かわら版 『風』 議会特集増刊号
2001年10月1日号
第1巻 第6号 (通巻6号)  発行者 やまめの里 企画編集 秋本 治 五ケ瀬町鞍岡4615  電話0982-83-2326

議会だより
 筆者にとって初議会となった9月議会は、25日に終了しました。要領の得ないことも多く、反省と同時に不満の残る議会でもありました。今号は、議会特集として他の記事や連載ものは、割愛させていただきます。連載の続きは次号から掲載します。

-------------------------------
9月15日以後の議会活動
------------------------------

9月17日 文教・厚生の政務調査
文教・厚生常任委員会では、学校や僻地診療所などの政務調査を行った。調査先は以下のとおり。
1.教育施設
 坂本小学校は、昭和34年には、349人の児童が在籍していたが、現在は49名で3〜4年では複式授業が行なわれている。
 校舎は、築12年の2階建てで、フラットになった屋上から雨漏りがするため12年度予算3.759千円で防水工事を施工している。他の学校も似たようなケースがあるが、この種の建物は屋上の雨漏りが結構多いようだ。施工業者に屋上の防水技術が乏しいのかも知れない。学校では、屋上の利用が無いので、これから学校を新築する場合には屋根の構造そのものを見なおす必要があるだろう。
 この校舎は、中央部分が大きな吹き抜け空間となっているのが特長で、吹き抜け部分は、全校生徒が交流するいわゆるパブリックスペースとして使われている。吹き抜け部分の屋根は電動で開閉できるので、屋内が開放的で明るく、極めておしゃれでユニークな構造だ。ところが、この屋根から野鳥が侵入してきて糞を撒き散らしたりして困っているという。また、開閉電動施設そのものも錆びついて老朽化しているので今後、この電動施設の更新の際には、屋根のあり方を含めて充分な研究が必要である。また、屋根の漏水は止まったけれど、漏水の影響により、教室の壁や床が腐食してぼろぼろになった部分があり、これも早急に改修しなければ危険である。
 その他、学校施設関係では、三ヶ所中学校の屋根の防水工事、上組保育所のベランダ改修、鞍岡小学校の体育館のモルタル剥離部分等を調査した。
2.病院・僻地診療施設
@僻地診療所
 坂本地区僻地診療所は、昭和36年から開設され毎週木曜日に医師1、看護婦2、事務員1の体制で出張診療が行なわれている。受診者は、平均9.2人で医業収益は952千円である。建物は20坪程で借地の上に建てられているが、老朽化がひどく、今時こんな診療所があるなんて考えられないほどの荒れようである。特に奥の部屋は異臭を放ち床も朽ちており部屋に入ることもすら危険な状態にある。
 清掃委託を兼ねて借地料として72千円が支払われているが、清掃のしようもない様子。近年は、道路の整備がなされたので、町病院まで車で6.7km、10分未満の距離にある。利用者は周辺のごく一部の人のみで、果たして僻地診療といえるのか疑問が生じる。
 この僻地診療所の存在理由は、国の僻地診療所運営費補助金があるということからである。ちなみに平成12年度の僻地診療所運営費補助金は6.951千円で、加えて町負担3.476千円が繰入られている。(注、僻地診療所は坂本地区と土生地区の2箇所で鞍岡は町立病院の付属診療所)
 このことから、今後は、別の場所に新築するか、廃止するかが議論の対象となる。これからは、補助金を当てにした政策より、地元の皆さんと充分に話し合いを持ち、真の医療とは何かを考えなければならないだろう。
 土生の僻地診療所は、八区の公民館を兼用しており、毎週金曜日に出張診療が行なわれている。医業収益は約1.032千円である。ここでは、ある程度診療所らしい手入れが施されていた。町立病院までの距離は、13kmである。
 鞍岡診療所は、建物は老朽化が進んでいるが、元々正式な診療所であったことから僻地診療所と比較すると立派な施設で清掃もとてもしっかり行き届いている。町立病院までの距離は11.5kmである。
 いずれにしても、診療所のあり方は今後真剣に議論しなければならない大きなテーマである。

A町立病院
 町立病院では、本年1月に全身用X線CT装置が31.000千円で導入されたので視察した。X線で全身を数ミリ単位で輪切りにしたようにした像が映し出されるので病巣や病変の確認が正確にできるということである。利用率は高いということである。できれば、人間ドックにもこれを利用するといいのではないかと思った。ただ、事務局の説明では、一人当り一万円ほどかかるということであった。このため現状では、希望者のみで対応ということだろうか。しかし、病巣の早期発見により一命を取りとめるケースが多ければ、人間ドックで応分の負担をしてもその価値は高い。よい機械は積極的に活用すべきだ。

3.その他の教育関係施設
 平成12年度に事業を行なっていない教育関係施設については、政務調査は行なわなかったが、施設の利用料については次の通り。
 自然の恵み資料館入場者は、2.381名で町内利用は1.557名(65%)、入館料は285千円。町民センター使用料763千円、公民館使用料114千円、スポーツ広場使用料512千円、陸上競技場使用料221千円、五ケ瀬ドーム使用料46千円、小中学校体育館使用料188千円である。

----------------------------
9月18日 本会議が開催され一般質問が行われた。
 18日の本会議は一般質問で、6名の議員が登壇して以下の質問をした。
1.橋本進氏
・行政の活力をはかりたい
・特別職報酬等の値下げについて
・経費節減について
2.秋本治
・第4次五ケ瀬町長期総合計画基本構想の基本理念について
・五ケ瀬町の財政状況について
・市町村合併について
・情報公開について
3.坂本亀十氏
・農地利用増進事業の充実について
4.興梠春男氏
・在宅介護について
5.岡本康定氏
・入札・契約について
・公共施設のバリアフリー化について
6.松岡耕一氏
・町長選挙について

---------------------------
町長不出馬表明
 質疑の中で松岡氏の質問に対して町長は、来年5月の町長選挙には出馬しない旨の発言があった。
 この件については、25日の本会議終了後、全員協議会で町長の胸の内を再度説明してもらった。その発言要旨は次の通り。

[町長]
・今回の不出馬の表明は2期目から既に心得ていたことである。
・それぞれの地域でいろんな思いもあろうかなと思う。激励の電話等もあちこちから頂いた。ありがたく受けとめている。
・藤田町長が倒れて50日間の中で起ったことに端を発している。当時議長をしていたので議会の要請と支えがあって決意を固めた。
・条件を出したりして、勘弁してくださいといったが、町長が亡くなって選挙で争うのはよくないという意見があり、藤田町政の継承を掲げて取り組んだ。
・1期目で約半分位達成したと思う。
・2期目の時もつなぎという意味があった。ここで逃げたら中途半端で卑怯といわれると思って取り組んだ。
・今、藤田町政の継承を完成したと思っている。今回は、逃げたつもりではない。
・後継者は、個人的には、今の町政の流れを継承して引き継いでくれる人にバトンタッチしたい。
・ソフト重視の時代、私心を捨てて一生懸命やるなあ、という人を候補者に選んで欲しい。町政を後退させてはならない。
・誰がやっても100%ということにはならないと思うが、人材はいると思う。
・時代は変わってITの時代になった。行動力のある、実績を見せる人がいい。
・今は、肩の荷が降りたようでほっとしている。まだ、5月までは任期があるので存念のないよう務めたい。
・6月の議会でも意志表明は予定していたが、町議の選挙もあって今まで控えていた。

 以上のような言葉で町長は心情を吐露した。これに対してなんとか続投できないかと、慰留する議員もいたが、これ以上はできないという結論となった。
 議長は「議会としては今後、候補探しに積極的にかかわっていきたいので議員は、情報の提供や候補者探しに取り組んで欲しい」と結んだ。

-------------------------------
一般質問と質疑の内容
 一般質問全体の模様を公開できればよいのですが、紙面の都合で筆者の部分のみを公開します。質疑全体の要約は、広報誌「議会だより」に掲載されますのでそちらで確認ください。議会の広報委員が10月の公民館長会で配布できるように夜遅くまで作業をしています。尚、以下の議事録は、議会事務局の録音テープから個人的にテープおこしをしたものです。
-------------------------------
議事録
【議長】
 それでは、2番秋本議員の質問を許します。秋本議員は登壇ください。
【秋本】
 2番、秋本でございます。
 質問に先立ち、去る11日に起きた米国の同時多発テロ事件に関して邦人を含む5千人を超す尊い人命が奪われたことに対しまして、被災者の皆様に深く弔慰を表したいと存じます。
 このような悪質なテロは、今日の平和な自由社会を脅かす最も憎むべき行為であります。二度とこのような事件が発生しないような社会の仕組みを構築しなければならないと思うのであります。
 日本経済も、不況最悪の時期に更にこの事件で株価が暴落し一時は、平均株価が一万円を割ってしまいました。本日、一週間ぶりに開かれたニューヨーク市場も平均株価が九千ドルの大台を割り、世界経済はまさに不況へ向かって突っ走っているように見えます。
 また、米国は既に戦時体制下にあります。報復攻撃の対象となる中東地域の情勢はまさに一触即発の危機をはらんでおり、今後何が起るか予測しがたい危機的情勢となってまいりました。
 こうした世界情勢は、グローバリゼーションの今日、私たちの住む過疎山村の暮らしにまで大きな影響を及ぼしてまいります。このような時こそ、外で何があっても地域が守られるように、生き残れるように、しっかりとした地域政策を立て、真剣に取り組まなければならないと思うのであります。町長はじめ執行部の皆さん方の更なるご努力にご期待を申し上げたいと思うのであります。

 さて、それでは、通告に従い質問させていただきます。

私は、五ケ瀬町の町づくりについて質問したいと存じます。
 先ず、本年3月に策定された第四次・五ケ瀬町長期総合計画基本構想についてであります。この計画は、平成13年度から平成22年度までの10ケ年にわたる五ケ瀬町のまちづくりの基本となるもので、私達の郷土の未来を方向づける重要な計画書でございます。この計画書の中で町づくりの基本理念となるキーワードを「ユニバーサルコミュニティ五ケ瀬」と掲げてございます。この「ユニバーサルコミュニティ」とは「国際的な地域社会」という意味もあるかと存じますが、地域毎に行なわれた説明会でもご説明はありましたが住民の皆さんは、言葉の意味がよくわからないという意見がほとんどであります。
 ユニバーサルは、辞書を引いてみますと「全世界的」とか「宇宙的」「一般的」というふうに訳されております。コミュニティとは「地域社会」を表す言葉であります。ちなみに「ユニバーサルタイム」は世界共通の時間、すなわち「グリニッジ標準時」であり、「ユニバーサルジョイント」はパイプの自在接ぎ手をあらわしています。「ユニバーサルコミュニティ」という会社がありました。これは、世界中の中古パソコンを収集している会社でございます。このように非常に難解なコンセプトのために住民の理解が得られていないと思うわけであります。五ケ瀬町のめざす方向がイメージできない。
 解ったような解らないような横文字は、独自の意味づけができる「便利さ」はありますが、言葉の持つ本来の意味からはニュアンスが異なり、言葉の持つ力が弱くなります。基本理念となるキーワードは、住民の理解の元にめざす方向がイメージでき、持続的にあらゆるヒントを次々と産み出していく力がなければならないと思うのであります。そこで、再度分り易くご説明頂きたい。そして、掲げた理念が理解されない場合はどのように対処されるのか、ご答弁をお願いします。

 また、まちづくりの指針として「地域内循環型市場から広域型市場の形成による地域経済の活性化」とありますが、ウルグァイラウンド以降、日本の農山村はグローバル・スタンダードに組み込まれ疲弊しているのでございます。このため条件不利地域の過疎山村では、環境保全型農林業や多品種少量生産、環境重視型のふるさとづくりなどで地域のアイデンティティを高め、都市と山村の交流を基軸に地域循環経済を創出し、コミュニティビジネス等を振興させなければならないと思うのであります。また、本町における公共事業の投資額は莫大でありますが地域経済は活況を呈していない。これは、地域内で発生する購買力や投資力が広域型市場となって地域外へ流失し、地域循環経済が形成されないことが原因ではないかと思うのでございます。こうしたことを考えますと、「地域内循環型市場から広域型市場の形成による地域経済の活性化」という指針は、矛盾しないだろうかと思うのであります。
 これからのコミュニティは「官依存型の地域社会」から、地域のことは地域自ら選択決定し、地域の主体性と責任に基づく「自立型の地域社会」でなければならない。そうして地域住民が地域循環経済のプランナーにならなければならない。つまり「内発的自立型の地域社会」が求められていると私は思うのであります。このことについて、どのようなお考えであるか伺いたいと存じます。

 次に五ケ瀬町の財政状況についてお尋ねいたします。
 去る8月18日付の宮崎日日新聞に「地方交付税見直し論への県内市町村長の主な意見」と題して各市町村長のアンケートの結果が掲載されていました。それによりますと本町では「多額の地方債残高を抱えているため削減には反対」とする意見が掲載されていました。また、同紙によると財政力指数として税収などの財政収入を需要額で割った数値が98年から2000年までの3か年間の平均値として掲載されておりました。これによりますと五ケ瀬町は、0.113でございます。県内の市の平均は0.509、町村の平均は0.270で、県内の市と町の自治体の中で五ケ瀬町は最下位の数値でございました。
 一方、平成12年度の五ケ瀬町一般会計決算書によりますと、歳出総額4.589.081千円に対して公債費つまり借入金返済は1.051.634千円で公債比率は22.9%でございます。一般に公債比率が18%以上になれば財政は危険信号といわれております。歳出の中で長期債の借入金利息も実に236.835千円にも及んでおります。
 一方、歳入について、平成12年度一般会計決算書では、地方交付税交付金が、2.657.053千円で歳入に占める交付金の比率は、57.6%であります。交付金は、この外にも利子割交付金だとか地方消費税交付金、特別地方消費税交付金などがあり、歳入の6割近い部分を交付金でまかなっていることになります。ところが、こうした交付金は、今後、小泉改革により削減される方向にあります。
 このような情報から判断しますと、本町は他町村に比較して突出した借金づけの財政であり、その利息は毎年2億円を越え、利息支払の為、次々と借金を重ねているという図式が出来上がっているのではないでしょうか。もはや五ケ瀬町の財政は破綻しているのではないかとさえ思うのであります。財政のアカウンタビリティとして、今の財政状態についてどのように認識されているのか伺いたい。
 そして今後「どのような地域社会の創造を目指し、それを支える財政はどうあるべきか、そしてそれをどう実現されるか」、来るべき分権型社会を展望した財政分析と財政再構築のビジョンを示して頂きたい。
 また、事業を行なうために借金を増やした結果、その事業が住民の生命や財産を守り、暮らしを豊かにし、地域産業の振興に寄与することができない部分があるとすれば、また、その効果が投資額に対してあまりにも小さく、その事業により民業を圧迫する部分が生じているとすれば、あきらかにそれは政策に問題があると思うのであります。
 災害危険個所の整備につきましても予算がないので災害が起ってから災害復旧の制度事業に頼らざるを得ないと聞きます。災害が起ってからでは手遅れであります。この際、これまでの事業を個別に検証し、改めて今後の事業計画、財政計画を抜本的に見直すお考えはないかお伺いしたいと思います。

 次に、市町村合併の問題についてお伺いします。この法律は、「市町村の合併の特例に関する法律」として平成17年3月31日を限りとした時限立法でございます。新聞等の情報に拠りますれば、宮崎県は、44市町村の内これを20程度にまとめたいということが公表されており、我が五ケ瀬町は、西臼杵の三町を対象にした合併として提示され、既に三町の助役会では合併推進のための協議会が設置されているという風に聞き及んでおります。このことについて、どのような名称でどのような協議がなされているのか正確な情報を開示して頂きたい。
 また、市町村合併は、地域の自立を問われている問題でもあります。このような時に、一番真剣に考えなければならないことは、五ケ瀬町が将来とも自立できるか否かということであり、五ケ瀬町の自立のためのシナリオが描けるかどうかということを突きつけられているようなものと思います。五ケ瀬町が自立するためには、自立のための指針や行動計画の策定が必要であります。また、合併は、町の個性や地域固有の文化を失うことになります。今こそ、郷土芸能や生活文化、地域の自然遺産等を改めて調査し、文化財に指定する等の作業が必要ではないかと存じます。今、手を打っておかなければならない問題は何があるのか。これらのことにつきましてどのようなお考えでこの問題に対処しようとされているのかをお伺いしたいと存じます。

 最後に、情報公開についてお尋ねします。これからの分権型社会は、「自立と連携」が重要なキーワードといわれております。その「自立と連携」の基本となるものは、住民参加、住民主体による「行政と共働のまちづくり」、共に働くという文字のまちづくりでなければならないと思うのであります。そうして「行政と共働のまちづくり」は情報の共有がなにより大切であります。
 これまで、住民や関係者が知らないところで、住民や関係者の議論もできないまま、いつの間にか重要なことが決定されてしまうというケースが見られました。これでは、自立と連携、住民参加、住民主体による共働のまちづくりはできないと思うのであります。
 今後開かれた町政にするためにはあらゆる情報の公開と議論は欠かせないと思います。こうした意志決定のための情報公開について、今後どのように対処されるのか伺いたいと存じます。
 今や五ケ瀬町の産業は、農林業も商工観光もすべての産業が大変厳しい状況へ追い込まれております。従来型の政策だけではもう間に合わない。明日をどうするかというような極めて喫緊な課題が山積している状況にあります。このような時こそ、あらゆる情報を公開して住民と議論し、住民の理解と英知のもとに難局に立ち向かうことが最も重要であると思うのであります。このことについて町長のお考えを伺いたいと存じます。以上ご質問申し上げましたが、分り易い言葉でご説明をお願いしたいと存じます。

【議長】
秋本議員に注意します。最初の世界人類平和については、全人類の願いでありますが、通告にない発言は控えていただきたい。
それでは、町長答弁を

【町長】
 多くのご提言を頂きましたが、簡潔に要点のみ答弁します。
 第四次の五ヶ瀬町長期総合計画基本構想の基本理念についてということでございます。町の総合計画は、地方自治法で議会の議決を経て定めることとなっております。したがいまして、私どもは二ヵ年かけまして延べ二千人の町民の皆様方と議論を重ねた結果審議会に諮問し、その答申を受けて本年三月議会に提案をいたしました。そして、議会の場で充分にご審議を頂く中で議決された計画書でございます。
 従いまして私どもはこの過程を大変重く受けとめております。お尋ねの基本理念につきましても、充分ご審議を頂いたものでございますから、変える気持ちはございません。もし、ご理解を得られていない町民の方がいらっしゃるようでしたら理解いただくようその努力を続けてまいる所存でございます。また、私どもは、今さまざまな交流をキーワードに町づくりを進めております。そのことが、地域内市場を活性化させるものと確信をいたしております。ですから計画書でも書いているとおり地域内循環型市場形成は当然のこととして新世紀は、交流をベースとした広域型市場形成による地域経済の活性化にも取り組んで参りたい。このように考えております。広域型市場形成であります。これからのコミュニティのあり方についても、いわれるまでもなく地域主体でなければならないということを以前から私どもはことあるごとにお話をしてまいりました。事実今回の計画実施にあたっても各地域ごとに説明会を開催する中で住民主体の実行体制作りに現在取り組んでいる最中でございます。各地域の反応も大変よく意欲的に自主的取組をすすめている地域もすでにでてきていることでも私どもの考え方が理解されている証拠であろうとこのように考えております。

 第二点、五ヶ瀬町の財政状況についてでございます。今の財政状況についてどのように認識されておるかということでありますが、一口で申し上げますと誠に厳しい財政状況であると、この一言につきると思います。財政分析と再構築のビジョンを示せとのことでありますが、今のところ起債償還についても計画的に執行をいたしておりますし、問題点もそれぞれ関係当局からの指摘もありません。したがって再構築という段階までは推移しておらないと、このように私は理解をしております。ご理解いただきたい。尚、これまでの事業の再検証を、抜本的な見直しをというお話でありますが、今のところ見直しについてはまだ考えておりません。

 第三の市町村合併でございますが、郡内の助役会で研究会が立ち上げておりますのはご案内のとおりであります。この件につきくましては、助役をして答弁させます。

 それから、情報公開の件でございます。情報公開につきましては、現在県内で十三市町村で施行されております。情報公開はおっしゃるとおり町民の町政への参画促進、町政に対する理解と信頼を深め、公正で開かれた町政を促進するために必要なことであると、このように考えますので必要な準備が整いしだい議会に情報公開条例の制定について提案したいと考えております。詳しくまだご質問があれば総務課長から答弁をいたしたい。以上でございます。

【助役】
 ただいまの市町村合併についてお答えをいたします。まず、西臼杵三町で設置されました協議会の名称についてでありますが、西臼杵の三町助役会で県の要請を受けてですね。六月十五日に西臼杵合併研究会というのを設置いたしました。この研究会には、幹事会を置くということになっておりまして、幹事会は研究会に提案する事項など必要な事項について協議調整するということになっております。そのメンバーは、総務課長が担当ということになっております。
 この研究会は、あくまでも合併を前提にしたものではないということであります。合併は将来にわたる地域のあり方や住民生活に大きな影響をあたえるものでありますので、あくまでも地域住民の皆さんの自主的主体的な判断のもとで行われるべきであるという風に考えております、
 それでは、どういうことをやるのかということでありますが、今、申し上げましたように幹事会で提案する事項などについて検討された上で、それを受けて調査研究に対する協議を行うということであります。
 それから、五ヶ瀬町が将来とも自立できるか否か、五ヶ瀬町の自立のためのシナリオが描けるか、五ヶ瀬町が自立するためには自立のための指針や行動計画の策定が必要ではないか、また、今こそ郷土芸能や生活文化を改めて調査し文化財に指定する等の作業が必要ではないか、という質問についてでありますが、これにつきましては、ただいま町長の答弁にありましたとおり、現在第四次長期総合計画の基本方針に基づいて実施をいたしておるというところでございます。以上でございます。

【秋本】
議長

【議長】
二番秋本くん

【秋本】
 二番秋本です。再質問をいたします。まず、ユニバーサルコミュニティの理念についてでございまますが、議会でも充分審議を尽して決定した事項であるということでございます。私が、お伺いしましたのは、掲げた理念がどうしても住民に理解できない場合でございます。最大の努力をするというようなご説明でございましたけれども「理解できない場合はどうされるか」と言うことでございます。もう1度、理解されない場合を想定してご答弁をいただければと思います。
 それから、地域内循環型市場から広域型市場をめざすというお考えについて、私はそれに対して今日求められている問題はどうも逆ではないかということをお尋ねしたわけでございます。地域内循環型経済は考えないというふうな受け取り方でもよろしゅうございますか、お尋ねしたいと思います。
 それから、五ヶ瀬町の財政状況についてですが、今のところ何も問題は出ていないというようなご説明だというふうに受け止めておりますが、まったく何も問題はないのだというふうなお考えとして理解してよろしいかどうか再度ご答弁をお願いしたいと存じます。
 それから、市町村合併の問題につきましては、西臼杵合併研究会というもので協議をすすめていると、合併を前提にした会ではないのだというお話でございました。まあ、幹事会として総務課長さん交えて協議されてしらっしゃるということでございますけれども、その協議過程を逐一住民に発表するということは、お出来にならないかどうか、お考えがないかどうかお尋ねしたいと思います。

【議長】
町長、答弁を

【町長】
 あのう、ユニバーサルコミュニティ云々でありますが、充分検討いたしましてね。命名いたしました。で、最初申し上げましたように理解できないと言う方があるようであれば、その方にはですね、また、場を新たにして詳しいご説明をしてご理解いただきたい。私はこの名称もさることながら、やはりこの計画は中身であるというふうに思っておりますから、ま、その段階においてこの字句がどうも理解できないということでございますから、そのへんにつきましては、また時間の問題もありますし、場をあらためて、どうも理解できないということであれば、ご説明申し上げたい。そのように思います。
 また、財政的に問題ないかどうかと最後の確認でありますけれども、全然百パーセント問題がないとは断言はできない。もしかしたらあるかも知れない。もし、問題があるとすれば、議会等のご指摘、あるいは、ご提言をいただきながら、善処するのがわれわれ行政の仕事だというふうに思います。私としては、特に大きな問題はないという風に理解をしておりますが、そのように申し上げました。財政はご案内のとおりであります。自主財源十二パーセント、残りはすべて依存財源でございますから、非常に厳しいことは事実でございますが、それによって、財政力指数によってその町の活力をすぐ測定するということはいかがなものかと私はこのようにも思います。
 それから、宮日の云々とございましたが、もちろん宮日新聞社からのいくつかの選択肢のなかでアンケートがございましたので、ま、正直に申しましてそうした地方債の償還もある、そして、しかも交付税等々削減ということになりますと、返済についてはもちろん計画どおりやっておりますから、しかし、その分、減った分は、住民に対するサービスの低下と、むしろ、それのほうを懸念はいたしておるところでありますが、今、いろいろ論議されておりますから、最終的にどのようになりますか、そのようにご理解を頂きたいとこのように思います。以上です。

【議長】
町長、地域内循環型については。

【町長】
 はい。あれは申し上げましたとおりでございます。

【助役】
 町村合併の関係で、研究会の方で審議されたものを逐一住民の方に公表はできないかということでありますが、まだ、あのう、これについてはですね、今からいろんな情報を収集し、それからどのように協議を進めていくかというのは今から、立ち上げたばかりであります。今からきまるわけであります。それとあまり早い段階でですね、充分煮詰めないうちに公表いたしますと、かえって住民の方々に誤解とかいろんなことを与える可能性もありますのでそのへんについては、充分煮詰めた上で検討していきたいと思います。

【秋本】
 議長、二番秋本です。再々質問になりましたが、財政状況について、ほとんど問題はないというような町長さんのお答えでございました。ま、私どもから見ますと住民の立場から見ますと宮日新聞に発表されている数値をみますと、とにかく県内で(財政力が)最低なんですね。最低なんですよ。最低であって問題がないという意識はですね。ほとんどないという意識は、いかがなものだろうかというふうに存じているところです。そして、その事業によって、投資効果が非常に小さいであるとか、民業を圧迫している部分があるんじゃないかとかいうようなこともお尋ねしたんですが、そういったものはまったく無いという風なお考えであるというふうに理解してよろしゅうございますでしょうか。

【議長】
 答弁を求めますか。はい。では一回だけお願いします。

【町長】
 えー、問題ないかということでありますから、いや問題ない問題ないといってもこりゃもう水掛け論になりますが、最低の数字だけでですね、五ヶ瀬町がいかにも、いかにも住民サービスを怠っておるというふうにとられてはどうかなと私は思いますし、尚、またあの表現の中においても破綻しているんじゃないかとおっしゃいます。私は、ま、破綻しているという言葉をこういう公の場で公け人が質疑口論するのはいかがな、いかがなというより大変寂しいじくじたる思いでございますが、めったにあのう破綻という言葉を使いませんので字引を広辞苑を引いてみましたら「やぶれほころびること」ということでございます。
 ま、議員は、町政がやぶれほころびておるという風にご理解かなと思いますけれど、私は、決してそういうことではないと、限られた財源の中で精一ぱい議会のみなさん方とご相談を申し上げ、あるいは、議決を申し上げ、そして住民のニーズにできる限り合うように今までやってきたと、そして、かなりの投資をしておりますから、もちろん、起債額も大きくなっております。ま、しかしながら、これは今から来るであろう自立と、あるいは、自主的なその政治の中でやっぱりそうしたハードな面は、やっぱり受け皿として作るべきだという基本的な考えのもとに進めてまいりました。
 私はこの、破綻とかなんとかいうことはですね、私は、これがもし個人もしくは個人企業であれば、それを予想した発言をするとするならば、その人にとっては大きな、私は、なんと申しますか、名誉毀損であるし、あるいは、それによって大きな影響が出たとするならば、私は、損害賠償等の問題も出てくるんじゃないかと、そのように思います。ま、個人ではありませんから、私はそうは思いませんけれども、私はそのように思っておりますし、政策等にも問題があるというふうな言い方かなと思いますけれども、確かにそう、いろいろ百パーセントありませんが、もし、よかったら、よかったらですよ、私は、その政策にどこが、どこが一番問題があるかと、ま、この場でお聞かせを願いたいし、あるいは、また、その中でひとつ大変気になるのは、こういうことがいわれております。たとえば、住民や関係者が知らないところで、いつのまにか、いつのまにか、決定されてしまうケースがあるといわれますけれども、私は、少なくとも、すべての大きな事業、あるいは、それぞれの執行する中において、一人の独善的なあるいは、相談なしにも執行した覚えは毛頭ございませんので、どのへんかな、私も、実は思うわけでございます。議長よかったら、ご説明を頂きたいと思いますがよろしゅうございますか。

【議長】
 その破綻ということとそのうー。

【町長】
 ええ、わからんところで、そのものごとが決まるということですね。これは私としても大変あのう厳しい話だなあというふうに思いますから、以上お聞かせを願いたい。

【議長】
 その一点ですか。その最後の一点。破綻をしているということの一点と知らないところで決まっているという。

【町長】
 そうそうそう。

【議長】
 非常に大事なところでありますので、あのう、通告の中にももちろんそういうあのう明記されておりますので、町長の発言に対して許したいと思いますので、秋本議員の発言を許しますのでよろしくお願いします。

【秋本】
 議長、二番秋本でございます。発言を許していただきましてまことにありがとうございます。
 知らないところで決まったケースについてというようなことでございますので一例を申し上げたいと思います。
 私ども町内の特産品を製造販売している組織の特産品振興会がございます。特産品を開発振興していこうというようなことでそういう会もできましたし、特産品の販売所もできたわけでございます。当初のころは、確か七千万以上の売り上げもありまして、かなり利益計上していたと記憶しております。で、非常に経営が厳しいという情報は、私どもにもほとんどなかったわけでございます。今まさに自立といわれているということは、やはり、そういう(特産品の)業者でもってなんとかこれを立て直していこうと、あらゆる知恵を駆使して、そういう問題点が提示されればですね。そして、みんなで一生懸命特産品を開発してやっていこうということが、まさに求められている自立でありますし、どこに問題があるかというのをみんなで議論しあいながら英知を出し合っていくというのが非常に大事だと思うわけでございます。
 しかしながら、特産センターが五ヶ瀬ハイランドの方の経営に移ったということは、私どもは、相当時間が過ぎてからわかりました。ほとんど関係者の議論もないままでございます。できれば、もう少し、私ども(関係者)にも情報を出して頂いて、真摯に議論して、これを自立させるためにどうするか、そういうことが、特産品を扱う業者、あるいは業界の大事な部分ではないかと思います。そういう例もございましたので申し上げたところでございます。
 それから、破綻というのはですね。役所としては言ったらいけない部分とおっしゃいましたが、住民サイドとしますと行き詰ったことを破綻といいまして、これは行き詰まるのではないのかと、公債費も払えんようになるんじゃないのかと、まさにそういう懸念もあるんじゃないだろうかというような気持ちをお話しておるわけでございます。そういう一般町民の、住民の、気持ちをそのままぶっつけてみて、そこでお考えをお聞きした、ということでございます。ひとつご了解くださいますようお願いします。

【議長】
 町長いいですか。
(議員へ向かって)答弁がいれば。

【秋本】
 もう、結構です。

【議長】
 それでは、これで秋本議員の質問を終了しました。
------------------------------

 いやあ、長いやりとりを読んで頂きありがとうございました。
はじめての一般質問で冷や汗ものでした。
議会では、
・質問は、地元の陳情に終始したり、首長へのお願いやお礼言上は厳に慎むべきである。
・担当課へ聞けばわかるようなものではなく、政策論争でなければならない。
・大所高所に立って格調高いものでなければならない。
などといわれ、議員必携にも書いてありますので、つい格調高くと、テロ事件について今の心境を前段でぶってしまいました。
 不思議と議場に登壇すると、その場は、県や国、そして世界の議場に繋がっているという意識が出てくるのです。そこで、つい一席ぶったしだいです。これは注意され勇み足でございました。
 まあ、少しはこのように茶々を入れるのも悪くはないと思うのですが、どうでしょうかねえ。そして、こんな時に冷やかしの野次でも出れば最高の雰囲気ですがねえ。
 ところで、不満がいくつも残りました。その一つは、前回の総括質疑では、3回以上の質問はだめということで町長から注意されて打ち切られました。ところが、今回は、3回以上の質問はできないと諦めていましたら町長から4回目を逆に求められました。まあ、筆者にとっては堂々と4回目の質問ができてラッキーでしたが、ルールも勝手なものですね。
 また、1テーマづつ順に質問ができないというのは辛いです。特にいくつもの質問をした場合、突っ込んでいけなくなります。7日に質問内容を通告した時点では、決算書すら手元に届いていない状態でしたから決算書を見て質問したい項目がでてもそれはかないませんし、的を絞り込むのが困難でした。
 質問で一番期待していたことは、まちづくりの基本理念で、ユニバーサルコミュニティについて町長がとうとうと持論を述べて欲しかったのですが、残念ながら聞けませんでした。

 正直に書きますが、14区で長期計画の説明会があった夜、官業の民業圧迫についてコンサルタント氏と議論していました。Gパークのスポーツ合宿施設として建設する宿泊施設は、スキー客を受け入れる考えはありませんと旅館組合に説明して建設した施設が、スキー客や霧立越の客を積極的に営業して収容すると官業の民業圧迫になるのではないかとの考え方に対して、スポーツ合宿の第3セク施設は、一人もスキー客は泊めていないと発言がありました。
 これを聞いた人からは「それはうそだ。証拠がある」と、その場はしらけてしまいました。まあ、筆者は、千人近い受け入れがあることは知っていましたが、それにしてもコンサルタント氏がうそをついて住民を扇動するとはあきれたものです。こんなことはあまり書きたくないのですが、これも情報の公開ということで関係者にはご理解を願いたいものです。
それにしても、町長と政策論争を楽しみに議場に出たのですが、町長の引退表明には驚きました。これからは、政策提言を中心に発言しなければなりません。
------------------------------

9月21日 政務調査が行なわれた。
 この日の政務調査は、議会全体で行なわれたもので、五ケ瀬ハイランドスキー場、林道荻原・波帰線、ふるさと農道橋梁工事現場、ぶどう植栽地、町有林岩屋の越でした。

1.五ケ瀬ハイランドスキー場
 平成12年度スキー場の事業は、発電機設置工事27.709千円(葛サ電社)放送設備改修工事3.202千円(九州松下システム梶j、周辺生コン工事2.350千円(秋本産業(有))汚水管補修工事819千円(九電工)、第1リフト油圧緊張装置交換3.990千円(日本ケーブル梶j、受電装置修理1.747千円(三菱電機プラントエンジニアリング梶j、給水改良工事553千円(叶エ水工業)合計40.370千円のメンテナンス工事が行なわれた。

2.荻原・波帰線(波帰側)
 荻原・波帰線は、波帰集落から荻原に通じる幅員4m長さ26kmの広域基幹林道。平成2年より着工され、未開設区間は、4.086m。予算獲得がしだいに厳しくなり、しかも残された工区は、難工事部分であるという。全面開通に向けてさらに頑張らなければならない。
 平成12年度は、339.4mを石川建設鰍ェ施工。事業費100.000千円(国50.000千円、県50.000千円)。
 平成13年度は、340.0m(橋梁区間26.4m)を石川建設鰍ェ施工。事業費72.000千円(国36.000千円、県36.000千円)。工期平成14年2月19日となっている。

3.県営ふるさと農道「夕日の里大橋」橋梁工事
 この工事は、五ケ瀬の特産センターから桑野内地区を結ぶ農道で、五ケ瀬川を跨ぐ大規模な橋梁工事。橋長240m、2車線で片側に遊歩道を持つ幅員10mの橋。完成すると河床からの高さは95mになる。
 橋脚工事は852.600千円で矢野特定建設工事共同企業体。8月末の工事進捗率は87%。河床の工事現場に行くとまるで高層ビルの工事現場のように見える。平成16年度完成予定。この道路が完成した暁には、桑野内地区への人の流れが一変するであろう。

4.ぶどう植栽地
 桑野内地区の後藤稲生氏のぶどう植栽地を訪ねた。この事業は「21世紀に向けたフルートランド定着化事業」で1.695uの畑にセイベル種を220本植栽。事業費は、2.860千円で、補助率は県3/1、町3/1、事業主体3/1ということである。技術指導は、雲海酒造において行なわれている。
 平成13年度の出荷予想量は、
ナイアガラ
宮崎一夫氏1.048
黒木 緑氏 446
興梠 巌氏 402
宮本勇精氏  91
合計   1.987
ツバイ
渡辺 孝氏 893
セイベル
甲斐幸吉氏  140
矢野友作氏   40
藤岡富生氏   20
合計     200
ブラックオリンピア
宮崎一夫氏 2.400
興梠浩幸氏 1.300
興梠 巌氏 1.200
真柴 陽氏 1.700
渡辺 孝氏 2.000
飯干康生氏 1.500
宮本勇精氏 1.000
合計    13.600

 生産されたぶどうは、すべてワイン原料として出荷され、現在は、全量雲海酒造が500円で買い入れている。(尚、出荷予想量は、政務調査で渡された資料より転記したものです。補助事業のため情報公開しました。関係者のご理解をお願いします。)

5.町有林岩屋の越
 岩屋の越の町有林は、升形山登山道沿いに広がる林地で、平成12年度民間から無償提供された山林である。面積は、90.667u。植栽されていた樹木が伐採された跡地の裸地状態で一部広葉樹林が残っている。地味は痩せ地で今後どのような林地の活用を行なうかが課題である。

-------------------------------
9月25日 本会議開催
 本日の本会議は9月決算議会の最終日である。前号で掲載した議案に「五ケ瀬町教育委員会委員の任命同意について」と、報告事項を追加して上程された。
 開会に先立ち、議会運営委員会は、議運会議を開き、本会議の進行等について協議、続いて全員協議会を開いて議運委員長から本会議の進行について説明があった。
 会議は、それぞれの常任委員長がそれぞれの委員会で付託を受けた事項について調査した結果を報告する。質疑は委員長に対して行なう。その後議案毎に起立採決すると説明がある。
 各委員長は、本会議報告の概略を説明、各委員長とも決算書通り認めたいと報告した。
 全員協議会も終わり、いよいよ最終採決の議会が始まるのだ。「だが待てよ。そういえば五ケ瀬ハイランドの決算について議会開会中に詳細資料を報告すると8月1日の全員協議会で説明があったはずだが本日の日程には入っていないなあ」と思った。決算概況を報道関係に8月2日に発表するため事前に簡単な資料だけ渡されていたのである。
 そこで、議運委員長にその資料を見せて質問した。すると「そうだ、忘れていた」として再度議運が開催された。このため本会議の開会が大幅に遅れることになった。五ケ瀬ハイランド決算の件は、急きょ改めて議案日程に追加されたが、その後再び開かれた全員協議会で「これは報告事項のため質問はできません」との説明があった。どうも議員諸氏は、五ケ瀬ハイランドの内容については関心がないか、または、腫れ物にさわるような感がある。本会議で「まだ発表がない」と質問したら、会議が中断されるところであった。

 午後1時50分、本会議が開催された。日程第1から第6までの決算について総務委員長、農林建設委員長、文教・厚生委員長がそれぞれ登壇して報告を行なう。質問者なし。続いて各議案ごとに起立採決により一つ一つ議決された。
 次の日程第7と第8は条例改正である。これも質問者がなく起立採決により一つ一つ議決された。

 次は、補正予算の審議である。松岡議員が質問した。1.ふるさと再生運動促進事業として4.400千円について、2.農地費の工事請負29.050千円について、3.林業振興費の内県単有害鳥獣被害防止対策事業の630千円についてである
 1.ふるさと再生事業は、長期計画のソフト事業。2.農地費の工事請負は、農業用水路、飲用水等で事業地域と明細の説明。3.有害鳥獣については電柵補助。と説明がある。
 再質問した松岡氏は、駆除対策費は、もっと積極的に有害鳥獣の捕獲のため猟友会にも援助すべきではないか検討して欲しいと要望した。賛成である。

 続いて筆者が質問した。
 「13年度の補正予算で町債8.300千円が計上されている。これの利息の支払先はどこで、起債はどのような仕組みになっているのか。12年度の決算書では、支払利息が二億三千六百万に上がっている。起債残高60億台から計算すると、平均利息が3〜4%台となる。
 今日のプライムレートから判断すると支払利息が異常に高いのではないか。借り替える等の努力は行なわれているのか。仮に1%押さえることができれば6.000千円台の財源が確保できる。」という趣旨のやり取りをした。
 決算についての質問ではないかと言われないように慎重な言い回しをした。しかし、これも3回の再質問で打ち切られた。答弁が実にうまいのである。質問の一部を切りとって答弁または、質問の内容を尋ねられるのでそれに答えていればすぐ3回のオーバータイムになってしまうのである。もっと勉強しなければ。

 続いて、教育委員会委員の任命同意について提案があり、三ヶ所4863番の西川幸徳氏(昭和22年11月3日生)と桑野内3968番の後藤福光氏(昭和23年11月12日生)のお二人を全会一致で同意した。

 最後に追加日程第3の報告事項として五ケ瀬ハイランドの決算書が朗読され、閉会した。初めて貸借対照表と損益計算書のある正式な決算書を見た。しかし、これはスキー場も宿泊施設も特産品販売所もキャンプ場も合算した決算書のため部門毎に損益がどうなっているのか伺い知ることができない。
 今後は、是非部門毎の決算書を公表してもらいたいものである。町有財産を使用して経営される事業体であるので情報公開と住民参加が不可欠と思う。
-------------------------------
議会を終わって
 それにしても、議会とは複雑である。もっとわが町についてフランクに議論しあってもいいのにと思う。
 常任委員会制度は、見えない部分が多くなる。付託を受けた委員会で調査を行ない、問題ありませんと報告されると、報告に基づいて賛成となり、所属する委員会以外の案件については理解できないまま賛成することになる。
 今回も掌握できないまま賛成した案件も多く、有権者の皆さんには申し訳ないと思っている。
 また、採決の前には、賛成・反対の討論を行って採決するとあるが、本町では慣例により省略されている。反対意見がなくても賛成討論だけでもいいのではないだろうか。議案に対しての賛成は、同じ賛成でも中身はそれぞれ違う場合もある。中身を討論することにより理解が深まると思う。

-------------------------------
編集後記
 いやあ、今号は、必死になって書きまくりました。「議会に風を!開かれた町政をめざして」を実践するために。
 今回から「かわら版」は議長や、各委員長にも送付することにしました。議会から内容に対して注文がつけられるかも知れませんが、議事公開の原則です。有権者の皆様が、議会の内容を少しでも理解して頂き、町政に関心を持ってくだされば嬉しいです。

 この私設「かわら版」は14区民の皆様を対象に配布しておりますが14区以外の方にもお送りできますのでご紹介ください。郵送料として年会費千円のご負担をお願いしています。(治)