かわら版 『風』 

2001年12月15日号
第1巻 第11号 (通巻11号)  発行者 やまめの里 企画編集 秋本 治 五ケ瀬町鞍岡4615  電話0982-83-2326
議会情報

12月議会はじまる
 12月11日、本会議開会に先立ち議員控室で議運から下記日程の説明がある。
12月11日(火)本会議 10:00〜
12月13日(木)全員協議会
12月16日(日)本会議 9:00〜
この日は、はじめての日曜議会。一般質問通告者7人、傍聴者も多い。このため10:00開会では時間が足りないの予定を繰り上げて9:00開会とする。
当日は、
・一般質問
・平成13年度五ケ瀬町一般会計並びに特別会計補正予算について審議採決
・追加議案上程(条例改正1件・補正予算5件)提案理由の説明
12月21日本会議 15:00〜
・条例の一部改正について1件
・五ケ瀬町土地改良事業の施行について
・追加議案 条例改正1件、補正予算5件  審議採決後閉会予定。

今回は、会期中に次々と追加議案が上程されるようで気を抜けない難しい議会になりそうです。
----------------------------
12月11日(火)本会議が開会される
10:00議長は開会を宣し、議事録署名者を橋本進氏・甲斐敬裕氏に指名して議事に入った。

1.会期 21日までに決定。

2.陳情案件
・宮崎県農民組合連合会からセーフガード発動を求める意見書提出の陳情案件。  農林建設常任委員会に付託
・県教職員組合五ケ瀬地区協議会並びに教育事務ユニオン五ケ瀬地区協議会から義務教育国庫負担制度の堅持に関する意見書を政府及び関係行政官に提出する要望書の案件。   文教厚生常任委員会に付託。

3.諸般の報告
・議長報告
 去る11月14日町村議長会の全国大会に出席「個性ある発展」をアピールした。その後、静岡県掛川市の行財政改革の模様を視察した。生涯学習による住民参加型の取り組みで、特に土地条例を制定して住民主導で地域住民が地域の活性化をはかることに大変深い感銘を受けた。

・町長報告
 11月6日、鞍岡の中山間地域総合整備事業について県と同道して農林水産省に陳情上京した。効果があったと思う。
 竹田・五ケ瀬線国道昇格について整備促進期成同盟会の活動がここ5〜6年なかったので、財政の厳しい状況を踏まえて10月18日から関係町村長・議長で大分県土木部、熊本県土木部、宮崎県土木部に対して陳情を行った。


4.議案上程
@議案第57号 五ケ瀬町火災予防条例の一部改正について
 可燃性液体類の取り扱い等について一部を改正する。

A議案第58号 平成13年度五ケ瀬町一般会計補正予算
 百万円以上の補正案は下記のとおり
●総務費
一般管理費:保険料 1.110千円
企画費:工事請負費 △2.940千円
企画費:県北フォレストピア事業負担金 △2.331千円
●民生費
社会福祉総務費:工事請負費1.989千円
老人福祉費:老人保険特別会計、介護保険特別会計繰出金 3.911千円
児童福祉施設費:臨時雇賃金2.048千円
児童福祉施設費:工事請負費2.590千円
児童福祉施設費:広域入所負担金1.611千円
●農林水産業費
農業振興費:みやざき茶21世紀型モデル集団育成事業 △1.964千円
畜産業費:畜産環境保全総合対策事業 2.491千円
畜産業費:ゆとりある自給飼料生産体制緊急整備事業 △1.720千円
畜産業費:先進的肉用牛経営体育成事業 1.076千円
農地費:測量設計委託料 △4.687千円
農地費:工事請負費 △11.604千円
農地費:県営土地改良事業負担金 △8.934千円
造林費:町有林整備委託料 8.100千円
造林費:原材料費 2.810千円
●商工費
森林公園事業費:原材料費 2.152千円
●土木費
下水道費:委託料 △5.129千円
●消防費
消防施設費:工事請負費 △12.577千円
消防施設費:備品購入費 △2.672千円
●災害復旧費
農地農業用施設災害復旧費:災害復旧工事 △1.277千円
●予備費
予備費の増額   4.500千円

以上により総額11.963千円を減額して総予算4.255.177千円とする。

これにより地方債の補正は、
・過疎対策事業
29.200千円減額して302.400千円
・臨時地方道整備事業
8.200千円減額して40.400千円
・市町村振興資金
21.300千円増額して34.700千円
・減税補てん債 3.900千円(新規)
・臨時財政対策債 76.300千円(新規)


B議案第59号 平成13年度五ケ瀬町国民健康保険特別会計補正予算
 百万円以上の補正案は下記のとおり
●保険給付費
・一般被保険者高額療養費
補助金 3.000千円
・老人保険医療費拠出金
診療報酬支払基金拠出金 24.976千円
 以上により総額29.460千円を追加して予算総額を534.347千円とする。


C議案第60号 平成13年度五ケ瀬町老人保健特別会計補正予算
 一般会計繰入6.682千円。老人保健国庫、及び支出金平成12年度分返納金6.682千円


C議案第61号 平成13年度五ケ瀬町
簡易水道事業特別会計補正予算
 繰入金に74千円を追加して8.331千円とし、総額25.880千円とする。

これにより、歳入は、
使用料手数料  17.246千円
繰入金      8.331千円
繰越金        1千円
諸収入        2千円
分担金負担金    300千円
計       25.880千円


歳出
簡易水道費    21.602千円
公債費      4.268千円
予備費        10千円
計        25.880千円
となる。


D議案第62号
五ケ瀬町土地改良事業の施行について
戸根川用水路 L=400m

以上が上程され、町長から提案理由の説明があり散会した。

--------------------------------

12月13日(木)10:00〜全員協議会
●鰍烽ュみの件
 鰍烽ュみから「経営改善のための支援のお願いについて」の要望書が議長あてに提出された。
1.長期借入金の返済負担支援(3ヵ年)2.乾燥施設整備についての支援
をお願いする。
というもの。この件については、助役に詳しい説明を求めた。

鰍烽ュみの概要
・平成8年7月設立。同10年4月より操業開始。
・設立の目的 木材の生産加工流通体制を整備し、西臼杵林業の活性化及び地域振興を図る。
・資本金 64.000千円
・出資の割合
日之影町    25.000千円
高千穂町    25.000千円
五ケ瀬町     9.000千円
西臼杵森林組合  3.000千円
 〃製材事業組合 1.000千円
 〃素材生産事組 1.000千円

・5期の経営状況(平成12.7〜13.6期)
原木購入先     単位:?
3期 4期 5期
西臼杵郡内 7.116 7.880 6,676
西臼杵域外 1.832 4.780 8,229
地域の割合 80% 62% 45%
原木消費量
計画 15.840?
実績 14.950?
製品売上量
計画 9.636?
実績 9.047?
売上高
計画 563.325千円
実績 349.449千円
経常損益
計画  3.235千円
実績△25.217千円

累積欠損204.400千円。

これに対する対策は、
・増資
平成12年6月
日之影町 20.000千円
平成12年10月
高千穂町 20.000千円
平成13年1月
五ケ瀬町  6.000千円

・短期借入金
180.000千円のうち80.000千円を日之影町が臨時議会で支援を決定。同80.000千円を高千穂町が8項目の条件を付けて支援を決定。残額の20.000千円については、取締役会が責任をとることで決着している。

高千穂町議会が支援のために付けた条件要旨は下記の通り。
----------
鰍烽ュみへの支援に関する確約書
1.現組織の構成員のうち民間団体(西臼杵森林組合、西臼杵製材事業共同組合)主導による新体制を構築し、第3セクター鰍烽ュみを継続経営する。
2.短期借入金1億8千万のうち、1億6千万については、日之影町・高千穂町の2町で負担する。残額2千万については、取締役会の経営責任額とする。
3.長期借入金残高1億8千万については、当初の設備資金であり、今後3年間に限り、3町で出資金の負担割合により負担する。
4.乾燥機等の新たな整備については、3町当初設備負担割合の負担により、引き続き導入の方向で取り組む。
5.現体制から新体制への移行は、経営改善計画に基づく従業員の待遇など新しい雇用体系により速やかに移行する。
6.原材料は、郡産材の比率100%を目指すこと。
7.日之影町有地である会社(工場)敷地を新体制会社の所有地となるよう日之影町と協議すること。
8.今後原則として、第3セクター鰍烽ュみについては財政支援を行わない。ただし、国、県の補助事業等の実施負担に関しては、この限りではない。
平成13年12月7日
---------

・今後の経営改善策は、
林業構造改善事業により乾燥材生産施設を導入して乾燥材の売上を図る。
総事業費158.550千円
内、国75.500千円・県22.760千円・市町村60.290千円の負担となっている。

 以上のような経緯である。経営改善策については21日午前中に鰍烽ュみの経営幹部による説明を求めることにした。

 いずれにしても、
1.長期借入金の返済負担支援(3ヵ年)2.乾燥施設整備についての支援
の要望に対して結論を出さなければならない。

 これまで、本町は、経営には参加しないことを条件に対応してきた。前回の増資6.000千円についても、これ以上支援しないということで決着しているということであったがーー。

・高千穂町議会は、「現組織の構成員のうち民間団体(西臼杵森林組合、西臼杵製材事業共同組合)主導による新体制を構築し、第3セクター鰍烽ュみを継続経営する。」ことを条件に支援を決定した。民間団体とは当然、西臼杵森林組合主導ということになるのであろうか。
・森林組合主導のセクターになれば本町にも多くの組合員がいることから支援しないということでは逃げられない。
・本町が経営には参加しないとしても監事を引き受けている以上監査責任は存在する。
・経営に参加しないということは、再建計画にも発言できないということ。
・だんだんと外堀を埋められてきて「経営には参加しない」「負担はしなければならない」というような不利な構図になっているような気がする。
・経営に参加しなくても本町が林業振興のため本町独自の政策があってのことであればよいのだが―。
・経営に参加しないということは本町の林業振興についても反映できないということにならないか。
・「計画当初、どう考えても採算の合うことではなかった」ということである。ならば、なぜ止められなかったのか。
・どうも逃げの姿勢が裏目に出たのではないか。逃げの姿勢で問題解決の糸口をさぐるのは難しい。
・原木購入先は、郡内が45%。町内の数字は極めて小さいはず。果たして投資額に見合うような本町の林業振興に貢献できるのか。

 このように鰍烽ュみの問題は、難問です。乾燥機導入により確実に経営の改善ができれば問題も幾分軽くなるのですが、そこのところが今は見えない部分です。これから勉強して参りたいと思います。

 気がねせずに積極的に議論を交すうちに解決方法は見えてくるものです。読者の皆さんも意見をどんどん出してください。


●ワイナリー構想について

 本町のぶどう植栽については、10月1日号で一部お伝えしましたが、今般ワイナリー建設計画が提示されました。

・認定予定 平成14年度
・実施主体 五ケ瀬町
・運営主体 第3セクター
 (公の施設として委託)
・設置場所 桑の内字上の原
 (敷地面積2ha)
・事業費  967.000千円
 (内、国50%県は取付道部分に若干)
・施設の概要
  ワイン醸造所  1.240u
  レストラン売店  970u
  駐車場     7.000u
・ワイン生産量 135.000本/H19年度
・利用者見込み 54.000人/年
・駐車場    乗用車80、バス5台
論点
・投資額の50%は、本町が借金を背負わなければならない。
 本町の主要な財源である国からの交付金はこれから減額される方向にある。
・第3セクへの委託は、これまでの例のように委託金や修繕費を次々と注ぎ込むことにならないか。
・ワインについては、カリフォルニアを始めオーストラリアなど世界中で良質のワイン生産が盛んになったので
今、ワイン本場のフランスやドイツのワインがだぶついて良質のワインが低価格で日本に入っている。
・日本もワイナリーが各地に続々と建設されている。差別化に耐えうる商品となり得るかどうか。
・焼酎「いいちこ」の三和酒造社長の西さんと最近シンポジウムでご一緒した。西さんもワイナリーの計画を持っているが、ワインでは外国製品と太刀打ちできないという。したがって「ぶどう酒工房」という考え方を話された。
・青森のワイナリー経営者と三重県のフォーラムでご一緒した。原料の買い入れ価格は、売価の2割が限度と彼は説明した。したがってkg当り200円が相場と言った。
・山梨県勝沼の中央葡萄酒社長とは、町づくり仲間で懇意にしている。彼は、農家は生食用の方が利益になるので原料の確保に苦労していた。
・事業の基本は、ぶどう生産者が経営的に成立するような施策でなければならないということである。
・当面、委託生産で様子を見るという考え方もある。

 このように本事業を成立させるには多くの問題をクリアしなければならない。難しい問題ではある。

●町有林岩屋の越の植林について
 岩屋の越の町有林90.667uについては、10月1日号で紹介しましたが、植栽はどのようにするかが課題。
・尾根は桧、その他は山桜、楓、欅などの案が提示されいる。
・広葉樹植栽の場合苗木が高いという問題がある。
・山桜は、建築用材としては不適であるが、観てよし、工芸用材としての利用価値は高い。
今後議論されるうちによい案が出そうである。

●町村合併問題。
 西臼杵三町の助役で構成する西臼杵合併研究会の経過及び内容について説明を求めました。
 研究会では、幹事会において情報の収集をしているが、まだ、これという進展はない。
ということです。

-------------------------------

16日(日)本会議の一般質問予定者

1.橋本 進氏
・婦人会育成につとめよ。
・町民の健康づくりについて。
・防災無線の運営について。
・職員の勤務態勢の確立について。
2.甲斐 求氏
・素材の価格低迷に対策を
・再造林に援助を
3.坂本亀十氏
・将来の文化財の保護対策について
・特産品の生産体制の確立について。
4.後藤貴人氏
・保安林指定への検討は。
・山村定住住宅整備事業に町有林の活用はできないか。
5.秋本 治
・情報通信のインフラ整備について。
・町村合併問題と行政評価制度や事務事業評価制度の導入について。
・財政のシュミレーションについて。
・本町の農林業振興策について。
・民俗文化や天然記念物の指定と保存修復について。
・任期中の重点施策及び情報公開条例の制定について。
6.興梠春男氏
・ワイナリー構想について。
7.岡本康定氏
・入札、契約について。
・町有林整備について。
 以上のようなことで明日16日からの議会では、白熱した論戦が繰り広げられそうです。


地 域 情 報
鹿児島でスキーキャンペーン
 17日(月)、五ケ瀬町宿泊業組合と五ケ瀬ハイランドスキー場では、鹿児島市の繁華街「天門館」の近く、ザビエル広場で「五ケ瀬にスキーにいらっしゃいあい!」とキャンペーンを開きます。当日は、

―九州山地から神々のメッセージ―
「五ケ瀬にスキーにおいでよ」
猿田彦は言った
「おいどんもスキーをやっど」

をキャッチフレーズに、お神楽やタイシャ流の棒術を披露する。

もれなく当る抽選会 11:00〜18:00
スキーリフト優待券・リフト割引券・スキーグッズ・宿泊割引券、五ケ瀬の特産品(椎茸・お茶・ヤマメ・鹿肉・etc)空クジなし。

第1部
猿田彦の天文館「宮誉め」
11:00〜11:30
神々が舞う「鞍岡祇園神楽」
11:30〜12:30
餅つき大会(飛び入り歓迎)
13:00〜14:00
丸目蔵人「タイシャ流古武術」
14:00〜14:10

第2部
猿田彦の天文館「宮誉め」
14:30〜15:00
神々が舞う「鞍岡祇園神楽」
15:00〜16:00
餅つき大会(飛び入り歓迎)
16:00〜17:00
丸目蔵人「タイシャ流古武術」
17:00〜17:10
 キャンペーン終了  18:00

----------------------------------
編集後記
 12月は、予算や決算の議会でもないので簡単に終わるかと思っていましたが、これはとても大変な議会になるようです。
 もっと書きたい情報があるのですが、今号は、明日の議会に備えて時間を頂くことにし議会情報を中心にコンパクトにまとめました。
 議会の内容を少しでも理解して頂き、町政に関心を持ってくだされば嬉しいです。
 この私設「かわら版」は14区民の皆様を対象に配布しておりますが14区以外の方にもお送りできますのでご紹介ください。郵送料として年会費千円のご負担をお願いしています。(治)