かわら版 『風』
2002年1月1日号
第2巻 第1号 (通巻12号) 発行者 やまめの里 企画編集 秋本
治 五ケ瀬町鞍岡4615 電話0982-83-2326
雪の多いお正月となりましたが、皆様にはお健やかに新春をお迎えのことと存じます。本年もよい年でありますようにご健勝とご多幸をお祈り致します。
議会の申し合わせにより、町内の皆様への賀状は失礼しております。お許しください。
昨年は、私にとりまして激動の年でありました。特に印象に残る事柄を時系列に上げてみます。
01/20
黒潮電撃隊で霧立越と波帰集落の様子が九州管内で放映され大きな反響を呼びました。
03/18
霧立山地固有種となったキリタチヤマザクラの接木講習会。接木でも実生でも増やせることが確認できました。
05/01
「キリタチヤマザクラ」の命名式。東京大学の大場教授により正式に命名され、基準木には命名の標柱が建立されました。
和名は「キリタチヤマザクラ」学名は、Cerasus
sargentii Ver.akimotoi
です。
和名は日本国内で呼ばれる名前。学名は世界共通語でラテン語だそうです。akimotoiのiは発見者を表すということで、桜の名前に筆者の名前が使われることになりました。恐縮しているところです。世界中で霧立山地だけに自生するという貴重な桜をたくさん増やして私たちの村中をこの桜でうめつくしたいものです。
05/17
椎葉村木浦谷に幻の滝発見。扇山山頂から双眼鏡で確認し、探険隊を繰出して発見、全国に反響を呼びました。1月上旬、フジテレビでも関東地区において幻の滝の番組が放映されます。
07/08
町議選投票日、町議会議員となる。地元有志の皆さんの強い要請を受けて告示直前に出馬。晴天のへきれきと言われましたが、皆様の強力なご支援のもにと当選することができました。厚く御礼申し上げます。ご期待に添えるよう本年も頑張ります。
07/22
幻の滝開き。崖に阻まれた人跡未踏の地のため、新たな通路を切り開いて滝開きを催行し、多くの人に紹介できました。これから新たな観光資源として脚光を浴びることでしょう。
08/28
NHKひるどき日本列島番組出演。さすがNHK全国ネットの番組です。多くの方からお便りを頂きました。
09/01
初議会。議場では真摯な議論が出来ずにストレスが高まるばかりです。これからも「議会に風」を起こし、「開かれた町政」を目指します。
講演活動
講演活動は極力絞っていますが昨年県外の主なものは次のとおりです。
02/15大阪講演(豊能町)
07/18三重県自治学院講演(三重県庁)
09/28九州山地連携講演(熊本多良木)
11/30全国過疎シンポジウム(大分)
尚、本年度は
1月28〜30日
「町づくりシンポジウム」
台湾・苗栗県。海外はちょっと不安ですが、ドイツから2名と日本から2名の参加です。台湾も最近町づくり運動が盛んなようです。
2月14〜16日
「全国源流の村シンポジウム」
岡山県西粟倉村
セッション1
「森林から文化・経済を考える」
(西粟倉村のテーマ)
コーディネーター 秋本治
ゲスト 辻一幸(山梨県早川町長)、本田節(熊本県人吉市ひまわり亭代表)+地元の人
セッション2
「手仕事から文化・経済を考える」
コーディネーター梅原真(高知県デザイナー)
ゲスト 田島健夫(鹿児島牧園町・雅叙苑社長)、春日俊雄(新潟県高柳町企画課長・わらじの会)+地元の人
セッション3
「町並みから文化・経済を考える」(大原町のテーマ)
コーディネーター 市村次夫(長野県小布施町・小布施堂社長)
ゲスト 間城紋江(高知県赤岡町・まちの宝物ホメ残し隊)、横市幸一(北海道芦別市B&B理事長)+地元の人
以上が既に予定に入っています。議会本会議の月はすべてお断りしていますが、閉会中の日程の合間は受けています。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします。
マイスター活動
ふるさと活性化セミナー京都編については、先月号で美山町の情報を少しご紹介しましたが、この程、県提出用のリポートができあがりました。せっかくですから本号にも添付して配布します。33ページにもなりましたが、面白いところだけでも飛ばし読みしてください。書くのも大変、読むのも大変?。
美山町は、気候や町の規模がとても五ケ瀬町に似ているので参考になります。典型的な一周遅れのトップランナーですが、群を抜いています。
特にこの町のビジョンは参考になります。昔の合併前の旧村ごとに振興センターを配置し、センターには役場の課長クラスが事務局長としてそれぞれ常駐、役場の総合窓口として、また住民参加の地域づくりの先導的な役割として機能を高めています。早川町もそうですが、旧村を大切にしている。
本町では鞍岡支所の廃止論もありますが積極的に活用する発想が大切です。大字ごとに振興センターを置いて同様な取り組みも可能ではないでしょうか。町村合併問題も絡めておおいに研究の余地はあります。
セミナーでは、これからの農村のあり方や問題点を鋭く切り込んでいます。是非ご参考にしてください。
12月16日 一般質問
今回は、議会始まって以来の日曜開会で、27名の傍聴者がありました。町外からも南那珂郡北郷町議会から4人、高千穂の議会からも1名の傍聴者がありました。
このため、いつもとは違って質問者も答弁者も盛り上がっていました。議会は住民の目にさらすことが大切。いつもこうあるといいなあ。
筆者も多岐にわたって長時間の質問をしました。
今回の質問のねらいは、
・インターネットや高速回線網敷設、携帯電話やラジオ等の電波不通地帯解消の取り組みが非常に遅れていること。(インターネットにおいては県内でも最低)
・町村合併問題や行政評価制度・事務事業の評価制度について、その取り組みや研究がなされてないこと。
・時代の大きな変革期に対して本町の農林業振興のための施策が明確にないこと。
・民俗文化や天然記念物の文化財指定保存や修復が遅れていること。
など、このままでは本町がじり貧になってしまう懸念があることから、こうした質問をしました。
全体の質疑の模様は、広報紙「議会便り」に掲載されますので省略しますが、筆者の質問と答弁の詳細については以下議事録を掲載します。
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12月16日(日)一般質問議事録
[議長] 次に、二番、秋本治君ご登壇を願います。
[秋本] 2番 秋本でございます。通告に従い質問いたします。先ず「情報通信のインフラ整備について」でございます。
近年の情報通信技術は、インターネットをはじめとする双方向性通信技術が飛躍的な発展を遂げております。
今や世界中の企業や民間個人がインターネットを介して情報を受発信しながら新たなビジネスに取り組んでおり、多くのビジネスモデルが開発されております。行政においても国は、電子政府に向かって進みつつあり、県も電子行政を推し進めております。
市町村もホームページを開設して情報の発信をするのみでなく双方向性通信の特性を活かして町づくりの知恵の導入や連携などあらゆる分野でめざましい活用がなされるようになりました。先進自治体では、すでに広報紙や議会議事録等も全面アップされております。
しかるに、本町をふりかえって見ますとまだホームページの開設すらなされておりません。全国の市町村でホームページを開設していない地域はもうほとんどなくなりました。本年度予算でホームページ開設委託費が計上されていますが、事業の進捗状況とその内容について説明願いたいと思います。
また、業務委託で開設したホームページは、事後の更新が進まずアクセス数も少なく事業の効果が低いことは周知の通りであり、技術者の養成が必要であります。
ホームページ以外にも庁内LANを構築し、情報の共有化と意思の疎通や情報の公開をはからなければならないと思います。このような庁内LAN構築についても委託事業だけに頼りますとメンテナンスや緊急な場合の対応が充分にできなく、第1コストが非常に高くなってしまうのであります。また、これから国や県の電子行政に対応した取り組みもしなければなりません。こうしたことからも庁内で技術者の養成が必要であります。
技術者の養成と申しましてもホームページの開設やLAN構築については、少しパソコンの知識があればすぐマスターできることで、民間では企業や個人で自前で構築しているのであります。
この点コンピュータ技術者の養成について、また、町民のパソコン習熟についてどのようなお取り組みがなされているのか説明を求めたいと思います。
情報通信のハード面においては、光ケーブルの敷設などでブロードバンド等が利用できる高速通信網を敷設している地域も増えております。インターネット時代は情報の機会均等がいわれますが、情報通信インフラ整備が立ち遅れた地域は機器やソフトの使用が制限され、機会均等どころか大きな格差が出てまいります。こうした高速通信網の敷設につき本町ではどのような取り組みがなされているか説明頂きたいと存じます。
また、本町では、携帯電話の不通地帯やラジオ放送の電波が届かない地帯が多く、住民の生活や経済、文化活動に多くの障害があります。このような遅れた情報通信網のインフラ整備に対して総合的にどのようなお考えであるか、その現状と見とおしを明らかにして頂きたいと存じます。
次に町村合併問題と行政評価制度や事務事業の評価制度についてであります。
本町の当面する最も大きな課題は、町村合併の問題ではないかと存じます。この問題に関しては、去る9月の議会で西臼杵合併研究会が設置されたと説明がございました。その後、この西臼杵合併研究会ではどのような研究がなされたのでしょうか。
本町は歳入の50%以上を国からの地方交付税交付金によって運営されております。これらの交付金はこれから確実に減額される方向にあり、少なくとも、今までの延長線上では町政は成りたたなくなると危惧するものであります。そこをどう切り抜けるか、どうしたらこれから五ケ瀬町が自立できるか、今まさにそのことが問われていると思うのであります。
また、合併問題は、地方分権とセットになっていると存じます。地方分権は人口7〜8万とか10万の市までとかいう考え方も示されております。仮に西臼杵3町が合併しても地方分権の受け皿にはなり得ないわけであります。経済効率優先の政策のもとに合併を進めれば一挙に過疎地域の周辺部は消滅する方向へ向かうものと思われます。
こうしたことを考えると、厳しくても辛くても行財政改革と自立のためのシナリオづくりが必要であります。事務事業の広域連携も検討しなければならないでしょう。共通項でくくれるような事務事業は広域連携によって行政コストを下げることを研究しなければなりません。
森林の公益機能を数値化して交付税を多く勝ち取ることも連携して研究に取り組まなければなりません。賛同される学者の協力も必要です。
こうした取り組みは、このたび策定された本町の長期計画では対応できないものであります。
合併問題を研究する場合、その前提となるものは行財政の分析からはじめなければならないと思うのであります。分析結果、行財政の改革により、五ケ瀬町が自立できる見通しが明確であれば、自立の道をたどることができます。このためには、行政評価制度や事務事業評価制度の導入が必要ではないかと思うわけであります。宮崎県も平成15年度から本格的実施に向けて現在試行的な評価シートを作成しているといわれております。
そこで、行政評価制度や事務事業評価制度の導入について本町ではどのようなお考えであるか、お聞かせ頂きたいと思います。
また、仮に本町が自立不能な最悪の場合はどことどう手を結ぶかという、いくつものシナリオも保険として準備しておかなくてはならないのではないでしょうか。西臼杵三町の場合、又はフォレストピア圏域の5町村の場合、或いは県境を越えて熊本県側との場合など調査研究、データの収集とその公表が必要ではないでしょうか。
合併問題は、「住民の選択による」とか「まだ気運が高まっていない」とかの問題ではないように思うのであります。こうしたことを踏まえて町村合併問題についてはどのようなお考えであるのか伺いたいと思います。
次に財政のシュミレーションについてですが、
もし、交付税交付金がある年から、20%もしくは30%減額になった場合、ウラ補助金になってしまった分はとりあえず除いて考えると、町の財政は維持できますでしょうか。もしくは維持するためにどういう部分を削ることが考えられますでしょうか。また、合併した場合財政は大きく改善できると思われますでしょうか。
仮のお話で大変恐縮ですが、これからの町政を考える場合にこうしたシュミレーションは大切なことと思われますのでお考えをお聞かせ頂きたいと思います。
次に本町の農林業振興策についてお尋ねいたします。
去る11月11日、カタールで開催されたWTOの閣僚会議で中国がWTOの加盟国として承認されました。世界人口の5分の1に当る13億人余の人々が住む隣国の中国は、共産主義の下で関税率も高く総量規制などがあり自由貿易ができない国でしたが今回のWTO加盟により世界標準の国際的な通商ルールが適用されることになり、自由貿易の国となりました。
中国の農村部の収入は、日本の10分の1から20分の1といわれています。このことから、世界の製造業はますます製造拠点を中国に移していく。今でも、私たちの身の廻りには「メイド・イン・チャイナ」と表示された中国製の安い製品が出回っていますが、今後ますます中国製品に囲まれた暮らしとなることが予想されます。日本の産業空洞化が進むことを覚悟しなければなりません。
農産物も大企業が種子やその栽培技術、資金を中国に投資して開発し、逆輸入現象が加速されることと思います。11月13日のニュースでは、中国からお正月用の注連縄までが福岡に陸揚げされていると伝えています。わが国の農産物は今後ますます苦しめられるのは確実であります。
このようなことからわが国では、地域活性化のために地産地消、景観作物、地域循環経済、地域通貨などが各地で取り組まれております。本町においては、このような時代の大きな変革期に、農林業振興のためにどのようなお取り組みをされるのかお聞かせ頂きたいと存じます。
次に民俗文化財や天然記念物の指定保存修復について教育長にお尋ねいたします。
私は、かつて、熊本県蘇陽町のニ瀬本神社を国土庁の地方振興アドバイザー事業で調査したことがありました。ニ瀬本神社には、ニ瀬本神楽が伝承されており、熊本県の重要無形民俗文化財に指定され、町おこしのシンボルとされております。
ところが、その時にニ瀬本神社の由緒書を拝見しましたところ、ニ瀬本神楽は、桑野内の古戸野神社の神楽を学んではじめたと書いてあります。古戸野神社から譲り受けたとされる古い神楽面もありました。
しかるに、本町においては、ニ瀬本神楽の本家である古戸野神楽はもとより、鞍岡祇園神楽、三ヶ所神社神楽、桑の内神楽など多くの神楽が伝承されておりますが、町の無形民俗文化財にすら指定されておりません。その他にも、本町にはタイシャ流の棒術、戸田流の棒術、臼太鼓踊り、その他多くの郷土芸能が伝承されております。こうした貴重な民俗文化に対して本町では本格的な調査が行われていません。
郷土芸能はその土地に伝えられた、いわば住民の民族魂、スピリッツであります。地域の活性化にはなくてはならないものでもあります。
失われつつあるこうした民俗文化を早急に調査して文化財に指定していくことが必要ではないかと存じます。新年度の予算に反映される予定はないかお尋ねします。
また、本町においては、これらの郷土芸能の他、巨木など天然記念物的価値の高いものも次々と発見されています。こうした巨木類は痛んで枯死寸前のものもあり早急にこれらの保護や修復を行わなければならないものがあります。こうしたことに対してその現状認識とお取り組みについてお尋ねしたいのであります。
最後に、町長へお尋ねいたします。
去る9月の議会において来年の町長選挙には立候補しない旨のお答えをされました。
長い期間町政の重責に携わり大変ご苦労も多かったことと存じ本当にご苦労さまでしたとねぎらいの言葉を送りたいと存じます。
しかし、まだまだ任期は続きます。町長は「任期まで存念のないよう務めたい。」というお話をされていましたが、残された任期中にやらなければならないこと、最後の仕上げについて、その思いをお聞かせ頂きたい。
また、「公正で開かれた町政を促進するために必要な準備が整いしだい議会に情報公開条例の制定について提案したい」と答弁されました。任期中にこのお約束を果たされる用意があるかどうかお聞かせ頂きたいと存じます。
質問が多岐にわたり、恐縮に存じますが、ご答弁のほどよろしくお願い致します。
[議長] 五番目の民俗文化財を除いて外は町長質問であります。町長。
[町長] はい。秋本議員から多岐にわたって6点ほどのご質問でございます。
まず、第一点の情報通信インフラの整備についてということでございますが、これは企画の方からお答えをいたさせます。第二点の町村合併問題、行政評価導入については助役の方が関係が深うございますからお答えさせて頂きます。民俗文化、天然記念物等の指定関係については今議長が申し上げましたように教育長の方から致させます。
私は、まず第三点の財政についてという質問でございます。ま、シュミレーションと申しますか、もしも、ある年から(交付税が)20%もしくは30%(減額)となったら(町財政は)維持ができるかということでありますが、率直に申しあげまして維持はきわめて困難をきたすと、困難をきたすと私は思います。
また、30%の削減が現実的なものとなるとするならば本町はもちろんでございますが、全国の二千何がしかの町村の中で交付金交付自治体は、予算編成が30%減額になりますとこれは大変なことだと、麻痺するのではないかというふうにまあ予測とはいえ、たいへん心配をするものでありますし、私は、あってはならないな、というふうに思っておるところであります。
交付税は、現在でも二億数千万円、約三億弱の、もし減額となったとするならば、まず一番最初に困るのはやはり町民サービスが低下するということでございます。そして、それぞれ、まだまだ、切らなければならない問題が出てくると思います。私は、質問の中で裏補助金という項目がありますのでこれは参考のためにちょっとどういう形の補助金かなということでこちらの方からお聞きしたいなと思っておりますが、それはおきまして、公の場で予測して、しかも不確定といいますか、確実な数字というものでもないのにですね。私が答弁、責任のある答弁はできない、と、このように思いますのでこれはひとつ差し控えさして頂きたい。このように思います。
これは言質を取られますと非常に私としましても、大変困るものですから予測したことに対しての責任ある答弁は、これはもうご理解頂いてご遠慮さして頂きたいな、と、このように思います。
それから本町の農林業振興ということでございます。これは議会あるごとに必ず誰からの議員さんの方からきついご質問等ございますが、ま、それぞれ精一杯の努力申しているつもりでありますけれども、ご理解頂いて、よっしゃ、よろしいというところまでなかなかいかないのが現状でありますが、むしろ議員の皆さん方の方が状況についてはご案内でありますから、別の角度から申し上げても、もうご指摘のとおりであります。
海外からの農産物の輸入、或いは毎年本当に記録を更新しておりますし、価格、或いは農家の思惑、或いは天候と関係なく大幅に、しかも確実に下がっております。
専業農家と申しますから、もっぱら農業営むもの程そりやあもう打撃は非常に大きいわけであります。このような状態で食料の自給率の向上であるとか、或いは自治体的な責任をうんぬんというのは極めて私は酷である、と、このように思いますし、当町の平成13年度の予算で、農林水産業費に15.5%、6億1千万あまりの投下もいたしておりますし、11年の決算でも概ね6億或いは7億近くの投資をしながら過疎化、或いは、その農業振興のために努力を皆さんとともにやっておりますけれどもなかなか、なかなか決め手、効果がありません。
先ほどおっしゃいましたとおり、循環、地域、地消、或いは地域循環経済等々の話しもございましたが、全然やっていないわけではないし、おおむね、そういうふうな形で進んでおるというふう思っておりますが、それぞれの自治体或いは九州の各地でも化学肥料や農薬を減らして、或いは、もう堆肥を全面的に使うなど土づくりといいますか、そういうものにとりくむ環境保全型の農業農家が大変増えておる、と、このように聞いております。
また、先ほどありましたように、中山間地域の環境保全、或いは、多面的な機能の再評価、そうした支援、これは都市との交流の中で積み重ねるものでもあろうかな、というふうにも思っておりますし、私どもが進めております都市と農村との交流と、交流をキーワードにした町づくりについても、これは間違っていないと、この頃ではなお確信を強めているところでございます。
消費者が、安心して食べる農産物を求める傾向、これはもうご案内のとおりであります。いわゆる地域の各所にあります直接販売所と申しますか、そうしたものも九州内では約300箇所ぐらいあると、そしてまた年間の売上は150億を越すというようなデータも聞きおよんでおりますから、少なくとも少しは高くても、やはり安全で新鮮なものを求めるという健康指向の高まり、そうしたものを考える時に、やはり作る者と、それを消費する者、これがやはり両方手を組んでやることが本町の農業でもありますし、わが国の農業の生きる道ではないか、と、このように思います。もちろん農家の努力もありますし、私ども行政のバックアップも必要でありましょう。そしてまた、おっしゃいますとおり地産地消、それが今後の鍵になろうかなと思っておりますが、活性化の柱になってほしいし、なるようにわれわれも努力をいたしたい、と、そういう気持ちで農業振興にも勤めてまいりたいなとこのように思います。
やはり、農業は地場産業というだけでなくて、先ほどから、るるお話がありますように、やはり環境の保全、或いは再生装置として維持するためにも自然環境型の農業、そうした議員のおっしゃるとおり、そうしたものの確立、そういうものもやはり地域社会をさらに健全なものにするんであろうというふうに思いまして、私はまあ信念としましては、農業はやはり命の産業であるといういうふうにいわれておりますし、命の糧の産業でありますから、過程においてはいろいろありますけれども、結果的には必ず残る、そして、努力すればそれなりの評価、或いはその果実をとることができる、農家の所得も増える、このように思っています。
本町の振興策等々がありますけれども、これはもし、必要であるとすれば、もうご存知でありますから省略した方がいいかなと思いますが、必要があれば農林課長の方から再度説明させたいと思います。
最後の任期中に、まだやらなければならないのがあるんではないかというお話であります。確かに、その通りであろうかと思います。過去1期半以上、7年あまり、藤田町長の急逝によりまして町長に就任さして頂きまして、その当時の積み残しの課題もありましたし、尚また、それからこれは生き物でありますから、どんどん発生をいたしますし、その課題、継承した課題、或いは発生した課題、可能な限り先送りはしない、というような信念というと大変大げさでありますが、そういう気持ちで町政を担当してきたつもりであります。絶対とは言えませんが、お概ね対処した、と、そのように考ええておりますが、まだ、現在進行中の課題もございます。ご案内のとおりのグリーンツーリズムから派生いたしましたところのワイナリー構想の問題。或いはまた、今、確実な採択を受けるために努力いたしております中山間地域総合整備事業の鞍岡地区の問題、こうした大きな問題が進行中であることは事実でございます。
しかし、これは私の任期中にできるかというのは、これは確約できませんし、ちょっと大きい十億、十何億という予算、そしてまた、その補助事業も多岐にわたっておりますから、これは、ま、それぞれ、任期中は努力はいたしますが、また、少しは残っていくかなあという、先送りしたくないという気持ちはありますけれどもこれは仕方がない。どんどんでてくるわけでありますから、まあ、信念としてはそういう形でお概ねやってきたかなあ、と自負するところであります。
で、その思いでありますけれども、これはまあ、まだ5月までございますので、この件につきましてはご勘弁を願いたいと思います。
それから、情報公開条例の件でございます。これはご説のとおり、準備の整い次第提案いたしたいというふうに申し上げたことは事実でありますけれども、任期中に絶対やるというところまでは、お約束はしていなかった、と、このように思います。可能な限りの努力はいたします。尚、くわしいことは総務課長の方から、現状につきましてはご説明いたさせます。
そのようなことでご理解をいただければな、と、このように思います。以上私の持ち前については以上でございます。
[議長] それでは一番の情報インフラ整備については、企画課、それから合併問題については助役、それから農林業振興については、農林課長、最後の情報公開条例については、総務、それぞれの立場から答弁を求めます。
[議長] はい、商工課長。
[企画商工課長] 企画商工課長です。第一点目の情報通信インフラ整備について私の方からご答弁を申しあげます。
議員のご質問は、お概ね4点だったというふうに思いますけれども、先ず、第一点目のホームページの開設についてであります。現状はおっしゃったとおりでありますが、現在委託業者と担当係長の方で立ち上げについて協議を進めております。お概ね、内容についても協議が進んでいるのですが、若干不十分な点もあるということで、引き続き内容の検討を進めておりますので年明け、できるだけ早い時期にですね、開設したいと、当然本年度中ということは間違いないわけですけれども、できるだけ早い時期に開設をするように今準備を進めておりますのでご理解をお願したいと思います。
内容については、先ほどご指摘がありましたように、他の町村と取り立ててここが違うというような部分はそうないのかなあ、と思っているのですが、これについては、後ほどの質問にも関連するのですが、今後もっとグローバルな視点でのインターネットの導入促進事業を考えておりますので、そことの関連も含めて今後検討させて頂きたいなあと考えているところです。
二点目の技術者の養成が、そういうこともあって必要ではないのかなあ、というご助言があったわけですけれども、そういった技術者がいればいいと。ただし、議員も指摘があったように今は個人でかなりの部分パソコンに対する知識も高まっております。また、本町には電算室というのがございまして、二人の職員が勤務しています。彼らを中心としてですね、若い職員の中にはそういった、充分そういった知識について熟知していますし、今後の庁内LAN敷設等についても対応できるというふうに私どもは確信いたしております。
従いまして、私たちとしては、そういった俗人的な問題というより、課題としては、もっと情報政策、小泉内閣のIT政策について、重要課題としていろんな政策をうっておりますので、その、きちっとした受け皿がまだ充分でないのかなあと私どもは業務をしながら感じているところです。
この問題については、総務課と私どもと一緒に協議をしながら進めているわけですけれども、やはりきちっとした情報政策という視点に立った行政推進がきわめて重要だろう考えておりまして、総務課長ともそういう形でですね、そういう体制作りはできないものかということで協議を進めておりますので、そういう体制を作りながら議員がご指摘になったやはり技術者の養成というか、限られた要員の中で費用をかけずにですね、やっていかなければならないわけですから、効率よく現在いる職員の中で対応してまいりたいなあというふうに考えておりますのでご理解をいただければ幸いだと思います。
三点目の高速通信網の敷設についての現状をということであります。現在高速大容量の情報ネットワーク化が必要だというふうに言われています。各自治体でそれを敷設するには大変な財源が必要となりますので、現在、宮崎県が今年度から「みやざき情報ハイウェイ21整備事業」というものを進めております。その中で光ファイバーケーブルの各市町村への引き込みを今現在行っております。本町の状況といたしましては、現在光ファイバーケーブルを引き込み工事を行っておりまして、年明け1月に完了するということになっております。
これは、全自治体、県内を県が整備主体となって進めております。ですから各自治体までは県が整備するという事業展開をしております。4月からその運用が開始されますが、まだ具体的な費用負担とか実際そのケーブルを使っての費用負担等々が正式に明らかになっておりませんので、担当課長会等々で4月からの本格運用に向けての協議が進められているところです。
平成14年度に「地域インターネット導入促進事業」を申請したいと今その申請を進めているところです。この事業によって当然財政負担が生じますので、今財政課と協議を進めながらですね、国の補助事業を活用しながらこれからの情報社会に乗り遅れないような施策をうっていきたいなあと、で、まずは役場内それから公共施設間の情報通信基盤を整備していきたいな、と、その後、やはり住民の中にも打って出て議員も日頃からおっしゃっています双方向の情報通信網を整備していければいいなあ、という形で今検討を進めているところであります。
また、携帯電話、ラジオ放送の電波が届かない問題にについてご指摘がありました。これは、従来から本会議のなかでもご質問があっているように携帯電話につきましても、鞍岡の渡瀬から本屋敷の奥ですね。それから坂本の方へ行きますと坂狩から奥という地域、ほかにも部分的には聞こえない部分もありますが、だいたい聞こえないということで、状況については従来からご説明しているとおりです。ラジオについては、全町的にですね、なかなかきちっとした形で電波を受信できないという状況があります。また、宮崎県内の民放局の受信も情報は発信するけれどもなかなか私どもも聞けないという状況にあります。
どちらかというと熊本県の民放のテレビも含めてですけれどもラジオ放送も受信できるという状況になっているというふうに認識しているところです。で、この問題については、私どもの課を含めてですけれども、町長も日ごろから非常にこの文化的な面でのやはり損失が大きいということでいろんな意味で要望活動もされています。
国、県においても、そういう整備をする。例えば携帯電話が聞こえないために鉄塔を建てるという整備事業もございますし、ラジオが入らないということに対する整備事業もございます。但し、それについてはですね、かなりの財政負担が本町にもあるわけでありますので、日ごろから申し上げておりますように、先ずは、そういったサービスを提供する企業に対してですね、私たちの考え方をお訴えして施設整備をしていただけないかということで町長自らそういった民間企業に出向いてそういった要望活動を行っております。
先般もNHK宮崎放送局の方にも町長行かれて、従来からNHKラジオも聞けないということで、局長の方にもお話をするなかでですね、前向きな動きはでているのですけれどもまだ、具体的な見通しについて今お話をできる状況にはなっていないというのが状況であります。
携帯電話につきましても今シーズンは間に合いませんでしたけれども、今、NTTさんの方からですね、スキー場に対しては、私どもに対して、ある一定ののお話がきております。やりとりを今さして頂いておりますので、できるだけ早い時期にですね、そういった携帯電話が全町的に聞えるような努力はしてまいりたいなという風に思ってはおりますが、ただ、いつも申し上げておりますように、なかなか民間企業も厳しい状況のなかにおいて五ヶ瀬だけとか、そういう要望活動には慎重な態度を示しておりますので、圏域、高千穂町、それから椎葉、諸塚、日之影町いろんなところといっしょになってですね、情報政策課が窓口になっているのですけれども要望活動を続けてまいりたいなあという風に考えているところであります。いずれにしましても町長を先頭にですね、努力を続けてまいる所存でありますのでご理解をいただければなあというふうに考えております。私どもの答弁は以上です。
[議長] 次、町村合併について、助役。
[助役] はい。助役であります。二点目の町村合併に関する問題についてお答えいたします。町村合併につきましては、9月の定例会で秋本議員の質問でお答えしましたように6月に西臼杵の「西臼杵合併研究会というのを立ち上げたところであります。この中にあります幹事会というもので各種の調査、情報の収集を行なっているところであります。
全国的には各県それぞれの取り組みがなされておりますことは皆さんご承知のとおりでありますが、それぞれの地域の歴史、文化、産業等のそれぞれの違いもありますので、取り組みに対しましてもその差があることは事実であります。
また、合併という問題ににつきましては、将来にわたる地域のあり方や、地域住民の生活に大きな影響を与える重大な問題でありますので、地域住民の主体的、自主的な判断の元に慎重に行われるべきものであるというふうに考えております。したがいまして住民の皆さんの機運の高まりも当然必要になってくるわけであります。現在においてのいろんな広域行政でやらなければならない問題等もでていることも事実であります。
例えば、ごみの問題、それから介護保険の問題、それから高齢者対策が進むなかでのいろんな施設の問題、それから消防の問題、等々あるわけでありますけれども、これにつきましては、西臼杵三町で広域的に進めておるというところでございます。
また、行政の評価等につきましては、今回の第四次長期総合計画でもありましたように今までの行政主導でなくて住民の参加のもとに計画から進めてきたようなことであります。今後のいろんな事業等につきましても、いろんな角度から研究を進めるべきであると考えております。
町といたしましても、この高齢化、地方分権の進んでまいります二十一世紀の町づくりに向けましては、今後何をやるべきか、また、何をやらなければならないかというような問題につきましても、住民の皆様と一緒に各方面から検討を進めてまいりたいというふうに考えているところであります。
それで、研究会のその後の状況でありますが、現在、幹事会で進めておりますのがまとまり次第、また第二回の会合を開くということになっておりますが、まだ、いまのところ開かれておりません。
これは、事務局が高千穂にありますので高千穂の方から、整い次第また召集があるものと思いますので、またそのへんが進みましたら皆さんにお伝えをしていきたいというふうに考えております。
ただ、九州のなかでも熊本県、鹿児島県あたりにつきましては、新聞等で盛んに報道されておりますけれども、この点につきましてはこれまでの町村合併の進み方が宮崎県は、市町村44でありますが、熊本県、鹿児島県については九十を越えるというような町村が残っておりまして、熊本県の方ではかなり進んでおりますが、宮崎県におきましては、また、特段その進みが熊本県のようにはいっておらないというのが事実であります。今後そういう問題がでてまいりましたり、情報の収集が一応まとまとまりましたらまたお伝えいたしたいというふうに考えます。以上であります。
[議長] 農林業振興関連について農林課長。
[農林課長] お答えいたします。本町の農林業振興策につきましては、町長の方からお答えがありましたので省きたいと思いますが、地産地消、地域循環経済、地域通過の取り組みの考えについてお答えをいたしますが、具体的な取り組みと今後予想される取り組みについては、まあ、農産物即売所、農村レストラン、学校給食や福祉施設、病院への食材の供給、またそういったものが考えられます。
その対策として、地域の特性を生かした農業生産活動を推進いたしまして、家業意識から職業意識への生産者の意識改革が重要ではなかろうかと考えております。また、生産だけでなく、加工生産流通に付加価値をつける農家の総合力も期待しておるところでございます。地域間、産地間の交流を含めて推進し、今後対策を講じたいというふうな考えを持っているところでございます。簡単ですけど以上で終わらせて頂きます。
[議長] 次に情報公開条例の制定関連について総務課長。
[総務課長] 総務課長です。情報公開条例の準備の状況ですが、まずあの必要な準備と致しましては、情報公開条例の制定は申すまでもありませんが、この公開に対する施行規則ですね、それから事務取り扱い要領といったものがでてまいります。で、条例の制定につきましては、実施機関と致しまして、町長部局、それからまあ議会、それから各委員会ですね、そういったことが入ってまいりますので制定に当たりましては議会ともですね、実施するかどうかと、そういった協議も必要になってまいります。
こういったものについての条例文案等ですね、現在作成中でございます。それに情報公開条例の原則といたしましては、基本的な人権としてのプライバシーの最大の保護、それから情報提供者の権利利益の適正な保護、利用者に便利な手続きの確立、それから慎重かつ公正な仲裁手続きの確立、こういったような大事なですね、基本的な問題が沢山、項目でいいますと相当ありますので、そのようなところは慎重にですね充分な準備が必要かと思っております。
まあこれは、町長が変わりましても町はですね、責任を持って町民にそういった公正な公開をしていくのは、もう、変わらないわけでございますので、充分な準備期間が必要かと思っております。まあ、県内でも前にも申しましたように、まあ十三市町村で施行いたしております。施行いたしておりますが、その他の町村はですね、まだこういった慎重な準備をやっとりまして、どこの市町村もですね、かなり慎重な準備と体制をとっておるようでございます。できるだけですね、準備も早くできるように行いまして町民の知る権利の情報の公開をやって行きたいというふうに努力したいと考えております。以上です。
[議長] はい。それでは第五点目にありました民俗文化財や天然記念物の指定保存補修関連について、教育長。
[教育長] 教育長です。ご質問は民俗文化財や天然記念物の指定と保存修復、それらの現状と対策ということでございますが、まず、現状でございますけれども、本町では、これまで天然記念物とか無形有形の文化財、工芸品、或いは石造その他ございますが、その価値あるものについてはですね、五ヶ瀬町の文化財保存調査委員会というところに委託をして、これまでも、かなりのものは町指定、県指定、そして一部国指定というようなことで保存にはつとめてまいっております。
過去、冊子にして、五ヶ瀬の自然と文化財というようなことで、このような冊子ふうにして大事にしてあるものもあります。
文化財関係の新しいもの、情報につきましては、ま、その年の文化財保存調査委員会へ連絡をして上程をして折を見て現地視察等してもらっております。
第四次の、この前して頂きました五ヶ瀬町の長期総合計画の策定にかかわっては、企画課等を中心に各地区のタウンウォッチング等の事業がございました。そのときに関連してですね、地域では隠れた宝探しということでそういう事業をしてもらった経緯がございますが、その中で新しいものとしては一部私の方にも耳にしているものがございます。
対策ということですけれども、そのような新しい文化財と考えられる素材については、情報をまず受けまして、そして、それらの具体的な情報とか資料などを町の文化財保存調査委員会に上程して手順を踏んで、保存管理には努力して務めていきたいというふうに思いますが、具体的なことにつきましては、具体的に直接対応する部分がございますので説明をまわしたいと思います。
[議長] はい。教育次長。
[教育次長] 教育次長です。今、教育長から話がありましたように、大まかには、方針としては、そのように進めていきますが、細かいところを少し説明さしていだきますと、町の文化財の中でですね。町の指定になっているものが14件、その中で、議員おっしゃるように有形文化財、それから天然記念物というのがほとんどで民俗文化財としては一件だけというふうになっています。
今後、指定を進めていく上でも、まだ、有形文化財の中にも、すべきものがでできていないものもあるように聞いておりますし、天然記念物等もまだ、さきほど教育長が話しましたように、ワークショップ或いはそういう宝探し調査の中で見つかったものがありますから、これからもそういうものがでる可能性はあると思っています。
ただ、議員おっしゃった民俗文化財につきましては、有形なものと違いまして指定するには文献なりの、それなりの整備が必要になってくると思いますので、そこらへんは、当然、あのう文化財保存調査委員会が活動して頂いていますのでそちらの方へお願いしてどのように進めていくかということから含めて検討して頂きたいという風に思っていますのでよろしくお願いします。以上です。
[議長] 終わりましたがいいですか。
[秋本] 議長
[議長] はい。秋本議員。
[秋本] 二番、秋本です。情報通信のインフラ整備について企画商工課長から説明がございましたが、私どもから見ますと五ヶ瀬町が遅れている、取り組みがですね。なぜ遅れたのか、ということなんです。例えば、電算室に技術者がいるんだというご説明でございました。技術者がいるなら、そこでなぜこれまで(ホームページが)できなかったのか、というようなことであります。ホームページなんてjavaとか、そのような高度な言語は使わなくとも出来るわけですが、そんな疑問があったわけでございます。
そういう取り組みにいっそう努力をして頂きたいなと、遅れないようにですね。そういうことをお願いしたいと思います。
それから町村合併問題と行政評価制度や事務事業評価制度についてということで、お尋ねしたのでございますけれども、どうも行政評価制度や事務事業評価制度についてのご説明がなかったように思います。
長期計画を住民参加のもとで作ったということでございますが、この行政評価制度や事務事業評価制度というのは一種のツールなんですね。それでそういうツールとして、物差しを当てながら見ていくということなんです。ここに、非常にわかり易い事例がありますので読んでみます。これは青森の事例で評価制度を導入して目がさめたというお話があるわけです。
卑近な例から。
@フルコストとアウトカムの分析⇒改善
本市の今回の試行で、直接事業費+人件費(平均です)とアウトプット、アウトカムを比較してみました。その中の1つに、市がワカメや昆布の種を買って、糸に付着させ、少し
大きくしたら漁家に売る事業があります。漁家にはそのための施設がないから、市が直接実施しています。直接事業費が100万円で、売却収入が200万円。これまでは、100万円収入があるし、漁家も喜ぶんだったらいいじゃないかと考えていました。(私が財政課でこの事業の担当をしていたとき以前からそうでした。)ところが、人件費を足すと、コストは100万円+人件費800万円×0.4人で、420万円かかっていたんです。じゃ、市(市民)にとって、100万円もうけていたんじゃなく、320万円損させていたということが判明。次に、市民にとってのアウトカムは何かを探ってみると、市内の漁家の購入はそのうち1割で、残りは九州のアワビ養殖業者が買っていて、餌にしているそうです。担当課では、「青森ワカメ」というブランドで評判がいいから良い事業だと言っていましたが、当然×。もってのほかです。青森市民の税金が九州の漁家に使われていたんです。そこで、課題として「青森市内の漁家の需要調査」と「市の施設を市内漁家(漁協)
に貸し、市の指導つきで進めることの可能性調査」を投げかけました。
A目的意識⇒使命感、やりがい
各課からの意見で、今まで考えたこともなかったという反響が多くありました。「この事業をすれば誰がどんな満足を得られるか」=「自分は誰がどのように満足できるために仕事をしているか」を考えさせられたということを多く言われました。今までの長期計画の実施計画進行管理手法をやめて、事務事業評価にすべきという意見も多くありました。また、長期計画の体系図が目的体系図になっていないということも明確になりました。何のためにやっているかを職員個々が考えさせられるシステムです。評価シートを書くことよりも、考えて分析する目を養うシステムなんだと思います。
以上のようなことで、そういう見えないものが見えるというようなツールなんですよ。学者の先生方が一緒に研究開発されて、今日本の標準みたいなものはまだございませんけれども、どこどこの方式というふうにやられております。すべてをしっかり導入しなくてもいいですが、ツールとして使いやすい部分だけでもとりあえず入れて、物差しを当ててそこで議論できるということの方が、水掛け論にもならないし、非常にわかりやすい。これから財政改革をやっていく上には非常に大事だというふうに思うわけです。
県の方も、今それに取り組んでいるという状況でございますので、町の方もそういうことに取り組んでいただいた方がこれから合併問題等もからめて、物差しがしっかりあった方がいいんではないかと考えてご質問したわけですが、さらにお考えがあればお答え頂きたいというふうに存じます。
それから本町の農林業振興策についてお尋ねをいたしまして、いろいろとお答えいただいたわけなんですか、どうも、直売所とか農村レストランとか学校、病院とかの給食に町内産を使うとか、こういう、いわばありふれたやり方だけでは、もはや、だめではないのかと、今、もっと先進的な事例というのが、地産地消、あるいは地域循環経済とか地域通貨とかあるいわ景観作物をどうするか、とか、そういうことなんです。
例えば、私どもの近くの村の例をとりますと清和村ですね。あそこは文楽を掲げて、その文楽のイメージで農産品を何億と売っているわけなんです。ギフトシーズンとかおせち料理なんかも作っております。さきほどお茶の生産額が一億何千万だとの説明に坂本議員は、いやそれは違うんだと、もっともっと大きいと(いわれました)、それに匹敵するくらいの産品、それ以上のものが売れているのですね。取り組めば売れるわけなんです。
だから、ここには郷土芸能もあればブナ林もあるし、いろんなイメージづくりとしてはGパークばかり考えても農産品はそのイメージにならない。そういう(イメージづくりに)なるものを磨いてもっと積極的に打って出るようなことをやってもらいたい。
産品の売価というのは中国から入れると安いというけれども、国内では大体半分は流通経費なわけですから、直接販売できればですね。50%節約できるわけですね。そうしたら太刀打ちできる。そこの土地に来なければ食べれないよというのが今からは(大切)、ようするにファーストフードに対して、スローフードとかいう(キーワード)があります。そこに行かなければ無いもの。しかも流通経費が要らないというような取り組みです。それで何億も売っているところがあるのを見るとですね。わが町にもできないはずはない。そんな思いがするわけなんです。
新たなキーワード、切り口、新たな伸びるものを作っていく、生み出す力というものがないとだめだと思うのですね。
僕思うのは、小川岳に上って小川岳から小川の方に尾根伝いに下りてきて、国有林と民有地の境の付近に広大な台地があるんですよ。標高千二三百のところ、これは町有林と一部国有地もありますけれども、ものすごい広い台地で野球場ができる(ほど広い)。そこへ水がある。あの霧がかかったすばらしい冷涼なところでですね。これを活用できないかというのもあると思うのですね。
つまり、農業は加温するというのは、石油エネルギーでもってまあ、コストはかかるけれども採算合う。ところが冷却になるとできないですね。標高千三百にもなると季候がまったく違うのですよ。絶えず霧がかかってきて、そこで立体園芸の最たるもの、五ヶ瀬の顔になるようなものを作るとかですね。そういう新たな取り組みをして、新しい芽を出していかないと、どうもむずかしい。だめだだめだ、ではじり貧になつてしまう。そういう新たな切り口での取り組みをぜひお願いしたいというふうに思います。
それから、民俗文化財、天然記念物についてですが、教育長から「情報を受けてから」とありました。私はちょっと「おや」と思ったんですが、じゃあその情報はどこから出るんだろうと、むしろ教育委員会の方で調査をしてみて、そこをもっと掘り下げていくのを専門家に頼んだりして調査していく、と。そうでないと「住民から情報が来ないから」というふうに受け取ってしまうのですが、それではどうも後ろ向き過ぎるのではないのか。
有形文化財については、非常に大事にされている。有形は、それは修復もしなければならないけれども、しばらくたっても、例えば5年たっても形はまだあるわけですから、(修復は)間に合うわけですよ。ところが、無形の方は間に合わないのです。もう、伝承されるお年寄りがなくなったら消えてしまう。もう、そこの先はわからない。
神楽でも33番舞えるところは少ない。わからないのが一杯あるわけですよ。だからそういうのを指定していくことが大切。今いくらかそういう文化財、民俗文化に対して補助をされてはおりますけれども、やっぱり指定することが必要です。文化財に指定するということは、文献や情報をきちっと整備するということなんですね。それをやらないとあとはどうにもならないのです。有形のものは、修復できますけれども、無形のものは、修復できなくなるのですよ。
巨木にしても、枯れそうになっているのを今手当てをしないと無くなるわけですが、これはもう急ぐ問題でございましてですね。有形より無形の方はまだ危ないということで、そういう文献の整備を文化財保存調査委員会だけにまかされたのでは絶対だめだと思うのです。
私も神楽をやっていて、掘り下げて文献を漁ってやっていけばいくほど奥の深いものが見えてくる。そういう専門的な調査をしないと価値がわからないと思うのです。ですから、隣の県では、(同じ神楽が)大事にされて、それの本元はまだ町の文化財にも指定していないという、そういう姿勢があらわれているのではないのかという思いがしますので、これは早急に新年度の予算に反映されるようご検討願たいと思います。
最後に町長からいろいろとご説明がありました。最後の任期中に何をやるか、ま、中山間地をやっていますよということもこの前の冒頭ご説明がありました。どうぞ鞍岡の中山間地の問題というのは鞍岡がどうなるかという大事なものでございます。町長の最後の後押しを、しっかり道筋をつけて頂きたいというふうに存じます。
[議長] 時間がきておりますけれども、秋本議員の質問が終わり次第、暫時休憩をいたしますのでよろしくお願いします。
三点ほど答弁をもらいたいと思います。二番目の町村合併関係について評価制度のことを含めた答弁、それから、四番目の農林業の振興、新たな切り口は何かないかということを含めた答弁、それから、ただいまの文化財関係の無形文化財の保存についてということで、それぞご答弁を頂きたいと思います。それでは、まず町村合併の件からお願いをいたします。
[議長] はい。助役
[助役] それでは、秋本議員の再質問について、お答えいたしたいと思います。先ほど話しがありましたように、(平成)15年から県も行政システムを導入するということになっているようであります。したがいまして、今後の事業等の取り組みについては、いろいろな方面から検討してやって行きたい。ただ、全国的に見てもこの評価システムがチェック機能だけであって、それが、たまたま予算等の削減とかだけにしか反映できないというようなことになってはいけませんので、現場との充分な連携のもとに検討は進めていきたいというふうに考えております。以上です。
[議長] はい。続いて農林課長。
[農林課長] 農林課長です。先ほどお答えしました中に現在取り組んでおります「ふれあいの里」の県民生協との産地直売、産品の直売、そういったことも含めて10年ほど続けてやっているわけでございます。米につきましては、ほとんどそういったことでですね、流通を持ってやっているところでございます。
それから、先ほどGパークの木地屋あたりでは、というお話がでましたけれどもですね。ここにも、野菜等の食材の提供でがんばって使って頂いておる状況でございます。
新規産品としましては、波帰地区で矢野宏君がやっております「さくらんぼの生産」、まだ研究をいたしておりますけれども、それと高床イチゴの栽培等新規産物としてですね、徐々に効果が出てきておりますので、もう少し広げるということも考えております。いろいろと今後とも積極的にできることはやってまいりたいと、そういうふうに考えております。以上です。
[議長] 続いて民俗文化財関係で教育長
[教育長] はい。五ヶ瀬の宝というべき文化財等につきまして、近く先ほどご指摘の分につきまして教育委員会を開きますので、まず、そのことはお伝えをして話を前向きに進めていくようしたいと思います。
[議長] いいですか。はい。これで秋本治議員の質問を終わります。これで暫時休憩をいたしまして13時30分から再開をいたします。
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やりとりは以上です。
町長の答弁の中で「私は、質問の中で裏補助金という項目がありますのでこれは参考のためにちょっとどういう形の補助金かなということでこちらの方からお聞きしたいなと思っておりますが」という逆質問があります。
議長からの要請がなかったので答えませんでしたが、この意味を少し説明します。
例えば、ある事業を制度事業として行なうために100万円起債したとします。起債は借金ですから返済しなければなりません。10年で返済すると仮定すれば年10万円づつの返済になります。そこで10万円返済するとその5割、5万円が特別に国から交付金を上積みされる制度があります。これは言いかえれば裏補助金の性格があります。
「補助金なしで借金して事業をおやりになりますので返済する時は、その半分は交付税措置をしてあげましょう」という制度です。
スキー場も当初「ふるさとづくり特別対策事業」としてそのような交付税措置を受けています。
このように起債に伴う交付税措置のことを裏補助金と言います。これは町づくりの議論の中ではよく出てくる話しです。学者でもよく使います。
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筆者が行政評価制度・事務事業の評価制度導入を提言しているのは、五ケ瀬町を将来とも存続させるためには必要と思うからです。
国は、なぜ市町村を合併させようとしているのか。それは市町村に配る地方交付税交付金を大幅に減額しなければ国が成り立たなくなったからです。
国は「無理に合併の押しつけはしませんよ」と言っているようですが、これは「交付金を減額するからそれに対応した行政システムにしなさいよ」ということであり、
裏を返せば「合併した地域と同じように行政効率を上げてスリムにすれば合併しなくてもいいですよ」ということです。
その先に見えるものは「合併しないところは町職員も議員も半減してでも交付金削減に耐えられる体質にしなさいよ」というメッセージが込められているのではないでしょうか。
このためには、物差しが必要になります。真に住民のための行政組織は何が必要なのか。その物差しが行政評価制度であり事務事業の評価制度です。そして、その物差を当てる資格は住民にあります。住民に決定権があります。
「もし交付金が20〜30%減額されたらどうなる」の質問に「町村は麻痺してしまう」という答えがありましたが、その先には「だから合併しなければ仕方がないですね皆さん」ということにつながるのです。こうしたことを懸念して言っていることをご理解ください。
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本町の農林業についても、ものすごい変革が求められているのです。
隣国の中国がWTOに加盟したことは前号で詳しく述べました。13億余の人が住んでいる広大な中国は日本の20分の1の賃金です。月給20万円の人が1万円の給料で働き、しかも世界中から高度な技術を持ち込んでいろんな物を生産するのです。
端的に言うと、単純労働で20万円かけて出来るものが中国では1万円で出来ることになります。これでは、日本のものづくりは正面からでは太刀打ちできませんですね。
こうしたグローバリゼーションの先導役はアメリカですが、日本の力ではノーとは言えません。
公務員は、一生の生活が保証されている。だから民間のような本当の痛みや危機感を体で感じることが出来ない。ここに危機感を持った政策を求めることは無理なんでしょうか。
「農業は命の糧の産業でありますから、過程においてはいろいろありますけれども、結果的には必ず残る、努力すれば農家の所得も増える」というお話でしたが、このような、時代の一大変革期を読み、手立てをたてなければ、まさにカエルのかまゆでのようになってしまうでしょう。
別冊美山町のリポートの10ページに書きましたように、極論すれば「農は趣味と料亭用に残る」というキーワードに落ち着くのかも知れません。また7ページの「地域政策は国とは別の視点で」というのも、けだし名言だと思います。
質問では、いくつかのキーワードを出しましたが、議論になりませんでした。
例えば、「景観作物」です。これから5年〜10年経つ内には農地の耕作放棄地が増えるでしょう。
この対策がありません。
こうした土地は町が借り上げたり買い付けたりして景観作物を作る。生産組合を組織したグループに貸し出すとか、Iターン、Jターン者を誘致して提供するとか。ボランティアを募るとか、何らかの取り組みが必要ではないでしょうか。美山町では第三セクで不動産屋までやっていました。
当地独特のヤマカブを植えて春になれば菜の花畑の景観をつくる。そして苦み走ったあの特有の旨さを特産品として育てる(野沢町野沢菜の例)。あるいは、花芽を摘んで美味しい漬物の加工品を作る。或いは、ソバを蒔いて、秋にはソバの花畑が季節を演出し、ほんものの手打ちソバの町にする(富山県利賀村の例)など。
耕作放棄地対策を「景観作物」のキーワードで考えるといろんな知恵を生み出します。
もっと長い目でものをみることも大切でしょう。筆者は、前々号で円安とインフレにならなければ日本は立ち直れないと書きました。
暮れの12月31日の日本経済新聞1面には、ハーバード大学教授ジェフリー・サックス氏のインタビュー記事で「日本は円高を見直し1ドル145円前後に下げるべきだ」との論調もあります。
昨年当初110円前後であったのが、暮れには130円台に下がりました。
こうしたことを考えると将来は、日本の技術力と中国の労働力がうまく調和できる時代がくるでしょう。その時のことも視野にいれて地域のあり方を議論したいものです。
「地域循環経済」や「地域通貨」のキーワードもしかりです。
このようなことは本会議では質問回数や時間の制約があってできません。これからは現場で詰めて行きたいと思います。
編集後記
昨年7月15日から、1日と15日に月2回議会情報を出すことにして早12号を発行し、新年号を迎えました。現在78部発行しています。
「読む方も大変だが書く方はもっと大変」。嬉しいメッセージも頂きました。まとまりの無い勝手な紙面ですが「毎号楽しみにしているよ」などと激励の言葉を受ける度に「続けて良かった」と嬉しくなります。
書くのは苦になりませんが時間との戦いです。今年もよろしくお願いします。
この私設「かわら版」は14区以外の方にもお送りできますのでご紹介ください。郵送料として年会費千円のご負担をお願いしています。(治)