かわら版 『風』 2002年1月15日号
第2巻 第2号 (通巻13号)  発行者 やまめの里 企画編集 秋本 治 
五ケ瀬町鞍岡4615  電話0982-83-2326

1月5日 消防始式
 午前8時30分から五ケ瀬町役場と病院の間の駐車場で荒天強風の吹き荒れる中、消防始式が行なわれました。気温は4℃と比較的高めながらも強風のため体の芯まで冷え込む底冷えのする1日でした。
 近くの竹やぶが風でしなって轟音を発し、マイクは風を受けてうなり、放送が聞き取りにくいほどでした。このような時にはマイクに毛の覆いをつけるといいのではないですか。テレビの取材などでよく見るあのマイクの毛です。
 二十数年ぶり、筆者が公民館長時代以来の始式出席ですが、それにしても団員が少なくなっている。団員の登録は帳簿上304名で当日の出動者は270余名。ちなみに町史を開いてみると昭和55年は499名となっています。
 昭和30年代後半、筆者が消防団に入団していたころは、町史に人員の記録がありませんが、グランドが消防団員で埋まるほどでした。恐らく600名以上いたのではないでしょうか。一人二人欠けてもその場では分らないほどでした。出初式を抜け出してパチンコに行っていた人が後から発覚して大目玉を食っていたことを思い出して思わず一人笑いしました。
 以前と違っていた点は、消防団歌が歌われなくなっていること、表彰に「内助の功」賞ができていることなどです。もちろん積載車などの機動力が飛躍的に高まっていることは申すまでもありません。
 今年から化学泡沫消火剤が登場して発水試験で一番先に披露されました。薬品の入った容器を背負った人が筒先に立ってホースにその薬品を連結すると筒先から発水する水が泡となって飛び、まるでボタン雪が舞うように落下するのです。昨年の雲海酒造のタンク爆発事故を教訓に導入されたということです。
 備えあれば憂いなしですが、この新兵器が出番のないことを祈りたいものです。


 表彰は以下のとおりです。
宮崎県知事表彰
第5分団団長 平田一利氏
日本消防協会表彰
本部 副団長 菊地健倫氏
本部 分団長 興梠雄二氏
宮崎県消防協会表彰
本部 分団長 亀井勝也氏
部長
第2分団第1部 甲斐一信氏
第2分団第2部 甲斐津代実氏
第3分団第2部 武田公明氏
第4分団第1部 橋本保春氏
第5分団第1部 古小路郁雄氏
第5分団第2部 藤島富夫氏
第6分団第2部 甲斐正道氏
内助の功宮崎県知事表彰
副団長 妻 甲斐貴世氏
内助の功宮崎県消防協会表彰
本部分団長 妻 佐藤まち子氏
その他
消防協会西臼杵支部長表彰や永年勤続者町長表彰、町長感謝状、団長表彰、宮崎県北部農業共済組合表彰など98名の方が受賞されました。おめでとうございます。本町の災害防止のために今年もよろしくお願いします。

1月5日 議会全員協議会
「西臼杵郡環境対策委員会」の件。
 昨年12月26日に高千穂で「西臼杵郡環境対策委員会」が開催され、本町からは文教・厚生常任委員会が出席した。郡内3町の文教・厚生常任委員会が構成委員となった環境問題についての勉強会であるが本町の議会としての対応はどうあるべきかを協議した。
 本会は公式なものではなく議決権及び調査権もないもので議会組織の委員会としての行動ではない。郡内のゴミ処理等の問題は「西臼杵衛生議会」があり、これと重複するので、今後は個人的な立場で参加する。但し、必要ある場合は郡内3町の議長会で協議、3町の議会として行動する。ということになりました。3町の対応はそれぞれ異なっています。
 その他「もくみ」支援対策について2月上旬「もくみ」の工場視察を行なうことにしました。

1月の議会行事予定(筆者関係分)
1月13日 小斉平代議士国政報告会
高千穂JA夢夢プラザ
1月15日 江藤代議士国政報告会
三ヶ所JA五ケ瀬支所
1月20日 五ケ瀬町女性の集い
五ケ瀬町町民センター
1月22日 県北地域市町村合併シンポジウム 日向市
1月25〜26日 時局講演会並びに政務調査(視察は25日北郷村保安林指定の取り組み状況について。時局講演会は、「新しい時代の危機管理」講師帝京大学教授志方俊之。26日は雲海酒造ワイナリー関連施設。宿泊は綾川荘)

1月10日(木)本会議
 1月7日付で臨時議会が召集されました。議案は、「もくみ」への支援について一般会計補正予算です。
 「もくみ」の問題については、12月15日号で詳しく紹介しましたが、明日(11日)までに本町が決定しなければ具合が悪いということで緊急に召集したということです。2月に「もくみ」工場視察も予定されていたのにです。
 10日午後3時から本会議を開会、町長より
1.歳入を地方交付税892千円、基金繰入金21.089千円、合計21.981千円を追加し、農林水産業費の林業費として21.981千円を歳出する補正。2.債務負担行為の補正「木材加工流通整備事業」として平成13年度から平成15年度まで16.475千円を限度額とする。
という提案理由の説明がありました。
 筆者がトップバッターとなり質問しました。質問の要旨は次の通りです。
・「もくみ」の設立について当時の関係者から説明を受けると誰もが採算の合う筈がないと分っていたという。それならばなぜ採算が合わないことをあえてすすめたのか。
・経営に参加しないとしながら、応分の負担をしていくというのはおかしい。むしろ積極的に経営にも参加提言して本町の林業振興になるように施設の有効活用を図るか、又は全く関与しないでこの際はっきり手を引いてしまうか、どちらかに態度を表明すべきではないか。
・財政状況が厳しい中で、大金を歳出するについては、その投資がどれだけ本町の産業振興に寄与するのか、町は住民(生活者)に説明責任がある。お付き合いでという時代ではない。仮にお付き合いでもよしとした場合そのお付き合いはどのようなよい結果をもたらすのか。
・これまで「もくみ」に投資したすべての金額と「もくみ」が本町の林業振興にどれだけ効果を受けたのかその数字、並びに今回の補正により歳出する金額とそれに対する本町の林家及び関連産業の振興にどれだけの効果があるかその見込みを数値なりで示すべきである。
・住民の付託を受けて議席にいる以上、住民から預かった税金使途に賛成反対の表明をするについては、その投資効果について住民への説明責任がある。したがってその投資効果について説明ができない現状では採決に参加することが出来ない。
等々
 概ね以上のような質問をしましたが、明確な答弁がなく、やみくもに歳出を繰返す物差のない姿が浮掘りになりました。
 結局、「もくみ」への総投資額と本町の林家が恩恵を受けた数字を調査して公表することを取りつけたので採決に参加することにし、その後岡本議員と松岡議員の質疑に続いて採決。全員起立で補正予算が決定しました。
 否決されれば「もくみ」は行き詰まる。是非再建してもらわなければなりませんが、経営に参加しないので口出しもできない、経営内容もさだかでない。したがって今後の予測もつけがたい。
 手かせ足かせの中で、同じ2千万円を注ぎ込むなら本町の林家の間伐助成として注ぎ込んだ方がよほどいいのにと思いながらもこの資金が林家への貢献につながることを願いながらの賛成でした。

新聞寄稿から
 月1回の毎日新聞への原稿「明日のために」―ぴりっとからっと―は、今回は1月6日に行なわれた九州4県スキー選手権大会の模様と宮崎県民体育大会冬季大会開催について書きました。10日に掲載されたので紙面を見られた方も多いと思いますが、原稿を以下に掲載します。

------------------------------
宮崎県民体育大会冬季大会を
            秋本 治
 星空の下、雪面に動く人影から時折ドリルの音が凛とした空気に響く。気温はマイナス八度である。
 コースセッターが矯めつすがめつ黙々とポールを立て、フラッグを結わえながら斜面を降りる。
 やがて、遠い山の稜線から際だった茜色が上空へ広がりはじめ、その一点に金色の帯が浮かんだ。
 五ケ瀬ハイランドスキー場の夜明けである。
 先日行なわれた九州四県スキー選手権大会はこうして未明から準備が進められた。
 今年は雪が多い。正月から続いた猛吹雪はスキー大会を歓迎するかのように一転して穏やかな快晴となった。
 この大会は、宮崎、鹿児島、熊本、大分の南九州四県のスキー連盟が合同で行なう大会で今年で九回を数える。
 宮崎に日本最南のスキー場が出来たことを契機に始まった大会で国体出場選手の選手選考を兼ねて行なわれている。
 毎年100名ほどの選手がエントリーするが回を重ねるにしたがって選手のレベルも高くなった。
 宮崎県からは、2月に新潟県で行なわれるスキー国体に大回転競技10名とクロスカントリー1名の選手を出場させる計画である。
 ポールをくぐって斜面を駆け降り、タイムを競う大会はまさにスキーの醍醐味そのものである。技術の正確さや忍耐強さが求められ、スピードと斜面の恐怖に挑むスポーツだ。
 スキー場は、宮崎のほかに九州では、佐賀と大分にあるが、アルペン競技に最適な斜度や変化を持つスキー場は宮崎だけである。
 ここで宮崎県民の誰もが参加できる県民体育大会冬季大会が実現できれば素晴らしいと思う。
 県スキー連盟では、宮崎県民スキー大会を来月二十四日に計画している。
 既に心は「プレ県民体育大会冬季大会」である。関係機関のご理解ご支援をお願いしたいものである。

-------------------------------

九州4県スキー選手権大会
 1月6日、午前7時30分から、九州4県スキー選手権大会が五ケ瀬ハイランドスキー場で開催されました。
 この大会は、さきほどの新聞にも書きましたように、宮崎、鹿児島、熊本、大分の南九州四県で行なうスキー大会で、国体出場選手の選手選考を兼ねて行なわれています。
 コースは、第3リフトのパラダイスコースの中間より下の斜面をスタートにして第2リフトの山麓駅まで旗門数17の500mでした。
 昨年は600mでしたが今回は一般客に迷惑がかかるということで100mほど縮めたコースとなりました。このためタイムも僅差で選手にとっては大変厳しい試合でしたが、今期スキー場オープン以来始めてといわれる最高の雪質と天候に恵まれ、まずまずの成果が上がったことと思います。
 できればゲレンデを半分に分けて全コース1000mで競技を行ないたい。それが競技関係者の夢です。

 この大会の成績の詳細は、やまめの里のホームページ、
http://www.miyazaki-nw.or.jp/yamame/
にも掲載していますのでご覧下さい。

 しかしながら、スキー場のある我町に選手がいない。大会運営の役員もいないというのは何とも寂しい限りです。
 地元では筆者の孤軍奮闘の感があります。是非、地元にスキークラブができ地元の選手の養成や大会の手助けをして欲しい。そして大会に地元からも応援に来て欲しい。
 九州4県大会は、五ケ瀬ハイランドスキー場で行なわれる最も大きな大会です。これからは県民体育大会冬季大会に向けての取り組みもあります。スキー場活性化のためにもご協力をお願いしたい。行政も支援して頂きたい。役場の職員が一人でも大会に関与してくれると心強いのですが――。
 とうとう最後には泣きごとになってしまいました。皆んなで元気を出しておおいに楽しみたいものです。
 次ページに今回のスキー選手権大会成績一覧表を掲示します。宮崎もがんばっているでしょ。



那須利泰さんの投稿をご紹介します。

1.猪と竹の子
 私は数年前から山小屋の裏のハチクやクロ竹を管理することを試みてきました。まず竹山の整理をして、毎年大き目の竹の子を残し年毎に目印を付けております。
 今年は沢山の竹の子を採ることが出来ました。早速竹の子の塩漬けを試みました。水に一晩浸けて戻せばとりたての竹の子と成ります。
 猪は竹の子を好物としている様です。町の人達から、猪に荒らせれて竹の子が取れないと良く聞きます。私は猪の撃退対策も試みました。
 夜間、数個の電灯をつけラジオの深夜放送を流してみました。さすがに猪も近づくことが出来ませんでした。
 私は月の内4・5回熊本に出ますが、沿道の山の様子が年々変わって来てくる事に気づきました。竹山が増えているのです。山が放置されると木々には蔦がはびこり木本来の姿が損なわれています。
 それに反し竹は放置されることにより竹の生活圏を拡大し続けているようです。このような山の様変わりはなぜか清和村までです。
 わが町に入ると竹がはびこっていません。竹に侵害されない原因は、猪にあるようです。猪は竹の子が大好物で竹の子を食べる事で竹の繁殖が調整されている様です。
 この事は猪がすめる環境であることの証である事を知り、動物が住める環境作りをするために、山の片付けを一層の励みと感じております。

2.町病院のスケールの大きさに驚きました。
・玄関の回転ドアーのすばらしさ。東京の副都心の高層ビルにも回転ドアーはありますが、あのように素晴らしいものはありません。ドアーの開閉での電気の使用量は大変なものでしょう。
・待合室にあるテーブルのすばらしさ。国会議事堂の衆議院会館の議長席みたい。思わず誰が座るのですかと聞いてしまった。
 薬を貰いに来た人達の診断をする先生の席とか。あれでは見てもらう人は相談が出来なくなってしまうのでは。
――――――――――――――――
 病院の玄関の回転ドア―については、いろんな方から同様なご意見が数多く寄せられています。
 設計の段階でコンサルタントや設計会社のいうままに、内容が読めなかったことが原因と思います。典型的な役所の無駄づかいですね。投稿ありがとうございました。


編集後記
 1日号でもお知らせしましたが、1月28日から台湾のシンポジウムです。2月2日に帰国して3日は、筆者の長男、兼伺の結婚式を町民センターで行ないます。
 地元の皆さんにはご案内を差し上げています。ご多忙のところ恐縮ですがよろしくお願いします。
 尚、このようなスケジュールのためかわら版2月1日号は、物理的に発行が不可能になります。
 勝手ながら次号2月1日号はお休みさせていただきます。悪しからずご了承くださいますようお願いします。

 この私設「かわら版」はどなたにもお送りできますのでご紹介ください。郵送料として年会費千円のご負担をお願いしています。(治)