かわら版 『風』 
2002年4月1日号 毎月1回1日発行
第15号  発行者 やまめの里 企画編集 秋本 治 五ケ瀬町鞍岡4615  電話0982-83-2326

平成14年度の第一回定例会

 平成14年度の第一回五ケ瀬町議会定例会は、3月5日から22日迄、18日間の会期で開催されました。平成14年度の当初予算を決める大事な議会です。本号では開かれた議会を目指して、会期中の審議内容を掲載することにしました。

第1日目 本会議 (3月5日)
議運報告
 9時40分。本会議に先立ち議員控室において、議運(議会運営委員長)から会期日程についての説明がある。
要旨
@3月1日と本日先ほど議運を開催した。
A新年度の当初予算は、骨格予算のため開会前に全協(全員協議会)を開催して執行部より説明を受ける。
B今回の会議録署名者は、9番の後藤桂治議員、10番の松岡耕一議員。
C本日の本会議では、議長と町長から諸般の報告がある。
D議案は、条例の制定及び一部改正について6件、平成13年度一般会計並びに特別会計補正予算について6件、平成14年度一般会計並びに特別会計予算について6件、五ケ瀬町過疎地域自立促進計画の変更について1件、町道の認定について1件、宮崎県町村総合事務組合の共同処理する事務の変更及び宮崎県総合事務組合の規約の変更に関する協議について1件で、計22件の議案となる。
E本日は、提案理由の説明だけとする。
Fこの内、平成13年度一般会計並びに特別会計補正予算については8日審議採決する。
G本日本会議終了後も全員協議会を開催する。以上。

全員協議会
 続いて本会議に入る前の全協開催。
@金子企画商工課長挨拶
3月1日付で社協(社会福祉協議会)から企画商工課長へ移動したことのの挨拶。
A助役説明
新年度の予算について
・新年度予算は骨格予算にとどめた。
・税収減、交付金減(五千万)で厳しい予算となった。
・当初予算では、単独事業、補助金等については計上していない。新規事業は、五月選挙後の新町長に委ねる。
・収入を35億としてそれに見合う予算で計上した。前年度当初予算比では4億5千万の減である。
・特別会計を一部カットした。内部の費用についても昨年比減の方向で計上。
・特別職見送り、近隣町村、郡内旅費については町内扱いとした。
・需用費、消耗品等は各課で調達していたが、今後は一括購入の方向で検討している。
・総額6億5千万の要望事業については、新首長の考え方になる。
・基金は10億余りになった。取り崩すことを最小限にとどめなければならない。
・企画課長、財政課長不在の状態で予算編成に苦労した。
 以上の説明があり、各議員からの質疑が行なわれた。
Q「職員の超勤については、残業をさせないよう管理職が協議してもらいたい。」
A「今回大幅にカットしている」「繁忙期には、課を超えて応援できる方向で考えたこともある。」等の説明。

本会議開会(10時30分から)
 10時開会の予定が、全協の予備審議が長引き30分遅れの開会となった。
議長は開会を宣して議事を進行した。
@会議録署名者9番10番指名。
A会期22日までと決定。
B諸般の報告
・議長報告 議会議長宛に桑野内夕日の里づくり推進会議より「五ケ瀬町ワイナリー建設整備についてお願い」の陳情書。五ケ瀬町公民館長会長より「地域社会に貢献する郵便局の国営存置及び郵便事業のユニバーサルサービスの確保等を国に求める陳情書」が提出されている。
・町長報告 竹田五ケ瀬線国道昇格陳情については1月31日福岡の国土交通省出先に、また2月26日は本省に竹田、高森、高千穂、本町の4町で要望書に添って趣旨を説明陳情した。
 2月27日、五ケ瀬町と東郷村が宮崎県町村会から優良町村表彰を受賞した。
C議案上程
 ニ号 保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について(本町条例中、看護婦を看護師に改める)
 三号 五ケ瀬町職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部改定について
 四号 五ケ瀬町職員の育児休業等に関する条例の一部改定について
 五号 五ケ瀬町職員等の旅費に関する条例の一部改定について(西臼杵郡内、蘇陽町、清和村内の出張旅費は5時間以内の場合支給しないものとする等)
 六号 五ケ瀬町使用料及び手数料徴収条例の一部を改正について(「地図証明の項で地籍測量図、地籍図複写、集成図複写、1筆図形複写は1件紙数1枚に付1000円とする。」を加える)
 七号 五ケ瀬町消防団の定員、任免、給与、服務等に関する条例の一部改正について(第2条中「360」を「320」に改める等)
 八号 平成13年度五ケ瀬町一般会計補正予算について
内容
 歳入歳出予算をそれぞれに105.953千円を追加し、総額を4.381.629千円とする。
九号 平成13年度五ケ瀬町国民健康保険特別会計補正予算について
十号 平成13年度五ケ瀬町老人保険特別会計補正予算について
十一号 平成13年度五ケ瀬町簡易水道事業特別会計補正予算について
十二号 平成13年度五ケ瀬町国民健康保険病院事業会計補正予算について
十三号 平成13年度五ケ瀬町介護保険特別会計補正予算について
十四号 平成14年度五ケ瀬町一般会計予算について
 十五号 平成14年度五ケ瀬町国民健康保険特別会計予算について
 十六号 平成14年度五ケ瀬町老人保険特別会計予算について
 十七号 平成14年度五ケ瀬町簡易水道事業特別会計予算について
 十八号 平成14年度五ケ瀬町国民健康保険病院事業会計予算について
 十九号 平成14年度五ケ瀬町介護保険特別会計予算について
 二十号 五ケ瀬町過疎地域自立促進計画の変更について(農業集落道整備 柿の尾地区)
 二十一号 町道の認定について(大字三ヶ所 上村〜二股線)
 二十二号 宮崎県町村総合事務組合の共同処理に関する事務の変更及び宮崎県町村総合事務組合の規約の変更に関する協議について。以上提案理由の説明後散会。

全員協議会
本会議終了後、引き続き全協を開催。西臼杵森林組合長興梠保明氏より森林組合へ支援の要請がある。
要旨以下のとおり。
@預託金制度の復活について
森林組合合併までは町からの預託金制度があったが、合併後はなくなった。運転資金確保のため新年度から預託金制度を復活させて頂きたい。取り敢えず1町1千万、以後2千万追加して計3千万の預託をお願いしたい。
A最近伐出した跡地の放置林が増加している。新植推進のため造林用の苗木の助成をお願いしたい。30〜40円支援して頂ければ助かる。
 説明の後、各議員より質疑があり、「森林組合合併の際は合併後は経営が改善されるので町の支援は必要なくなるということではなかったか」などの意見が出された。

再び全員協議会
 午後から再度全協を開催。
@町立病院川村院長、坂本事務局長から説明を受ける。
・4月1日から院外処方を実施する。外来患者は、病院前の院外薬局で薬を受け取って貰うようになる。
・町立病院は、平成15年8月31日まで「一般病床」と「療養病床」のいずれかを選択して届け出なければならなくなった。
・一般病床とは、長期療養以外の患者を対象とする病院。
・療養病床とは、長期療養の患者を対象とした病院。
尚、選択肢には、上記の他に、一般病床、療養病床の併用型、及び診療所型の4つの選択肢がある。届け出と同時に新たな基準が適用され、負担増は免れない。病院の生き残りに高いハードルが引かれたことになる。
A白石教育次長からの説明
・4月1日からの学校週5日制移行に伴い「五ケ瀬町立学校管理規則」を改定し、4月1日より施行する。
等の説明があり、第1日目は終わった。
 今回は特にワイナリー関連の予算が新規計上されているので慎重に審議しなければならない。

第2日目 本会議 (3月8日)
全協開催(9時40分から)
町長、助役からの説明
・ワイナリー建設計画について、ワイナリーを運営する第三セクターは、町、JA、酒造会社の出資による設立を考えている。
・五ケ瀬ハイランド鰍ヨの運営委託料は、当初予算に計上していない。補正でどれだけ復活できるか。
 会社としては、決算の数字があらかた固まった時点で議会に説明があるので話し合いをしてほしい。等の説明あり。

本会議開会(10時45分から)
 本日は総括質疑の日。筆者は以下の点について質問した。
 [質問1]平成14年度一般会計予算に森林公園事業(五ケ瀬ハイランド)に6.846千円が計上されている。前年は24.086千円である。本年は会社への委託料が計上されていない。毎年度修繕費、部品、使用料、委託料等増減している。これは、何を根拠に増減させているのか。会社と町の基本契約はどうなっているのか。
 [答弁]今は答弁できない。調べて会期中に報告する。
 [質問2]昨年12月議会で、文化財の調査については前向きに検討するという答弁であったが、新年度の予算に調査費が反映されていない。前向きに検討されたのか。
 [答弁]補正予算で検討したい。
 [質問3]前回1月の議会で、もくみ支援については、これまで本町が支援した費用と本町の林業に貢献できた数値を調査して報告すると答弁があったが今もって報告がない。責任ある対応をすべきだ。
 [答弁]申し訳ない。できるだけ早く報告する。
 以上、筆者の他に、特用林産物について、合併浄化槽の普及について、その他いくつかの質疑があり正午散会した。

常任委員会(3月11日)
 文教・厚生常任委員会は11日午前、議員控室において常任委員会を開催。田中住民課長より説明受ける。(参考 鞍岡支所タイプライター買替1.018千円など)
午後、菊池福祉課長より予算書について説明受ける。

常任委員会(3月12日)
 午前、教育委員会白石次長より説明受ける。(参考 町立学校の児童生徒数 鞍岡小78名、三ヶ所小150名、坂本小58名、上組小47名、桑野内小15名、鞍岡中33名、三ヶ所中126名)
 午後、町立病院坂本事務長より説明受ける。(参考 薬は、これまでの2週間処方から4週間処方となる。入院180日を超えると自己負担が増える。)

第3日目 本会議 (3月15日)
全員協議会 (9時40分から)
議運からの報告
・ワイナリーの陳情については、議運(議会運営委員会)に送付する。したがって最終決定権は議運にあるが全協で充分協議検討する。
・固定資産評価委員選任の件が新たに上程された。
・本日本会議終了後ワイナリー予定地を現地調査する。

本会議開会(10時12分から)
@議長より諸般の報告
・ワイナリーの陳情については、議運(議会運営委員会)送付とする。
A一般質問。質問者次のとおり。
1.橋本進氏
・学校内のいじめをなくせよ。
・地域活性化のため地元買いを奨めよ。
・米寿祝い、百歳祝いの制度をつくれ。
・市町村合併研究会は発表すべきだ。
・公民館長及び集落センターの名称を明確にせよ。
2.坂本亀十氏
・商品券の再発行について。
・狩猟期間の延長について
3.白滝増男氏
・学校完全週5日制に伴う課題と取組みについて
・農林産物のブランド確立と地産地消の推進を
4.秋本 治
・行政改革、財政巣改革について。
・特産品の開発について。
・第三セクターによる地域の活性化について。
以上4人の質問があった。筆者の質問内容は次のとおり。

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本会議一般質問議事録(筆者質問分)
2002.3.15PM1:00〜

[議長] それでは休憩を閉じ再開いたします。一般質問を続けます。二番秋本 治君ご登壇願います。

[秋本] 二番秋本でございます。通告に従い質問致します。先ず、本町の行政改革、財政改革についてであります。
 総務省が推進しております広域市町村合併問題は、行政改革、財政改革の一環というふうに理解をしております。国や地方自治体の財政危機の深刻化や、グローバル経済による市場原理や競争原理に翻弄されるなど私たちを取り巻く環境は日日厳しさをますばかりであります。
 今、わが国は戦後の市町村を支えてきた行政制度すら根底から変えなければならないほど困難な時を迎えているといわれております。
 そうした中で、本町においても膨らんでいく行政コストに対して税収や地方交付税交付金などは減少の一途をたどっております。
 これからもこうした傾向は、より一層強まることが鮮明になってきました。まさに市町村の選別淘汰の時代へ向かって進みつつあると思います。
 将来の町財政はどうなるのか、住民サービスはどうあるべきか。財政シュミレーションや行政コスト、バランスシートなどあらゆる角度から検証しながら行政経営を行なわなければならない困難な時代を迎えております。
 地域の未来像が描けないで打ち過ごしていれば、まさに自立不能の自治体となる恐れがあります。
 地域の未来像は、これまで策定された長期ビジョンにあると言われますが、住民参加の計画だからこれを踏襲すれば間違いないとするのであればこれは大きな誤りを冒すことになると思うのであります。
 何故ならば、それは財政面から捉えた計画ではないからであります。このことについては、12月議会でも町村合併に関連して本町が自立するためには、事業目標を設定して絶えずPDCAやPDSのサイクルを回しながらすすめていくことが必要ではないかと、行政評価制度や事務事業評価制度導入の取組みを提案したところであります。
 更に、以上のような状況を踏まえて、本町の地域の実情に合った行政改革、財政改革に取り組む必要があると存じます。最小の税金で最大の効果を実現するためには、行政コストの適正な掌握なども必要であります。
 このようなことから行政改革委員会、財政改革委員会等のプロジェクトチームを設置し、行政組織や事務事業についてアウトプット、アウトカム等の指標を作成研究し、見直しや改善を図っていくという抜本的な取組みが必要ではないかと思うのであります。
 本町における、行政改革、財政改革への取り組みについてご答弁をお願いしたいと存じます。

 次に、本町における特産品の育成についてお尋ね致します。
 本町においては、特産品の育成としてブドウの植栽を推進されているところであります。このフルーツランド定着化事業は、県と町で三分のニを負担、残り三分の一を生産者負担として、施設整備を行ないブドウの植栽を推進されております。併せてワイナリーの建設計画が推進されております。
 しかしながら、私たちから見ますと、事業の目的が「ぶどうの産地化を図り生産農家の所得向上を図ろうという農家のための政策」なのか、または、ただ単に「ワイナリーを造る目的でブドウ植栽を推進されている」のか事業の趣旨や目的が明確でないように思います。
 ぶどうの産地化を図り生産農家の所得向上を目的とされるのであれば、もっと根本的なフルーツランド構想の「理念」が必要ではないか思うのであります。
 ワイナリー事業につきましては、近年世界各地でワイン生産が盛んになり我国の2000年度の対前年比ワインの輸入量は、オーストラリア118%、南アフリカ120%、ニュージーランド118%、と新たな生産国からの輸入が急増し、ワイン本場のフランスやドイツ、イタリアのワインがだぶついて良質のワインが低価格で日本に入り価格競争が始まっている状況にあります。
 一方、日本におけるワイン消費量は、1999年度の国産ワインは122.798KLに対して2000年度は104.565KLで対前年比85%に落ち込んでおります。
 これに対して輸入ワインは、1999年度155.026KLに対して2000年度は161.503KLで104%と輸入ワインの消費が増加を示しております。
 このように輸入ワインの消費が増加し、国産ワインの消費が減少する中で、ワインの原料であるブドウの買取価格は国内相場は1kg当り200円前後あるいはそれ以下であります。
 ところが、本町で推進されているぶどうの価格は1kg当り500円で買い上げていただいております。相場が200円前後のもが500円で売れることは、本町の農家にとって大変ありがたいことであります。
 しかしながら、これは経済の原理、競争の原理から大きくはずれたところにあるわけでありますから、将来ともこのような価格を維持することはできないわけであります。
 生産者に一時的な期待を持たせて植栽面積を広げ、ある面積に達した後は経済の原則に委ねるということになるのではないかと危惧するものであります。
 もし、そうであれば生産農家は成り立たなくなる。生産農家に犠牲を強いることになる可能性があります。
 このように考えますと、ブドウ植栽の推進は農家のための政策ではなくワイナリーの免許取得のための政策としか思えないのでありますが、お考えをお聞かせ頂きたい。
 大分県の大山町が、かって「梅栗植えてハワイへ行こう」のキャッチフレーズを掲げて梅を日本有数の特産品に育てられたのはご存知の通りであります。この時大山町では、補助金によって普及すれば本物にならないとして、農家には補助なしで植栽を推進されました。町はその商品化、販路の開拓に心血を注がれて今日の梅の産地化が実現したのであります。
 このようなことを考えますとぶどうの産地化を図るには、もっと根本的なフルーツランド構想の「哲学」が必要ではないかと存じます。短絡的に、ワイナリーを目標にした政策のみでは、将来に禍根を残すことになるのではないかと危惧するものであります。これからの本町における農業のあり方等も踏まえて特産品開発の理念についてご説明頂きたいと思うのであります。

 次に、第三セクターによる地域の活性化策についてお尋ね致します。
 本町には、五ケ瀬ハイランド鰍ェ98年9月に新体制のもとで営業を再開されたところでありますが、本年のスキーシーズンは、入場客も大幅増となり大変好調であるとお聞きしているところであります。そこで五ケ瀬ハイランド鰍フ現況とこれが地域活性化に及ぼす効果についてご説明願いたい。
 また、五ケ瀬ハイランドスキー場は、夏期も営業できるような設備がなされていますが、地域活性化のためにグリーンシーズンの営業再開についてはどのようなお考えであるかお伺いしたいと存じます。以上よろしくお願いします。

[議長] それではまず第一点行財政改革について、町長。

[町長] 三点ほどのご質問であります。行財政改革についてということでありましてどのような考えであるかということであります。これは基本的な考え方についてのご質問であろうかなというふうに思います。
本町の行政改革推進委員会等々の推移を少し述べさせていただきますならば、平成8年に行政改革大綱を策定いたしまして、しかしながら諸行政の変革もありまして、平成11年の10月に民間有識者の方7名に委員を委嘱いたしまして、五ヶ瀬町の行政改革の推進委員会なるものを立ちあげた経緯がございます。
そして、その答申をいただきながら、平成13年3月26日までご議論いただいて答申いただいて、その改訂版が今の私どもの行政改革大綱の改訂版をもってすすめておるというところでありますから、ま、経緯はその辺であります。
もちろんご案内の通り、それぞれ今までにも各般のご質問等もありましたし、提言もいただいておりますが、要は町民の福祉増進をすすめるとともに計画的な行財政運営を推進していくこと、これは先ほどおっしゃいましたように最小限の経費で最大の効果をあげられるように行政運営の合理化を図るように努めなければならないということでありますし、そのためには財源、あるいは人員の適正な配分、あるいは徹底した効果的に有効な事務事業の遂行、それは内部でありますが、それに努めなければならんと、このように思っております。
もちろん多様化いたしますから、行政サービスの向上に対応するためには、やはりこの行政改革財政改革の重要性を認識して本町がめざす町づくりの目標達成のために一段と効果的な行政システムを持ちながら全町が一体となって取り組むべきだと、このように思います。
これはやはり行政と議会とそして町民の皆さん三者一体となってすすめなければとうてい成し得ることではないと、私はそのように思っておりますが、こういう形で利便という言葉はあてはまる言葉か知りませんけれども、そうした基本的な考え方で進むべきだと常日頃思っております。
尚、また余談になりますが二期目の立候補の時に、これは個人の考え方でありますが、首長としてどうするかということを先ず私が訴えたのは、公正な行政、そして清潔な行政、そして効率のよい行政、というような三つ。これは私的な考え方でありますけれども、皆さんに訴えた経緯がございますが、もちろん改革できる分は、可能な限り改革しながら行政運営をしなければどうにもならない。これはもう十二分に皆さんも含めて私どもを含めて感じておるところでございます。行財政についての基本的な考え方としてはそのようなことでございます。

特産品の開発ということでございましたが、これは一応担当の農林課長に答弁させようかなと思っております。
それから第三セクターによる地域の活性化ということでございます。もうご案内のとおり、スキー場ひとつをとってみますと今年は7万を超したということで大変好調であるということで喜んでいるところでございます。
その効果ということでありますが、これは五ヶ瀬ハイランドの効果ということでありますが、現況につきましてはですね、近いうちに第八期の決算になろうかと思いますから、本来はその決算をもとにご説明をするか、或いは、また現況の把握に務るべきかなというふうに思います。
 ただ、七期につきましては、会社の方から議会の方にご報告があったんじゃないかと思っております。あったはずでございます。もちろん議長に提出するというようなことになっておりますから、これを分析して頂ければそれなりに現況というか、七期は分かってくるというふうに思っております。
効果はどうかという話でありますが、私は一口で言いますならば、きわめて効果は大きいというふうに思っております。ならば、どういう効果があるかと突っ込んでいただければ、これまた多岐にわたっておりますから一口では申し上げられませんが、いずれにしても、ただひとつスキー場だけをとりましても80人あまりの臨時雇用でありますけれども四ヶ月間、土日込みで雇用の場があります。
この効果ひとつとっても金額に直してどうかと思いますが、約一億近くのやはりこれも地域に対する効果のひとつではなかろうかなというふうに思います。付随いたしまして、或いは食材であるとか燃料であるとか電気であるとか、そうした経済的な効果も非常に大きゅうございますが、また、再三申しておりますように、五ヶ瀬町のイメージを大きく地域外に発信しましたのもこのスキー場であるというふうに思っております。
スキー場とハイランドと、これはちょっと区別もありますが、こまごましたことは差し控えさしていただいて、やはり効果については、もし、これが営業不能にそれぞれがなった時にはどうなるのかということを裏返しに考えれば自然とその効果も出てくるかなということを、こういう表現をさしていただきたいとこのように思います。
それからグリーンシーズンの営業でございますが、実は私も先日登ってみましたが大変好調に推移をしておりますが、グリーンシーズンにつきましては、過去において二年か三年営業した経緯がございますが、非常にトータルいたしまして夏シーズンは一万人にならなかったのではなかったかなと、このように思います。ま、そうしたときにその投資効果或いはまた経費面から見た時にこれは止めるが得策ということで止めた経緯があるというふうに思っておりますので、会社としての営業再開の議論はまだなされておりません。ただ私個人として考えた時にこの営業再開は現状では極めて厳しいというふうな判断を私はいたしておるところであります。
会社としての協議、或いはそうしたものは全然なされておりません。以上かいつまんでご答弁をいたしましたが、第二点につきましては、農林課長をして答弁させたいと思います。以上でございます。

[議長] はい。農林課長。

[農林課長] 農林課長です。特産品開発についてお答えを致します。補助事業等につきましては、先ほどの秋本議員のお話のとおりでありまして、只今五ヶ瀬の農業の現状につきまして申し上げさせていただきますけれども、本町の農業は高冷地の冷涼な気候を生かしまして水稲中心に茶、野菜、花卉、椎茸、畜産等を組み合わせた複合型の農業で営まれている状況でございます。
近年農業を取り巻く環境は、景気の低迷や輸入野菜の増加に伴う農産物価格の低迷、畜産においてはBSE問題など厳しい状況が続いております。町内においては、さらに過疎化や高齢化に伴う担い手不足、耕作放棄地の問題等厳しさに拍車がかかっている状況にあります。
そうした中で五ヶ瀬町はその豊かな自然環境を活かし、先ほどの白滝議員の質問と同じでありますが、県民生協との産直の取引をはじめ、グリーンツーリズムにおける都市住民との交流など、消費者と直接的なつながりを持った新たな農業の展開も進めているところでございます。
今後も更に交流を深め、生産者と信頼関係を築き、五ヶ瀬の顔が見える農業、五ヶ瀬ブランドを確立させていく必要があります。また、今後農業を進めていく上で地元で出来たものを地元で消費する、いわゆる「地産地消」農業への展開を進めていく必要があると考えております。
そこで、ご指摘のフルーツランド構想の理念につきましては、町内に於いては更に過疎化や高齢化に伴う担い手不足、耕作放棄地が増加する中、ぶどう生産振興はその解決のひとつの方策として振興を行っております。当然、第一に農家の所得の向上があります。専用ぶどうの栽培につきましては比較的楽な作業で労働時間の少ないこともあり、高齢者でも栽培できるということから、平成5年から特産果樹の導入品目として検討を始め、気象土壌等の条件調査や視察を重ねて平成8年に栽培展示圃場の設置。平成9年から本格的に栽培を推進し現在に至っておりまして35戸の生産者で発展後、3月末には栽培面積もなってくるところであります。
また、このぶどう推進計画も平成10年度に策定をしておりまして、それに基づく生産振興を行っているところでございます。ご存知のとおり五ヶ瀬ワインが発売され五ヶ瀬のぶどうは原料としても高く評価されているところでございます。これからは都市住民との交流など消費者との直接的なつながりを持った新たな農業の展開をやっていく中でぶどう生産にとって特に五ヶ瀬の顔となるというふうに考え、農家生産者一体となって振興を図っている状況でございます。
フルーツランド構想の経過につきましては、さかのぼって申し上げますと昭和61年から3年にかけて家庭果樹の導入ということで柿、梨、栗、梅、スモモ、ブドウ、サクランボ、そういったものに県のフルーツランド構想に基づき、産地化に向けて栽培をやってきたわけなんですけれども、なかなか五ヶ瀬に合った果樹が無かったわけでございますけれども、平成8年からのぶどう栽培展示圃試験栽培から今日に至っているような状況でございます。今後とも農家の一つの柱となるようなぶどう振興を図っていきたいと思います。以上でございます。

[議長] はい。答弁を終わりましたが、はい。秋本君。

[秋本] はい。秋本です。行政改革について過去の経緯等のご説明も頂いたわけでございますけれども、従来のような要綱を設置して取り組もうとされて、それでどのような効果があったかというようなことを考えますと、従来のようなことでは改革できないのではないかという思いでご質問したわけでございまして、つまり財政というものが非常に大きな問題としてのしかかってきている、この時にいかに少ない予算で住民サービスするかということを突き詰めていくと行政コストのいろんなデータを集めながら目標を設定して、いわゆるPDCAあるいはPDSでも、そういうサイクルを回しながら改革していくということが非常に大事ではないのかという思いなんです。
それで、そういう取り組みをしなければならないという思いがあるのか、今のところまだそこまでは考えていないというふうに私は受け取ったわけなんですが、危機意識ですね、そのことをどのようにお考えであるのか再度ご答弁をお願いしたいと存じます。

それから、特産品開発についてでありますが、農林課長からご説明いただきましたけれども、最初びっくりしたんですね。「補助事業についてはお話のとおりであります」というようなことでございましたので。
僕がお尋ねしているのは、この事業の目的が本当にぶどう生産農家のための事業なのか、それともワイナリーを目的にやられているのではないかというようなことでございましたので「お話の通りでございます」ということは、ワイナリーを目的におやりになりましたということであれぱこれは非常に重大な問題だというふうに思います。
 現状がこのようにして五百円で買い上げて頂いて、生産者はこれなら利益があるというふうにして取り組まれた。しかし、その先は大変なことになるというのが見えてくる。これは非常に大きな問題ではないのか、と。
ある程度の面積がないとワイナリーの免許が取れない。そのために栽培面積を増やされている。そういう補助事業であったら非常にこれは問題だと思います。
例えば、事業というものは絶えずひとつのことを、いちばんいいことを目標にしなければなりませんけれども、しかし、世の中いろんな動きがあります。その中で、それが駄目になることもあるんですね。それで絶えずふたつの方向というものを担保しとかにゃいかんというようなことがあります。
そう考えますとワイナリーももちろん大事だけれど、やはりぶどうの栽培はひとつの地域に桑野内なら桑野内地域に限定をして、いろんなぶどうが栽培されていると、もちろんワインもできますが、ぶどう狩りとしてフルーツ観光の評価が高まってくる。そうすると生食用としても生きる道がある。両方の生きる道を探れるということになるわけです。
ところが今のところ、やるという人はどこでもいいですよというような広げ方ですから、すでに放棄したところもあります。設備をしてほとんど今はおやりになっていない。荒れ放題なところもあります。面積を広げるためだけであったらですね、これは非常に重大な問題だというふうなことでお尋ねしたわけでございます。
フルーツランド構想の理念というのか、例えば大山町さんがやったようにですね。もっと大きな枠の中で、その内の一環でなければならない。グリーンツーリズムというのがありますが、たとえばグリーンツーリズムを目的にしてそういうのがあって、五ヶ瀬でできたワインは何の料理に一番合うのか、そこまで研究する必要があると思います。
この料理が相性がいいよということになると、今度はその食材をどのように生産するのかということとか、いろんな角度からもっとしっかりした理念の元に進められないと非常に問題が出てくるんではないか。そこへんがまったく問題がないよとおっしゃるかですね。そういう問題に対してどういう取り組みをされているのか。そこらへんのご説明を頂きたいというふうに思います。

第三セクターの効果についてですが、先ほどスキー客も7万を越えて入り込みが増えて非常にいい成果を収めている。波及効果も大きいというようなお話でございました。ただ私どもが見ますとですね。例えば、五ヶ瀬町内の民宿、旅館がひとつの産業として今、芽生えているところでございますけれども、宿泊施設によって多少異なりますが、前年比の80%とか、いいところで85%とかですね。去年より宿泊客はがたっと落ちているわけなんです。
それで、宿泊産業にかかわる皆さんのお話によると、どうも税金でつくった宿泊施設が集客していく。だから民間は太刀打ちできないんだ、と。その施設を造る時には、スキー客を入れるような施設は造らないのだ、と、いうふうに説明を受けているのであるけれども、第三セクターの施設もスキー客が入らないと成り立たないと、ですね。
近年は、また住民たちで始めた霧立越トレッキングのお客を税金で作った施設が誘致を始めている、と。そうすると「民間の宿泊産業はもう五ヶ瀬では成り立たんわね」と言うことなんですね。
ですから、こういう問題があるということは非常に深刻な問題であって、これは政策的にまったく問題はないというふうにお考えなのかどうか。お尋ねしたいというふうに思います。
 第三セクターのあり方について、今後もいろいろと事業計画があるようでございますけれども、私もいろいろと調べてみました。小泉内閣も行政改革に取り組んでいられるわけですが、その基本となるのがNPM理論なんですね。New Public Managementと言う理論に基づいている。
これはPFIという、Private Finance Initiative。ようするに民間資金をどう活用してやっていこうかという中で、これは非常に問題がでてきたということで、第三セクターの問題がそういうのがでてきているわけで、そういうのが修練されて今、世界的にも見直されて、一つの方向付けがでてきたのがPPP理論というやつです。これは、Public Private Partnershipsですね。
それは、公的セクターと民間セクターとボランティアセクターを横一線に並べて行政がコントロールしなければだめなんだという、そういう新しい概念が今出てきているわけなんです。だから、いままでの問題点が見えている部分について、今後そういうPPP理論に対してのお取り組みとか研究とかそういうことを考えていかなければならないということを思うわけなんですが、この点いかがでございましょうか。ご答弁をお願いしたいと存じます。

[議長] まず、一点目、財政危機意識のことについて町長。

[町長] 要点は

[議長] 財政困難時の危機意識についてということでしてね。どのように考えておられるかと。第一点目、財政困難時の危機意識についてどういうことかということですね。

[町長] まあ、いずれにしましてもね。ご高説は拝聴いたしましたが、今私どもが取り組んでおります行財政改革といいますか、取り組んでいる実態、ま、これにつきましては、総務課長もおりますから、財政課長はちょうど今残念ながら不在でありますので、そのことについては、総務課長兼務ということでしておりますので、まあ、的確な答弁はどうかと思いますけれども、現状については総務課長の方からお答えしていただきますし、農林課長が申し上げましたように特産品、或いはぶどうの植栽でいろいろご高説もありますが、ここではっきり申し上げておきますが、ワイナリー造るためにぶどうを奨励したものではないということをはっきり申し上げておきます。
 これは、ぶどうがあって、その付加価値をつくるためにワイナリー構想が浮上してきた。そして、グリーンツーリズム事業を展開する中でこれもひとつの大きな視野の中であります。ことごとく、いつもご意見がありますように地産地消でありますとか、いろいろあります。そうした中で、やはりもうすでに先輩格としては生協との取引等をやっておられますが、ふるさと交流事業等々もやっておられますように、そうしたかたちの町づくり事業の一環として食い込んでいって、それを、桑野内だけに限定は全然しておりません。
 もちろん、ぶどうの植栽にしても町内を視野に入れたところの植栽を進めるというか、本人のこれは意思でありますから、やってみようというところがやっているわけでありまして、ツーリズムにしましても全部町づくり、町全体を視野に入れたところの施策であるというふうに私は思ってやっておるところでありますから、そのように誤解のないようにしていただきたい。
 そして、むしろ輸入の問題とか、外国の価格の問題とか、ワインの情勢とか、これは先生の方が非常にすばらしい知識をお持ちでありますから、ま、そういうところはまた、それぞれの場においてですね、研究しながら進めていかざるを得ないかなというふうに思います。
 それから、宿泊施設との関係につきましては、私としてはそうしたところまで把握をしておりません。残念ながら今年は非常に少ないという話でありますけれども、まだシーズン中でありますから、企画の方でもそういうところまではしていないというふうに思っておりますが、十分考慮しながら今後の検討課題として、もって行くべきだと思っております。
 
[議長] 他に何か。総務課長。

[総務課長] 総務課長です。行財政改革についてのことにつきましてご答弁を致します。秋本議員の従来からの効果ですかね。そういうことを踏まえて行財政評価制度を設けてですね、やっていく、そういった危機感あるかというようなご質問かと思いますが、町長が申しておりますようにですね。行財政改革につきましてはですね。これはまあ一体的なものでございまして、どちらかをやっても効果がでるというものではございません。
そういうことで、行財政につきましては、従来から、昭和の、当初はいつ始められたものかわかりませんが、昭和時代から大綱をつくりまして、それを踏まえて見直しをやっていくと、そういった形でやられております。で、本町におきましても、そういうものは当然国、県も当然やってきておりますし、五ヶ瀬町においてもそういう形を踏まえましてですね、従来からやってきております。行財政改革と一口にいいましても、これは多様ございまして、しかもこれは流動的でございます。つねに流動的でございますので、その効果とか反省、当然反省とかですね。改革しなければならないところが、改革でございますので、そういうものは踏まえてやってきております。
町長が申し上げましたように近くでは11年度ですかね。それまで行財政につきましては、それを運営しております。町の職員がですね、いちばんそういう変革も見てきておりますので、そういう職員が推進本部委員になりまして提言とか問題点を洗い出して、そういうですね、改革を、問題を掘り起こしております。そして、更に民間の方にお願いをいたしまして、そういう協議をですね、やって大綱の見直しなりをやってきております。
まあ、バブルの崩壊によりましてですね。最近は、そういった危機感はもっておりますし、ご指摘のように交付税も億単位で減額されている現状でございます。税収の方もご指摘のように減っておりますのでそういった大幅な収入減が出てまいりますと機構とかですね、事務改善とか、そういうものもかなりやっていかないと行政が成り立たないというのは誰が見ても当たり前でございますので、そういうことを踏まえましてですね、行財政を両方見ながら常にそういう改革は必要というふうに職員一同そういう危機感をもってやっております。以上でございます。

[議長] はい。農林課長

[農林課長] 先ほど事業内容と申し上げたんですかね。申し訳ありません。事業制度につきましての事業内容につきましては省略させていただきましたが、そういったことで単価、また生産者の為にならないのではないかということでありますけれども、そういったことにつきましてはですね、先ほどから申し上げましたとおり、農業振興、農家の生産者のためにですね、再度申し上げますけれども努力しているところでございます。以上です。

[秋本] 議長。

[議長] はい。秋本君。

[秋本] 議長。どうも質問に対して明確なお答えをしていただいてないようですけれども、行財政改革について非常に大変な時期になってきているんだ、と。そこで新たなプロジェクトチームをつくってお取り組みをされますかどうかということでございますので、受け取り方としてはどう受け取っていいのかなあ、と。今までのものがありますから、このままでいきますよ、というようなことなのかな。それとも新たな取り組みは必要ないよというような考えかなあ、もしくは、なんとか前向きにそういうことも検討してみたいというふうにお考えなのかなあ、というのがどうもはっきり掴めないわけでございますので再度その点ご説明をお願いしたいというふうに存じます。

 それから特産品のぶどうについてでございますが、私がご質問いたしておりますのは、このままいくと経済の原則がありますから、しかも、外国からの輸入ワインの消費は増えて、国産の消費が落ちている現状から非常な価格競争が起きている。こういった時にですね。今のような価格設定では、将来行き詰まるのではないかと、だから、そこへんは大丈夫なんでしょうかというのが一点ございます。そこらへん、やはり安心できるような明確なご答弁をお願いしたいと思います。
 そのためにはどういう方法があるのか。先ほど申しましたように、フルーツランドのフルーツ観光というような考え方もございますし、いろんな、そういうことが私どもにご説明いただいている中で見えないわけですね。このままでは、非常に問題が起きてくるという不安がある。
 とにかくやらにゃいけませんよ、というだけではなくて、大丈夫だと。納得できるようなご説明のもとに事業は推進していただきたいなというふうに思うわけでございます。

 それから、第三セクのあり方についても先ほど申しましたようにですね。民間資本活用といいながらも、非常に問題が起きているというなかで、公的セクターと民間セクターとボランティアセクターとそういう横一線に並べた考え方というのが大事といわれているわけなんですが、今までの第三セクターによって住民が苦しめられている部分が出てきた。これに対しては、責任があるとお思いでしょうか、まったくそれは関係がないよ、というようなことであるのか。そこらへんもひとつ分り易くご答弁いただきたいと思います。

[議長] はい。それでは、行政改革の従来型の組織、そのままでいくのか、或いは、また新たに何かつくってやろうと考えておるのか、あるいは必要ないのか、といういう再度の質問でありますが、はい。町長。

[町長] 常識で考えてですね。今の状況を踏まえながら改革をしていかにぁならんというのは、もう皆さんご案内のとおりでありますから、手法はいろいろあると思います。先生おっしゃいますようにいろんなボランティアまで一線にした問題とか、高度な行政改革の問題等もあろうかと思いますけれども、今のところそこまでは到達していないというのが現状でございます。
 で、やらん方がいいというのは、これは具の骨頂でありまして、少なくともやらずにおれば自滅を致します。行政だけではありません。個人でも同じ、いろんなことで改革をしていかんことには、現状を維持するのはなかなか厳しいわけでありますから、そのへんはご理解いただいて、また、それなりにご示唆をいただきたい、と、このように思います。
 今、特別な行政改革でですね。新しい組織をつくってということは今のところは考えておりません。現状少しずつでも改革できるものは改革していくという形で、いろんな項目いっぱいありますから、そういうものから、手前からやっていくというふうに思っていかざるをえないというふうに思っております。
 それから、三セクの問題ですね。これは、ちょっと私も理解を、苦しめられておるというような話を聞きますと、どうもそのへんのところが理解を致しかねますが、これは、三セクは確かに五ケ瀬ハイランドだけでありますから、今のところですね。これが、地域に及ぼす影響が大きい、苦しめるような大きいものであるかどうかということは、私としてちょっと判断に苦しむわけでありますから実例を挙げていただきたいと思います。
 それから、もちろん三セクの責任問題もありますけれども、これはまあ、社長もおりますし、私も会長でありますし、それぞれの役員がおりますから、ま、なにか責任とらにゃいかんような問題がてできたとするならば、それはもう責任をとらざるをえませんが、今もっての理解のうえで責任をとるということはどうかなあ、と、私も理解に苦しんでおるわけでありますから、もう少し私どもに分るようなひとつお話をいただきたいとこのように思います。以上です。

[議長] 農林課長、その国産品の価格低迷が続いている中で大丈夫かということですが。

[農林課長] 農林課長です。お答えを致します。現在ですね。JA、普及所中心にですね。ぶどうの振興はかっているところでございますが、ご存知の通りと思います。そうした中で心配されます単価につきましては、現在、雲海酒造に全量出荷ということで、500円キロ当たり単価で買い取っていただいております。価格競争の時代に先行き不安な価格の中で生産者、農業振興、含めて心配ないのかということでございますので、生産者にはキロ当たり最低300円ほど維持しなければ農家経営が成り立たないというふうに私どもも考えているところでございます。
 そのため単価が下がることになれば、今現在500円で買いとっていただいておりますので、今のところ、会社にもJAさんにもそういった価格の暴落がでてきますとですね当然対策を講じなければならないと、町としても推進上当然のことでありまして、調整が必要になると考えております。
 今現在500円で買い取っていただいております。そのことで現在は雲海酒造の方も綾のワイナリーにつきましては全国各地から原料を取り寄せてワインを作っておられる状況でありまして、その話を聞いても200円から100円台というのもありますし、500円に近い単価で購入されている状況は当然私どもも知っておるところでございます。そうした中で、会社の話しを聞けばですね。五ヶ瀬に近いところにぶどうの産地が確保できれば、当然遠くから持ってこないでいいと。それは当然のことでございますが、そういったことでですね。五ヶ瀬に今回考えておりますワインの醸造所につきましては、面積としては11ヘクタール、ワインの本数においては、135.000程度の目標でですね。ただいま、ワイナリー経営構造対策事業の中で県、国にお願いをしているところでございます。
 当然、先ほどの単価が下がれば何か対策をすることになると思いますが、只今のところ500円でとっていただいている中でですね。300円になったらどうか、どうするのかということになりますと、まだ、そこまでの話まではしておりませんけれども、そうしたことが発生し、生産者に無理がいくようになる以前にはですね。最低価格300円の単価に、最低価格が保証されるように、確約まではできませんけれども、やらなければならない。そういうふうに思っております。そうしたことで、今後、町づくりの大きな柱として取り組んでいきたいというふうに考えております。

[議長] 三回になりましたが、

[町長] 議長ちょっと

[議長] 補足があるわけですか。はい。町長から補足だそうです。

[町長] ぶどうの価格のことでのお話ですけれどもね。私は、基本的に今までフルーツランド構想とかいろいろおっしゃいますが、いずれにしてもここにですね。これは秋本議員会長のときの振興計画の中で、特産品の項目があるんですよ。(※平成4年3月に策定した五ケ瀬町観光振興計画書)。ここでですね。特産品づくりは地域経済を活性化するとともに観光資源の創出にもつながることから欠かせない、と。
 そして、主な産品については、お茶、椎茸、やまめ加工品、焼酎等を中心にね、販売されておるが、町内にはまだ潜在的なものがあるのではないか、と。そういうものを素材や技術、そうしたものを掘り出してやっていくことが今後、五ヶ瀬の目指す、本物を目指した特産品づくりだとおっしゃっています。
 まったくそのとおり。私共もそのような考え方を持ってですね、やってきましたしね。尚、また、今度は農業所得の関係でですね。農家が厳しい中で、何か、ということもあったし、もともと平成5年ころからの話しかけもあったということもありまして、取り組んだ経緯がございます。
 基本的には、百姓、農業の所得増大というのが先ずもって始まった訳でありますから、その辺はご理解いただきたい。そして、それが、やはり先ほど申しあげましたように付加価値の問題もでてきました。ツーリズムの問題もでてきましたから、ワイナリー構想が浮上してきた。そして、それもやりたいということでやってきた。また、それと別に、考え方として今まで五ヶ瀬に果樹がない、ひとつもない、と。もちろん藤田町長時代からもそういう話がありまして、私も議会でいろいろ話も聞きましたし、指導員雇いに県にも行った経緯もありますが、いろんなものを試作してひとつも成功してない。
 もちろん最後は柿だと思いましたけれど、これもなかなかうまくいっていない。そういう状況を見た中で、農家がですね。途中で投げ出すような施策するべきでない。そうなってくるとやはり最後まで面倒を見るというか、努力をするような形でもっていかなければならないのではないだろうか、と。
 最低価格の保証まではいけませんけれども、やはり、途中で農家が投げ出すような状態にならないうちになんとか行政は手打たにぁいかんじゃないかと、そこまで農家に負担をかけるべきではないというのが根底にありまして、できる限りのいいものを作って、そして、また付加価値付けて、いい値段で売れれば、やはり材料も高く買える訳ですから、そうした観点で進めてきた。という経緯がございます。
 ワイナリーだけの議論も必要ですが、もうちょっと大きな町づくりの中での一環としてこれも位置づけて議論をして、採算性の問題もありますけれども、それなりの流通の問題もありますでしょうし、売り方の問題もありますでしょう。だから、その材料に見合った品物ができるようなものを作ってですね。無理のないようなことでやるべきだというふうに考えておりますが、これは答弁にはなりませんけれども価格の問題等がありましたから申しあげましたが、姿勢としてはそういうつもりでこのぶどうを取り入れた、と。そして実際に試作して成らんようなものを最初から進めてもなにもなりませんから、現実に農家が目で見て、あ、これは反当りどのくらい、何とかいけるなあと、そんならやってみようという意識が出来た上での栽培でなからんと、途中で万歳するというのは間違いないことでありますから、そういう安易な形で進めるべきではないというのは基本的に考えておったわけでありますから、今もそのとおりというふうに私は思っております。
 また、取り組む農家もやはりそれぞれ試作検討して、これなら家の経営形態のなかでやれるか、或るいは労働力、或いは施設、いろんなものがあるわけですから、そういうことも考えながら取り組んでいただけるものというふうに思っております。最後は、やはり自分が責任もたにぁいけません。やはり人のせいにしてはいかんと私は思っております。以上であります。

[議長] えーと、特産品についてはいいですか。まだあるとは思いますが、細部に渡っては、ぞれぞれの担当課、或いは町長とも必要であれば再度個人的に詰めていただくと言うことです。
 第三セクターについての町長の方から話がありました民間の業種によっては第三セクターに圧迫を受けている部分もある、ということについて実例がほしいという意見もありましたが、そのことについては非常に深い問題でありますので、後日また秋本議員の方からそういうものをお示しいただいて検討していただく、と。
 ここでやたらと小さい問題までということにはちょっと問題があるのではないか、と。改めてまた、その問題がある時には、次回の質問の時なり、或いはそれ以前に個人対応ででもお示しをいただいて執行部の方でご検討いただくということでいいでしょうか。もう、規定としての三回は過ぎている訳でどうでも発言をしたいということであれば。

[秋本] 次回にということですので、また次につないでいきたいと思います。

[議長] いいですか町長。ここでそれでいいですか、実例ということは。

[町長] ええ、わたしは結構です。

[秋本] 私は、まだいいたいのですけれども。

[議長] はい。わかりました。これで秋本君の質問を終わらせていただきます。

 以上の質問終了後、議案第二十三号として「固定資産評価審査委員会委員の選任同意」を求める議案が追加上程された。選任される委員は、鞍岡の藤本善人氏。本日は提案理由の説明のみとし散会した。

 本会議終了後議員控室で反省会。秋本議員に4度目の質問を許すべきだったとの意見あるも、これ以上は意見がかみ合わなくなり混乱するとの結論。
 その後、桑野内のワイナリー計画予定地を全員で現地視察した。

全員協議会(3月18日午後1時〜)
 ワイナリー問題について協議。各議員から種々の問題提起がなされた。
筆者は下記文書を提出した。
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ワイナリー構想について
2002.03.17
秋本 治
 本町では、ぶどうの植栽を奨励し栽培面積を広げてきた。しかし、その栽培面積は伸び悩んでいる。そうした中で平成14年度にワイナリー建設関係の予算が計上された。その事業計画を見ると計画の妥当性に不安を感じる。
 計画予定地である桑野内地区は、インフラ整備の遅れた地域で、この地域の振興のための事業の重要性は充分認識しなければならないが、商業施設は、社会資本のインフラ整備と根本的な違いがある。
 社会資本のインフラ整備は、工事が完成した暁には住民の利便性が高まり、後は事業費の補助残や起債の償還が当初計画通りに遂行できればその事業は終結する。
 ところが商業施設は、その計画や理念に瑕疵があれば、将来地域や町財政に混乱を起こす恐れがある。そこで、この計画の問題点は何かを整理検証してみた。

1.生産計画は、ワイン13万本。
・ワイン13万本の生産目標を達成するには、11ha(165トン)の栽培面積を必要とされているが現在4.6ha(平成13年度24.7トン)で22戸の農家が取り組んでいる。11haの計画は確実に達成できる見通しがあるのか。既に栽培放棄地も出ているもようである。
・生産目標を達成できないことが想定されれば、ワイナリー計画の規模を縮小する必要がある。そうしなければ、五ケ瀬産ぶどうのワインではなくなり、消費者の支持も得られなくなる。また、五ケ瀬産ぶどうのワインでなければ公的事業になじまないだろう。

※(参考)都農ワイナリーの場合、昭和53年には2千200トンのぶどうを生産、以来減少が続き、現在、約100戸の栽培農家で生産するぶどうは約1千200トン。このうち90トンがワインの原料となっている。純都農産ぶどう(尾鈴ぶどう)のワインということで人気が高まった。
 全国のワイナリーの数は、北海道5 東北8 中部7 関東2 甲州24 関西・中国8 九州4で計58箇所となっているが、九州でも新たに三和酒造などが新規参入はじめている。
 福岡県のある種苗園の話では「最近苗木の生産は、ワイン専用種のぶどうがよく出るようになった。特に東北、北海道で需用が大きい。」という。全国的にワイン専用の苗木の需用が高まっているようだ。ワイン競争はますます激化するだろう。

2.生産農家の採算ラインkg当り300円。
・現在の市況等によるとkg当り100〜200円である。300円の採算ラインを確保するためにぶどう農家だけに価格保証を行なうことは無理がある。よって他にどのような方策があるか明示する必要がある。
・例えば、もぎ取り園等のフルーツ観光や生食用との併用で危険分散を図るなどである。フルーツ観光は現在のような全町的分散栽培では、その価値は高まらない。栽培地が集団化することが重要である。

3.管理主体は第三セクター
・本事業のような装置産業は、施設が完成した時点でその事業の成否は決定されたようなものである。全体計画において技術者や専門性、責任の所在等が曖昧である。
・第三セクターによる運営を目指すのであれば、当初から第三セクターを設立し、責任の所在を明確にしてから事業計画を策定すべきである。そうでなければ成功しないと思う。

4.レストラン・売店の利用者見込み54.000人/年
・ワイナリーレストランの立地条件は、近隣に大都市を控えているか、その地区に100万人以上の観光客があるなどの条件のもとで成立しているケースが多い。都農ワイナリーの場合は、国道10号線という道路の大動脈近くの立地条件にあるがそれでも平日は閑散としておりレストランの経営は厳しいものがある。
 都農と桑野内地区の通行量を比較する時、小規模のワイナリーだけで54.000人もの誘客力が果たして可能かどうか。観光シーズン以外の平日は来場者がゼロの日が続く季節を想定しなければならないだろう。何故ならば、ワインを飲みたくて訪れる食事のリピート客はごく少数と見るべきだ。専門的なマーケッティングリサーチが必要である。

5.ワイナリーのもうひとつの立地条件
・ワイナリーは普通「ぶどうの丘」と呼ばれるところにある。綾町のワイナリーは、酒造場に併設されている為条件が異なるが、甲州勝沼のワイナリーが代表するように、ワイナリーは丘の上からぶどう栽培地を見渡しながらシャトーでワインを楽しむのがスタンダードだ。
 ところが予定地から見降ろす風景はお茶である。このミスマッチをどう解決するか。ワインの食事にはコーヒーだ。ワイナリー効果を高めるための環境づくりが大きなテーマとなる。

6.地域の支援態勢
・事業を成功させるには、その地域の土地の活用が最も効果的に行なわれなければならない。ところが、今回の予定地は、用地交渉に困難な土地が多く用地計画にかなり無理が生じている。確保できる用地に合わせた変則的な設計では事業効果が半減する。「できた用地から」のスタートより「最高のロケーションや機能、環境を確保できる立地」からスタートすべきである。このためには、地域の皆さんの一体的な支援態勢が欠かせない。受け皿地区の理解と協力態勢の醸成が急務である。

7.本事業を推進するに当り、以上の問題点を一つ一つ解決しながら取り組む必要がある。設備が完成すれば企業に引き受けて貰えるという安易な姿勢があるとするならば、将来に禍根を残すことになるだろう。企業にボランティアを期待してはならない。

考察
1. 第三セクターの展開理論
 わが国の改革はNPM理論(New Public management ―新公共経営―)に基づいてスタートした。NPM理論は、PFI(Private Finance Initiative)などによる民間資本活用型の公的サービスを目指した行政改革のツールである。
 NPM理論は、英国のサッチャー政権以降の改革手法であるが、近年PPP理論(Public Private Partnerships)に修練されてきた。PPP理論がNPM理論と違う点は、公的セクター、民間セクター、ボランティアセクターを横一線とし、行政がコントロールする考え方に立っていることである。
 PFIにより開発した第三セクター方式のほとんどが頓挫したことは周知の事実で、真の住民サービスとは何かを問われている。これから本町における第三セクター方式の開発も、PPP理論によって位置付けしなければならないのではないかと思う。

2.これからの農業のあり方
 わが国の農業は、中国や台湾等のWTO加盟により、より一層厳しい環境となる。これからは、大規模化によるグローバルスタンダードを目指す農業と小規模多品種少量生産農業の二極分化がますます進行する。本町における農業は多品種少量生産型である。
 多品種少量生産型の生き残り策は、次の三つのキーワードに集約される。
@料亭農業、
A趣味の農業、
B消費者のためのバーコード農業
である。
 「料亭農業」は、少量でも高度な技術や高付加価値によるブランド化を目指す。「趣味の農業」は、晴耕雨読などのライフスタイル型である。本町にとって、とりわけ重要なものは「消費者のためのバーコード農業」である。
 近年、産直の特産品売店などで生産者の顔写真付きで、生産の過程や生産手法を明示した商品の人気が目立つのはこれに類する。
 消費者は、スーパーなどの店頭に並ぶ商品に信頼が持てなくなっている。消費者が信頼のおける生産者から直接手軽に購入できる産直の流通システムを確立することが重要だ。
 そのための一つの手法がグリーンツーリズムである。グリーンツーリズムは、その土地に訪れて生産現場を体験し、顧客との信頼を高める役割がある。グリーンツーリズムの目的を明確にしたプログラムの確立が必要である。
 「消費者のためのバーコード農業」は、既に五ケ瀬の釜炒茶の流通にも見ることができる。このような芽を大切に育て、更に本格的な「消費者のためのバーコード農業」を推進することが重要である。
以上
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 この中で、(1)の4.6haという数字については、筆者に渡されていた資料が古いということで「平成13年度には、38名で8.5haを達成した。15年度11ha達成は間違いない」との説明があった。
 これで、(1)は消し込むことができたが、事業はこのように問題点をすべてピックアップして一つ一つを消し込んでいき、見とおしを明確にして、はじめてゴーサインを出すべきものと思う。

 更に午後3時から町長・農林課長に出席を求め全員協議会を続行した。
農林課長説明
@計画について
・ワイン専用種は11品種。白ワイン用50%、赤ワイン用30%、ロゼワイン用20%の割合で作付けしている。
・収穫予定量は、10a当り1.5トンで目標は160トンである。
・ワイン生産計画は、平成16年度86.000本、17年度108.000本、20年度で130.000本を計画。
・五ケ瀬産100%のワインとする。
・販路は、全量町内で完売予定。
・年間来場予定者は180.000人を想定。来場者の65%が買い上げを見込む。
A三セク設立について
・三セク設立の出資については、JA高千穂に相談に行った。
・酒造会社の出資については、前企画商工課長から酒造会社に申し入れがしてある。
Bぶどう買取価格について
・農家の採算ラインは、10a当り1.5トンの収穫の場合kg当り平均単価300円として、反当450.000円を考えている。
・現在の単価500円がいつになって下がるか見通しはつかないが、300円をどのような方法かで守ってあげたい。
・いいものを作らなければそれ以上の価格にならないと思う。

町長説明
・単価については、共済制度などを調べて検討したい。
・採算性については、今後くわしく議論して詰めていく。
・不安もあるが、町づくりの大きなテーマである。
・日程的には、夕日の里大橋が平成16年に開通するのでそれを目途に逆算して進めた。

以上の説明の元に活発な質疑応答があった。

本会議最終日(3月22日)
全員協議会(午前9時40分〜)
本会議開会前に更に検討を重ね執行部の方針を確認するが執行部と担当者に微妙にスタンスの違いがある。

町長
・ぶどう販売は生産農家の自由販売可とする。
・ぶどうの価格保証はしない。
・事業計画の内容については、これから更に煮詰める。
・五ケ瀬産100%のワインで進める。

農林課長、宮崎係長、小迫係長
・ぶどう植栽は最終的には20haを考えている。
・価格保証できるように検討したい。
・経営構造確立事業は、平成10年度計画、11年構想策定、14年認定協議
のスケジュール。
・2月上旬、国とのヒアリングがあったが認定する方向にあった。新年度に認定予定。
・ワイナリー事業に県費は付かないが、基盤整備には県費が付く。
・本事業は、ワイナリー、連絡道、駐車場に限定している。
・レストラン等の計画は別事業として第三セクター設立後行なう。
・第三セクターの資本金は、1億円以下となる。
・出資比率は町が過半数。
・赤字が出た場合は出資割合に応じて町が負担することになる。

 全協で質疑の末、以上のようなことが確認された。午後も引き続き全協を開催して本会議へ臨むこととなる。

全員協議会(午前1時〜)
 午後の全協では筆者の質問に対して一時混乱があった。
[質問]3月8日の総括質疑で答弁された森林公園事業(五ケ瀬ハイランド)について、会社と町の基本契約については「調べて会期中に報告する。」とあったが、いまだに報告がない。本日は会期最終日である。本会議で質問したい。
[答弁]この場で説明するので待ってほしい。(暫時休憩)

 午後1時30分再開
[答弁]
・五ケ瀬ハイランド鰍ヘ、平成6年7月第三セクターとなった。
・平成10年9月。酒造会社が参画し新体制となる。
・翌年3月、酒造会社との契約を締結している。
[質問] その契約書の内容を確認したい。
[答弁] 町長と協議するので待ってほしい。(暫時休憩)

同1時50分再開。
[答弁] 現時点では、当町には情報公開条例が制定されていないので公開できない。今後研究していく。
[質問] それでは、本会議で再度質問したい。
[会場] 課長も新任草々であるから全協での説明で了解してほしい。

以上のようなやりとりがあり、会場の意見に従うことにした。

 ワイナリー関係の予算については、先行き不透明で慎重に審議しなければならないが「ここで否決したら、国の採択を取り下げることになり、今後本町の事業に対して県の協力が得られなくなる。中山間地事業もだめになる。」との説明があり、議会としては、以後の予算執行は慎重にするよう条件をつけるということで可決する方針を決定、委員長報告には質問しないこととして本会議を開会した。

最終本会議(午後2時50分〜)
 最終日の本会議は、3月22日午後2時50分から開会。議案第2号から順次採決に入り、全員起立賛成のもとに可決。ついで新年度予算については、各委員長報告があり審議が行なわれ、質疑者なく全員起立賛成のもとに原案通り可決決定した。
 最後に町長からお礼の挨拶があり、平成14年度第一回の定例会は閉会した。
町長挨拶要旨
 昭和56年8月、議会の議席を与えられ平成6年に辞職、以後首長として2期8年任期満了を迎えた。長い年月町政に参画、後半の8年間は首長として重責を務めた。
 今こうして議場に立つとき万感の思いを覚える。時には強い風雨、強い濁流に流されそうになったこともある。そうした時、議会でも傘をさし掛けて頂いた。良い職員、良き議会に恵まれたことを感謝したい。

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春 雷 随 想

「おもての議論とうらの議論」

 筆者も議会の議席を与えられて半年余が経過し、多少議会活動が理解できるようになりました。
 しかし、3月議会は不満の多い議会でありました。議会や行政を知れば知るほど、これでいいのかなあと滅入ってしまいます。
 そこで、議員の役割の一環として住民の知る権利と説明責任(アカウンタビリティ)を果たすべく今回の本紙は思い切ってやや深く切り込んで見ました。
 特に全員協議会の内容は、みだりに公表しないよう釘を刺されていますので、多分後日強いお叱りを受けることになると思いますが、お叱りを覚悟でキーボードを叩きました。
 もちろん、常識的にプライバシーに関わる部分は書けませんが、ま、ほとんどそういう議論はありません。
 「議会不信はなぜ起るか」、それは「議会の内部が見えないことにある」と思います。
 「傍聴に行っても何も議論されなくてしゃんしゃんと決まってしまう。」とか「住民が知らない内に重要案件がいつのまにか決まっている。」という話はこれまでもよく聞いていましたし、筆者も議会に席を置くまではそのように感じていました。
 ところが、本会議以外の場では結構議論がなされて、それぞれの立場で悩み苦しみながら結論を引き出しているのもまた事実です。それが住民に見えないから「議会は一体何をやっているのか」ということになると思うのです。
 議会のテクニックとしては、先ず議会運営委員会で執行部から出された議案の審議から採決までのシナリオを描く事から始まります。
 そして、描かれたシナリオに沿って全員協議会で討議し説明を求め、或いは各常任委員会が付託された議案を調査する。そうした中で議案に結論づけをし、重要案件についても落しどころを決める。その上で本会議に臨むことになります。
 このため、極論すれば本会議では質疑討論の必要がないということになります。
 この結果、住民の目には審議過程が見えないまま、しゃんしゃんと議決されたことになる。
 もちろん全員協議会で質疑応答があったことを本会議で再び繰返してもいいわけですが、それはいかにも個人プレー的で「やらせ番組」みたいなものになってしまう。フェアーではないということになる。
 唯一の本会議での議論は、一般質問にあります。しかし、これも質問は三回までの制限があり、核心部分には迫れない。
 それ以前に、質問に対して真摯に答弁されない。質問の意味さえ理解されていない。という場面がままあります。
 これは質問者側が分り易く質問していないという問題かも知れませんが、答弁側に情報がない、勉強されていないという問題の方が大きいと思います。
 また、答弁の責任をまっとうされていない。
 例えば、1月の臨時議会でも、3月の本会議でも、答弁できずにのちほど調査の上報告するという答弁の責任に対して、その後議場では報告されない。質問議員に対して個別に行なわれる。議場では、住民に対して説明を求めたものであるが個別に行われる。説明責任を果たされていないも同然です。
 こうして「おもての議論」が「うらの議論」にすり変っていくわけです。
 これは長年の間に培われた一種の「行政文化」「議会文化」であろうかと思います。馴れ合い政治の温床となり「臭いものには蓋」「皆んなで渡れば怖くない」の図式が見え隠れします。
 おもての議会は本会議。うらの議会は、委員会や全員協議会です。
 おもての議論は、録音して記録されるので議事内容が担保されます。
 うらの議論は記録が残らないので担保されない。前言をひるがえしても何ら問題にはならない。そのうち記憶は薄れてどういう審議経過があったか不明になる。水掛け論の温床となる恐れがある。
 結果、うらの議論に軸足を置くほど熱心に議論しても住民との間に乖離が生じる。「住民との間に障子をたてる」の論拠です。
 うらの議論で一番困ったのがワイナリー問題です。地域住民のワイナリーへの期待が大きいだけになんとかこれを可決しなければならないだろうという思いの反面、可決したら大変なことになるのではという恐れがありました。
 このままで可決したら将来、ぶどう生産農家を苦境に落し入れることになるか、又はワイナリーの赤字補てんを続けて町財政を圧迫するようになるか、どちらかの選択が迫られる時期がくるのではないかという恐れです。
 よい選択肢は、@当分ワインの委託生産を続けながら再度計画を練り直すこと。または、A町の事業としては道路や敷地造成などの基盤整備だけにとどめ酒造会社等の企業進出を促すこと。などが最良の策ですが、これでは「国や県に出した計画に反するので取り下げることになる。そうすると今後、五ケ瀬町には当分制度事業は持ってこれなくなる。鞍岡の中山間地総合整備事業も駄目になるだろう」などの脅しをかけられる。
 それでは、計画を水面下で暴走させた責任はどうなるのか。あまりにも難しい問題でありました。
 ワイナリーを第二の「もくみ」にしてはいけません。しかし、レールは敷かれてしまいました。これからが議会の真価が問われることになります。まさに正念場です。
 ワイナリー経営を企業的見地から見た場合、利益を上げる為には次のように考えます。
ワイン市場について
・国産ワインの消費減、輸入ワインの消費増傾向。
・本場の輸入ワインに品質、価格で対抗できない。
・国内でワイン専用種のぶどう栽培が盛んになっており将来ますます競争が激化する。
 以上の要因により
・コストの高い町内産のぶどう100%に縛られては採算がとれない。
・ゆえに、全国から安くて品質のよいぶどうを仕入れて市場競争原理の基にワインを製造する。
・五ケ瀬のアイデンティティを高め五ケ瀬のネーミングをブランド化する。
・それを五ケ瀬産ブランドとして販売する。
 以上のような経営であればやりようによっては利益が出る。しかし、この場合生産農家にしわ寄せがいく。これは企業誘致型の考え方です。

 もう一つの考え方は、ぶどう生産農家が組合組織等で独自のワイナリーを作る方向で進める。ワイナリー施設は、規模の大小さまざまで、生産量が少なければ小規模な設備で可能です。
 勝沼などでは農家が独自にワイナリーを持っている家庭もある。ワイナリーは季節労働であり、農家の労働配分をうまくコントロールできれば企業と違い製造コストは大幅に削減できる。共同茶工場みたいなものです。しかし、これには卓越した人材が必要。或いは人材を育てることが必要。
 こうした基本的な方針を明確にしなければ先行きに不安があります。
 第三セクター方式は責任体制が曖昧で全国的に失敗例が多い。行政が負担に耐えられず手放した後では成功しているケースがある。

 お叱りを覚悟でうらの議論をもっと書きたい。

 筆者は、議会に於いても行政財政改革特別委員会を設置して合併問題も併せて調査研究が必要と提言し、議運あずかりとなっていますがなかなか結論がでません。
 また、財政状態が厳しい折、住民も大変な時期であることを勘案して議員報酬の一部5%なりを一年間返上して改革に取り組むべきであると提言しておりますが、賛成の意見がなく、これまた棚上げ状態です。
 ま、当町の議員報酬は県内でも最下位ということで、賛成が難しいのは理解できないことでもありませんが、民間はもっと苦しい。何らかのアクションを起こしたいのです。
 議運の方々が鋭意検討を重ねていただいているので期待しているところです。また、議長も若く新進気鋭の議長でありますから理解があります。今後あらゆる角度から検討されて何らかのアクションが起るものと思います。
 そうして「うらの議論」をできるだけ「おもての議論」に変えて皆さんの付託にしっかり応えたい。議会の信頼をより一層高めるために―。
 ご意見をお待ちしています。
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学びの森学校の卒業式
 3月2日(土)県立五ケ瀬中等学校の卒業式が校内の体育館で行なわれました。県議会議長をはじめ県教育委員会他多数の来賓のもとで盛大な卒業式です。五ケ瀬で学んだ38名の生徒が六年間の学び舎を巣立っていきました。
 きびきびとした行動、しっかりした挨拶、全寮制のため強い絆で結ばれた生徒同士の別れの感情の高まりなど、都市部の学校では見ることのできない美しい涙の式典でした。思わず五ケ瀬を忘れないでと声をかけたくなりました。

県民スキー大会お礼挨拶に出県
 3月4日(月)、第一回県民スキー大会終了のお礼のご挨拶に宮崎へ出かけました。県スキー連盟理事長、地元公民館長を伴い、県議会議長、県スポーツ振興課、県体育協会、観光リゾート課他、関係機関を回りお礼のご挨拶をしました。
 県も来年度は、県民大会の公開競技として取り組みたいということでした。希望が持たれます。
 4月上旬に県、町、スキー場、地元公民館、スキー連盟等で会合を開き来年のカレンダーを作成することになっています。
 県をあげてのスポーツ大会が五ケ瀬で開催できるのはスキー大会だけと思います。成功させましょう。皆さんのご支援をお願いします。

清和村むらづくり委員会
 清和村より、むらおこしグループ20人への講演依頼があり、3月9日(土)やまめの里に訪れましたのでホテルで講演しました。清和村は文楽をシンボルにした村おこし活動に目覚しいものがあります。
 兼瀬村長の手腕は見事ですが、住民の積極的な取組みには目を見張ります。この日は、水上村から西米良、椎葉を視察して本町に到着されました。
 こうした清和のグループは、緑川から黒峰、小川岳、向坂山、高岳、緑川の山岳ルート10kmの歩道をスズタケを刈り払い、独自に歩道を整備してトレッキング客の誘致に乗り出しています。

霧立越山開き
 3月10日(日)、霧立越の初歩きを行いました。例年3月第二日曜日を初トレッキングと定めて独自の山開きを行っています。
 ゴボウ畠の登山口に注連縄を張り、祭壇にお供えをして祇園神社宮司様による祝詞奏上玉串奉奠の神事を行い、お神酒を注いで登山者がアケビ蔓のテープカットをします。こうして新年はじめての登山をする慣わしにしています。
 霧立山地のブナの森の生きとし生けるものと、それらを司るところの山の神に今年もまた森の聖域に入らせてくださいとお願いし、山のマナーを誓い、併せて今年一年登山者の無事を祈るものです。
 町主催の山開きは、5月第二日曜ですが、初トレッキングでこうした式を行って登山をはじめると清々しくなんとなく安心感があります。
 筆者は、途中から引き返して全コース歩けませんでしたが、これまで例年残雪を踏んで歩いていたのに今年は全く雪がありません。温暖化がより進んでいるようです。シャクナゲの開花も1週間ほど早まることでしょう。
 これから毎週日曜日は歩くことになると思います。皆さんもご一緒しませんか。是非、素晴らしい新緑の原生林に足を踏み入れてください。

鞍岡中学校卒業式
 鞍岡中学校の卒業式は3月18日(月)体育館でありました。ここでも学びの森学校に劣らず素晴らしい涙の卒業式が行われました。
 けれども、やりきれない寂しさがあります。今年は、鞍岡中学校創立以来始めて卒業生が10人を割ったのです。昭和30年代からみると実に生徒は6分の1に減少しました。
 運動会の時もそういう寂しさを感じ、このかわら版に思いの丈を書き、毎日新聞にも書きました。
 これから複式授業や学校統合の問題も議論されるようになるでしょう。
 伝統のある郷土の鞍岡になんとか未来の夢と希望の光りを取り戻したいものです。

特別養護老人ホーム政務調査
 3月18日(火)特別養護老人ホーム「ごかせ荘」の建設現場を視察しました。もうすっかりできあがって塗装や電気工事等最終の仕上げが行われていました。部屋は、そのままホテルとしても利用できるようなりっぱな施設でした。4月15日に竣工式が行われます。

桜 考
 今、自然種のエドヒガンが山のあちこちに淡いピンクの花をつけて見事に咲いています。特に松が平の山には多いようです。土地でホンザクラと呼ばれる種で、ソメイヨシノ交配の基になったと考えられる桜です。
 このため、開花期がほぼソメイヨシノと同期です。花のがく筒がつぼ型で毛に被われているのが特長です。
 当地のエドヒガンは、ソメイヨシノに負けない素晴らしい花をつけます。樹形も見事で自然種ですからテングス病などにもかかりませんし、寿命が長い。大切にしたいものです。
 その昔、本屋敷の松岡順太という方が「松が平の桜は切らないようにしてくれ、後にはきっと桜見の客がくるようになる」と寄り合いの席ではよく演説をされていたという話を聞きました。
 氏は、懐からメモ紙を取り出しては、よく演説をしていたということです。村人は、桜の話には、「またあの話か」と余り理解されていなかったようですが、氏は、きっとこのエドヒガンを見つめていたものと思われます。
 当時は今日のように伐採されていない自然の山だったでしょうからそれはもう見事なエドヒガンの森であったのかも知れません。まさに吉野の山のように。
 この桜を増やしていればヨシノサクラに対してクラオカサクラというように有名になっていたかもしれません。
 もし、松が平に松岡順太氏のいうような取組みがあったとすれば、今は大変有名な観光地になっていたであろうと思われます。
 卓見であったけれども時代の波に勝てなかった。いつの時代にも先駆者の言動はなかなか理解されないものです。

 霧立山地固有種となったキリタチヤマザクラですが、森林管理署の許可を頂き苗木の生産を行っていますが、今年は接木が1.5mほどに成長しました。実生は10〜50pですがこれも立派に育ちました。
 ようやく来年3月からは苗木の販売が可能となります。只今予約の受付をはじめましたのでご希望の方は、霧立越の歴史と自然を考える会事務局までお申し込みください。苗木の高さ1mで千円、2mで二千円程度を予定しています。

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もくみ滑ヨ連資料について
 1月議会中「もくみ」についての質問の件で、今回資料の提出がありましたので分析してみました。
 投資対効果についての概要は下記のとおりです。
 五ケ瀬町の「もくみ」に対する総投資額は94,787,872円。
 利用は、「県森連五ケ瀬」からの「もくみ」への売上
・H.11.7〜H.12.6
 販売数量 627.43? 
 販売金額 11,204,473円 
 平均単価 17.858円
・H.12.7〜H.13.6
 販売数量 1164.928? 
 販売金額 19,769,523円 
 平均単価 16,971円
・H.13.7〜H.13.12
 販売数量 749.23? 
 販売金額 11,311,890円 
 平均単価 15,098円
 以上のことから、もくみ鰍ヨは約1億円弱の投資に対して五ケ瀬町の林家の利用(売上)は年間一千万台ということが分ります。このようにして、アウトプット、アウトカムの公表を行ない判断の材料を提供してもらいたいものです。

あとがき
 今号は議会特集号にしました。皆さんのご意見をお待ちしています。
 本紙は1日と15日の月2回発行しておりましたが3月15日号は議会中のため発行できませんでした。
 これからは、紙面充実のため毎月1回1日発行に改めたいと思います。
 臨時のお知らせがある場合は、臨時増刊号として発行しますのでご了解の程よろしくお願いします。
 このかわら版は、14区の皆さんに配布していますが、どなたにでもお届けできます。ご希望の方は郵送料として年会費千円を添えてお申し込みください。(治)