1(6)Gパーク宿泊施設の項には宿泊者1人1泊につき210円と定められている。

 このことからすると五ケ瀬ハイランドスキー場のリフト使用料及びGパーク宿泊施設「木地屋」の使用料宿泊者一名に付210円が五ケ瀬町歳入歳出決算書にも使用料として計上されなければならないと解する。
 ところが、平成12年度五ケ瀬町歳入歳出決算書及び平成13年度五ケ瀬町歳入歳出決算書には計上されていない。
このことは、
五ケ瀬町ハイランドスキー場の使用料の徴収又は収納事務委託規則(規則第28号)の受託者の義務を定めた第5条及び
Gパーク宿泊施設の使用料の徴収又は収納事務委託規則(規則第29号)の受託者の義務を定めた第5条及び
五ケ瀬町使用料及び手数料徴収条例(条例第17号)の使用料及び手数料の額を定めた第2条、その他の関連法令に違反する疑いがある。

2.利用料と使用料についての考察
利用料については、
「五ケ瀬町公の施設管理委託に関する条例(条例第2号)第4条 受託者は、施設の管理運営を行うに当り、利用料金を徴収することができる。
2 利用料金は、受託者が規則で定める限度内において町長の承認を受けて定めることとし、その利用料金は受託者の収入とする。」等利用料金の定めがある。
使用料については、
「五ケ瀬町使用料及び手数料徴収条例(条例第17号)第1条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第225条及び第227条の規定に基づき財産及び営造物の使用又は特定の個人のためにする事務につき別に定めのあるもののほかこの条例の定めるところにより使用料又は手数料を徴収する。」などとあり、利用料と使用料が混同し易い。

このことについては、
地方自治法 第244条の2の第4項にある「普通地方公共団体は、適当と認めるときは、管理受託者に当該公の施設の利用に係る料金(次項において「利用料金」という)を当該管理受託者の収入として収受させることができる」に基づいているものと思われる。
 また、地方自治法施行令第158条第1項には「1.使用料、2.手数料、3.賃貸料、4.貸付金の元利償還金」とあり、使用料と利用料は定義が違うが、地方自治法 第244条の2の後段の「通知」第四公の施設に関する事項(平成3,4,2)の一で「法第244条の2 第四項の利用料金は、公の施設の使用料(法第225条)に相応するものであること。」とあるので使用料と利用料は、ほぼ同額に近いものということができる。
 従ってこれによるとGパーク宿泊施設の木地屋の場合、使用料が宿泊者一人当り210円と定められているので210円前後の利用料をお客から別途徴収し、使用料として210円を五ケ瀬町に翌月15日までに払い込まなければならないと解釈できる。また、スキー場においては、入場リフト往復1000円が定められているが、現行の1700円が使用料と利用料に相応するかどうかについては再検討の必要があるのではないか。

 尚、五ケ瀬町公の施設管理委託に関する条例(条例第2号)の第4条 受託者は、施設の管理運営を行うに当り、利用料金を徴収することができる。
2 利用料金は、受託者が規則で定める限度内において町長の承認を受けて定めることとし、その利用料金は受託者の収入とする。
とあるのは、病院や公民館等多くの公の施設を対象にした総合条例であり、地方自治法施行令の規定により定めた五ケ瀬町ハイランドスキー場の使用料の徴収又は収納事務委託規則(規則第28号)及びGパーク宿泊施設の使用料の徴収又は収納事務委託規則(規則第29号)並びに五ケ瀬町使用料及び手数料徴収条例(条例第17号)等は、目的条例であるので総合条例に優先する。また、以上の関係法令により利用料を使用料と読み替えることはできない。

(※上記、五ケ瀬町使用料及び手数料徴収条例(条例第17号)第1条の条文中「営造物」との表現があるが、地方自治法244条の【注】で「従来公の施設に当るものとして「造営物」という語が用いられていたのであるが、もともと営造物という語は学問上のもので一般には理解しにくいうえ法律の用例も必ずしも一定しているわけでもなかったので、昭和38年の改正の際、名称を公の施設に改め、専ら行政的管理の見地から法的規制を行うこととし、規定の整備が図られたものである。」とされているので「営造物」を「公の施設」として変更することがのぞまれる。)

3.第三セクターへの委託と管理運営に関する考察
(1)以上述べたように五ケ瀬町における第三セクターへの委託と管理運営及び手数料と使用料に関しては、関係法令及び五ケ瀬町条例及び委託契約について整合性がなく疑義が生じるので早急に疑義を正し、条例の適正な制定と運用がのぞまれる。
(2)また、五ケ瀬町が使用料を徴収しないで拠出する委託金については、実質的に第三セクターへの損失補てんであり補助金的な性格がある。これは、一般常識からすると第三セクターの経営責任による損失補てんであり、その損失補てんは株主の出資比率に応じて責任を負うべきものではないだろうか。利益配分についても同様である。
(3)委託金については、スキー場の運営に必要であるという説明がなされたが、五ケ瀬ハイランドのスキー場部門は、既に累積欠損も終わって黒字を計上しており、宿泊施設の木地屋部門が毎年欠損金を計上して平成14年5月期決算の経常利益の項で累積欠損は四千八百万ほど計上されているので実質的には木地屋への支援ということになり、スキー場の運営に必要という説明はあたらない。これからは正しい説明をして情報の開示を行い、行政と議会と町民による協働作業により問題点の解決を図る努力が求められると思う。
(4)はじめに述べたように公の施設は、法の定める「住民の福祉を増進する目的」をもって設けられるものであるから、その費用対効果(アウトプット・アウトカム指標)において、各施設毎に定期的にチェック検討していくことが必要ではないかと思う。

※参考 戦略行政への転換
旧来型のシステム
Plan Do Plan Do Plan Do
マネジメント・サイクルの導入
Plan Do See Plan Do See又はPlan Do Check Action Plan Do Check Action
 行政評価の基準
@ Input(インプット):投入資源
A Output(アウトプット):提供されたサービス、遂行された仕事量
B Outcome(アウトカム):当該プログラムのミッションの達成に何らかの前進をもたらすこと
生産プロセスからみると
@ Economy(経済性):インプット(費用)の最小化を図ること
A Efficiency(効率性):アウトプット(産出)の最大化を図ること
B Effectiveness(有効性):アウトプットを通じてアウトカムの改善を図ること
C その他、CS(顧客満足度)、ES(職員満足度)など

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以上述べましたリポートの論点について
先ず、
第1に農林産物等販売施設の特産センター及び五ケ瀬の里キャンプ村を五ケ瀬ハイランドに管理委託しているのは、五ケ瀬町公の施設管理委託に関する条例(条例第2号)の委託施設を定めた第2条、及び地方自治法第244条の2 公の施設の設置、管理及び廃止等を定めた法令に違反する疑いがある。
という論点、それから
第2に、五ケ瀬町ハイランドスキー場の使用料の徴収又は収納事務委託規則(規則第28号)の受託者の義務を定めた第5条及び
Gパーク宿泊施設の使用料の徴収又は収納事務委託規則(規則第29号)の受託者の義務を定めた第5条並びに
五ケ瀬町使用料及び手数料徴収条例(条例第17号)の使用料及び手数料の額を定めた第2条、その他の関連法令に違反する疑いがある。
という論点、それから
第3に、五ケ瀬町が使用料を徴収しないで拠出する委託金については、実質的に第三セクターへの損失補てんであり補助金的な性格がある。これは、一般常識からすると第三セクターの経営責任による損失補てんであり、その損失補てんは株主の出資比率に応じて責任を負うべきものではないだろうか。利益配分についても同様である。
という論点、それから
第4に、委託金については、スキー場の運営に必要であるという説明がなされたが、五ケ瀬ハイランドのスキー場部門は、既に累積欠損も終わって黒字を計上しており、実質的には木地屋への支援ということになり、スキー場の運営に必要という説明はあたらない。これからは正しい説明をして情報の開示を行い、行政と議会と町民による協働作業により問題点の解決を図る努力が求められると思う。
という論点、そして
第5に、公の施設は、法の定める「住民の福祉を増進する目的」をもって設けられるものであるから、その費用対効果(アウトプット・アウトカム指標)において、各施設毎に定期的にチェック検討していくことが必要ではないかと思う。
という論点、以上の各論について町長の答弁を求めたいと思います。

甲斐 議長、暫時休憩をお願いします。

議長 時間も12時を廻りましたし、甲斐議員からの要請もありまして、ここで暫時休憩をしたいと思います。次は1時から開会をします。

(休憩)

議長 それでは、休憩を閉じ再開をいたします。尚、出納室長が公務のため欠席をいたします。それでは、2番秋本治君の質問にご答弁をお願いします。

町長 議長

議長 町長

町長 町長です。秋本議員の質問にお答えします。簡潔に答弁の方はさして頂きたいと思います。よろしくお願いします。
 先ず、一点目の地場産業振興と第3セクターについてでありますが、地場産業振興に関しては、秋本議員のおっしゃるとおりだというふうに思います。それは、私だけではなくて、行政に携わる者、町民を含めてですね、それに関しては同じ思いでいるというふうに考えております。特に、企業誘致とかそういうものが大変困難な町でありますから、地場産業振興は重要な課題であると考えております。先ず第一点はそういう考えにたっているということだけはご理解いただきたいと。
 あと、いろんな品種、作物といわれましたけれども、それに関してはですね、その土地にあった物が確かにできればいいと。そういうことよりも、やはり、どういう考え方でこれからの地域循環型市場形成していくかということが大事だろうというふうに思います。それが確立されればそれに合った地域でそこにお見えになる新たな客を形成してそれが成り立っていくんだろうというふうに考えておりますので基本的な戦略は議員が質問の中でお話になったとおり、私も都市と山村との交流をキーワードにした地域内循環市場形成が必要だと所信表明でも話をさしていただきました。その為には先程の回答とダブルんですけれども、第4次長期総合計画の中で各地域でいわれました掘り起こしに磨きをかけて大市場である都市部からの交流人口をはかりたい―(略)

 第3セクターと地場産業の関係について若干相いれないというか、そうなっていないじゃないかというお話もありましたけれども、私は第3セクターだから地場産業の振興に寄与しないとかそういうことは有り得ない、それは経営の理念とか考え方の問題だろうというふうに私は思っています。じゃあ、直営ならそれができるのかということが私は一番だろうというふうに思っているところであります。もし、そういうところで弊害になっているんであればですね、そこは取り除いていく努力をすればよろしいかというふうに思っているところです。

 第3セクターのあり方についてどう考えているかという話でありますが、いわれたとおり昭和60年代に入ってから第3セクターという方式が増え始めたのかなあという考えをしております。それに拍車を掛けたのが民活法、それからリゾート法の制定で全国的に広がっていった。只、いわれたとおりバブル経済の崩壊と相俟って一部経営が非常に厳しくなっているという状況が全国的に見られるところがあると。しかし、それだけをもって第3セクターの有用性を否定するものではないと考えているところであります。私自身の考え方を申しあげますと第3セクター方式というのは公共事業への民間活力の活用といわれたその手法のひとつとして、今後有用性の高い手段のひとつだとそのように考えております。但し、行政のスリム化、財政負担の低減という制約の中で、今後新たなサービス分野に対応していく為にはですね、更に民間のもつ経営ノウハウを活かして、機動的そして弾力的に行政目標を達成する手段、そして事業コストのかからない手法を厳しく選択していく必要があろうかと考えております。

 議員がいわれたPFI事業もその手法のひとつで、イギリスから発祥してそれを国でも採用しようとしてスタートしている。只、全国的な状況は私より議員の方がお詳しいとは思いますが、国がPFIを立ち上げて全国的な事業というか公表している部分になれば、私が知っている限りでは60とか70とかそれくらいのレベル。取上げているのは国とか大都市圏が主であります。そこに参入している民間企業というのは、ゼネコン、金融機関の大手とかまだまだそういうレベルなのかなあと。確かに必要な手法のひとつだと、考え方としては私は現代にマッチした考え方であろうと思っておりますが、どの方式を選択するとか、今後ですね。それは、その土地のケースバイケースであろうと思っていますし、PFI事業ももっともっと今後こういう山間地域でこういうふうな展開ができるんだという事例が出てくるんではないかと思います。

 九州でも大分とか北九州市とかそういった高いレベルでの事業展開ですし、まだまだ国が方針を示してそれを受けて各自治体も習ってやったらどうですかという段階ですから成熟度がまだ足りないのかなあと、また、私どもがそれに向っていくためには、まだ全国的な展開とか、より五ケ瀬にマッチするのかなあと、私が思うのは、考え方は確かにそうだろうと思いますけれども、今の事業展開、特定事業の選定から民間事業者の応募、それから評価、決定、それに至る過程のこちらがわのスタッフとか、そういうことから考えたらですね、まだ、まだ勉強していかなければならない点があると考えているところであります。

 いろんな情報等議員の皆さん含めてございましたら、いろんな場面で情報をお聞かせ頂きたいし、国からもいろんな情報提供来ています。企画課長時代にPFIの説明会とかのFAXもきていました。今回改めて見なおしてみましたけれども、まったく正直いって見向きもしないで流していた状況でありますから、今回の質問で改めて勉強もさしていただきました。全国的な傾向も知ることができましたので、こういう機会にいろんな経営形態とかいうことを議論していけばいいんじゃないのかなという気がしているところであります。何よりも大事なことは、私がいつもいっているように行政の透明性の確保とそして説明責任の重要性だと考えております。このことをなくしてですね、第3セクターの議論は基本的に成り立たない、そのように考えているところであります。是非ご理解とご協力を今後ともたまわりたいなあとそのように考えているところであります。

 それから、もう一点の町条例と規則の問題ですね。最後にいわれました論点のみ私の考え方をいわさして頂きたいと思います。先ず、公の施設管理委託運営規則に特産センター・キャンプ場が欠落していますということについては、率直にそのとおりだというふうに考えます。ですから、これについては規則を整備したいというふうに考えているところです。これが第一点です。

 第2点目、いわゆる委託料については、損失補てん的な意味合いが強いんじゃないか、それについてはどう考えるかということでありますが、これは私はあくまで委託料だというふうに考えているところであります。

 第3点目のハイランドがリフト料金を今受け入れているということに関してはですね、議員の資料に添付されておりましたように、五ケ瀬町公の施設管理委託に関する条例の第4条の利用料金という項目によって受託者は徴収することができるというふうに条例で規定されていますし、この条文を生かして今徴収しているところですから、これが条例に違反しているとか、間違っているとかいうことではありえない、そういうふうに考えているところであります。

 それから委託料についてスキー場の運営に必要だという説明があったんだが結果的には違うんではないか、説明をキチンとしなさいということですが、言葉が足りなかったんであれば、それはお詫びを申しあげなければならないなあと思うんですが、あくまでも、委託料に関しては、株式会社五ケ瀬ハイランドに対して、スキー場、特産センター、キャンプ場、木地屋ですね、それをトータルしてハイランドが運営しているわけですから、そのトータルの収支として出すわけですから、個別にも出しますけれど、その中の委託料というふうに考えているところです。今後説明に関して明確な説明をせよということであれば、今後の説明に関してはですね、ひとつひとつキチッとご説明申しあげたいと、そのように考えているところです。

 それから、木地屋の使用料210円の収入受けはどうなっているかということでありますが、これは五ケ瀬町使用料及び手数料徴収条例の第7条で減免又は猶予という項目がございます。特に町長が認めた場合については減免又はこれを猶予することができるという条文がございます。これを適用しているということで、今のところ赤字経営ということもありますので収入受けをしていないということで、減免猶予しているという状況でございます。

 最後にもう一点だけ、折角第3セクターの問題が取上げられましたから敢えて申しあげたいのですけれども、私はやはり第3セクターのあり方、これについてはキチッとして議論をしていかなければいけないんじゃないかなあというふうに思っています。いかにスキー場を継続していくのか、町内の特産センター、キャンプ場、木地屋も含めてですね、議員もいわれるように地域の人々に愛されるような施設にしていくのかということに立ちかえってですね。本当に今後、例えばパートナーである民間企業が非常に経営が厳しくなったと、とてもじゃないが、私たちはもうできませんよといって来た時に、敢えて町がひとりで受けてたってそれをできる力量が、体力が残っているのかどうか、しかし、そうもしなきゃあいけないと私は思っています。

 そういうことも踏まえて今後議論もしていかなきゃあいけないんじゃあないかなあという気がしていますし、補正予算の議論にも今後係ろうかと思いますが、非常に老朽化が進んでいる、皆さんご覧になってわかると思います。これに対してどうするのかと、責任の分担はっきりしなさいよという議論ありますけれども、じやあ赤字経営の中でそれができるのかどうか、早く黒字経営にして、その中でその分を見ていかなければいけないんじゃあないかなあという気がしていますが、それもいかんせん限度がでてくるだろうと思います。

 これから先いろんなところがでてくるんだろうと思いますからこういう機会にですね、さっきもいいましたように、透明性の確保とか説明責任、はっきりいかなる場でも出て行ってお話させて頂きます。敢えて町民の皆さん方にですね、これからの第3セクターのあり方を問いかけてみたい、そのように考えています。そのことが議員がいわれるようにですね、私は地元の人たちに本当に愛されて、ああ、やっぱりあれがあって良かったなあと大方の人がそういうふうに見ているというふうな質問にありましたが私は大方の方はスキー場があっていいなあと思っていらっしゃるだろうと思うのです。しかし、一部にはまだまだそういう誤解、疑問符があるんであればですね、それは取り払っていかなければ決していい施設にはならないというふうに思っておりますのでどしどしこういう質問に関しては、遠慮されることなく議会の場、それからいろんな場面で展開して頂いて本当の意味で第3セクターのあり方をですね、この機会に私は議員の皆さんともう1度考えなおしてみたいなあと、そしてもう1度いい意味でいい形でスキー場、それ以外の施設をですね、これから先存続していきたいなあというふうに思っています。ちょっと議員と一緒で言葉が多過ぎましたけれどもお断り申しあげまして答弁にかえさして頂きたいと思います。以上です。

秋本 議長

議長 はい秋本君。

秋本 地場産業振興については、私の考えどおりだということで、その他についても非常に積極的に新しい情報のもとで模索しておいででございまして、しっかりおやりいただきたいと、支援して参りたいと存じているところです。
 只、公の施設についてでございますけれども、ひとつは特産センターとキャンプ場が入っていなかったと、落ちていたということでございますけれどもこれはおちていただけの問題ではないと思うのですね。条例、規則があってそれに基づいて契約ないし執行するわけでございますから、落ちていたということは条例に違反していたというようなことでも受けとっていいかなと思うんですが、そのこともひとつお答えいただきたいと思います。
 それから、町長の答弁の中で私受け取りましたのは利用料と使用料を混同されていると、これはリポートを提出していますのでこれをご覧頂いていると思うのですね。利用料と使用料というのは明らかに違うということなんですね。
 そして総合条例、目的条例。つまり総合条例では利用料をとることもできる、とらないこともできるということなんですね。それを基にして目的条例がある。目的条例が最優先で動かせないのですね。ですから利用料は当然とってもいいわけなんですが、使用料に定めがあるのですね。(それを)総合条例の中のを引用して打ち消すことはできないわけですね。だから、使用料を例えばGパークの宿泊施設で210円とって15日までに前月分を納めなさいということの条例についてこれを超えるものはないわけですね。
これはいくつもありますね。スキー場についてもそういう条例があるし、それから税徴収条例の中にもあるわけですね。ですから利用料じゃないですね。(条例は)生きているわけですよ。それをおやりになってなかったということですね。そこへんはいかがでございましょうか。

町長 議長

議長 はい町長

町長 しっかり信用していただくということでありますので大変心強く先ずは思っているところでありますが、そのキャンプ場と特産センターの件ですね。あれは、まあ、いわれるように条例、規則に沿っていなかったといわれればまあ、そうなのかなあと。だからその分については、整備して参りたいということを答弁さして頂いているところであります。
 利用料金と使用料金についてもですね、いわれるように使用料と利用料は全く性格が違うものでありますので、使用料については、木地屋公の施設管理委託にその使用としてとるんですよと条例に書いてある。それについてその条例の第7条でしたかね、猶予減免できますよという項目がある部分を適用してその分はとってなかったということであります。
 利用料金については、この条例にあるように地方自治法が改正された時に第3セクターにインセンティブを与えにゃいかんということで利用料金をとっていいですよと。それはいわれるように使用料と利用料を概ね同じ、相応するものであってしかるべきだということで、利用料金が公の施設の管理委託に関する条例、まさに管理委託に関する条例の中で利用料金を徴収することができるというふうに決められているわけですから、その分に基づいて利用料金を徴収しているという、受託者がですね。ま、そのように我々は理解しているところであります。

秋本 議長

議長 はい、秋本君。

秋本 ちょっと解釈が違うのではないかと思うのですよ、今の答弁聞いていますと。利用料金と使用料金は同じというようなふうに受け取らざるを得ないのですけれども。条例では、使用料と利用料は別になっていて、そして目的条例が使用料を定めてあるわけですね。それを総合条例(五ケ瀬町使用料及び手数料徴収条例)で引用するという解釈はできないわけですよ。
 例えば、Gパークの宿泊施設では210円と定めてあれば、それを徴収する義務があるわけですね。それをおやりになっていない。これは利用料ではないのです。利用料は別途とっているわけです。宿泊施設の1泊いくらというのは当然ですが、スキーリフトについても利用料は当然リフト料としてとるわけです。これは、使用料(として)は当然高いなあと思ったんですけれども。使用料は別途ですね、公の施設を委託するのに使用料をとることになっているのですよ。その使用料を定めてある。だから、使用料は一般会計の使用料のところに入いらにゃいかんわけですよ。そして、支援するのは支援するとして別途出さなければならないわけです。それが入っていないわけですよ。利用料と使用料が混同してはならないわけですよ。そういうことでどうも今の答弁は使用料と利用料を混同している。総合条例の中で判断されている。目的条例に使用料をとることがあればそれを覆い返すことはできないと思うのです。(個別に定めた)目的条例が最優先なんですから。どうなんでしょうか。

町長 議長

議長 はい、町長。

町長 何度も答弁しておりますが、五ケ瀬町の使用料及び手数料徴収条例、その中に使用料の別表もあると、その条項の中で前条の使用料の額は、別表第1及び第2のとおりとするというふうになっているわけであります。そこの中で示されていると、使用料もですね。その条文の第7条で第2条第1項に規定する使用料は、只今申しあげました使用料については、特に町長が認めた時は、これを減免し、又はその徴収を延期、若しくは猶予することができるという条文をもって猶予しているということでございます。

秋本 議長。

議長 ちょっと待ってください。四回目でありますが、もう一回だけお許しします。

秋本 はい、ではもうこれ一回で。何か堂々廻りしているものですからね。何度もいいますけれども、(個別に定めた)目的条例を超えることができないというのがあります。
だから、総合条例というのは、いろんなことを想定して町長の判断で減免したりとか安くしたりとか。それを超えることはできないのですけれどもね。取ることもできる、取らないこともできる、いろんな施設に対しての条例であって、(個別に定めた)目的条例というのはその施設のためのことですよね。だからこれが最優先するわけで、これを覆い返すことはできないということなんですよ。ですから、どうしてもそうではないということで、町長の答弁がそういう解釈であればですね、これはやむを得ませんのではっきりするところまで法律の専門家によって進めてもらう以外にないのかなあと思うんですね。そうやらなくても、やはりこれは明らかに条例どおりにやられていないということをお認めになったほうがいいんじゃないかと。そして、今後のことを対応されたほうがいいんじゃないのかなあと、いたずらにこの問題で条例の解釈でこういいますと私はこうだという信念で、いろいろ調べてみたけれどこれ以外にないということで質問しているわけですから、違うとおっしゃるんなら、それはそれなりの手続きを踏んでやらなければならないということになるんですね。何度も繰り返しますけれども(個別に定めた)目的条例を超えるものはないということなんです。だから手数料(使用料)を徴収しなさいと決めてある。それを覆い返すことはできないわけなんですよ。総合条例でですね。どうでしょうか。

議長 はい、町長。

町長 間違いを認めたらどうでしょうかという話ですが、私どもとしましては、この条例、今私が答弁している条例に基づいてこういう運営をしていたというふうに見解を申しあげているわけですから、再度うちの(庁内の)条例審査委員会というちゃんとしたシステムがありますので、議員もこういうふうにご指摘になっている訳ですから、私どもの見解も含めてですね、再度整理さして頂いて間に合えば開会中に、これを私が認めることを嫌がっているとかそういうことでは決してないですよ、我々はこの条文をもってそういう解釈の基で進んでいたということですから、もし、正さなければならない部分があればですね、それはもう拒否するのでもなんでもない。現時点ではそのように私の見解を申しあげているわけですから。何もこれで対決してですね、いったからとて何のメリットもないわけですから、只現実はそういうふうに運営しているわけであって、その部分に対しての問題はないと我々見解があるわけですから、今答弁そして頂いていますので条例審査委員会でもう一度我々の考え方、この条例、規則、その関係も含めて整理をさして頂いて回答さして頂ければありがたいなあと思っているところです。

秋本 最後にもうひとつだけ大事なことですからよろしいでしょうか。

議長 はい。

秋本 あのう、そこへんがうやむやなまま他の案件も審議するわけにはいかんと思うのですね。ですから、それをはっきりさして頂いてから審議するのが筋じゃないかなあと。で、何時頃までどういうかたちでそれを発表されるのかですね、そこらへんをもうちょっと明確にご答弁頂きたいと思います。

議長 はい、町長。

町長 会期中には答弁さして頂きたいと思います。25日が最終日ですね、それまでには私どもの見解をお示しさせて頂きます。

議長 これで秋本治君の質問を終わります。

※論評
 いやはや、1年生議員のなが〜い質問でご迷惑をおかけしました。閉会後の全協でも長い質問に注意を受けてしまいました。けれども、3回を限度とする質問のルールでは、これくらい長くしないと具体的な質問ができないのでお許しを。
 また、今回は質問が込み入っていることから、事前にリポートを提出しておいてそれを読み上げて質問したため余計長くなつたのです。
 その後の経過については、最終議会の前日再び次のリポートを事務局に提出しました。

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五ケ瀬町使用料についての考察

2002年9月
五ケ瀬町議会議員
秋本 治

 9月18日の本会議一般質問において、「五ケ瀬町ハイランドスキー場の使用料の徴収又は収納事務委託規則(規則第28号)」及び「Gパーク宿泊施設の使用料の徴収又は収納事務委託規則(第29号)」で定めた使用料(Gパーク宿泊施設1人1泊210円及びスキー場の入場リフト往復券1000円他)を徴収しないのは、
「五ケ瀬町使用料及び手数料徴収条例(第17号)の第7条 第2条第1項に規定する使用料について、特に町長が必要と認めたときは、これを減免し、又はその徴収を延期、若しくは猶予することができる。」
を適用していると答弁があった。

これは、同条例(第17号)の第1条に
「財産及び造営物の使用又は特定の個人のためにする事務につき別に定めのあるもののほかこの条例の定めるところにより使用料又は手数料を徴収する。」
とあるので、別に定めがあるものについては本条例の第7条は適用されない。

 すなわち五ケ瀬町公の施設管理委託に関する条例(条例第2号)に基づく「五ケ瀬ハイランドスキー場の使用料の徴収又は収納事務委託規則」及び「Gパーク宿泊施設の使用料の徴収又は収納事務委託規則」は別に定めのあるものとして適用される。

 また、仮に別に定めのあるものを超えて本条例(第17号)を適用するとすれば、個人から申請があった場合に中央公民館や町民センター、自然の恵み資料館などと同列に掲げてあるため、申請があればGパーク宿泊施設では1人1泊210円で、スキー場の入場リフトも1000円の使用料で使用させなければならないことになる。更に第7条の「これを減免し、又はその徴収を延期、若しくは猶予」を適用しているとすれば、一般の人もGパーク宿泊施設やスキー場のリフトを無料で使用できることになる。

 このことは、一般質問で述べたように、五ケ瀬町使用料及び手数料徴収条例(第17号)はいろいろな施設に対して規定した総合的な条例であり、五ケ瀬町公の施設管理委託に関する条例(条例第2号)に基づく「五ケ瀬ハイランドスキー場の使用料の徴収又は収納事務委託規則」及び「Gパーク宿泊施設の使用料の徴収又は収納事務委託規則」は、その他の規則と違い条例に基づく規則であるので施設を特定して個別に述べたこの規則が優先される。

 利用料金については、
 地方自治法 第244条の2の後段の「通知」第四 公の施設に関する事項(平成3,4,2)の一で「法第244条の2 第四項の利用料金は、公の施設の使用料(法第225条)に相応するものであること。」とあるので規則で定めた宿泊使用料の210円と入場リフト使用料の1000円については、利用料に相応させなければならなくなる。更に使用料を減免すると利用料も相応させなければならなくなる。

 以上から考察するとGパーク宿泊施設とスキー場は「別に定めのあるもの」(規則28号及び29号)を適用して、使用料については、必要があればこの規則の中に「これを減免し、又はその徴収を延期、若しくは猶予」の条文を挿入する必要がある。但し、法第244条の2の「利用料金は、公の施設の使用料に相応するものであること。」があるので、木地屋、スキー場とも入場料として低額料金を設定して委託徴収し、施設内での利用は委託先に委ねるように規定することがのぞましいのではないかと思われる。

 いずれにしても、住民の福祉を増進する目的で多額の費用をかけて建設された公の施設であるから固定資産税も使用料の徴収もなく、町外者利用を主体とした営業施設については、住民の福祉の増進の観点から費用対効果において慎重に運用されなければならないと思う。よろしくご検討をお願いしたい。
以上。
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14時15分から全員協議会
 次回、追加日程として教育委員会委員の任命同意と選挙管理委員及び選挙管理委員補充委員の選挙についての人事案が上程されることについて説明がありました。

〇9月20日 特別委員会
 14時からワイナリー関係の特別委員会が議員控室で開催されました。
 席上コンサルタントから夕日の里ふれあい交流空間整備事業全体構想について説明を受けた後、質疑応答がありました。
 基本計画では、ワイナリーを拠点として都市と山村の交流拡大により、地域内循環型市場形成というロマン溢れる壮大なプランです。
 立派な理論構築ではありますが、生産者と住民(町民)と行政が「基礎づくり」「態勢づくり」「計画の具現化と推進」にどのようにかかわっていくかしめされていない点が気になるところです。
 具体的計画は、
1.ワイナリー
ぶどう生産農家 38戸(1,100a)
ぶどう生産量 165.2トン
ワイン製造  95,256リットル
ワイン出荷 132,300本(720mm)
運営人員は、5名+1名
2.レストラン
客席    102席
利用客   58,650名
総動員数  180,109名
メニュー構成 地鶏料理や四季のお膳、ワインに合う料理
3.農林畜産物直売所
年間動員 27,017名
4.イベント広場
年間動員 180,109名
5.体験工房
こんにゃくづくり、田舎豆腐づくり、郷土料理づくり体験など夕日の里づくり推進会議の特産品・郷土料理部会を中心に運営する。
6.展望所
周辺の山々への登山・トレッキング・ウォーキングコースの休憩所を兼ねた展望所
7.ギャラリー
五ケ瀬町の芸術文化の拠点とする。
8.駐車場
50台の乗用車とバス3台のスペース。他にイベント時の臨時駐車場として乗用車40台の予備のスペース。
〇概算工事費(単位千円)
工期 施設名 概算工事費
第1期 ワイナリー 654,000
駐車場 20,000
取付道路 181,000
造成工事 400,000
小計 1,255,000
第2期 レストラン 255,000
直売所 30,000
イベント広場 6,000
体験工房 7,000
小計 298,000
第3期 展望所 3,000
ギャラリー 135,000
遊歩道 1,500
駐車場 2,500
景観整備 5,000
小計 147,000
   合     計 170,000

論点
 ワイナリー計画は、本日提示のあった総事業費は十七億円。50%の助成があるとしてもこの借金を町が背負いきれるか、また、営業赤字を町が負担しきれるか。そしてその事業効果が確実にあるのか。議会の責任は誠に大きい。
 第1期工事では、メインのワイナリー本体工事六億五千四百万円に対して駐車場、道路、造成工事等付帯工事が六億1千万になり、これに用地買収、測量設計等が加算されますので付帯工事の割合は50%を超える。メイン設備より付帯工事が高いので投資コストは倍増します。

〇収支計画概要(単位千円)
第一期 第5期 第10期
16年度 20年度 25年度
経常収入の部
ワイナリー売上 181,350 188,100
直売コーナー売上 28,367 37,238
レストラン売上 58,650 88,821
収入合計 268,367 314,160
売上原価
期首棚卸 161,386 169,713
酒税 5,199 5,382
ワイナリー人件費 14,500 24,500 27,000
直売コーナー人件費 7,062 9,271
レストラン人件費 7,062 9,271
ワイナリー製造原価 57,832 95,815 104,622
直売コーナー仕入 24,112 31,653
レストラン費 23,460 35,528
期末棚卸高 91,070 164,901 170,901
売上原価合計 -18,738 183,696 221,450
売上粗利益 -18,738 84,671 92,620
経常支出の部
常勤者給与 9,800 15,804
ワイナリー管理費 19,800 37,636 41,144
諸経費 9,570 12,562
水道光熱費 3,750 4,922
維持管理費 1,352 1,774
経費合計 19,800 62,108 76,209
売上利益 22,563 16,410
消費税 3,633 4,097
当期経常損益 -38,538 18,929 12,312
税引前当期損益 -38,538 18,929 12,312
法人税等 206 9,428 6,133
税引後当期損益 -38,744 9,500 6,179
前期繰越損益 0 -5,911 40,691
当期未処分損益 -38,744 3,589 46,871

論点
 この計画では、棚卸高が一億六千〜から一億七千万あります。この在庫の分は運転資金が別途必要となります。まさに民間では黒字倒産のパターン、公的事業でなければやれません。
 国内で長期貯蔵のワインは聞いたことがない。長期熟成が日本の気候でどういう価値を生み出すか。通常長期貯蔵は、キャッシュフローの内、余裕分だけ貯蔵にまわして利益の蓄積をはかるのが一般的でしょう。
 またレストラン売上58,650千円に対して仕入が23,460千円で40%。一般的には、蝶々とトンボの概念があります。蝶々とは、仕入が50%で半分づつを意味し、高回転で経費を極端に節減した経営。セルフサービス等の店がこれに当ります。トンボとは頭が重いの意で仕入原価を30%とするものです。品質を高め高度のサービスを行う経営で料亭などがこのパターンです。この二極分化が業界の現実です。
 レストラン人件費は7,062千円で売上の12%。2〜3人のパート従業員で100席、六千万近い売上が可能かどうか。一般的には30%が必要でしょう。8月1日号の本紙資料では木地屋の人件費も46.5%となっています。売店を算入しても売上が87,017千円に対して人件費が14,124千円で16%です。
 特産センターは、国道沿いのため終日通過客も利用しますが、ワイナリーは特に繁忙期との落差が大きいことを想定すれば16%の人件費にとても不安を感じます。
 ざっと見てもこんなところが論点ですが何か経営の秘策があるのかもしれません。


〇9月25日 本会議(最終日)
13時30分から全員協議会
 開議前の全員協議会で18日の一般質問の答弁に伴う報告がありました。

報告要旨
 本町の条例管理を委託している第1法規出版社に次のような問合せをしたところ以下の回答があった。したがって条例の疑義はない。
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〇五ケ瀬町は、関係条例により第3セクターに施設を委託している。委託条例には減免の規定はないが、実際にはその利用料は町に入っていない。町は、その根拠を「使用料及び手数料徴収条例」の減免の規定においているがよろしいかどうか?。
〇使用料及び手数料条例の第7条では「使用料」のみの規定であり、委託条例では「利用料」と表現してある。この場合の「使用料」と「利用料」は事実上同上のものと解しているがいかなるものか?。

回答
(1)公の施設の管理を委託した場合には利用料は地方自治法第244条の2第4項の規定により、受託者の収入とされるべきものであって、特別徴収ではありません。したがって町に払い込む必要はありません。
(2)利用料は、公の施設の利用の対価であり、使用料に相応するものです。同義のものと解します。(地方自治法第244条の2第4項関係参照)
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?ん、おかしいなあ。(1)は利用料を疑義としたのではない。公の施設管理委託に関する条例に基づき個別に定めた減免のない使用料の規定を税条例の減免で覆い返すことができるのかというのが論点です。
(2)は、「使用料」と「利用料」は同義のものではないという判例があるということを踏まえなければならない。
 質問は、もっと条例の解釈や不備な点、第3セクターの見解についてのものであったつもりですが、仕方ありません。町の見解はひとつの見解としてこれを受け止め今後に生かしていくにしました。
 これ以上議論するには、法律の専門家でなければ議論がかみ合いません。筆者もリポートを作成し、専門家に確認したりしてから質問したわけです。
 全協で報告を受けた席上、皆さん固唾をのんで筆者の発言を待っておられたようですが、あっさり引っ込めたことに拍子抜けしたとの後日談もありました。
 議論をしていて不毛な議論となりつつあることに虚しくなったのです。行政職は、法令や条例に基づいて仕事をしなければなりません。事業執行の後から条例規則等を追加訂正するのはおかしい。先ずは条例と照合して疑義のあるものは、条例規則を議会に諮って改正し、その上で条例に基づいて予算を提案し執行してもらいたいものです。

 第3セクターのあり方については次のような事例があります。
 今、国土交通省の地方振興アドバイザーとして、某県某市のまちづくりに係っているのですが、この中で本町と類似の施設があります。その市の公の施設を個別に定めた条例では「第7条 市長は、特別な理由があると認めた時は前条の使用料を減免することができる。第11条 市長は、施設の効率的な運用を図るため、その管理を公共的団体に委託することができる。」と定められ、更にこの条例に基づく施行規則でも「条例第7条に規定する使用料の減免については、次の各号に定めるところによる。」とされ「〇〇の場合は全額。〇〇の場合は半額」などと細かく規定されている。
 このように個別に定めた目的条例にも疑義のないようキチンと整備されているのです。
 そして、この施設の平成13年度の決算書では、食堂等の売上収入91,103千円の内、市から受託料が42,000千円支出され、市へは使用料入湯税で19,045千円が納められている。この差額の22,955千円が市の負担となるのでこの差額を限りなくゼロに近くするためアドバイザーに知恵をしぼれといわれているのです。
 公の施設として設備投資を行い、使用料等を徴収するためにその施設の運営を委託し、委託料が支出される。その使用料収入と委託料支出との差額が住民への貢献度とどうバランスするか。これが一般的な公の施設に対する考え方ではないかという認識にたっているのです。
 公の施設を使用料もなく丸投げのような形の委託は好ましいことではない。公の施設が手の届かないところへいってしまう恐れがあるのです。
 公の施設は、第3セクターが独自に建設した施設とは根本的な違いがあります。
 まっ、しかしこれを言っても赤字赤字といわれれば仕方ないですかね。

14時20分から本会議
 開議冒頭、付託を受けた各常任委員長の報告。
総務常任委員長 後藤桂治氏
農林建設常任委員長 白滝益男氏
文教・厚生常任委員長 甲斐啓裕氏
報告要旨
・交付税4.8%減
・町有林は適正管理されている。
・活用されていない公有地は調査すべし
・パソコン教室で122名受講があり効果あった
・消防、病院の隣町村との格差是正
・スキーリフトの索道張替を行った。スキー入場者は、スキーヤー38,528人、スノーボーダー36,151人で前年対比ではスキーヤー97.05%、スノーボーダー316.84%。
・商工会割引商品券は有効活用された
・木地屋のレジオネラ菌は影響なかった
・町税6.8%、0.6%減。入湯税21%増
・地籍調査は47.37平方km、外注等で調査面積の拡大を望む
・フルーツランドぶどう植栽8ha達成
・パイプハウス36棟 トマト、ホーレンソウ好調
・畜産 営農集団に機械設置 BSEの影響しだいに回復している
・林業では貯木場舗装
・特用林産物では生産施設機械導入、外国産残留農薬等で期待される
・有害鳥獣の捕獲対策
・夕日の里大橋、10%負担金支出
・遠距離通学補助の再検討を
・小中校とも児童生徒が減少している統廃合を含めて検討を
・鞍岡支所は事務量少ない、見直しの必要あり。支所を拠点に幅広い住民サービスの検討を
 等々の報告があり続いて採決、全員起立により原案どおり可決決定しました。

 追加日程の、教育委員会委員の任命同意については、大字三ヶ所2294番2の菊地清隆氏(昭和23年四月15日生)。
選挙管理委員会及び補充員については、西川稲男氏、橋本實氏、甲斐福光氏、松本岩実氏、植木勇一氏、菊池孝男氏、藤岡吉照氏、飯干光政氏が選任同意されました。

 その他、陳情案件を受けて議員発議として
・義務教育費国庫負担制度の堅持に関する意見書
・道路特定財源制度の堅持に関する意見書
・九州横断自動車道延岡線の早期整備を求める意見書
・地方税源の充実確保に関する意見書
の提出について意見書案が発議されそれぞれ可決して9月議会が終了しました。

お詫び
 8月1日号で「新町長の政策を問う一番大事な一般質問でありながら質問者は一年生議員ばっかりであったことに不満を持ちました。合併問題や、ワイナリー問題、病院やスキー場、財政問題等大きな問題を抱えたこの時に一年生議員ばかりです。皆さん果たして真剣に考えているのだろうか。」の論評に対して議長から注意を受けました。「一般質問だけが議員活動ではない。あのように書かれると何もしないということになる」と議長に申し入れがあったということです。
 ほんとそのとおりです。皆さんそれぞれの立場で精一杯頑張っておいでです。特に委員長さん方は大変なご苦労があります。舌足らずでした。お詫びして訂正します。






編集後記

 先月は、アンケートへのご協力ありがとうございました。激励のご意見が多くて元気がでました。これからご意見を生かしてまいりたいと思います。
 文章が長いというご意見にはなかなか改善できずにいます。実際、議事録等を正確に短縮するのはなかなか手間のかかる作業で至難のわざですご容赦ください。

 今月の議会は疲れました。骨の折れる議会でした。閉会後、議員と執行部、各課長、病院長、教育長などとの懇親会が「みながわ」において(会費3千円)開催されました。懇親会では「なぜ、あのような追及をするのか」とか「何のメリットがあるのか」とおっしゃる議員さんもいれば、「いい質問をした。紳士的で尊敬している。」とおっしゃる課長さんもいて複雑な心境でした。
 ご意見をお寄せ下さい。

 この私設「かわら版」は14区民の皆様を対象に配布しておりますが14区以外の方にもお送りできますのでご紹介ください。郵送料として年会費千円のご負担をお願いしています。(治)